温泉

October 28, 2017

霧島登山@台風接近中

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 10月、九州の山はせっかくの紅葉シーズンなのであるが、週末に天候が悪化するということが続き、そして最後の週は先週に引き続き台風が接近中ということである。
 先週は台風21号を甘く見ていて、登山口から撤退ということになった。
 それで今回はその反省を生かして、きちんと台風22号の勢力と進路を調べてみる。前回の超弩級の大きさであった台風21号とは違い、今回のはコンパクトであり、強風圏もそんなに大きくない。そして九州に最接近するのは土曜の夜であり、翌日の午後には遠くへ過ぎ去っている。ならば、土曜日の昼のうちにさっさと登ってしまえば、台風の影響はさほど受けないことになる。

 ということで、土曜日に紅葉目当てで登山に行くことにした。

 先週は九重に行ったので、今回は霧島に行こう。
 まずは金曜日に鹿児島市に泊まり、「鮨匠のむら」で美味しい料理を食って、モチベーションを高める。それから翌日霧島に行こう。
 霧島は新燃岳の噴火のせいで、韓国岳周囲が立ち入り禁止となっている。しかし、紅葉の名所である、えびのの池巡りコースは規制域に入っていないので、池巡りとそれから白鳥山にでも登り、軽く汗をかいて、その後霧島温泉郷の温泉宿で一泊するという、お気楽プランを立てた。このコースなら、もし風が強くとも、おもに林のなかの道なので、問題はないだろう。

 けれども、えびの高原に着いたら、池方面への道路が通行禁止になっていた。ならば遊歩道を使えばいいと思い、念のため駐車場の係りの人に聞いてみたら、なんと遊歩道も立ち入り禁止とのこと。それでは、池まで行くすべがない。
 それで計画を変更する。
 霧島で、立ち入り規制がされていないのは高千穂峰だけである。そこに向かうしかない。また、神社周囲の林はたぶん紅葉を楽しめるであろうと予測した。

【高千穂河原】
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 えびの高原からの直通道路は新燃岳のせいで通行止めとなっていたので、大回りして高千穂河原へ。
 雨は小雨程度の降り方だが、けっこう風が強い。

【登山道】
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 期待していた紅葉であるが、赤く染まる前に、前回の台風と今回の強風で、葉は散ってしまっていた。

【登山道】
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 やがて登山道は、林間を抜け、溶岩でつくられた岩稜帯に出る。さすがにここからは風が強くなる。

【登山道】
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 一面ガスが立ち込めているので、視界のわるいなか、このペンキマークを確認しながら登ることになる。

【登山道】
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 高度が1300mを超えると、さすがに風は強度を増し、ときおり吹く突風に幾度もよろめき、そのときはまったく行動できなくなった。吹きっさらしなのに加え、前に風の滑り台のような高千穂峰があるため、予想していた以上の風の強さである。
 姿勢を低く保ち、常に岩に手をかけながら、用心して登って行く。

【御鉢へ】
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 御鉢への傾斜を上り詰めると、ようやく御鉢の高さにたどりつく。高度は1500mくらい。御鉢に上がると、傾斜はほとんどなくなり、水平の道をしばし歩くことになるが、そういう地形のせいで、風はさらに強さを増した。
 台風ははるか彼方で、鹿児島は強風域に入っていないはずなのだが、標高の高いところはもはや強風域の支配下にある雰囲気であった。

【御鉢】
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 御鉢に出たのちは、しばし御鉢の縁を進むことになる。
 しかし、御鉢の登山道は、両側が崖であり、そして東側は鋭い噴火口である。もし暴風域なみの強風が突然吹いて、それに煽られて滑落したら、まず命はない。
 さすがにこれ以上進むのは危険すぎたので、ここで撤退することにした。
 中高年登山は安全第一なのである。だいたいこんな日に高千穂峰の山頂まで登らねばならない理由はなにもないのだし。

 下山は体重が下方向にかかるせいか、意外と風にあおられずに、無事に下山。
 当たり前のことながら、誰一人とも会うことない登山であった。そういう場合、「静かな登山を楽しめた」というのが常套句となるのであるが、今回ばかりは、風が常に轟々と唸り、ときおり砂礫が火口を流れる不気味な音が響く、騒がしい登山であった。

【霧島ホテル】
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 本日の宿、霧島ホテルへと到着。登山で、普通の汗と、それに冷や汗をかいたので、このホテルの名物の特大庭園風呂で、ゆったりとくつろごう。

