中華料理

February 29, 2016

陸羽茶室@香港中環

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 香港滞在最終日の朝食は、香港島に渡って「陸羽茶室」で。
 この店、歴史ある、飲茶の有名店である。
 80年におよぶ歴史を持ち、その一階は特に重厚な造りであり、たいへん趣があるのであるが、基本的には常連さん専用のスペースとなっている。
 まあ、出て来る料理は1階でも2階でも3階でも一緒なので、料理そのものはどこでも楽しめるのだが、この一階の一種浮世離れした雰囲気で食べる飲茶は、やはり是非にとも経験したいものである。

 我々は幸運なことに、この店に40年間ほぼ毎日通っているという超常連氏が予約を取ってくれたおかげで、この店の一階、しかも個室を使うことができた。
 ここでの幹事氏は現地在住の香港の方であり、その人にまかせれば、その季節の旬が外れなく次々と出て来る。
 その点心をほおばりながら、現地の人と楽しく歓談し、「飲茶」の楽しみを存分にあじわえた。

 ところで、今回は少し変更点があった。
 飲茶とは、とうぜんお茶を楽しみながらの食事なのであるが、今回のツアー初参加の一女性がうわばみであり、こんな美味しい点心は酒なしでは勿体ない、と主張し、結局朝から紹興酒をがんがんと飲むことになった。
 みんな、こういう飲茶店に紹興酒とか用意されているのかなあと思っていたのだが、試しに注文するとちゃんとありました。

 というわけで、朝から酒を飲みながらの飲茶という、少々反則的な宴となったのであった。

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February 28, 2016

広東料理: 龍景軒@香港中韓

 香港文化センターでのオペラ鑑賞が終わったのちは、船で香港島に渡り、そしてフォーシーズンホテルの広東料理の名店「龍景軒」へ。
 この店は我々の香港ツアーの、メインの定番店となっている。龍景軒は、一度でもその料理を経験すると、普通に考えて世界中の中華料理の最高峰の店と思われるゆえ、香港を訪ねたときには外せないのだ。
 ただしそういう考えを持っている人は大変多いので、龍景軒は予約を取るのも困難な店になっている。ところが、我々には強い味方がいて、現地滞在のとある人が、龍景軒の料理にほれ込み、毎日のように通っている常連さんとなったので、その人を通せば予約は取りやすくなっており、今回はその常連氏経由で、予約がGetできた。

 その常連氏が、通いつめていて、気に入った料理をリストアップし、そのリストを造って我々に送ってくれた。それに従って、龍景軒のディナーが始まる。

【突出し】
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 突出し、といっていいのかどうかは知らないけど、とにかく最初に出て来る料理。
 イカのフリットであり、そのへんの居酒屋でも出て来るような一品であるが、揚げたてであり、適度な香辛料が加えられ、ホコホコほかほかの食感と食味がたまらない。
 これを一口、口に入れただけで、「ああ、この店は素晴らしい」と分かる、そういうスタート料理である。

 そして、これからの料理は、常連氏のお勧めに従っての料理。

【潮蓮静焼鵝】
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 出て来たときは、北京ダック? と思ったが、これは鵞鳥を焼いたもの。
 皮はパリパリ、中の身はほっこりジューシーであり、素材の良さと、焼きの技術が一体化して、素晴らしい料理となっている。
 「素材と技術」。このどれもが傑出しているのが、龍景軒の料理である。

【沙薑浸乳鴿】
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 いわゆるジビエ料理になるのであろうか?
 鳩を柔らかく煮て、特徴あるソースを和えた料理は、鳩の個性がよく出ている。
 鳩って、ふだん食べる食材ではないのだが、食べれば独特の香りと食味があり、これはもっともっと知られてよい食材だと思う。

