温泉

February 05, 2017

雲仙観光ホテル

【雲仙観光ホテル正面 (宿の公式HPより)】
Hotel

 私が九州の旅行のネタ本としている「九州遺産」という本には、九州の近現代の歴史的建造物が101件おさめられており、いずれも歴史的価値の高いものばかりである。
 そのうちホテル部門で唯一つ選ばれているのが「雲仙観光ホテル」である。
 九州には立派なホテルがいくつもあるけれど、そのなかでこのホテルのみ選ばれたのにはもちろん理由があり、それは建物自体の価値と、その歴史的役割による。

 かれこれ80年ほど前、戦前の日本は財政難に苦しんでいた。その当時日本は輸出が不振であり、地下資源の乏しい日本は外貨獲得の手段に乏しかった。そこで外貨を得る方法として観光を思いつく。日本全国の風光明媚なところに、外国人の好むような豪奢なホテルを建てて、そこにどんどん観光に来てもらおうと思ったのである。
 複雑な地形を持つ日本ゆえ、山、海、湖、・・・風光明媚なところはいたるところにある。そこから15ヶ所を選りすぐって、多額の費用をかけて本格的なホテルを建設した。いわゆる「国策ホテル」である。
 考え方としては、悪くなかったとは思うのであるが、選んだところが悪かった。赤倉、阿蘇、唐津、松島、河口湖、中禅寺湖と、たしかに風景は良いが、交通の便の悪い、いわゆる僻地ばかりである。現代よりはるかに交通に手間暇かかる時代、そんなところにわざわざ外国人観光客が来てくれるはずもなく、いずこの施設も建てたはいいが閑古鳥が鳴き、営業はまったくふるわず、年月を経るうち多くは廃業し、取り壊されるか、廃墟化していった。
 九州にあるもう一つの国策ホテル「阿蘇観光ホテル」は、そちらの部類で、今も山なかに廃墟として朽ちるままとなっている。

 そういう悲惨な経過をたどってしまった国策ホテルのうち、「雲仙観光ホテル」は80余年間を生き残り、建築当時の重厚な姿を伝える数少ないものの一つであり、ゆえに国から文化財に指定されている希少なものなのである。

 今回雲仙岳を訪れたついで、不思議物件めぐりの一環として、このホテルに泊まることにしてみた。

【フロントロビー】
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 入ってすぐのフロントロビー。年期の入った太い木の柱や梁、大きな絨毯、高い天井。山岳リゾート風の意匠が、存在感高い。
 このホテルにはエレベーターはなく、階段を使っての移動になるが、それもまた味があってよい。廊下の天井も高く、ふんだんに使われている手入れの行き届いた木材とあわせて、「奈良ホテル」に似ているなと思って、案内のスタッフにそう言うと、「みなさま、同じ感想を言われます」とのことであった。

【図書室】
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 ホテル内には図書室、ビリヤード場などもあり、どれもクラシカルな雰囲気十分。

【眺め】
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 ベランダからは雲仙の街が眺められる。
 すぐ近くに雲仙地獄があることもあり、街のいたるところから蒸気がふき出ている。

【大浴場】
Bath

 大浴場は、湯量豊富な雲仙にしてはこじんまりした感じ。しかし、浴場全体の雰囲気はレトロかつクラシックで風情がある。

【レストラン】
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 食事はダイニングルームにて。
 この部屋がまた広くて、柱からアーチ型に支えられた天井も高くて、いかにもクラシックスタイルである。給仕のスタッフも正装であり、それも加えてさらにクラシックな雰囲気だ。

【ディナー】
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 オードブル:子牛のパテ 自家製ピクルス添え、帆立とオマール海老のボローバン、魚料理 鮮魚のムースリーヌ ノイリー風味の雲丹ソース 肉料理:黒毛和牛ロース肉の炭火焼

 料理は建物と同様にクラシカルスタイル。余計な創作性やいじったところはなく、堂々のストレートを行くフランス料理であり、いずれも普通に美味しい、旅先で安心して食べられるものであった。

【デザート】
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 デザートもまた本格的。いくつものスイーツがワゴンサービスで運ばれ、取り放題である。こういうのに慣れた外国人なら全種類制覇も可能であろう。

【夜の花火】
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 冬の雲仙の週末の特別サービス、花火大会。
 街の中心部から幾発もの大きな花火が打ち上げられ、冬の澄んだ夜空に広がる様は、たいへん趣がある。

【夜の花火】
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 もっとも冬なので、ベランダから見ていると寒くてしかたないから、しばらくして部屋に入り、ベッドに寝転がってガラス窓越しに花火を眺める。
 暖房の利いた部屋から、冬の花火を見る、これもいいものであった。

