登山:対馬御岳
【ヤマネコ注意】
対馬で一番有名なものといえば、ツシマヤマネコである。
日本にいるネコの数は多かれど、野生種のネコは、このツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの二種類のみであり、たいへん貴重なものである。それゆえ、ツシマヤマネコの保護を喚起するため、対馬には島中のいたるところに「ヤマネコ飛びだし注意」の交通標識がある。
そのツシマヤマネコの生息地として自然林が保護されているのが、対馬御岳であり、この山はツシマヤマネコの住む山として有名だ。
その御岳に登ってみることにした。
【滝】
御岳の登山道は地図を見ると、登山口からの周回ルートがあるので、それを使うことにした。
まずは荒れた林道を進んでいくと、林道は途中で途切れていた。地図の破線はそこから山頂まで続いており、ここらへんから本格的な登山道になるらしかった。しかしそこに道らしきものはなく、地図を検討すると、それは沢を詰めていくルートになっている。
激藪やナイフリッジなどがない限り尾根筋の登山道なら、道がなくともたいていは進んで行けるけど、沢筋の登山道って、きちんと整備していないと、途中で滝に当たって行く手を阻まれることがほとんどである。
それゆえ大丈夫かいなと思いながら、道なき道を進んでいったら、案の定滝が出て来て通せんぼになってしまった。いちおう巻けるかどうか試して、右側の崖を登っていったけど、手がかり足がかりに乏しく、ギアがないと突破は無理のようであった。
それでこのルートはここで諦め、登山口まで引き返し、もう一つのルートを使うことにした。
教訓:地図は大事だけど、そこに書かれてある登山道は、いつ使われていたものか分からないので、完全に信用してはいけません。
【登山道】
鳥居をくぐって進むと、こちらはさっきと違って、よく整備された登山道である。
【ツシマヤマネコの森】
この山域は特定動物の保護林となっており、その特定動物とはもちろんツシマヤマネコである。
【島大国魂神社】
山頂近くに立派な社があり、登山口の鳥居はおそらくこの神社のものであったのだろう。
【対馬御岳山頂】
山頂に到着。
樹木を保護しているせいか、山頂も樹々が生い茂っており、展望はあまり良くなかった。
下山は往路をたどり、またツシマヤマネコの森を通って行った。
ツシマヤマネコ、少しばかり出会えるのを期待していが、姿はおろか鳴き声さえ耳にすることはなかった。ツシマヤマネコって、絶滅危惧種であり、今対馬には80頭くらしか生息していないそうだから、それも当然なのだろうけど、保護対策がうまくいって、かつてのように対馬のいたるところにツシマヤマネコがいる、そういうことになってもらいたいものだ。
【厳原にて】
下山後は厳原の宿へ。
夕食は近くの居酒屋「だいぜん」で。
対馬は漁港ばかりの島であり、魚も当然豊富に獲れる。それゆえ、本日は海の幸をふんだんに味わうことにした。新鮮な刺身に、対馬産が最も美味しいとされるノドグロ。
対馬、美味しい。
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