【上湯】
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 このスープは常連氏が先に連絡していないと出てこない特別料理。
 この店の鍋系統の料理のベースとなるスープが、ただそのまま出された。
 で、これを食すと、なるほど、足し算の美学が現れて来る。
 京都とかの鋭い出汁に比べ、このスープはとにかく香りも味も豊潤である。
 だから上湯を使った料理は、このスープに負けぬ、強い味と香りの具財がこれに合わされていくわけだ。

【皇湯鶏絲羹】
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 こういう椀物料理が、じつは一番店の実力が分かる。
 濃厚にして、豊かな味のスープに、鶏肉、キクラゲ、野菜、茸があわさり、賑やかなハーモニーを奏でる、豪華にして洗練された料理。
 香港に来て良かったなあ、と嬉しくなります。

【黒松露蟹肉春巻】
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 中華料理は、料理の名前を見ても、どういう料理かよく分かりにくいのであうが、この料理は簡明。蟹肉と黒トリュフの春巻きである。
 蟹肉はぎっしりと詰め込まれており、蟹の香りが豊か。それにアクセントを加えるように、ひっそりと黒トリュフが香りを添え、なんとも贅沢な香りの料理となっている。

【有機黑蒜爆大千蝦球】
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 海老と無臭ニンニクの豆鼓炒め。いわゆる海老チリである。
 見た目は雑多だが、それぞれの素材がうまく引き立っており、なにを、どこを食べても美味しい。

【鮑汁一品魚肚煲】
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 先の「上湯のみスープ」で、この店の出汁の実力は分かったが、さらにそれに足し算を加えて、スープをもっと豊かにしたのがこの料理。
 魚の浮き袋に、鮑、海老、帆立まで加えているのだから、どれほど美味くなるのが、書いただけでも、見ただけでも分かる料理。で、食えばノックアウト。
 今回のコースの、これが最高峰。たぶん。

【秘製扣迷你元蹄】
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 豚の膝の煮込み。
 元の豚の味がよく分からぬまでに、濃厚なスープで煮られ、とろとろになっており、それを食せば官能的な食感が得られます。
 その味、見た目はこってり系統だけど、じつは洗練された味わいの料理。

【銀芽炒素菜】
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 いわゆる野菜炒め、というかモヤシ炒め。
 それぞれの素材に独自の火入れが為され、どれも食感が異なり、食べていてとても楽しい野菜料理。

【デザート】
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 デザートは、この店の代表作の「マンゴー サゴクリーム」は外せません。


 それやこれやで、龍景軒の旬の名料理をたらふく食べたディナー。
 もう大満足。
 この店に来るためだけでも、香港を訪れる価値はある。
 ミシュラン三つ星の定義がぴったり当てはまる名店である。

 じつは今回は、常連氏とまた会えることを期待していのであるが、よんどころない事情で常連氏は来れなくなり、それが残念であった。
 この店の予約をしていただき、そしてこのような素晴らしいコースを用意していただいたことを、あらためて心より感謝。
 来年は是非とも、龍景軒で。

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飲茶:龍皇酒家@銅鑼湾

 香港滞在2日目のランチは銅羅湾の「龍皇酒家」にて。
 ここは我々のツアーの定番の店であり、香港に来たら必ず寄る店である。
 料理の特徴は、とにかく種類が多くて、そしてそのいずれもが高水準の美味さであることだ。さらには、素材、技術の高さに比べ、値段もリーゾナブルであり、最後の会計のときに、「え、この値段でいいの?」と誰もが思ってしまう、すばらしいCPの良さもまた魅力である。

 この店では、最初にメニューの伝票があり、それにチェックして、それから料理が運ばれてくる形式。どれもこれも美味しそうな料理であるが、なにしろ種類が多く、そして満腹になる量が限られている以上、無制限には味わえないのが残念。

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 ずらずらと料理の写真を並べたけど、とにかくどの料理も美味しい。

 そして、この店は地元民がもっぱら使う店であり、今回訪れた他の三つ星レストランとは雰囲気がまったく異なっており、「美味いものを楽しく食おう」という意気込みの人ばかりが集う店であって、それゆえ、美味いものを食うぞ~との活気が店全体に満ちていて、たいへん心地よい。
 まあ、だから人気も高く、予約を取るのが大変な店になっているのが少々困ったものなのであるが。