【硫黄谷庭園大浴場:ホテル公式ページより】
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 霧島は、川が温泉と化し、温泉の滝もあるという、莫大な湯量を持つ地なので、このように巨大な掛け流しの温泉浴場を築くことができる。
 何度来ても、この大浴場には圧倒される。

【夕食】
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 夕食は広大な食事処で。
 台風の近づいている本日、客は少ないだろうと思ったら、人はいっぱいであった。
 駐車場の車のナンバー見ると、あんまり遠方の人はいないようであったし、南九州人はさすがに台風に慣れている。

【外の眺め@翌朝】
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 夜には鹿児島に台風最接近ということで、外は嵐のごとき状況であったが、窓さえ閉めておけば、部屋のなかはまったく平穏無事で過ごす。
 そして翌朝には、台風は離れ、風は強いものの、雨はあがり、晴れ間も見えた。
 だいたい予想どおりの天気の変化であり、安心して帰れることになる。

【高千穂峰】
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 帰路での霧島神話の里公園から見る高千穂峰。
 昨日と違って、山頂まで見ることができる。この姿を見て、今日登りかえしてみようかなとちらりとは考えたが、どう考えても気象条件は今日のほうが悪く、吹き返しの風が昨日よりもずっと強く吹いているに決まっているので、そういうことはしないことにした。


 紅葉の季節の10月は、どの週末も天気が悪く、まったく九州の山の紅葉が楽しめなかった。平成29年の10月は、悪い意味で記憶に残る月であった。


Takachihomine

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October 07, 2017

愛媛観光 : 佐田岬→下灘駅→道後温泉

 10月になって涼しくなり、紅葉の季節である。
 ただし九州では、この連休はまだ紅葉には早い。どこの山に登っても、紅葉を楽しむことはできないであろう。
 それで、連休は九州を離れて遠出して、紅葉を見に行くことにした。
 昨年、同様の思いで、鳥取の大山は紅葉の旬だろうと勝手に思って大山に出かけたら、紅葉は1分程度であり、がっかりしたので、今回はきちんと事前情報を得ることにした。
 すると四国の石鎚山が、山頂近傍がちょうど紅葉の旬ということで、石鎚山に行くことにした。

 連休の天気予報では、土曜日は曇り時々雨、日曜は晴れということである。
 そのため、土曜日は登山には使わないことにして、土曜日は四国に渡りはするものの、いったん松山市に泊まり、ゆったりとすることにした。

【佐田岬】
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 四国にフェリーで渡り、まずは佐田岬に寄ってみる。
 愛媛から大分に向かって、細長く突き出ている佐田岬半島は、山の尾根がそのまま海に突っ込んでいるような、面白い地形の地であり、ドライブしていると特異な風景をずっと眺めていることができて楽しい。
 その道をずっと行ったのち、駐車場に車を止め、2km弱の歩道を歩いて佐田岬へと到達する。

【佐田岬】
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 地図で見てわかる通り、ここは狭い海峡になっており、潮の流れが厳しい。
 そしてそのおかげで、良い漁場になっているようで、激しい潮を制御しながら、幾艘もの漁船が漁を行っていた。

【佐田岬 : 燈台と海鳥群】
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 豊富な魚を狙っているのは漁師たちのみでなく、岬に群れる海鳥達も、始終岬を周回して、魚の群れが来たときは海に突っ込んでいた。

【佐田岬 : 大砲】
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 佐田岬は海の交通の要所であり、太平洋から瀬戸内海に入る船は、かならずここの目の前の海峡を通らねばならない。
 先の大戦のとき、本土決戦に備えて、この岬に大砲が設置され、そのレプリカが展示されている。
 ・・・江戸時代ならいざ知らず、二次大戦の時代で、もしこの海峡に異国の軍艦が来るなら、制空権が取られたあとに決まっているので、相当な苦労をして設置したであろう、この対艦武器に、何の意味があるか、私としては考え込んでしまうわけであるが、当時はそのようなことを平気でやってしまう、政治・軍事の思考の貧困さが実在した、そういう事実をこの大砲は示している。
 そして、じつのところ、そういった現実的思考あるいは科学的思考の貧困さは、今なおあらゆる領域で、今の日本に頑として存在しているわけであって、ならばこの大砲は、我々そのものの象徴であるような気もして、いろいろと考えてしまった。

【下灘駅】
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 JR四国予讃線の無人駅である、「下灘駅」。
 一日の利用乗客は60人ほどという、零細駅であるが、海にとても近いロケーションにあることから、「日本一海に近い駅」として、全国的に有名であり、列車は使わないものの、その風景を愛でるために、多くの観光客が立ち寄る、四国きっての名物駅となっている。