 建物、施設、部屋、調度品、ダイニングルーム等々、いずれもクラシカルスタイルで非日常感があじわえたホテルで、もう一つ冬の花火という非日常感も楽しめた一日であった。

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December 17, 2016

久住レゾネイト@久住町

 久住レゾネイトは九重連山の南側の山麓に位置するリゾートホテルであり、九重に南側から登るときに便利なので、今回利用してみた。

【施設と風景】
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 九重の宿泊施設は、やまなみハイウエィ側のほうが数が多い。そちらは山のなかなので、周囲は山ばかりであるが、南側の山麓だと竹田市方面に向かって高原となっているので、広々とした風景が楽しめる。北側にはもちろん九重の山群があり、朝のモルゲンロードが美しい。

【部屋】
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 部屋は山荘風に、木材をふんだんに用いたもの。
 部屋のなかには半露天風呂もあるが、部屋のものは温泉でないので、湯質をたのしみたいなら大浴場がよいでしょう。

【夕食】
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 夕食は和食・洋食から選べるが、宿の雰囲気からは洋食があっていると思う。
 オードブルは新鮮な野菜を用いたバーニャカウダー。オマール海老と海老芋のエクレア。メインの魚料理は、サーモンと貝類、野菜を包み蒸しにしたもの。肉料理は豊後牛のロッシーニ。
なかなか本格的なものである。
 今回は日が暮れていたので見えなかったが、日があるうちはこのレストランからは高原から祖母傾に到る雄大な景色が眺められるので、ワインを傾けながらこの料理を食べていると、優雅な気分にひたれると思う。

【露天風呂】
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 温泉の質は、ミネラル成分が豊富なものであり、じっくりと温もれる湯である。
 眺めは当然良く、高原のホテルならではの魅力あふれる露天風呂である。

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December 02, 2016

旅館:かやうさぎ@日田市琴平温泉

 平日の午後に日田市に行かねばならない用事ができた。日田市は日帰り圏であるが、翌日が土曜なので、ただ行って帰ってくるのももったいなく、日田市で一泊して翌日は近くの山である英彦山に登るプランを立てた。
 それでネットで宿を探してみると、日田市には温泉があることを初めて知った。日田市は、名水、豆田町、それにサッポロビールが有名であり、日田市を観光目的で訪れる人はたいていこれらを目的にしているわけで、温泉はあまり有名でないのだが、あったんだ。
 とりあえず、その日田市の琴平温泉の宿「かやうさぎ」を予約し、用事を済ませたのちに宿泊。

【かやうさぎ】
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 かやうさぎは、古民家を使った宿であり、相当な年月を経た建物である。そしてその木材は丁寧にメンテナンスがされており、いずこもまるで毎日磨きあげたかのようにツヤツヤとしていた。

【高瀬川】
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 宿の傍には川が流れていて、部屋でくつろいでいると、川の音、それに鳥のさえずりが聞こえてくる。

【夕食】
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 夕食は会席料理。
 温泉宿によくある「分かりやすい御馳走系」ではなく、前菜、お椀、向附、焼きもの、煮物、と本格的なものである。 素材もなかなか良いものを使っており、全般的に料理のレベルは高いものであった。

【温泉】
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 肝心の温泉はというと、炭酸系のやわらかい、よくあたたまる湯が掛け流しで豊富に流されている。
 晩秋の寒い朝、もうもうと湯気のあがるなかの温泉はたいへん気持ちよいものであった。

【朝食】
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 朝食は炊き立ての御飯が釜で持ってこられ、この御飯がツヤツヤと炊かれ、とても美味しい。これを宿自慢の卵で卵御飯にして食べるとさらに美味である。

 近くに有名な温泉地がいくらでもあるのなか、温泉目当てで日田市に来る人はそういないだろうけど、日田市の温泉、それにこの温泉宿の実力はあなどるべからず。さすが、温泉県大分、いい温泉地を豊富にそろえています。

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November 05, 2016

オーベルジュ:楓の木@耶馬渓

【楓の木】
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 「楓の木」は名勝地耶馬渓にあるオーベルジュで、庭も建物も純和風であるが、料理は創作系のフランス料理を出す、ユニークな宿である。

【部屋】
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 この宿は広大な敷地を持っており、各部屋から見える庭もまた広い。
 樹々や岩が豊富な庭は、借景としている裏山にそのままつながっていき、なんともスケールの大きな庭である。