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February 27, 2016

広東料理: 唐閣@尖沙咀

 香港第一日。空港に着いてからairport expressで九龍に行って、シャトルバスを使って尖沙咀のホテルのチェックインを済ませると、それで五時半。ほとんど時間の余裕のないままランガムホテルに急いで行き、午後6時から始まる「唐閣」のディナーになんとか間に合った。

 今回は初日がタイトな日程であり、いつもなら参加者の数をいかして、アラカルトを頼みまくるスタイルが使えず、「唐閣」ではあらかじめ予約しておいたコースメニューである。


 品味唐閣精選客餐 T’ANG COURT TASTING MENU

【釀焗鮮蟹蓋】 
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 ―蟹の甲羅に蟹の身と玉葱を乗せてコロッケ風に揚げたものー

 最初の一品。
 見た目は全然中華料理っぽくなく、雰囲気は洋食であったが、食べてみてもやっぱり中華料理っぽくない。たぶんこの店の個性を最初から出す演出と思われる。
 料理は単純明快に、蟹の甲羅に、蟹の身と玉葱をぎっしりと詰めて揚げたものであるが、とにかく蟹の香りと旨みが濃厚。

【花膠竹笙燉菜膽】 
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 ―魚の浮袋と衣笠茸と白采のスープ ―

 次の品は、最初のものとは全く違って、中華料理の精髄のようなもの。
 まずは上湯の出汁が、じつに繊細であり、この諸食材の良いところのみを抽出した、澄みきった味が素晴らしい。
 京料理の出汁も素晴らしいけど、それとはまったく違う、でも根本のところは似通った、とにかく食べていて陶然となる逸品。

【金華瑤柱上湯雞】 
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 ―蒸した鶏身に、鶏と金華ハムと干貝のスープをかけたものー

 先の料理に引き続き、これも中華料理の精髄。
 材料の鶏がまずとんでもなく美味いのに加え、金華ハムと干貝、鶏のスープがまた美味く、美味いものに美味いものを重ねて行く、足し算の美学が、食べていて箸を止めさせない。
 みな、無言でひたすら食い進めるのみ。

【砵酒焗美國蠔】 
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 ―牡蠣のポートワイン焼きー

 唐閣では、これは絶対に食わねばならないとのお勧め品だそうだ。
 濃厚な牡蠣の味に更に濃厚な味付けを加え、食感は粘調であり、いわゆる「濃い」料理。これは紹興酒に合うであろう。まあ、我々は赤ワインで食ったが、それもけっこう合った。

【蠔皇鮑甫撈麵】 
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 ―あわびの蒸し焼きそばー

 鮑の豊かな香りが漂う、鮑が主人公の料理。
 無理に麺料理にしなくてもよいような気はするのだが、〆の炭水化物モノとしてはこうなるのか。

【鮮果配甜點】 
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 ―果物と中国菓子―

 見た目美しく、食べても美味しいデザート。


 世界でも数少ない中華料理の三つ星店、その実力をじゅうぶんに楽しめたディナーであった。
 そして、さらに唐閣の調理力にも感心した。
 今回は我々は参加者総勢18人。6時スタートで、そして8時から近くのコンサートホールで演奏会に行かねばならない。それゆえ時間に追われた食事会であったのだが、最初のペースがゆったりしていたため、幹事氏が「時間がないので、7時半までに終わらせてほしい」と言うと、それからスピードアップし、料理が次々に出て、このコースが1時間で終わることが出来た。
 出来あいのものを出すような店では当然ないので、厨房がフル稼働して、18人分の料理を、焼いて、蒸して、揚げていたのであろうけど、我々の過酷な注文を見事に成し遂げてくれたことに、とても感謝。