【下灘駅】
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 駅と海を一緒に撮るアングル。
 じつのところ、地方住まいの身としては、こういう辺鄙な駅と、静かな海は、似たようなものはよく見ているので、あまり新鮮さは感じなかったが、でもその二つを組み合わせると、独特の風情ある風景が生まれるわけで、たしかにこの風景を求めて全国から観光客が来る、その理由がよく分かった。

【道後温泉】
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 松山はいろいろと名物があるけど、その筆頭は道後温泉。
 四国は温泉に乏しい地であるが、この温泉ばかりは、万葉集の昔から名が伝わる名湯である。
 そして道後温泉の象徴である道後温泉本館を見物し、そしてその周囲を散策。
 それから松山市へ行って宿泊。
 明日は石鎚山に登ろう。

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September 23, 2017

重盤岩@津奈木町 & 湯の児温泉@水俣市

 熊本から鹿児島方面に国道3号線を走っていると、途中の津奈木町で国道沿いに見える奇岩「重盤岩」。前から気になっていたのだが、熊本に用事ができたついでに行ってみることにした。

【重盤岩】
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 津奈木町は、九州中央部に横たわる巨大な山塊である九州脊梁山地の、西の海側の端に位置するので、もっぱら山ばかりという地形であるが、その山々のなかで重盤岩のみは、山というより岩の塊という姿であり、とても個性的である。

【つなぎ美術館】
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 津奈木町はアートの町でもあり、町なかにいろいろな美術のオブジェが飾られている。それらを散策しながら楽しめるのも、この町の魅力だ。

【重盤岩眼鏡橋】
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 重盤岩のふもとには、これも熊本名物のアーチ状石橋がある。
 オブジェの奥に見える橋である。
 江戸時代に、熊本には高度な技術のある石工集団がいたので、熊本では各所にこのような美しい橋が造られている。そしてそれらは頑丈だったので今にいたるまで残っている。

【モノレール】
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 重盤岩には、80mほどの高さを登る。
 つなぎ美術館から、モノレールが出ているので、それを使うと楽に登ることができる。

【重盤岩】
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 重盤岩は、下から見ると、岩峰が一個突き出ている、単純な岩山に見えるけど、登ってみると、四方八方に登山道を伸ばした複雑な形をした岩山であった。
 それぞれの道をたどり、そこからの風景を楽しみながら、じっくりと散策した。

【湯の児温泉】
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 重盤岩を散策したのちは、近くにある湯の児温泉に移動。
 歴史あるこの温泉は、小さな湾に、いくつもの温泉宿がある風情ある姿である。

【温泉】
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 今回泊まった宿は、「昇陽館」。
 全室オーシャンビューという、眺めのよい宿である。
 ただし、ここからはどうやっても沈む太陽しか見えないはずなので、この宿の名前には納得がいかなかった。

【湯の児温泉】
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 この宿は、湯の児の豊富な湯をいかして、いろいろな種類の温泉があり、どれも良かった。

【夕食】
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 夕食は温泉宿スタイル。
 刺身、煮物、椀物、焼き物、それらを一挙に持ってきて、あとはセルフサービスというもの。
 こういうのは好きではないが、でもある意味でくつろげるので嫌いではない。海産物のレベルもなかなかのものであった。

 今回、急に思い立って旅行を決め、そこでたまたま空いていた宿を予約したけど、値段のわりにはいい宿だったと思う。特に眺め、温泉は、標準以上のレベルであった。

【湯の児島】
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 湯の児の湾に浮かぶ3つの島。
 最初の橋は、「飛び込み禁止」とか書いているけど、おらんだろそんな人、とか心で突っこんでしまう。

 一番目の島は、小高いところに登り、そこの神社にお参りして、それから次の島へと行く。
 その途中に、「願掛け亀」という大きな亀の石像があり、そこでお賽銭を供えましょう。福々しい亀なので、なにか御利益ありそう。
 この島々は、これ以外にもたくさんの亀の像が設置されているけど、それには理由がある。一つには昔、大きな亀が訪れたという伝説があること。そして、もう一つは第3の島を見晴らすところに、亀に似た岩があること。伝説はともかく、この岩を見ると、その位置と姿が絶妙なので、ここがいかにも「亀の島」という気にさせられる。

【福田農園】
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 湯の児温泉近くには、スペインの文化を伝える「福田農園」がある。
 定期的にフラメンコなどもやっているそうだ。
 今回はそれを見る時間もなかったので、美味しいとの評判のパンをたくさん購入して、それから帰宅した。


