フランス料理

July 18, 2017

遥かなるモン・サン=ミッシェル 1日目

 世界遺産、モン・サン=ミッシェル(Le Mont-Saint-Michel)に行ってみようと思った。
 それで行く方法を調べてみたら、けっこう不便なところにあることが判明。日本からダイレクトに行こうと思ったら、空港→バス→TGV→バスと何度も乗り継ぎがあり、大きな荷物を持っている旅行者には辛い。だいたい半日かけてのフライトあとに、そんなに何度も交通機関を乗り下りするのは体力的には無理があると思い、いったんはパリに宿泊し、そこを起点としてバスツアーを利用し一泊二日でモン・サン=ミッシェルを観光するという、いちばん楽そうなプランを立ててみた。

 パリで二泊して時差ぼけをある程度修正したのち、早朝からのJTB主催のバスツアーに参加。JTBのオフィスはオペラ座の近くにあり便利である。パリでは、テロの影響がまだあるのか日本人観光客はとんと見なかったが、さすがにJTBのツアーでは日本人ばかりが30名ほど集まって来た。
 日本人のガイド氏はフランス在住の長いベテランであり、話題が豊富であって、バス旅行中楽しめた。
 ツアーは海岸の小さな港町オンフルールに寄ったのち、モン・サン=ミッシェルの対岸に到着。パリから6時間ほどかけての長旅である。
 まずは昼食ということで、モン・サン=ミッシェルがよく見えるレストランで、名物のオムレツを食べる。

【モン・サン=ミッシェルとオムレツ 】
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 これ、噂に聞いていたほどのジャンボなものではなかった。
 モン・サン=ミッシェルのオムレツは、レストラン「ラ・メール・プラール」が本家なのであるが、あれは大きすぎて日本人観光客には不評なことが多く、それでこのレストランでは小さめのサイズにしている、とのことであった。
 このオムレツ、日本のものとはまったく違っていて、ふわふわの泡々で、まるで玉子と空気を食べているような不思議な食感のものである。そして、玉子とバターの素材はとても良く、普通に美味しい。

【大雨襲来】
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 モン・サン=ミッシェルのあるノルマンディー地方の海岸沿いはたいへん天候が不安定であり、晴れと曇り、雨がしょっちゅう入れ替わる。
 本日も午前中は天気が良かったが、午後から厚い雲が一帯を多い、そして土砂降りの雨が降って来た。写真ではよく写っていないが、いまその大雨が降って、歩いてモン・サン=ミッシェルへ行った人たちが急いで戻ってきているところ。

【雷雲のもとのモン・サン=ミッシェル】
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 我々は雨が止むのをレストランで待ったのち、それから出発。
 雨は上がったものの、雨雲はまだ残っており、そこに幾度も稲妻が走っている。
 稲妻を背負ったモン・サン=ミッシェルの姿は格好よく、なんとか一枚の写真に収めようと何度も何度もtryしたが、雷が光ったときシャッターを押しても、すでにそれは手遅れで、といって雷が出るタイミングなど予想も出来ず、結局一枚も雷を撮れなかった。残念。

【モン・サン=ミッシェル】
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 モン・サン=ミッシェルは、シャトルバス駐車場付近から見る姿が一番絵になるそうで、これがそこからの写真。
 このあと、島のなかをしばし散策して、それからまた橋を戻ってホテルへと。

【ルレ・サンミッシェル】
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 ホテル、ルレ・サンミッシェルはモン・サン=ミッシェル対岸にあり、正面にモン・サン=ミッシェルがあるので、どの部屋からもその姿を見ることができるというのが売りである。
 で、私の泊まった部屋からは、・・・木立に隠れてあんまり見えない。
 じつはこのホテルには「冬(つまり樹が葉を落としたとき)にしかモン・サン=ミッシェル全貌が見えない部屋がいくつかあるのだが、その一つに当たってしまった。
 まあ、モン・サン=ミッシェルはさんざん見たし、あえて部屋から見たいとも思わなかったのだが、なんか納得いかないなあ。