 まあ、むこうのほうには、「せっかくの三つ星レストランのディナーなのに、疾風のように現れて疾風のように去って行く、日本人とはずいぶんとせっかちな風情のない人達だ」とか思わせてしまったとは思われるけど、今回は、コンサートの日程の都合上ということでご勘弁を。

 料理はとても良かったので、次の機会があれば、今度はじっくりと余裕をもって食したいものだ。

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 唐閣 → メニュー表


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January 02, 2016

小龍包@京鼎楼(台北市)

 台北の名物料理といえば、小龍包。
 そしてその店といえば、世界的に有名な「鼎泰豐」である。
 ここは台北を訪れたなら必ず訪れるべしと言われている店であり、それではと行って見たら、大行列であった。並んでまでは食う気もせず、ガラス越しに、多くの職人がせっせと小龍包をつくっている姿を眺めたのち、次の候補店である「京鼎楼」へと行った。

 この店は鼎泰豐で長年修業してきた人が独立して建てた店で、鼎泰豐に独自のアレンジを加えているそうである。
 人気店であるけど、鼎泰豐ほどは混んでなく、昼食時にあっさりと席を取ることができた。

【小龍包】
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 コラーゲンたっぷりの肉汁もよいが、外の皮もまたおいしい。

【海老焼売】
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 海老シューマイも追加。こちらはより皮が厚く、皮の味がよく分かる。中身はたっぷたっぷとしたスープ。

 これらをツマミに台湾ビールを飲みながら、優雅な昼を過ごすのであった。

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January 01, 2016

広東料理@桃花林(台北市)

 平成28年1月1日、年明け、台北市郊外を散策してホテルに戻っての夕食はホテル内の「桃花林」にて。
 広東料理の有名店「桃花林」はそれこそ日本でもヤマほどあるわけだが、本場で食えば、それとは違った傾向の地元民施行の広東料理が経験できると予想。

【桃花林乳豬拼盤】
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 桃花林 特製焼き豚の盛り合わせ。
 非常に手を加えた前菜の盛り合わせ。
 北京ダックは皮だけでなく、肉もあわせて。皮をパリパリに焼いた脆皮焼肉。鴨は煮込みと燻製で。それにクラゲ。

【濃湯花膠燴魚翅】
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 フカヒレスープと魚の浮き袋土鍋煮。
 広東料理のスープの定番。安定の堂々たる料理。広東料理の特徴だけど、出汁が繊細で、魚の浮き袋の味がよく出ている。

【雪花鮮奶炒龍蝦】
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 伊勢海老とのミルク卵白炒め。
 伊勢海老の食感の強さに、ふわふわで塩味の利いた卵白がじつによい取り合わせ。

【蔥燒關東遼參扣鮑魚】
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 ナマコと鮑葱の蒸し煮。
 「天香楼」よりもソースは淡め。手間暇かかった料理である。

【剁椒蒸龍虎斑】
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 ハタの唐辛子蒸し。
 広東料理の定番の、スパイシーな蒸し魚料理。
 素材の魚が良いのに加え、調理もよく、たいへん美味しい。

【香草黑椒羊排】
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 ラムのハー ブと蜂蜜ソースソテー。
 ラムをこってりと調理。

【烏魚子海鮮炒飯】
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 からすみと海鮮のチャーハン。
 台湾名物の唐墨をふんだんに使っての炒飯。

【高麗紅蓮雪蛤】
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 ハスモ、高麗人参、棗、蓮の実のスープ。
 ふわふわ浮いている蛙の脂が、とてもいい食感。

【季節鮮水果】
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 季節の果物。


 全体としてとても完成度の高い料理であった。素材も調理もとてもよし。
 ただし4日間食べ歩き、どこも「フカヒレ」「鮑・海鼠の乾貨」「魚蒸し」といった料理がメイン級で出たので、それらに関しては少々食傷気味で、今回もそれが出たので、もうけっこうという気にもなった。
 中華料理で、ある程度値の張るコース料理を頼むと、フカヒレ、乾貨料理、魚蒸しといった中華の主役級料理はどうしても出さざるを得ないようである。
 中華料理はありとあらゆる素材を使うのが特徴な料理なので、それらがかぶってしまうことが多かったのは、今回の戦略のミスであった。