 今回、突発的に重盤岩を訪れたけど、植生を見ると、紅葉が多く植えられており、これは10月末から11月にくるとさぞ美しい景色を眺められるだろうなと思った。

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September 17, 2017

綾界隈@台風18号到来の宮崎

【9月17日天気図】
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 9月になって涼しくなり、山のシーズン到来というわけで、連休は山登りと温泉で楽しもうと思っていたのだが、そこへ連休を狙ったかのように、大型の台風18号が、進路が不安定なまま九州に向かってきて、予定がまったく立たなくなったので大人しく前半はインドアで過ごしていた。
 そして16日の夜には、台風の進路がはっきりし、17日の午前中に鹿児島上陸ということで予測が立てやすくなった。
 その日は綾町の温泉宿「酒泉の杜 綾陽亭」に予約を入れていた。当たり前のことながら、旅館というものは、当日にキャンセルをするとキャンセル料を取られるのだが、このときは数日前に宿からあり、「台風の場合はキャンセル料はとりませんので、キャンセルされる場合は早めにご連絡お願いします」との電話があり、なかなか出来た宿と思った。
 当日になり、天気図をみて計画をねる。
 まず宮崎では台風は午後に直撃ということになる。そして雨については、前線との関係で県北はひどいことになりそうだが、宮崎市から綾町へのルートはさほどの雨は降らなさそうである。
 それで、午前中にとっとと綾に移動して、台風本番は施設内で迎えるというプランを立てた。「酒泉の杜」は、温泉、ワイナリー、レストラン等のあるリゾート施設なので、チャックインまで充分に時間をつぶせるであろう。

 ということで、いつもより遥かに車の数の少ない10号線を車で走り、11時頃に綾に到着。
 ところが、時間をつぶすはすの予定の酒泉の杜、本日は台風のせいで全施設営業中止となっていた。・・・よく考えれば当たり前なのだが、その可能性についてはすっかり失念していた。反省。

【酒泉の杜】
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 施設の臨時休業とととも、イベントも中止のお知らせ。

【綾陽亭 客室】
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 というわけで、酒泉の杜をぶらぶらして時間を過ごすという計画があっさりと没になったのだが、宿のほうが特例で12時からチェックインさせてくれた。有難きかな。
 広々として、品のよい、快適な部屋である。
 この部屋のソファに寝っ転がり、午後からは嵐の様相になってきた外を眺めながら、読書や音楽で、ゆったりと時を過ごした。

【部屋風呂】
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 部屋風呂も檜の立派なものである。

【大浴場】
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 酒泉の杜の大浴場は、本日は宿泊者専用である。
 得した気分になった。

【夕方】
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 海上にいたころはゆっくりと進んでいた台風ではあったが、九州に上陸してからは速度を上げ、あっというまに当地を過ぎ去り、夕方には晴れ間も見えた。
 連休中の、迷惑千万の邪魔虫であった台風のとりあえずの通過であった。
 ちなみに、飛行機も飛ばす、JRも全区間運休というこの日、宿のキャンセルは2組だけだったそうだ。どうやって遠くから来れたのだろう?と思ってしまうが、台風に慣れた日本人は、旅のやりかたもそれぞれの工夫をもっているようだ。

【夕食】
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 夕食は、宮崎の地元のものをふんだんに使ったもの。
 綾町取れの野菜、茸、日向鶏、地頭鶏、宮崎牛、日向灘の魚、天然鮎、宮崎産の鰻等々、〆はやはり宮崎名物レタス巻き。
 この宿は県外の観光客が訪れることが多いので、そういう人たちにとって満足度の高い料理であろう。もちろん県内の者にとっても、十分に美味しい料理の数々である。

【照葉大吊橋】
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 翌日は台風一過の晴天である。
 それで綾の観光地を散策。
 まずは、一番の名所「綾の大吊橋」。
 原生林の峡谷にかけられた、世界最大規模の長さを高さを持つ、大吊橋。
 足元は一部が網状になっていて、歩いていると高度感抜群である。

【花時計】
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 直径26mという大きな花時計。
 花の時期はとてもきれいなのであるが、少々時期外れであった。

【綾城】
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 綾の町を見下ろす場所にある、ユニークな造形の城。
 ここからの眺めはじつに素晴らしい。