【夕食】
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 オードブルは、手長海老のフリット、それから海産物のエスカルゴオイル焼。
 それらに続きメインの魚料理。アルミホイルにくるまれた山女は、この宿のスペシャリテ。一見、山女をコンソメで煮込んだものように見えるが、じつは山女の身を完全に外してそれを帆立とともにムース仕立てにして、山女の形に整えたもの。
 10数年前この宿を訪れたときもこの料理はあり、その時は「せっかくの山女の繊細な味が台無しだよ。せめてムニエルくらいにすればよいのに」と思った記憶があるが、今食べてみると、これは意外と複雑にしてバランスのよい料理だということに今更ながら気付いた。山女料理として考えるとどうかとも思うが、しかしコンソメ+帆立+山女の足し算がうまい具合に調和がとれていて味も香りもよろしい。おそらくは日本全国でもここでしか出ない料理であろうから、一度はこれ食してみる価値あるものだと思う。
 メインの次の肉料理は豊後牛を好みの加減に焼いたステーキ。
 デザートはクレームブリュレ。これもこの宿のスペシャリテで、ずっと変わらず出しているそうである。

 (・・・オーナーによると、この宿は基本的にはあまり変わらないことを大事にしているそうだ。ただ以前と変わったことは庭に餌台を設置したことで、それから小鳥が多く遊びに来るようになったそうだ。たしかに食事中にも、美しい小鳥の舞う姿をよく見た)

【風呂】
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 この宿は天然温泉であり、そして露天風呂からの眺めがよろしい。昼に見る深山幽谷の姿はもちろん、山奥の宿ゆえ、夜は真っ暗となり、雲のない夜は満天の星を眺めることができる。湯の質もよろしく、身体がよく温まる硫黄系の湯である。


 建物、庭、温泉、料理、それぞれ良い宿であるが、この宿の真価は、宿の名前が示すように紅葉の時期にあるのであり、庭にたくさん植えられている楓の木が赤く染まるときは、さぞかし美しいであろう。今回は紅葉はまだ始まったばかりであり、そういう姿は見られず残念。
 まあ、そういう時期は予約とるの大変なんだろうけど。

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July 23, 2016

旅館:天使の梯子@天草松島温泉

 夏の登山は暑さで途中でめげることが多く、もうやめた、引き返そうと思うことばかりなのだが、そういうときはとりあえず山頂まで行き、そして下山して温泉に入れば極楽だろう、それを楽しみに頑張ろうと思い、その気力のみで登山を頑張りきるパターンになりがちであるが、今回もそのパターンそのものであった。
 天草観海ルート、汗だく、へろへろで登山し、そしてなんとか登山口に下山し、ここで元気を取り戻し、さて温泉に行こう。

【ホテル竜宮:天草松島】
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 見処多き天草で、一番有名な景勝地は松島。
 いくつもの個性ある形の島々が海に浮かび、かの日本三景の松島のミニチュア版みたいな感じで、良き景観を造っている。
 今回泊まる宿は松島温泉の「ホテル竜宮」の一部門であり、「部屋の露天風呂が極上」という評判から、選んでみた。
 (要は、最初から温泉目当ての登山なのである)

【部屋】
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 部屋は広々としたリビングと寝室からなる洋室である。
 窓の向こうに宿自慢の露天風呂。

【露天風呂】
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 露天風呂は有明海に面しており、松島特有の島の風景や、天草第4橋、向かいの雲仙などの景色を楽しむことができる。
 世の中には空間の広がりを全く楽しめない露天風呂が数多くあるが、この宿の露天は、露天風呂の見本のような、見事な解放感がある。

 風呂で登山のあとの汗を流し、ゆったりと部屋でくつろいだのち、食事処へ。

【前菜】
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 夕食、まずは前菜。
 これを食いながら、酒を飲んで続く料理を待ちましょう。

【造り】
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 天草の海の獲れたての海の幸。
 鯛、カンパチ、車海老、マグロ。
 そして主役はなんといっても、天草の夏、今が旬の最も美味しい時期の雲丹。

【スープ】
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 天草の地鶏「天草大王」のスープ。具は天草大王だけど、出汁もしっかりと天草大王。それゆえ濃厚な天草大王の味と香りに満ちたスープ。
 これは、剛速球系の天草ならではの料理。

【伊勢海老と鮑の鉄板焼き】
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 料理処では、個室とカウンターがあり、今回は個室に案内された。
 そして、どうやらここでは鉄板焼き系の料理が得意技みたいで、それならカウンターが良かったなあと思った。
 伊勢海老に、鮑の鉄板焼き。
 ゴージャス系の料理。
 ゴージャス系旅館ゆえの、こういった素材を選択しているのであろうが、べつだん今の時期伊勢海老を出さぬともよいと思わぬでもない。