 近頃毎年行っている香港食ツアーでは、幹事氏は人数を8人以上に集めて、アラカルトの皿を多くとり、少量ずつ多数の種類をどっさり食べるというふうにしているけど、それが中華料理の正しい食べ方だと納得した。

 来月、また香港食ツアーである。

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December 31, 2015

杭州料理@天香楼(台北市)

 平成27年の大晦日の夕食は、杭州料理の店「天香楼」にて。
 杭州料理は大陸の浙江省で発達した料理であり、河川や湖水で獲れる海産物を使ったものが特に有名であるとのこと。
 コース料理はいろいろと種類があったが、杭州料理メインのものを選んだ。

【杭州龍井鮮蝦仁】
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 川海老を茶葉とともに炒めたもの。
 川海老というわりには海のものなみに肉厚である。新鮮そのもの素材であり、身はぷりぷり。ほのかな茶葉の甘さと香りがより旨みを増している。

【宋嫂鮮魚羹】
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 杭州風白身魚と魚団子入りとろみスープ。
 スープは魚介系の出汁の滋味深いもの。浮かんでいる白い魚団子はメレンゲ状のふわふわした食感。そして、小さな豆がとても歯ごたえと味がよく、全体としてとても賑やかな料理である。

【米剌參煨鮑魚】
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 鮑と海鼠のソース煮。
 ごろんと転がった干し海鼠は、少々グロテスク。
 中身はコラーゲンたっぷり。そればっかりだと飽きるので、鮑と、それにシャキシャキの中国野菜を交互に食べ、歯ごたえのアクセントを楽しむ。

【薺菜玉扇筍】
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 なずなとタケノコの煮込み。
 日本の筍とは微妙に異なる、甘さの勝った味。
 なずなは、海草のアオサのような味と香りである。

【西湖醋溜河鮮】 
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 西湖風蒸し草魚の黒酢ソースがけ。
 杭州料理を代表する蒸し魚料理。
 ソースの濃い、刺戟的な味が特徴的。
 草魚は川魚だけど、まったく特有のにおいのない、上品な白身魚である。

【杭州東坡肉】
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 杭州風豚肉の角煮、白ご飯付き。
 天香楼の自慢の名物、東坡肉。
 この店に来たらこの一品は是非食さねば、という名物だそうだ。
 醤油、酒、砂糖等でとろとろに煮られ、とってもやわらかい食感。脂分はたっぷりだが、味付けが意外と優しいのに加え、ショウガがよいアクセントになっており、とても食べやすい。これはクセになる美味さだ。

【枯香酒釀甜湯圓 芝麻小鍋餅】
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 デザート。
 キンモクセイとゴマ団子の甘酒汁と中華風ゴマクレープ。


 コース全体と通して日本ではなかなか食べられない食材を、多種多彩な調理法で、個性的に仕上げた料理をたくさん経験することができた。
 素材もそうだけど、調理法も独特なので、どの料理も初めて食べるようなものばかりで、たいへん楽しめた夕食であった。

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December 30, 2015

宮廷料理@辰園(台北市)

 旅行ガイド本「地球の歩き方」を見ていて、レストランの項を調べると最初のほうで紹介しているレストラン「辰園」では宮廷料理を出していて、この料理は台湾では一軒しか出されてないということが載っていた。
 「宮廷料理」とは、あの「満漢全席」のことである。だいぶと前に開高健や邱永漢のエッセイで名前だけ知っていて、憧れの念を持っていたまま、ずーと放っておいた料理が実際に食べられる機会がある、ならばそれは経験してみたい。
 そして満漢全席は清王朝の皇帝が食していた料理であって、「熊の掌」「猿の脳味噌」「駱駝のコブ」等々、今となってはゲテモノとしかいえぬ料理がメインの珍味シリーズなのだが、さすがに現在では相当にアレンジされているだろうから、その変遷具合も確かめたいという好奇心もあった。