【夕食】
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 午後7時半から夕食。
 フランスはサマータイムなので、まだまだ外は明るい。そして雲はいつしか吹き払われ、青空が広がっていた。その青空のもとのモン・サン=ミッシェルを眺めながらの食事である。
 モン・サン=ミッシェルは、干潟の牧草地に、潮風の当たる牧草で育った「プレサレ羊」が名物だそうで、その羊のロースト。日本の羊料理と違って、羊特有のにおいと味がしっかりとして、いかにもヨーロッパの料理という感じである。

 夕食を終えたのち、日が暮れるのを待ってから、モン・サン=ミッシェルのライトアップを見に行こうと思っていたけど、いつまでたっても、午後10時を過ぎても暗くならず、バス旅の疲れもあり、ついつい熟睡。
 起きたら深夜の2時であった。これはいかん、と思い、とにかく外出。

【深夜のモン・サン=ミッシェル】
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 ホテルを出ると、橋の手前までは、小さいながらも明かりがあったが、それからは明かりはなく、真っ暗である。
 そして遠くにモン・サン=ミッシェルが見える。
 当然ライトアップの時間は過ぎており、いくつかの照明のみがぼんやりとその姿を浮かばせていた。

【深夜のモン・サン=ミッシェル】
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 暗いなか、橋の上まで来たが、どこまでが橋の端か分からないくらいに真っ暗であり、ライトとか持ってきてなかったので、これ以上進むのを諦めた。
 しかし暗いのと雲が払われていたことで、頭上には無数の星々がきらめいていて、そして天空にまさに天の川が、輝く川の姿をして横切っていて、そのもとにモン・サン=ミッシェル、という荘厳な光景を見ることができた。
 写真では捉えることは不可能であったが、あの美しい姿はくっきりと記憶に残っている。
 いいものを見ることができた。


 ホテルに帰ったのち、また寝なおす。
 明朝は、「朝日に照らされるモン・サン=ミッシェル」を見たいので、目覚ましは日の出前の時刻にセットしておいた。

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February 05, 2017

雲仙観光ホテル

【雲仙観光ホテル正面 (宿の公式HPより)】
Hotel

 私が九州の旅行のネタ本としている「九州遺産」という本には、九州の近現代の歴史的建造物が101件おさめられており、いずれも歴史的価値の高いものばかりである。
 そのうちホテル部門で唯一つ選ばれているのが「雲仙観光ホテル」である。
 九州には立派なホテルがいくつもあるけれど、そのなかでこのホテルのみ選ばれたのにはもちろん理由があり、それは建物自体の価値と、その歴史的役割による。

 かれこれ80年ほど前、戦前の日本は財政難に苦しんでいた。その当時日本は輸出が不振であり、地下資源の乏しい日本は外貨獲得の手段に乏しかった。そこで外貨を得る方法として観光を思いつく。日本全国の風光明媚なところに、外国人の好むような豪奢なホテルを建てて、そこにどんどん観光に来てもらおうと思ったのである。
 複雑な地形を持つ日本ゆえ、山、海、湖、・・・風光明媚なところはいたるところにある。そこから15ヶ所を選りすぐって、多額の費用をかけて本格的なホテルを建設した。いわゆる「国策ホテル」である。
 考え方としては、悪くなかったとは思うのであるが、選んだところが悪かった。赤倉、阿蘇、唐津、松島、河口湖、中禅寺湖と、たしかに風景は良いが、交通の便の悪い、いわゆる僻地ばかりである。現代よりはるかに交通に手間暇かかる時代、そんなところにわざわざ外国人観光客が来てくれるはずもなく、いずこの施設も建てたはいいが閑古鳥が鳴き、営業はまったくふるわず、年月を経るうち多くは廃業し、取り壊されるか、廃墟化していった。
 九州にあるもう一つの国策ホテル「阿蘇観光ホテル」は、そちらの部類で、今も山なかに廃墟として朽ちるままとなっている。