 台風直撃の連休、それなりに充実した休日を過ごすことができた。

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September 03, 2017

「天空の船」&レストラン「Festa del mare」@上天草松島

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 念珠岳から下りて、車で30分ほどの位置にある、本日の宿「天空の船」へと向かう。
 この宿は天草のリゾートホテルであり、天草松島の絶景を高台から望みながら、露天風呂に入られるというのが売りの宿であり、残暑の天草登山で汗をたくさんかいた身には、絶好の場にあるホテルといえる。

 そして部屋から見たホテルの本館の姿。
 たしかに、岬の突端から空へと漕ぎ出す、客船のように見え、「天空の船」が見事なネーミングということが分かった。

【露天風呂】
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 オーシャンビューの部屋のテラスのなかにある、掛け流しの露天風呂。
 リクライニングソファもあり、ここでゆったり時を過ごし、日がな、太陽の動きとともに変わる松島の風景を眺めたりすれば、贅沢な時を過ごせるだろうなと思った。

【夕暮れ】
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 天草の海は西に面しているので、サンセットビューが売り物である。
 本日は、大気が澄んでおり、そこまできれいな夕焼けにはならなかったが、それでも沈む夕日に、刻々と色と姿を変えていく、雲や海の姿がとても印象的であった。

【天空の船@夜】
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 ホテル本館は、夜になると、内部かの明かりが自らを美しく照らし、まるで豪華客船のように見え、このホテルの真の姿は夜にあると思った。

 風呂と夕焼けを満喫したあとは、ホテルにあるレストランで夕食。

【前菜】
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 天草の食材を使った盛り合わせ。
 海老の包み揚げ。天草の名物の天草大王のササミのマリネ。甲イカの昆布〆。
 野菜のバーニャカウダ。

【前菜(オプション)】
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 今が旬の天草赤雲丹。甘くて旨い。
 これはオプションメニュー。

【前菜】
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 アワビと天草野菜のガスパチョ。香草添え。

【前菜】
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 トウモロコシのクロカンテ。クルマエビの唐辛子風味。

【パスタ】
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 天草産魚介類とトマトで和えたサルディニア風フレゴパスタ。

【魚料理】
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 有明町産さざえと鮮魚のソティ・新ごぼうのソース。
 鮮魚はイシガキダイ。

【肉料理】
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 阿蘇赤牛の網焼きもろみと、赤ワインソースと夏野菜添え。


 「リゾートホテル」なるものは、サービスが多角的であり、種々のことに手を出さないといけないので、そのどれもが平均的になりがちで、食事も「とりあえず最大公約数的に満足できるようなもの」が出てきがちなのだが、このディナーを食べてちょっと驚いた。
 本格的なイタリア料理である。
 もちろん素材は地元のものを主に使っているけど、組み立て、調理法は、じつに真っ当なイタリア料理であり、都市部の専門店で十分に通用するレベルのものである。
 こういう地方の観光地で、しかも多数の客を相手にする観光ホテルで、このような本格的かつ真摯なイタリアンを食べられて、イタリア料理好きの私としてはとても感心した。さらに、ワイン揃えも立派なものであり、それもまた驚きであった。

 海産物、野菜の豊富な天草は、それを利用した美味しい店が多いけれど、基本的には新鮮な素材勝負な店が主体であり、そのなかでこのように、素材をうまく生かして、イタリア料理に昇華できる腕を持つシェフのいるレストランがあることは、天草にとって、じつに良いことだと思った。

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May 27, 2017

雲仙のミヤマキリシマ&小浜のジャカランタ

 ミヤマキリシマの季節到来である。
 この時期は梅雨前線のせいで、天候が悪いことが多いのだが、今年はまだ梅雨前線の北上が遅く、5月の最終末は高気圧が九州を覆い、好天の予報である。
 九州にはミヤマキリシマの咲く山は多かれど、今が旬の山は雲仙のようだったので、雲仙へとでかけてみよう。
 また下山後は、小浜温泉に寄り、そろそろ咲くであろうジャカランタもあわせて楽しむ予定とした。

【池原登山口から】
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 池原登山口から登山開始。
 ここはツツジが多く植えられているけれど、もう花の時期は終わりに近かった。

【登山道】
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 今日は天気が良すぎて、日が痛いほどであったが、しばし歩くと林のなかの道となって日陰となり助かった。

【仁田峠】
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 登山口はいったん仁田峠へと出る。
 ここもミヤマキリシマの名所。たくさんの車も止まっていた。

【国見岳】
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 妙見岳に登り、国見岳を見ると、見事にミヤマキリシマが咲き誇っていた。
 雲仙の三岳のなか、どの山もミヤマキリシマは生えているのだけど、国見岳は量・質ともに、他の山を圧倒していた。