 そういうわけで、「辰園」に宮廷料理の予約を取り、Go。
 ( じつは一行で済ますほどあっさりとはいかなく、いろいろと前後で苦労したが、まあ異国の旅行とはそんなものでしょう )

 「辰園」は、潮州料理の店。新鮮な海産物は浅めの味付けで調理し、それからフカヒレやアワビはそれなりに手を加えてその素材自身の旨みを強めて呈する、そういった料理が得意な料理である。

【延寿参茶】
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 「地鶏と高麗人参の滋養茶」
 このスープ、ほとんど漢方薬の乗りの味なんだけど、食前酒に似て、これからいっぱい食べるための、胃薬みたいな感じのスープであり、・・・美味いとは思わぬが、相当に手間暇かけた複雑な味わいが面白い。

【紅花献瑞】
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 「子豚の黄金丸焼き」
 中国では肉料理は豚が主役のようで、そして皮の調理には特に技術をこらしている。
 そしてカリカリに爽やかに焼けた皮がこの料理の主役。周りの野菜やクラゲを口直しに、カリカリと食いましょう。

【鳳蹄金鼎】
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 「極上フカヒレの姿煮」
 フカヒレは、・・・いい食材なのだけど、中国では極上のスープで煮る料理しか出てこないのは何故なんだろう。
 いや、とっても美味しいんだけど。なんか他に料理法はないのかと。

【双献吐珠】
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 「大正海老と帆立のチキンソースかけ」
 なんだか甘ったるそうなソースだけど、じつはさっぱり系統の、鶏の出汁が滋味ふかく感じられるソース。海老の素材もよい。

【金碧輝煌】
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 「極上アワビと茸の煮込」
 有難そうな名前の料理。
 アワビは複雑な味がたっぷりつまっていて、相当に手を加えたものであり、濃厚な味である。

【巨海霸玉】
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 「季節の蒸し魚」
 広東料理系の「清蒸鮮魚」的な料理。
 魚はたぶん鱸だったと思うけど、味付けはあっさりしており、魚の旨みがよく感じとられた。

【大地金絲】
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 「京風味手打ち麺。
 〆の炭水化物は、京風味手打ち麺」
 素朴な味付け肉と、柔和な腰の麺。中国でよくある系統の、ほっこりとした感じの麺料理。

【デザート】
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 ツバメの巣の杏仁ココナッツソース風味、季節の果物。烏龍茶。

 というわけでの「宮廷料理コース」。
 立派で豪華感のあるコース料理なんだけど、しかし皇帝が食していたコース料理にしては、平凡なような気もするであろう。べつだん珍味系の食材もなかったし。
 けれどこの店の「宮廷料理」とは、じつは料理がメインではなかった。


 辰園での宮廷料理。その流れ。
 レストランに入り、「宮廷料理」を予約しているといったら、専用の広い個室案内される。そして清王朝の皇帝の衣服を示され、それを着用にするよう言われ、着衣したところで記念撮影。そのままの格好で食うことも可能なのだけど、さすがにこういうシルクの高価な衣服で料理を食う気もせず、普段着に戻り食事がスタートする。
 個室では宮廷衣装の給仕の女性がずっと付きっきりでサーブ。(部屋に置いている卓上コンロで、担当の女性がスープ料理のたぐいを調理するのは、ちょっとやめてくれよとは思ったが。)
 そして、宮廷料理のサービスとして、お土産に辰園特製のお茶と塩で造った人形とメニューを書いた扇がもらえる。

【辰園個室と皇帝衣装】
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【辰園 お土産 三品】
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 そういうわけで辰園の宮廷料理とは、「古の皇帝が食っていた料理の再現」というわけでなく、「皇帝が経験していた豪華な衣服で優雅にサービスを受けながらの食事」という、バブリーな気分で食事を楽しむのが目的の料理であったみたい。