【野菜サラダ】
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 次の肉のメイン料理に備えて、ここでサラダでいったんリフレッシュ。

【肥後褐色和牛】
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 肥後名物、肥後の赤牛。
 脂肪少なめ、旨みたっぷりの赤牛は、こういう海鮮系のコースにうまくあっていると思う。

【雲丹丼】
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 メインが終わって、〆モノはガーリックライス、鯛茶漬け、寿司3種、雲丹丼等から選べるのだが、この時期は雲丹丼を選ぶしかないでしょ。
 そして運ばれてきた雲丹丼、―造りの雲丹の量から、ミニ丼を予想していたのであるが、(今の時期の天草の雲丹は最盛期なので、値段がとても高い)、なんと普通のサイズの茶碗に、てんこ盛りの雲丹が載っていた雲丹丼であった。
 こ、これは意外。ほとんど赤字覚悟の料理じゃないの?

 まあ、店側への心配をしても仕方なく、がっつり食わせていただきました。
 造りのときの雲丹で分かっていたけど、この大量の雲丹はさらに美味。満足いたしました。


 ※ ところでこの宿の食事処の欠点は風景が悪いところ。
 天草の西海岸線は、夕日が見事なので、それを見るのが目的の一つであったりする。部屋からは夕日が見えるので、食事処でも当然見えるだろうと思って、ワインを飲みながらの夕日観賞をもくろもうと日が沈む前に行ったら、食事処の個室には窓がなく、カウンターの窓は山側であった。
 そういうことなら部屋で夕日を見て、それから食事に行けばよかったと思った。

【朝食】
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 朝食は部屋食と食事処が選べるが、そういうわけで、風景を楽しめながらの食事ができる部屋食を希望。
 朝日が見られるわけではないが、それでも松島の良い風景を見ながらの和食はたいへん気持ちのよいものであった。

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July 10, 2016

音信@湯本温泉&長門観光

 一位ヶ岳に登ったあとは、車で30分ほどの湯本温泉に移動。
 ここは山間のひなびた温泉地であるが、人気の地のようで、規模の大きなホテルや旅館がいくつもあり、そのなかで特に有名なのが大谷山荘。そして本日は、その隣に併設されている、大谷山荘系列のデザイナー系旅館である「音信」に泊まってみた。

【玄関】
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 音信は宿泊客の数に対して、施設が豪華であり、建物も複雑なつくりになっている。
 玄関からは、すぐにこのような水庭があり、夏の暑い時期は納涼感があじわえる。

【廊下】
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 今回はメゾネットを利用。
 建物内での二階建形式なので、メゾネット部はやたらに天井が高い。
 そしてこの旅館はアメニティが豊富であり、バー、エステ、フィットネスジムまである。
 この旅館内で全てが完結する方式である。

【温泉】
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 温泉は大浴場もあり、また大谷山荘のさらなる大浴場も使えるが、部屋風呂でゆったりと過ごすほうが寛げる。
 山に面して、今の時期の万緑の景色を眺めながら、湯本温泉の湯を楽しもう。

【部屋】
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 階段の途中から部屋を見る。
 メゾネットの二階部はどうなっているかというと、ミニシアターになっていた。
 DVDは図書室から自由に借りられるようになっており、選びに行ってみたが、あまり量もなく、それにあまりそそられる名画等もなく、このへんは改善の余地あり。
 まあ、この手の旅館に来て、わざわざDVDを見て時を過ごす人もそんなにいないだろうけど。

 温泉でくつろいだあとは、料理処に行って夕食。

【先付】
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 先付は、長門の雲丹に姫オクラと車海老、それに「たまげ茄子」。たまげ茄子はこの地の特産品の茄子であり、名前のとおりたまげるくらいに大きい。そしてふんわりした食感が特徴的である。

【造り】
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 造りは仙崎港であがったものを主に使っている。
 穴子に剣先烏賊、シマアジ。

【焼き八寸】
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 焼八寸のメインは萩和牛。それに鯛の小袖寿司、糸瓜と隠元豆の白和え。

【冷やし鉢】
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 長門の鮑を蒸したものに、カボチャ、絹さや。

【揚げ物】
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 鱧の東坡揚げにアスパラ。

【御飯】
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 御飯はとうもろこし御飯。とても甘い。それに赤だし。


 全体として、山のなかの宿とはいえ、すぐ近くに良港のある地の利を生かして、地元の海の幸、山の幸をふんだんに用いたもの。料理自体は、大箱の温泉旅館らしい、平均的なもので、まあ家族とかで行っても安心して食べられるといったものか。