【国見岳】
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 国見岳に近づくにつれ、ピンクの花々がよく見えてくる。
 国見岳のミヤマキリシマは、群落を作っている九重とは違って、他の灌木とともに生えているので、初夏の濃い緑との色の対照が独自の景観をつくっている。

【国見岳山頂】
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 国見岳山頂から普賢岳と平成新山を眺める。
 あまりミヤマキリシマは咲いていないようだが、ここから見えないクレーターのなかの咲き具合に期待して、普賢岳へと向かう。

【平成新山】
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 平成新山へと着けば、ミヤマキリシマはぽつぽつと咲いている程度。
 以前の噴火でここらの植生はいったん全滅したはずだが、それでも新たな灌木はしっかりと生えていて、そして平成新山の瓦礫にも、うっすらと植物が覆い、そのなかには小さなミヤマキリシマの株もいくつかあって、ピンクの花を咲かせている。
 自然の回復力には感心させられる。

【普賢岳】
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 普賢岳方面のクレーターは、ヒカゲツツジの群落があるのだが、さすがにもう終わっていて、花は一輪も残っていなかった。
 それでもこの濃い新緑は見事なものである。

【普賢岳】
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 この標識を少し登れば、普賢岳山頂である。
 しかし本日は狭い山頂に人がいっぱいなのが、どこからで見えていたので、今回はパスして下山。

【仁田峠普賢神社】
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 仁田峠に到着。
 今日は天気がよく、ミヤマキリシマのピンクに加え、生命感あふれる新緑、そして澄み切った空の青さを存分に楽しめた。

【小浜温泉】
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 下山後は小浜温泉へと。
 小浜温泉は町じゅう、もうもうと湯煙が立ち、海からも海底からわく温泉で湯気が立つ、湯量豊富なところであり、風呂も当然源泉かけ流しである。
 雲仙温泉郷も良いところだが、小浜温泉もとても良い温泉地である。

【ジャカランタ】
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 小浜名物は温泉に加え、街道にずらりと並ぶジャカランタ。
 6月からが旬の花なのであるが、5月下旬ではさすがにまだ花はわずかしか咲いていなかった。
 ミヤマキリシマ、ジャカランタと二つの名花を同時に楽しむのはやはり無理だったか。


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February 05, 2017

雲仙観光ホテル

【雲仙観光ホテル正面 (宿の公式HPより)】
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 私が九州の旅行のネタ本としている「九州遺産」という本には、九州の近現代の歴史的建造物が101件おさめられており、いずれも歴史的価値の高いものばかりである。
 そのうちホテル部門で唯一つ選ばれているのが「雲仙観光ホテル」である。
 九州には立派なホテルがいくつもあるけれど、そのなかでこのホテルのみ選ばれたのにはもちろん理由があり、それは建物自体の価値と、その歴史的役割による。

 かれこれ80年ほど前、戦前の日本は財政難に苦しんでいた。その当時日本は輸出が不振であり、地下資源の乏しい日本は外貨獲得の手段に乏しかった。そこで外貨を得る方法として観光を思いつく。日本全国の風光明媚なところに、外国人の好むような豪奢なホテルを建てて、そこにどんどん観光に来てもらおうと思ったのである。
 複雑な地形を持つ日本ゆえ、山、海、湖、・・・風光明媚なところはいたるところにある。そこから15ヶ所を選りすぐって、多額の費用をかけて本格的なホテルを建設した。いわゆる「国策ホテル」である。
 考え方としては、悪くなかったとは思うのであるが、選んだところが悪かった。赤倉、阿蘇、唐津、松島、河口湖、中禅寺湖と、たしかに風景は良いが、交通の便の悪い、いわゆる僻地ばかりである。現代よりはるかに交通に手間暇かかる時代、そんなところにわざわざ外国人観光客が来てくれるはずもなく、いずこの施設も建てたはいいが閑古鳥が鳴き、営業はまったくふるわず、年月を経るうち多くは廃業し、取り壊されるか、廃墟化していった。
 九州にあるもう一つの国策ホテル「阿蘇観光ホテル」は、そちらの部類で、今も山なかに廃墟として朽ちるままとなっている。

 そういう悲惨な経過をたどってしまった国策ホテルのうち、「雲仙観光ホテル」は80余年間を生き残り、建築当時の重厚な姿を伝える数少ないものの一つであり、ゆえに国から文化財に指定されている希少なものなのである。