 そういう悲惨な経過をたどってしまった国策ホテルのうち、「雲仙観光ホテル」は80余年間を生き残り、建築当時の重厚な姿を伝える数少ないものの一つであり、ゆえに国から文化財に指定されている希少なものなのである。

 今回雲仙岳を訪れたついで、不思議物件めぐりの一環として、このホテルに泊まることにしてみた。

【フロントロビー】
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 入ってすぐのフロントロビー。年期の入った太い木の柱や梁、大きな絨毯、高い天井。山岳リゾート風の意匠が、存在感高い。
 このホテルにはエレベーターはなく、階段を使っての移動になるが、それもまた味があってよい。廊下の天井も高く、ふんだんに使われている手入れの行き届いた木材とあわせて、「奈良ホテル」に似ているなと思って、案内のスタッフにそう言うと、「みなさま、同じ感想を言われます」とのことであった。

【図書室】
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 ホテル内には図書室、ビリヤード場などもあり、どれもクラシカルな雰囲気十分。

【眺め】
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 ベランダからは雲仙の街が眺められる。
 すぐ近くに雲仙地獄があることもあり、街のいたるところから蒸気がふき出ている。

【大浴場】
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 大浴場は、湯量豊富な雲仙にしてはこじんまりした感じ。しかし、浴場全体の雰囲気はレトロかつクラシックで風情がある。

【レストラン】
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 食事はダイニングルームにて。
 この部屋がまた広くて、柱からアーチ型に支えられた天井も高くて、いかにもクラシックスタイルである。給仕のスタッフも正装であり、それも加えてさらにクラシックな雰囲気だ。

【ディナー】
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 オードブル:子牛のパテ 自家製ピクルス添え、帆立とオマール海老のボローバン、魚料理 鮮魚のムースリーヌ ノイリー風味の雲丹ソース 肉料理:黒毛和牛ロース肉の炭火焼

 料理は建物と同様にクラシカルスタイル。余計な創作性やいじったところはなく、堂々のストレートを行くフランス料理であり、いずれも普通に美味しい、旅先で安心して食べられるものであった。

【デザート】
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 デザートもまた本格的。いくつものスイーツがワゴンサービスで運ばれ、取り放題である。こういうのに慣れた外国人なら全種類制覇も可能であろう。

【夜の花火】
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 冬の雲仙の週末の特別サービス、花火大会。
 街の中心部から幾発もの大きな花火が打ち上げられ、冬の澄んだ夜空に広がる様は、たいへん趣がある。

【夜の花火】
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 もっとも冬なので、ベランダから見ていると寒くてしかたないから、しばらくして部屋に入り、ベッドに寝転がってガラス窓越しに花火を眺める。
 暖房の利いた部屋から、冬の花火を見る、これもいいものであった。

 建物、施設、部屋、調度品、ダイニングルーム等々、いずれもクラシカルスタイルで非日常感があじわえたホテルで、もう一つ冬の花火という非日常感も楽しめた一日であった。

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November 26, 2016

りょうりや ステファン パンテル@京都市中京区

 フランスの三ツ星レストランで修業した経験を持つフランス人シェフが、奥さんの母国である日本に来て、フランス料理店で働いていたところ、京都の和食を味わっているうちに、その素材、調理法に感銘を受け、和食とフランス料理の融合性に自分の新たな料理の可能性を感じ、そこからインスピレーションを紡ぎだして、創作系フランス料理をつくっている店。
 京都ならではといえる独自の高みにある料理をぞんぶんに味わうことができます。

【Hors-d’oeuvre】
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 前菜はしめ鯖料理から。
 京都はやっぱりまずはしめ鯖なのである。
 当然ながら普通のしめ鯖ではなく、シャンパンビネガーを使ってしめている。これに柿と祇園豆をあわせて。上にのっているのは生クリームで、それに炙ったピスタチオを散らしている。色どりあざやかで、見た目も、そして食べた味もにぎやかで豊かな料理。