【獺祭】
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 この旅館は、地元の全国的人気酒「獺祭」を各種とりそろえており、それぞれの性格にあわせて酒と料理を選べばけっこう楽しめると思う。獺祭ファンの人にとっては、この店での食事は素晴らしいものになるであろう。


【みすず通り】
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 翌日は長門観光。
 長門は天才詩人金子みすずの生地であり、仙崎駅前の通りには、彼女が幼少期を過ごした家を保存した記念館や、お墓のある寺、銅像等々がある。そして家々には、金子みすずの詩も飾られており、それらを読みながらしばし散策。


【仙崎駅】
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 仙崎駅。
 ここに金子みすずのモザイク画がある。
 これ、自分の目で見ると、抽象画のようなのだが、カメラのファインダー越しに見ると、金子みすずの像が浮かんでくる。
 そういうふうに計算して造られたものだそうだ。

【山陰線時刻表】
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 この駅の時刻表を見て、列車数の少なさに、唖然としてしまった。
 山陰本線って、山陰地方の鉄路の幹線なんだが・・・
 こういうのを見ると、一時間に特急が一本しかない日豊本線に文句をつけている自分が、いかに恵まれていたかと反省。

【向徳寺】
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 仙崎の次は向津具半島へ。
 ここの向徳寺はあじさいの寺として有名である。
 時期としては微妙だが、もしかして残っているかもと思ったが、あらかた終わっていた。
 あじさいは花が枯れると花は切り落とされるので、それらの花々、そして近頃の悪天候によって落ちたらしい樹木の枝とともに、燃やされているところであった。

【楊貴妃の里】
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 唐代の傾国の美女楊貴妃は、安史の乱のときに亡くなったはずだが、じつはひそかに逃がされて、小舟にのって海を越え長州向津具半島へとたどり着き、そこで生涯を終えたという伝説がこの地にあり、その楊貴妃を祀ったのがこれである。
 いろいろと突っ込みどころの多い伝説なのだが、そこは突っ込まず、激動の生涯を送った麗人を静かにしのびましょう。

【道の駅ほうほく】
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 楊貴妃の里からは国道191号線を通り、そこで人気の道の駅「ほうほく」に寄ってみる。
 海の幸のしなぞろえ多い道の駅であり、そして外のベランダに出れば、日本海、そして角島大橋を見ることができる。
 そして運がよければ、着ぐるみ着たゆるキャラの「ほっくん」に会えることができる。
 今回はほっくんは居ず、この看板のみであった。

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【参考:ほっくん (オフィシャルサイトより)】
Hokkunn

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July 03, 2016

耐暑登山:田原山(鋸山)@国東半島

 国東半島には低山ながら面白い山がたくさんあることは知っていたが、いままで行く機会がなかった。
 今回英彦山登山のついでに国東半島の基部にある中津市に泊まったので、国東半島の山にのぼってみることにした。まずは、形が独特であり、個性の強い山である田原山へと。

【登山案内図】
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 登山口は鋸トンネル前にあり、よく整備されている。
 登山案内図もあり、それによると順路は、大観峰→見晴らし岩となっている。
 ただこの方向だと下りが急傾斜になるので、見晴らし岩側から登ることにした。

【登山道】
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 見晴らし岩へは、日当たりのよい、草の生い茂る坂を登って行く。
 本日は、「梅雨明け!」といいたくなるぐらいに好天であり、空は真夏の青さであり、雲もにょきにょきと入道雲が湧いている。
 で、当然のことながら暑い。
 汗はふきでるし、心拍数はあがるし、登っていてまったく楽しくない。
 もう途中でやめて帰ろうと思ったのだが、しかしここは国東半島の山。宇佐八幡宮を総本山として、奈良時代の昔から山伏たちが修験の場として山々を駆け巡ってきた由緒ある地である。日本の登山の歴史は修験道から始まり今に続くわけで、登山愛好者としては、その偉大なる先達である山伏たちの心に近づくためにも、もうひと頑張りしてみよう。
 ・・・って、近頃同じようなことを考えて、無理やり登ったことがあったような気がする。

【見晴らし岩へ】
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 見晴らし岩へ近づくと、登山道は岩稜地帯となり、ようやく風があたってくる。
 そうなると体感体温もぐっと下がり、なんとか一息つける。
 それでも、風が止まると、これがまた暑いのだ。

【見晴らし岩から】
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 見晴らし岩から、登山道は稜線に入る。
 ここからは田原山の別名の「鋸山」が示すように、鋸歯上の凸凹した鋭い山稜を歩くことになる。
 当然展望はよく、南方向には由布岳、鶴見岳が見える。
 見えるが、雲が山頂近くかかっており、どうやら昨日同様に、高度の高いところは雲の通り道となっており、天気は悪いようだ。