 今回雲仙岳を訪れたついで、不思議物件めぐりの一環として、このホテルに泊まることにしてみた。

【フロントロビー】
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 入ってすぐのフロントロビー。年期の入った太い木の柱や梁、大きな絨毯、高い天井。山岳リゾート風の意匠が、存在感高い。
 このホテルにはエレベーターはなく、階段を使っての移動になるが、それもまた味があってよい。廊下の天井も高く、ふんだんに使われている手入れの行き届いた木材とあわせて、「奈良ホテル」に似ているなと思って、案内のスタッフにそう言うと、「みなさま、同じ感想を言われます」とのことであった。

【図書室】
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 ホテル内には図書室、ビリヤード場などもあり、どれもクラシカルな雰囲気十分。

【眺め】
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 ベランダからは雲仙の街が眺められる。
 すぐ近くに雲仙地獄があることもあり、街のいたるところから蒸気がふき出ている。

【大浴場】
Bath

 大浴場は、湯量豊富な雲仙にしてはこじんまりした感じ。しかし、浴場全体の雰囲気はレトロかつクラシックで風情がある。

【レストラン】
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 食事はダイニングルームにて。
 この部屋がまた広くて、柱からアーチ型に支えられた天井も高くて、いかにもクラシックスタイルである。給仕のスタッフも正装であり、それも加えてさらにクラシックな雰囲気だ。

【ディナー】
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 オードブル:子牛のパテ 自家製ピクルス添え、帆立とオマール海老のボローバン、魚料理 鮮魚のムースリーヌ ノイリー風味の雲丹ソース 肉料理:黒毛和牛ロース肉の炭火焼

 料理は建物と同様にクラシカルスタイル。余計な創作性やいじったところはなく、堂々のストレートを行くフランス料理であり、いずれも普通に美味しい、旅先で安心して食べられるものであった。

【デザート】
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 デザートもまた本格的。いくつものスイーツがワゴンサービスで運ばれ、取り放題である。こういうのに慣れた外国人なら全種類制覇も可能であろう。

【夜の花火】
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 冬の雲仙の週末の特別サービス、花火大会。
 街の中心部から幾発もの大きな花火が打ち上げられ、冬の澄んだ夜空に広がる様は、たいへん趣がある。

【夜の花火】
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 もっとも冬なので、ベランダから見ていると寒くてしかたないから、しばらくして部屋に入り、ベッドに寝転がってガラス窓越しに花火を眺める。
 暖房の利いた部屋から、冬の花火を見る、これもいいものであった。

 建物、施設、部屋、調度品、ダイニングルーム等々、いずれもクラシカルスタイルで非日常感があじわえたホテルで、もう一つ冬の花火という非日常感も楽しめた一日であった。

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December 17, 2016

久住レゾネイト@久住町

 久住レゾネイトは九重連山の南側の山麓に位置するリゾートホテルであり、九重に南側から登るときに便利なので、今回利用してみた。

【施設と風景】
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 九重の宿泊施設は、やまなみハイウエィ側のほうが数が多い。そちらは山のなかなので、周囲は山ばかりであるが、南側の山麓だと竹田市方面に向かって高原となっているので、広々とした風景が楽しめる。北側にはもちろん九重の山群があり、朝のモルゲンロードが美しい。

【部屋】
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 部屋は山荘風に、木材をふんだんに用いたもの。
 部屋のなかには半露天風呂もあるが、部屋のものは温泉でないので、湯質をたのしみたいなら大浴場がよいでしょう。

【夕食】
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 夕食は和食・洋食から選べるが、宿の雰囲気からは洋食があっていると思う。
 オードブルは新鮮な野菜を用いたバーニャカウダー。オマール海老と海老芋のエクレア。メインの魚料理は、サーモンと貝類、野菜を包み蒸しにしたもの。肉料理は豊後牛のロッシーニ。
なかなか本格的なものである。
 今回は日が暮れていたので見えなかったが、日があるうちはこのレストランからは高原から祖母傾に到る雄大な景色が眺められるので、ワインを傾けながらこの料理を食べていると、優雅な気分にひたれると思う。

【露天風呂】
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 温泉の質は、ミネラル成分が豊富なものであり、じっくりと温もれる湯である。
 眺めは当然良く、高原のホテルならではの魅力あふれる露天風呂である。