【Hors-d’oeuvre】
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 この店のスペシャリテ。フォアグラのコンフィ 奈良漬け巻き 南国フルーツソース。
 シェフが奈良漬けを食べたとき、これはフォアグラに合うのではないかと思い、それから創作した料理で、これによってシェフ流の料理がスタートした、記念碑的料理。
 たしかにとても美味。そして、この料理の主役フォアグラの質がとてもよいこともまた特筆ものである。

【Hors-d’oeuvre】
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 スープは、かぼちゃのポタージュで、中には茸のソテー、トリュフ入りの白いクリームのなかには赤味噌が入っていたりして、非常ににぎやかな料理。

【Hors-d’oeuvre】
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 ホタテ貝のソテーに、それにいろいろな種類の人参を、様々な料理法で。
 人参はどれも火の入れ方が違っており、それぞれが独自の美味しさを主張していている。

【poisson】
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 魚料理は甘鯛。やはり京都の魚は甘鯛の若狭焼き、というわけなんだが、大胆にアレンジされている。甘鯛は海老芋を摩り下ろしたものと一緒に焼かれ、たがいに味を高めあってカップリングして出される。そしてその上には、甘鯛のウロコを焼いたものが載せられ、この歯ごたえがまたいい。
 そのまわりに京野菜が、甘鯛で出汁をとったバターソースが配され、ソースとともに食べればこれがすこぶる美味。

【viande】
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 肉料理は、京都産の豚を焼き、煮、揚げと様々な調理法で、元の素材の旨さを存分に引き出している。

【dessert】
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 デザートもまたレベルが高い。シェフはパテシィエの経験もあるので、料理全体、とてもレベルの高いものが一貫して楽しめます。


 京都に来ると、日本の和食の最高の地ゆえ、どうしても和食店に行きたくなるけど、これだけ食のレベルの高い地だと、素材の入手、料理人たちの活性等で、その他の料理のレベルも当然引き上げられてくるわけであって、「りょうりや ステファン パンテル」は、そういう京都の食文化の高さに影響されつつ、自分のスタイルを築きあげつつある良店であり、季節の移り変わりとともに幾度も訪れたい店だと、あらためて思った。

【Inspiration サイン】
Signe

 シェフのステファン パンテル氏は、フランスから京都に来て、今の料理に開眼するまでの記録と、それにレストランで出す料理のレシピを著したものをinspirationという書名で出版しており、写真の美しさもあって、素晴らしい良書となっている。
 私はこれを購入しており、そしてパンテル氏にサインしてもらった。
 このサイン、筆書きでなされており、じつに見事。そして、ここまで日本文化に精通しているのかと、感嘆いたしました。

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November 05, 2016

オーベルジュ:楓の木@耶馬渓

【楓の木】
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 「楓の木」は名勝地耶馬渓にあるオーベルジュで、庭も建物も純和風であるが、料理は創作系のフランス料理を出す、ユニークな宿である。

【部屋】
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 この宿は広大な敷地を持っており、各部屋から見える庭もまた広い。
 樹々や岩が豊富な庭は、借景としている裏山にそのままつながっていき、なんともスケールの大きな庭である。

【夕食】
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 オードブルは、手長海老のフリット、それから海産物のエスカルゴオイル焼。
 それらに続きメインの魚料理。アルミホイルにくるまれた山女は、この宿のスペシャリテ。一見、山女をコンソメで煮込んだものように見えるが、じつは山女の身を完全に外してそれを帆立とともにムース仕立てにして、山女の形に整えたもの。
 10数年前この宿を訪れたときもこの料理はあり、その時は「せっかくの山女の繊細な味が台無しだよ。せめてムニエルくらいにすればよいのに」と思った記憶があるが、今食べてみると、これは意外と複雑にしてバランスのよい料理だということに今更ながら気付いた。山女料理として考えるとどうかとも思うが、しかしコンソメ+帆立+山女の足し算がうまい具合に調和がとれていて味も香りもよろしい。おそらくは日本全国でもここでしか出ない料理であろうから、一度はこれ食してみる価値あるものだと思う。
 メインの次の肉料理は豊後牛を好みの加減に焼いたステーキ。
 デザートはクレームブリュレ。これもこの宿のスペシャリテで、ずっと変わらず出しているそうである。