 これって、多人数で、みんな皇帝の衣服を着てわいわい騒ぎながら食べていたらたしかに面白そうだけど、私のように、食事を目的にして最少人数で訪れたら、部屋の空間は無駄だし、給仕の着飾った女性も時間をもてあましていたし、なんだか思いっきりはずしていたようであった。


 料理はもちろん良かったのだけど、なんだかいろいろと反省すること多き、辰園の料理であった。


 【大事な教訓】 初めてのレストランを訪れるときは、事前にくれぐれも調べましょう。

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December 29, 2015

台湾料理@欣葉101食芸軒(台北市)

 台湾に来たからには、まずは地元の「台湾料理」を食べてみたい。
 「台湾料理」は大陸南部の料理と日本料理のハイブリッドだそうで、それの有名店である「欣葉」の101ビル支店の「欣葉101食芸軒」を訪れた。
 ここは料理も有名だけど、400m近い高さに店があるので、そこから見下ろす台北の風景もまた名物であり、料理と風景の両方を楽しめる店だ。それゆえ席は窓際が絶対的にお勧めであり、当然あらかじめ席まで指定して予約しておく必要がある。今回は早めの予約が効いて、きちんと窓際席をGETすることができた。

 料理はアラカルトもあるが、無難にコース料理を頼んだ。

【寶喜美彩蝶】
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 「牛ヒレの前菜5種盛り合わせ」
 台湾名物カラスミや、海鮮物、帆立に、牛ヒレを3種の中華ソースで。
 牛ヒレ肉は日本と比べるとどうしても質が劣るし、べつに出さなくてもよいと思ったけど、他のものは味付け、香り、いかにも中華という佳品の数々である。

【紅燒大排翅】
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 「フカヒレの上海風煮込み 炊き立て御飯とともに」
 フカヒレは大きなブロックがごろんと入っており、ゴージャスである。そしてスープは鶏出汁の醤油味で、けっこう濃厚。その濃厚なスープが力強い食感のフカヒレによくあっている。
 この料理はさらに、フカヒレとスープに御飯を入れてかき混ぜ、雑炊にして〆る。ずいぶんと豪華な雑炊である。
 たいへん美味であったが、味が強く、そして量も多い。
 この料理がコースのメイン料理5つのうちの1つ目であり、こりゃ全部食う大変だなと思ったが、ヘヴィーな料理はこれのみで、あとは適量であった。

【岩鹽鮮鮑魚】
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 「やわらかアワビの蓮の葉包み 塩岩焼き」
 アワビを蓮の葉で包み、塩釜で蒸したもの。アワビそのものにはさほど手を加えていなく、アワビの素材そのもの旨さが、蓮の葉の香りと、塩釜からの塩味で、より引き出されている。アワビの下には豆腐がひいてあり、アワビの味がふんわりと移って面白い味となっている。
 この料理は、たぶん和料理からの発展形。

【歌樂辣山龍蝦】
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 「活きオマール海老と手羽先の海老味噌風味」
 でかいペペロンチーネ風料理というか、大量の唐辛子を揚げた油で、オマール海老と手羽先を揚げた料理。(たぶん)
 見た目スパイシーだが、使っている唐辛子がそこまで辛くないせいか、ほどよい感じにスパイシーであった。オマール海老の質はよく、ぷりぷりの食感がたいへんよろしい。

【干貝芥菜】
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 「高菜の干し貝柱あんかけ」
 日本語メニューでは「高菜」となっていが、たぶん少し違う種類の野菜。
 やや辛味がある歯ごたえある野菜に、貝柱ソースをのせているもの。
 野菜自体もおいしいけど、それに貝柱ソースで変化を加えて、さらにおいしく食べられる。

【茶油蟹肉麵線】
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 「ワタリガニの茶油そうめん炒め」
 ワタリガニをメインに、スパイス、香草をからめ、椿油でいためた素麺。
 いろいろと賑やかな味と香りの料理だけど、うまく調和していると思う。