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December 02, 2016

旅館:かやうさぎ@日田市琴平温泉

 平日の午後に日田市に行かねばならない用事ができた。日田市は日帰り圏であるが、翌日が土曜なので、ただ行って帰ってくるのももったいなく、日田市で一泊して翌日は近くの山である英彦山に登るプランを立てた。
 それでネットで宿を探してみると、日田市には温泉があることを初めて知った。日田市は、名水、豆田町、それにサッポロビールが有名であり、日田市を観光目的で訪れる人はたいていこれらを目的にしているわけで、温泉はあまり有名でないのだが、あったんだ。
 とりあえず、その日田市の琴平温泉の宿「かやうさぎ」を予約し、用事を済ませたのちに宿泊。

【かやうさぎ】
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 かやうさぎは、古民家を使った宿であり、相当な年月を経た建物である。そしてその木材は丁寧にメンテナンスがされており、いずこもまるで毎日磨きあげたかのようにツヤツヤとしていた。

【高瀬川】
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 宿の傍には川が流れていて、部屋でくつろいでいると、川の音、それに鳥のさえずりが聞こえてくる。

【夕食】
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 夕食は会席料理。
 温泉宿によくある「分かりやすい御馳走系」ではなく、前菜、お椀、向附、焼きもの、煮物、と本格的なものである。 素材もなかなか良いものを使っており、全般的に料理のレベルは高いものであった。

【温泉】
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 肝心の温泉はというと、炭酸系のやわらかい、よくあたたまる湯が掛け流しで豊富に流されている。
 晩秋の寒い朝、もうもうと湯気のあがるなかの温泉はたいへん気持ちよいものであった。

【朝食】
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 朝食は炊き立ての御飯が釜で持ってこられ、この御飯がツヤツヤと炊かれ、とても美味しい。これを宿自慢の卵で卵御飯にして食べるとさらに美味である。

 近くに有名な温泉地がいくらでもあるのなか、温泉目当てで日田市に来る人はそういないだろうけど、日田市の温泉、それにこの温泉宿の実力はあなどるべからず。さすが、温泉県大分、いい温泉地を豊富にそろえています。

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November 05, 2016

オーベルジュ:楓の木@耶馬渓

【楓の木】
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 「楓の木」は名勝地耶馬渓にあるオーベルジュで、庭も建物も純和風であるが、料理は創作系のフランス料理を出す、ユニークな宿である。

【部屋】
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 この宿は広大な敷地を持っており、各部屋から見える庭もまた広い。
 樹々や岩が豊富な庭は、借景としている裏山にそのままつながっていき、なんともスケールの大きな庭である。

【夕食】
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 オードブルは、手長海老のフリット、それから海産物のエスカルゴオイル焼。
 それらに続きメインの魚料理。アルミホイルにくるまれた山女は、この宿のスペシャリテ。一見、山女をコンソメで煮込んだものように見えるが、じつは山女の身を完全に外してそれを帆立とともにムース仕立てにして、山女の形に整えたもの。
 10数年前この宿を訪れたときもこの料理はあり、その時は「せっかくの山女の繊細な味が台無しだよ。せめてムニエルくらいにすればよいのに」と思った記憶があるが、今食べてみると、これは意外と複雑にしてバランスのよい料理だということに今更ながら気付いた。山女料理として考えるとどうかとも思うが、しかしコンソメ+帆立+山女の足し算がうまい具合に調和がとれていて味も香りもよろしい。おそらくは日本全国でもここでしか出ない料理であろうから、一度はこれ食してみる価値あるものだと思う。
 メインの次の肉料理は豊後牛を好みの加減に焼いたステーキ。
 デザートはクレームブリュレ。これもこの宿のスペシャリテで、ずっと変わらず出しているそうである。

 (・・・オーナーによると、この宿は基本的にはあまり変わらないことを大事にしているそうだ。ただ以前と変わったことは庭に餌台を設置したことで、それから小鳥が多く遊びに来るようになったそうだ。たしかに食事中にも、美しい小鳥の舞う姿をよく見た)

【風呂】
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 この宿は天然温泉であり、そして露天風呂からの眺めがよろしい。昼に見る深山幽谷の姿はもちろん、山奥の宿ゆえ、夜は真っ暗となり、雲のない夜は満天の星を眺めることができる。湯の質もよろしく、身体がよく温まる硫黄系の湯である。


 建物、庭、温泉、料理、それぞれ良い宿であるが、この宿の真価は、宿の名前が示すように紅葉の時期にあるのであり、庭にたくさん植えられている楓の木が赤く染まるときは、さぞかし美しいであろう。今回は紅葉はまだ始まったばかりであり、そういう姿は見られず残念。
 まあ、そういう時期は予約とるの大変なんだろうけど。

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