 (・・・オーナーによると、この宿は基本的にはあまり変わらないことを大事にしているそうだ。ただ以前と変わったことは庭に餌台を設置したことで、それから小鳥が多く遊びに来るようになったそうだ。たしかに食事中にも、美しい小鳥の舞う姿をよく見た)

【風呂】
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 この宿は天然温泉であり、そして露天風呂からの眺めがよろしい。昼に見る深山幽谷の姿はもちろん、山奥の宿ゆえ、夜は真っ暗となり、雲のない夜は満天の星を眺めることができる。湯の質もよろしく、身体がよく温まる硫黄系の湯である。


 建物、庭、温泉、料理、それぞれ良い宿であるが、この宿の真価は、宿の名前が示すように紅葉の時期にあるのであり、庭にたくさん植えられている楓の木が赤く染まるときは、さぞかし美しいであろう。今回は紅葉はまだ始まったばかりであり、そういう姿は見られず残念。
 まあ、そういう時期は予約とるの大変なんだろうけど。

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October 29, 2016

オーベルジュ:ア・マ・ファソン@九重

【ア・マ・ファソン】
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 我が国にもオーベルジュと名のつく宿泊施設は増えていく、そしてそれらは日本風アレンジを施した個性的なものが多いわけだが、九重の「ア・マ・ファソン」はいかにも本格的、本道をいくオーベルジュとして、強い存在感を示している、名オーベルジュである。

 ア・マ・ファソンの建物は比較的新しく、またしっかりした建築物だったので、ここも先の大地震では無傷であったろうと勝手に思っていたが、けっこうダメージがあり、10月まで補修のために閉館していたそうだ。
 私の考え通り本館自体はダメージはなかったのであるが、しかし地層がずれてしまい、地下の配管が損傷してしまったのでその補修が大変だったそう。また、横揺れが激しかったため、回廊の木の柱と地面の石との継ぎ目がずれてしまいそれも直す必要があったそうである。
 ア・マ・ファソンはゆるやかな傾斜地に建てられており、それで阿蘇方面の眺めがよいのであるが、傾斜地ならではの弱点があったわけである。

【ディナー】
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 前菜はサーモンの白ワインマリネ、サラダ仕立て。続いてサザエのブルゴーニュ風。魚料理は鱸のポワレ、ラタトゥイユと牛蒡、車海老添え、肉料理は黒毛和牛ヒレ肉と安納芋のベニエ、マデラ酒ソース。
 見事に本格的なフレンチである。素材は地元のものを使っているけど、これらを輸入したものに変えると、そのままフランスで供されるフランス料理となるであろう。
 九重の美しい山のなかのオーベルジュでこのように都会的に洗練されたフランス料理が食べられる、素晴らしい経験のできるオーベルジュである。

【朝の風景】
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 今の時期は日が暮れるのが早いので、ディナーは景色は楽しめなかったが、日のあるときは九重から阿蘇にかけての雄大な風景を眺めながらの食事が楽しめる。

 ロケーション、建物、料理、その全てがよく、理想的なオーベルジュであろう。

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February 29, 2016

ワインバー&フレンチ:ヴィニュロン@薬院

 香港から福岡に戻って、空港におりると、とんでもなく寒い。
 香港が暖かったのと、今年が暖冬だったので、まったく意表をつかれてしまった。大きな低気圧の発達によりその日は全国的に冷え込んでいたのであるが、福岡も低温のうえに、強風が吹き荒れ、痛いほどの寒さであった。
 それで戸外を歩く時、まさかのために用意していた、モンベルの超軽量ダウン、プラズマ1000がたいへん役に立った。その軽さとコンパクトさと、保温機能の高さによって、山道具における近年の傑作といわれているプラズマ1000であるが、山以外でもじゅうぶん使い道があるのである。