【稜線】
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 稜線は、鋭いナイフリッジ的登山道が続いて、注意が必要である。
 この稜線にはいくつも岩塔があり、それぞれ名前がついている。
 その一つで休憩していた人と挨拶。まずは開口一番「暑いですねえ~」と互いに言う。
 その人は本当は九重に登る予定だったのだが、朝九重の登山口に行くと、雨が降っており止む気配もないので、標高の高い山は今日は無理だと思って、低い山のこちらまで来たとのことであった。
 梅雨の期間は、梅雨前線という壁に向かって、太平洋から湿った空気が流れて来ているので、高所では天候が読みにくいということを実感。

【登山道】
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 岩塔をいくつも越える道を行くと、5人グループとすれ違った。一人ずつと、「暑いですねえ」と挨拶をする。
 最終ピーク手前の「八方岳」に近づくと、「危険」の標識があった。八方岳方面からは、ここから岩場になるので、その注意の喚起のようである。

【八方岳】
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 八方岳に到着。
 へんぽんと破れ筵みたいな旗が翻っているが、半旗みたいな揚げ方になっているのは何故?
 それはともかくここからは名前の通り、360度、八方の風景が眺められ、東は豊後湾、南は由布岳と、ぐるりと大分のほとんどの地形を見ることができる。

【八方岳下り】
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 八方岳はこの稜線のピークではなく、その向うの大観峰が最高峰である。
 いったん岩場を下っていく。ここはちょっとした難所となっており、登りのほうが楽であろう。田原山の稜線のルートは、登山口の案内図に載っていたように、反時計回りが全体的にルートが分かりやすく、そして登りやすいので、そちらがお勧め。

【大観峰】
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 八方岳から、大観峰へ到着。
 ここから見る、先ほど通って来た稜線の姿は、鋭い岩壁であり、迫力ある。
 ここから先はもう基本下るだけなので、ここでのんびり休憩したいところであるが、太陽の高度が上がるにつれどんどん気温が上がり、痛いような日光が照りつけるなか、一秒たりとも長居する気はおきず、林のなかの道を目指し、さっさと下山にとりかかる。

【谷あいの道】
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 帰りの道は、八方岳から伸びている尾根と、大観峰から伸びている稜線のあいまの谷を行く。
 普段ならなんとも思わぬ道であるが、4月からの地震のせいであちこちの山が崩れているせいで、「もしまた大きな地震が起きたら、ここは土石流の通り道だな」とか考え、一抹の不安を感じながらの下山。

【登山道】
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 ある程度下れば、地形は平たく、また広くなり、いちおうの安全地帯。
 そしてこのあたり一帯は、タラがたくさん生えていた。春には山菜とりの人でにぎわうんだろうな。

【山香温泉風の郷】
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 暑い、暑いと嘆きながらの山行であったが、それも道理で、本日は今年一番の猛暑日であり、九州各地で気温は35℃を越えていた。山登りするような気候ではなかったのである。
 そういうわけで、通常の倍以上の汗をかいて下山したあと、登山口からすぐ近くにある温泉施設「風の郷」でさっぱりと汗をながす。
 こういう日の登山は、温泉とセットで完結するのである。


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【本日の登山ルート】
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June 04, 2016

由布院は大変:由布岳、狭霧台、玉の湯など。

 雨のなか、県道11号線を走っていると、由布岳正面登山口の駐車場には一台も車が止まっていなかった。いくら雨とはいえ、ミヤマキリシマの季節に由布岳への登山者が一人もいないということは有り得ないので、???と思った。
 不思議に思い、車を止めて、登山口を偵察してみたら、「登山禁止」の標識と、それにロープが張られていたので納得。

【由布岳正面登山口】
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 これを読むと、落石が危険とのことで登山禁止になっているのだが、由布岳って頂上近くまでは岩場などないので、何故?とは思った。
 ただよく考えると、頂上あたりは崩れやすい岩の積み重なりなので、そうとう緩んだ岩場が、また大地震が来ると一挙に崩れるだろうし、そうなると登山道全般に岩が襲ってくることになるので、今の由布岳は全体が危険地帯になっているのだろうなと納得。
 地震が収まるまで、由布岳登山は無理のようだ。

【狭霧台】
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 今度の地震は相当に大きかったらしく、由布院盆地の展望所の狭霧台が、基盤が崩れたらしく、立ち入り禁止になっていた。
 ここは狭霧台全体を強化しないと立ち入りは不可能だろうから、復旧には日がかかりそうだ。