【冰糖燕窩/陳年老茶/綠豆糕】
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 「燕の巣の氷砂糖煮、陳年ウーロン茶、緑豆の蒸し菓子」
 高級中華のデザートの定番「燕の巣」
 まあ、珍味のたぐいであり、美味いものではないな。
 ウーロン茶はさすがに本場のもので、独特の甘い香りがなんともいえずに優雅である。

 全体として、油や砂糖の使い方は控えめで、海産物、野菜の素材をうまく生かした、日本人受けする料理だと思う。(フカヒレはちょっと違った路線のようだったけど)
 メニューをみると、まだまだ食べたい料理が並んでおり、また台湾料理を食べたいものだと思った。

【台北市の夜景】
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 この店のもう一つの名物、85Fからの台北市の眺め。
 本当は日が暮れるあたりに来て、明るいうちの風景と夜景の両方を眺められたほうがよいのだが、今は12月末なので、夜景しか見えず。
 その夜景、道路や家々の明かりに加え、近くの高層ビルも独自のライトアップをしており、観ていてあきません。

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 欣葉101食芸軒 →HP

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March 22, 2015

陸羽茶室@香港中環

 香港滞在最終日の朝食は、陸羽茶室にて。
 香港で最も有名な飲茶の店である。

 そして今回は、陸羽茶室に40年近くほぼ毎朝通っているという、香港在住の超常連氏の誘いで訪れることとなった。
 我々一行がそろって、それからいかにも歴史ありそうな店に入っていって、〇〇氏の予約の何某ですが、と言ったところ、なにやらよく分からん気配のうち、二階の大部屋に案内された。
 部屋は、中途半端に高級っぽく、一昔前のデパートの大食堂といった感じ。各テーブルを、蒸し器を置いたトレイを肩から下げた売り子さん達が歩き、そのなかの飲茶を指さして選ぶ形式。とにかくそれらの飲茶を適当に選んで、常連氏一行を待っているが、携帯で連絡していると、もう既に到着しているとのこと。

 それで、昨年も世話になった地元のK氏が二階に現れ、本来の予約の場であった一階へと改めて案内された。…最初の時点で、言葉がまったく通じていなかったようである。

【1階】
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 一階に行くと、二階とはかなり雰囲気が違っていた。
 天上は高く、壁にかけられている絵は立派なものであり、テーブルにしてもいい木材を使っている。
 植民地時代からの格式を感じさせる重厚な造りであった。

【飲茶いろいろ】
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 飲茶については、超常連氏が次々に頼み、蒸籠ごと並べられていく。これに、中国独特の、茶の葉たっぷりの烏龍茶をあわせ、たしかに飲茶の世界。
 なかには蒸籠になかに一塊しかないような大きな料理もあるけど、これは卓の上に置いてある料理鋏で適当に切り分けていく。


 私の隣が超常連氏だったので、「この店はとても美味しいです。ところであなたは40年近く毎日この店を訪れていると聞きました。そこまで通う魅力は何なんなのでしょうか? やはり美味しさでしょうか」と尋ねたところ、「まず第一にこの店は香港でここにしかない古い歴史がある。見て分かるように、これらのアンティークの造りがたいへん魅力的です。そしてこの店にいると親しい友人に会えます。彼らと会話する朝食はたいへん美味しく、そして楽しい。それにこの店は時々世界のVIPが訪れる。彼らに突然会えるという驚きもあります。それら全体が、この店の大きな魅力になっています」とのことであった。

 たしかに、この店はそういう使い方をしていると、魅力が何層倍にもなるであろう。

 …ただし、料理の美味しさは他の階でも分かるとして、店の本来の独特の雰囲気は、どうやら地元の常連さん達専用のような一階じゃないと分からないとも思われ、この店の真価を知るには、なんとか地元の伝手を使って、一階で料理を食べるに限るとも思われた。
 今回、そのような機会を得ることが出来て、とても幸運であった。

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