 さて福岡に着き、福岡は美味い店が多いところである。
 中華料理食いまくりツアーの帰り、せっかく福岡にいるのだから、食いまくりツアーの勢いのまま、夕食はワインを飲みに行こうということで、薬院のワインバー、ヴィニュロンへ。

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 この店、深夜までやっており、ワインバー的な使われ方が多いけど、料理のほうはきわめて真っ当なフレンチであり、ワイン、料理ともレベルの高い店である。
 そして、美味しさに加え、ワイン、料理ともリーゾナブルな値段であり、コストパフォーマンスが大変よい。
 こういう店が地元にあったらなあ、と思ってしまう、とてもいい店である。

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November 22, 2015

トゥラジョア@平成27年秋

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 秋の恒例、名古屋在住の食通氏主催による、レストラン「トラジョア」での宴。
 最初にこの店の料理を味わったときは、まさに衝撃であった。そして幾度も訪れるとさすがに衝撃度は減って来たけど、そのぶん落ち着いて食べられるので、それゆえ須本シェフの料理の奥深さ、広がり、独創性というものがよく分かり、この店の食事の時間がかけがえのない時間というものがよく分かる。

 美味しいもの大好きの主宰者氏は、「須本シェフと同時代に過ごせることが本当に幸せである」とかねがね言っているけど、私もこの店を訪れるたび、そのことを実感し、須本シェフ、そして予約をしっかりとキープしている主催者氏に感謝することしきりである。

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November 24, 2014

トゥラジョア@名古屋で至高の料理を食う。

 本日は、名古屋遠征食い物ツアーの目的地「トゥラジョア」でのランチ。
 ここに来れば、美味しいものを食えるのは当然として、いつでも食べ物に対する、驚きと、感動を知ることができる。
 いつもながら、唯一無二の店と思っている。

【伊勢海老と大根のスープ】
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 伊勢海老の美味しさを表現するため、ここに載っている伊勢海老以外に、この皿一つあたりに伊勢海老三匹分の尾の部分の身を煮込み、伊勢海老の旨みを抽出したスープをつくる。
 伊勢海老は普通は頭の部分の殻と味噌を使って出汁を取るのであるが、それをやると味が濁るということで、そこは使わずに、伊勢海老の一番の芯となる部分を表現する料理にしているのである。
 このスープ、ただただ美味しい。そして、それを吸った大根もまたたただ美味しい。

【天然鰻の白焼き野菜添え】
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 鰻の白焼き、という料理のわりには、全然そういうふうには見えない。
 それだけで美味しい天然鰻に、さらに特殊加工をした野菜を添えている。強引な足し算の料理。
 これにさらに驚くべきは、付け合せの、右上にあるフォアグラ。フォアグラはとにかく脂っぽいので、付け合せにはあわないのだが、特殊な処理をして、脂を抜いてパウダー状にして、フォアグラの旨さのみを残したサラサラのパウダーとしている。これはそのまま食べても美味しいのだが、ふわふわの(絶妙の焼き加減)の鰻にあわせて食べると、さらに旨さが倍増。

 この店の天然鰻はこだわりがあって、宮崎椎葉の懇意の漁師から特別に取り寄せており、…そんな貴重な鰻ならそのまま白焼きで食いたいと思わぬこともないが、ここまで徹底的なトゥラジョアの料理になっていると、それはそれでおおいに納得してしまう。

【海鮮の秋の香り】
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 白トリュフ、フカヒレ、燕の巣、鶉卵、という料理。
 とにかくまずは白トリュフの香りに圧倒される。
 そして、この一見普通に見える鶉卵がまたとんでもない。食べると、奥からトリュフの香りが立ち上る、というトリュフ卵。これをつくるにはたいへんな手間がかかるのであるが、こういう小さな一品にも決して手を抜かないのがこの店の流儀。
 それにしても、このバブリーな食材の組み合わせ。本来なら美味い高級食材を組み合わせただけ、という料理に落ちがちで、破綻しそうなものだが、名人須本シェフは見事にバランスを保ち、上品な料理に昇華させている。
 いやはや、感心しきりである。