【玉の湯駐車場】
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 由布院の宿は「玉の湯」で。
 駐車場に車を止めると、なんだかふてぶてしい猫が車を見守っていた。
 玉の湯専属の門番猫? じつに風情がある猫だ。

【玉の湯旅館】
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 玉の湯旅館、全国有数の人気旅館で、予約はとるには相当前から申し込まないと無理なのだが、今回は一週ほど前にネットを見ていたら空きがあり、容易にGetできた。
 滅多にない出来事。

【フロント前の庭】
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 玉の湯の特徴は、由布院の昔ながらの自然の姿を演出しているところ。
 ドクダミ、ツワブキ、シロツメクサ等々、雑草の生い茂る庭であり、でもその雑草の茂り具合は絶妙に手が入れらており、それゆえいっそうに「自然の美」をいうものを感じさせてくれる。

【大分川】
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 今回の宿泊では、6月初旬ゆえ、大分川に飛び交うホタルを期待していた。
 しかし残念ながら、雨が降り、風が吹きすさぶ気候では、とてもホタルは無理であった。まあ、こういう時もある。
 ちなみに、大分川はけっこうな清流であり、クレソンが生い茂っている。
 玉の湯では、どの料理にもふんだんにクレソンが使われているが、これ使っているのかなあ、といつも思ってしまう。(もちろん違うのだろうけど)

【部屋】
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 部屋は素朴な和風。
 床の間に飾られたヤマボウシが美しい。

【夕食】
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 玉の湯の料理は美味いけどとにかく量が多い。
 最初の前菜は、素朴でありながら、どれも手のこんだ繊細なもので、この宿の料理のレベルの高さを教えてくれる。
 刺身は関アジと鮎であり、盆地の宿とはいえ、新鮮な良い食材を使っている。
 メインのシリーズは、すっぽん鍋に、豊後牛焼き。それから定番の野菜煮しめ、鮎の塩焼き、揚げ出し豆腐、等々。
 主要な料理は、十年一日のごとく、同じものばかりなのであるが、どれも見事なものである。

 料理同様に、部屋、温泉、庭、接客等々、全て同じようなものであり、玉の湯って、ワンパターンな宿だと、来るたび思う。
 でも、それは「偉大なワンパターン」とでも言うべきもので、守るべきもの、伝えるべきものが、確固として存在しており、それを維持し続ける努力、信念は素晴らしいものであり、それがこの宿を日本を代表する名宿に築きあげたのだろう。


 ところで、全国有数の観光地由布院は、地震のおかげで大変なことになっているそうだ。
 とにかく客が来なくなっているのであり、地震後、由布院の街なかを歩く人の数はぐっと減ってしまった。そして当然宿泊客も減るのであり、玉の湯でさえ、当分は閑古鳥が鳴いていたそうで、キャンセル率90%を越えるというハードな状況が続いていた。
 創業50年を越える宿で、こんなことは初めてです、と女将は嘆いていたそうである。

 まあ、でも阿蘇と違って、温泉が枯れたり、建物が崩壊したりというほどでもないので、やがてはまた元の賑わいをみせる日も近いのでは。
 それだけの観光地の底力を十分に持っている地ゆえ。

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May 28, 2016

料亭旅館竹千代霧島別邸@霧島

 霧島は泉源の異なる温泉が豊富な地ゆえ、それを生かしたたくさんの温泉宿がある。
 それらの温泉宿はそれぞれ個性が豊かで、いずれも面白い。
 今回は、霧島神宮前の料理旅館系の温泉宿「竹千代霧島別邸」という宿を選択してみた。
 この宿は、料理旅館と銘打っていて、鹿児島市内に本店の料亭があり、そこの支店系統の旅館という位置づけにあるみたいだ。

【部屋】
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 旅館は部屋数が少なく、静かな滞在を楽しめる。
 部屋は純和風のクラシカルなスタイルで、しかし天井は三種類の造りで組わせており、造り手の趣味を感じさせる。

【風呂】
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 部屋付き露天風呂は、けっこう広くて、5人くらいがいっぺんに入れる広さ。
 湯は当然、豊富な湯量を生かして、硫黄泉の源泉掛け流し。身体が芯から温まるいい湯である。
 ただし今回は雨がずっと降っていたので、こちらにあまり入る気はせず、旅館の大風呂のほうを主に使ったけど、あとで写真に写っている大傘を露天風呂に入れれば、まったく雨を気にせず入れることを発見した。

【前菜】
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 料亭旅館ということで、料理に期待。
 前菜は新緑豆腐、蕗味噌漬け、海老チーズ、苦瓜白和え、穴子寿司、鮎甘露煮、青梅蜜煮と、色どり鮮やかで、また香りもそれぞれ高い、華やかな盛り合わせ。