【和牛いなり】
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 〆の料理は「いなり」なんだけど、これもまた面白い。
 「和牛のいなり」である。
 こんな味の濃厚で、かつワインにあういなりも、まずない。


 コースすべてにわたって、食の広がりと奥深さを教えてくれる、須本マジックの世界でした。
 こういう料理は、仕入れ、仕込み、気が遠くなるくらいに手間暇かかるはずである。しかし須本シェフは、料理を考え造るのが大好きで、それが生きがいな人なので、その手の苦労はいっさい苦にならないそう。まあ、そういう人でないとこういう高技術のいる独創的で突拍子もない料理はつくれないではありましょう。
 須本ワールド、おおいに堪能させていただきました。今回も感謝しきりであります。

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January 19, 2014

宮崎キャビア1983

【宮崎キャビア1983】
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 世界三大珍味の一つ、キャビアは原材料のチョウザメの個体数が激減したことから、値段が高騰し、希少価値も高まっている。そのため、各国でチョウザメの養殖が行われるようになり、今では養殖物も多く出回るようになりだした。

 我が国でもチョウザメの養殖が各地で試みられていたが、宮崎県の水産試験場がチョウザメの完全養殖に成功し、平成25年からキャビアの商品化が始まった。
 この国産キャビア、うまく販売が軌道に乗れば、宮崎県の特産品となれる可能性がある。はたして宮崎キャビアの実力はいかなるものか。
 今回レストラン ベル・エポックでこの「宮崎キャビア1983」を楽しむワイン会があったので、さっそく味わせてもらうこととした。

【MIYAZAKI CAVIAR 1983 Premium】
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 宮崎キャビア1983はラインナップが二つ。MIYAZAKI CAVIAR 1983 Premium」は3.5mm以上の大粒のもの。一瓶20gで12000円。

【MIYAZAKI CAVIAR 1983】
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 卵が普通サイズの「MIYAZAKI CAVIAR 1983」。一瓶20gで10000円。

【ブリニと】
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 キャビアはそのままで食べたり、ロシア風に蕎麦粉パンケーキとサワークリームで食べたり。

【ワイン】
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 キャビアに合わせたワインは、シャンパンがVilmart & Cie Coeur de Cuvee 2003、白ワインがLe Montrachet Grand Cru Marquis de Laguiche 2002。
 どちらも良いワインであるが、…あんまりキャビアには合わなかった感じ。というより、キャビア自体がワインに合わない種類の食物に思える。思いっきりsecな白なら、なんとか合うかな。

 キャビアそのものは、なかなかの美味。キャビア独特の複雑にして濃厚な旨みを持っている。食感も滑らかでデリケート。
 ただし、値段が20gで12000円というのはCPに問題があるでしょう。さすがにベルーガとかよりは安いけれど、それでも海外の通常レベルのキャビアに比べると高く感じられる。
 キャビアはべつに国産だからといって有難みが生じるようなものでもないし、付加価値がない以上、この値段では通常のレストランの料理に用いるには難しいと思われる。
 宮崎キャビア、最初のうちはもの珍しさで売れるであろうけど、さて県の名物として根付くかどうか。味は問題ないので、あとはいかにコスト管理するかにかかっているであろう。

【魚料理】
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 ワイン会、キャビアのみというわけでなく、コース料理も堪能。
 魚料理では、キャビアついでに、親のチョウザメの料理。
 チョウザメのフリット、マッシュポテトのキャビア仕立て、ピーツのソース。
 こちらは白ワインによく合う料理。

【肉料理】
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【ワイン】
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 メインの二品目は、山鳩のロティとジロール茸。
 合わせたワインは、今回のワイン会の赤の主役、DRC Vosne-Romanée 1er cru Cuvée Duvault-Blochet 2002。
 DRCなのに1er cru?と私が不思議がったら、ヴォーヌ・ロマネ村のワイン畑の話やら葡萄の樹の若木の話などが延々と出て、いろいろと複雑な事情があるらしいことは分かったが、結局のところ何が何やらよく分からなかった。
 …ワインはやっぱり難しい。

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November 09, 2013

オーベルジュ・コヤマ@久住

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 大船山を下山して、本日の宿は久住の「オーベルジュ・コヤマ」。
 観光道路の国道442号線の交差点を曲がって、周囲になにもないような高原を走るうちに、ポンと現れるオーベルジュであり、位置的には「知る人ぞ知る」という感じであるが、大分ではけっこう有名なところである。

 オーナーは長いこと大分でフレンチレストランを開業していて一種の放浪気質から店の場所を頻々と変え、そのたび客はついて行くのが大変だったそうだ。やがて、修業した南フランスにあったようなオーベルジュを開きたいとの夢を実現すべく、家族の大反対を押し切って、山と草原以外なにもなかったこの地に自ら設計した南仏風の建物を建て、そこでようやく落ち着き、本年で開業15年になる。

 まあ、そういう「男の夢」が結実した、有名オーベルジュなのである。


【オードブル】
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 夕食はクラシックなコース料理にて。
 オードブルは生ハムにフルーツ、それに胡瓜とミニトマトを美しく盛り付けて。地元で取れた新鮮な野菜の甘みと旨み。

【アントレ】
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 本日のスペシャリテ。
 フォアグラのソテーに林檎を添えて。
 フォアグラ自体が大変品質のよいものであり、その豊かな味に、林檎の酸味と甘みが合わさって、複雑にして奥行きある味が楽しめる。

【アントレ】
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 オーナー得意の南仏風の、フロマージュのスフレ。
 絶妙の焼き加減で、フロマージュの様々な香りと味が味わえる。

【スープ】
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 スープは南瓜スープ。
 これも地元取れたての美味しい南瓜をたっぷりと味わえる。

【魚料理】
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 帆立と海老のムースをほうれん草で包んで蒸したもの。
 見た目に美しく、そして味、食感も見た目とおりの美味しさ。
 やさしく柔らかな食感、素材の良さ、そしてソースもまた手のこんだものである。

【肉料理】
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 肉料理は、和牛のステーキ。
 これもまた良い素材を使っている。

【デザート】
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 デザートはよく熟した洋梨に、甘さ控えめのチョコレートソース。

【食後酒】
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 食後酒は、オーナーのサービスで、カルヴァドスを。
 これはオーナー自慢のカルヴァドスで、「ポム・プリゾニエール (La Pomme Prisonnière)」というもの。瓶の口よりも大きな林檎が中に入っており、最初これを見たいものは「いったいどうやって林檎を入れたのだろう?」と不思議に思います。

 食後酒の時は席を変えて、暖炉の前で、オーナーと歓談。
 トライアスリートであり、冒険家でもあるオーナーの、世界をまたにかけた波乱万丈の人生、その愉快きわまりない話を聞きながら、食事、酒、そして会話を楽しむ、こういうオーベルジュならではの醍醐味を存分に味わった夜であった。


【Résumé(まとめ)】
 Il y a l’auberge appellé Koyama à plateau de Kuju qui existe en Oita préfecture.
 Maître a appris cuisine française au sérieux en France, il a eu espoir de ouvrir un restaurant comme Auberge de Provence, Et dans la lieu qui est plaine de vert et juste cette montagne, il est construite l’auberge dans un style français sud.
 Avec une passion pour la cuisine, Maître a une forte passion pour l'aventure.
 Une fois il a parcouru en vélo Amérique, et il est maintenant aussi un tri-athlète.
 Parce que l’auberge est fait par personne passionnée comme lui, Il ya une atmosphère unique dans le bâtiment et la cuisson, il est très attrayant.
 C'était une nuit pour m' amuser tous qui sont une cuisine, conversation, le vin, et la construction.

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