【吸い物】
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 玉蜀黍と蛤の真丈は、ユニークな食感。椎茸の香りと山椒の香りが豊かである。

【造り】
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 造りは海老、マグロ、キビナゴ。
 鹿児島ではキビナゴははずせない。

【焼物】
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 大きめの伊勢海老は味噌焼きで。

【鍋もの】
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 鹿児島名物は、やはり黒豚。
 これをしゃぶしゃぶで、温泉玉子といっしょにいただく。

【替わり鉢】
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 黒毛和牛である鹿児島牛のステーキとフォアグラ。

【食事】
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 〆はこれも鹿児島名物の鶏飯。

 鹿児島の食材と名物をふんだんに使った、ゴージャス系の料理であった。
 どれもなかなかの美味で、霧島という有名観光地を訪れたときのハレの気分にうまくマッチするような料理だと思う。

 温泉は文句なしに良く、旅館の雰囲気も味があり、料理もなかなか。
 田舎ならではの素朴感とか、質素感とかはまったくないが、雅びな人の山のなかの別荘的華やぎを感じられるおもしろい宿であった。

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May 03, 2016

三徳山@鳥取県三朝町

 三鈷峰を登ったのちは、米子から三朝温泉に移動。
 翌日三朝温泉の近くにある三徳山に登るためである。

【三徳山投入堂(Wikipediaより)】
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 三徳山は断崖絶壁に建てられた国宝「投入堂」が有名であり、その奇観ぶりは一度は見るべき価値あるであろう。
 私は三朝温泉は幾度も訪れたことがあるが、いずれも松葉蟹が目当てだったため、冬にしか来ていない。冬は投入堂への道は通行止めになっているため、せっかく三朝温泉を訪れても、投入堂へ登る機会がなかったわけであるが、今回は春なのでやっと登れそうである。

【三朝温泉夕食】
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 三朝温泉に着いて、登山の汗を温泉で流し、それから夕食。
 夕食には松葉蟹が出て来たが、この地の名物とはいえ、今の時期に無理に出さんでも、と思わぬこともない。

【三徳山入口】
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 朝起きると、とんでもない強風が吹いていた。
 いわゆる「五月の嵐 メイストーム」であり、春先に低気圧が急に発達することによる生じる台風なみの強風である。
 予報によると、低気圧の移動は早く、午後から大雨になるそうであるが、三徳山は午前中にさっさと登れるであろうから、宿近くの三徳山へと出かけた。

【三佛寺参道】
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 投入堂は三佛寺の奥にあり、まずは三佛寺に参らねばならない。
 急風にあおられながらこの道を歩いていると、いきなり頭に衝撃が走った。
 なにごとかと思ったら、風で桜の枝が折れて、吹き飛んで私の頭を直撃したようで、私の足元にその枝が落ちていた。
 お寺の参道でこのような目にあうとは、いわゆる「バチが当たった」ことなのかもしれないが、つらつらかえりみるに近頃バチが当たる心当たりもなく、これは「たんに運が悪かった」ことなのだろうと結論づけ、足元の桜の枝を片づけ、進んでいく。

【三佛寺】
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 三佛寺にまず参拝。
 ここで400円払って、そしてその奥の投入堂入り口でまた200円参拝料を払うというのが、投入堂へ行き方である。
 しかし、なんと・・・

【本日のお知らせ】
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 受付にはこのように、「本日荒天のため投入堂立入禁止」のお知らせが。
 せっかく九州から鳥取に来たというのに、さっきの桜の枝の件という、どうにも私は投入堂と相性が悪いようだ。

【三佛寺】
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 投入堂に行けないからと引き返すのもなんだから、三佛寺をお参り。
 平安時代からの歴史ある寺なので、趣ある建物が多く建てられている。

【投入堂入り口】
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 ここが投入堂の入り口。
 ここは登山口のようになっており、ちゃんと登山届をここで提出して登るようになっている。
 そして、本日の台風レベルの強風で、樹の枝が折れまくっていて、係の人はその後片付けに奔走していた。
 そんな状態ではやっぱり登山が無理なのは当たり前である。

 ここまで来て、あとは引き返す。
 投入堂はまたのお楽しみということにしておこう。

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 ―追記―

 山渓のガイド本にはそのようなことは載っていなかったのだが、あとで三佛寺のHPを確認すると、投入堂までの道は非常に険しいので、きちんとした格好+装備で、そして二人以上の組じゃないと登山許可はおりないそうだ。
 そうなると、天候がどうであろうが、単独で来た私は最初から登ることは出来なかったわけだ。

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 三佛寺HP

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