温泉

June 16, 2019

大丸別荘@二日市温泉

【大丸別荘】

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 温泉王国九州において、福岡県は火山帯から外れているので、例外的に温泉の乏しい地であり、温泉掘削技術が発展するまでは、まともな温泉の出るのは二日市しかなかった。ただしその二日市は、万葉集の時代から記録が残る由緒する温泉地であり、そのためであろう、ここには一軒の有名な老舗旅館があり、福岡では(たぶん)唯一の高級旅館として全国から多くの客が通っている。
 今回大宰府を訪れたついで、そこに近き温泉宿である「大丸別荘」を訪れてみた。

【庭】

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 大丸別荘は幹線道路に面しているものの、高い塀が巡らされており、なかの具合は外からはよく分からない。なかに入ってみると、複雑なつくりの廊下を歩くうち、広大な庭が目に入る。それが3500坪もの敷地を使った回遊式日本庭園であって、樹々、石灯篭、池、橋、東屋等々が美術的に配置されており、二日市の町のなかに、このような贅沢な空間があることに驚きを覚えた。

【部屋】

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 大丸別荘は創業は江戸時代という老舗であり、それからいろいろと建て増しをして新旧混在の今の形になったのだが、今回泊まった部屋はそのなかで最も古い大正亭という建物のなかのもの。硝子の微妙なゆがみが、年代ものということを教えてくれる。
 部屋からは先ほど見た庭を見下ろすことができるが、この方向からの眺めもまた格別である。

【夕食】

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 夕食は会席料理。八寸、お造り、お椀、焼物、御飯。
 料理そのもの、あるいは素材に特筆すべきものはないけれど、どれもしっかりした技術で丁寧に造られた、高級旅館にふさわしい、安心感のある美味しい料理である。
 手際のよい和服姿の仲居さんの給仕で、風情ある部屋のなか、美しい庭を眺めながら食事をとっていると、高級旅館とは、すべてがそろった総合芸術みたいなものだなあということが実感できる。

【朝食】

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 朝食は小さな料理がたくさん並べられた楽しいもの。これもまたずいぶんと手間のかかるものと思われる。朝から食が進む進む。

【温泉】

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 温泉は大浴場と、それから大正亭宿泊客専用の貸し切り風呂を使ってみた。
 この貸し切り風呂、いわゆる家族風呂なのであるが、その広さにまず驚く。そしてこの浴槽は二つに仕切られていて、手前はぬるめなので、ゆったりと浸かっていることができる。
 温泉は当然源泉掛け流しで、泉質は柔らかめであり、かすかに硫黄の匂いがする。とてもいい肌触りの湯である。

 

 名旅館と知られる「大丸別荘」、初めて訪れたけど、建物、接遇、庭、温泉、料理、どれもが高水準のいい宿であった。また大宰府を訪れる機会があったら、ぜひとも泊まってみたいものだ。

 

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June 01, 2019

壁湯洞窟温泉 福元屋@九重九湯

【福元屋】

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 登山でミヤマキリシマを堪能したあとは、九重の麓にある温泉旅館「福元屋」へ。
 この宿、洞窟を穿った川沿いの露天風呂で全国的に有名な宿である。「日本秘湯を守る会」にも選定されており、たしかに川に臨む一軒宿の姿は秘湯の雰囲気たっぷりだ。

【福元屋】

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 福元屋は老舗旅館で、元々は明治まで遡る歴史を持つ。その時代の建物を改修、改築しながら維持しており、全体はけっこう複雑な形になっている。

【部屋】

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 部屋は町田川に面しており、今の時期は、夜になると涼やかな蛙の鳴き声をバックグラウンドミュージックに、蛍が飛び交う姿を見ることができた。

【露天風呂@「じゃらん」より】

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 福元屋自慢の「天然洞窟温泉」。
 およそ300年ほど前に川に沿って狩りをしていた猟師が、岩壁から温泉が湧出していることに気付いて、そこへの道を開拓して温泉を開いた、という云われを持つ温泉。
 その後、温泉の湧いているところに洞窟を彫り、立派な湯船となっている。当然、湯は足元からどんどんと上がってきて、それが豪快に川に流れて行く、本当の源泉掛け流しの湯。その風情と、湯そのものだけでも極上級の温泉であるけど、初夏の時期には目の前の川に蛍が明滅しながら飛び、その光のショーを湯につかりながら見ることができる。私もそれを楽しむことができた。

【夕食】

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 コンニャク刺身、馬刺し、筍白和え、山菜茶碗蒸し、鳥と豆腐の牛蒡煮、蕎麦がき餡かけ、豊後牛溶岩焼、鮎の塩焼き、山菜天麩羅、等々の地元でとれた素材を家庭料理風に調理した、素朴ながらそれぞれ特徴ある、「福元屋」の料理となっている。
 温泉とともにこの料理のファンになって常連になっている客も多いとの話もうなずける美味しさである。

【朝食】

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 朝食も夕食同様に地元の食材を用いた素朴なもの。
 どれも良いけど、特筆すべきは毎日精米して炊いている米の美味しさ。米には特にこだわりある宿というだけあって、いくらでもお代りしたくる絶品の御飯であった。

 

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May 25, 2019

旅館:水神之森@長湯温泉

 ミヤマキリシマ偵察を終えて下山してから、長湯温泉へと。
 長湯温泉は温泉大国日本でも珍しい、高濃度の炭酸泉の地として有名。炭酸というものは、温度が上がると気泡となって逃げてしまい、温かい湯のなかにあまり残らないのであるが、ここの温泉は元の濃度が高いため、温泉として使える熱さになっても十分に炭酸が残っている、貴重な温泉なのである。

【水神之森】

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 旅館「水神之森」は長湯温泉の旅館街とは離れた、町を見下ろす高台に位置しており、九重連山も一望でき、たいへん眺めが良い。
 東京在住の御夫婦が、地方における理想の温泉宿を造ろうと、いろいろな土地を探して、温泉、水、食材、眺め、その全てがそろっているこの地をようやく見つけた、というだけある。
 宿自体はハンドメイド的な、よく言えば心のこもった、悪く言えば素人っぽいつくりで、特に宿入り口近くにある正面の「きのこドーム」は、脱力系建物で、わたし的にはポイントが高い。

【温泉】

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 温泉は湯治場的雰囲気の濃厚に漂うレトロな造り。湯は当然源泉かけ流し。
 そして温泉は炭酸のとても濃い、温泉力漲る、という感じの、身体の芯まで温泉力が伝わって来る、個性的な湯である。

【夕食】

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 夕食は地元の食材を使い、けっこう手のこんだものが出て来る。質、量ともなかなかのものであった。
 食堂からは日が沈みゆく九重が正面に見え、雰囲気も大変良い。

【飼犬】

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 この宿はネットの予約のさい、「動物の苦手な人は御遠慮お願いします」との但し書きがあるので、犬や猫、鳥、その他大勢うろちょろしている宿を想像していたけど、-そういう時期もあったのだけど、今は代替わりで少なくなってしまっているそうで、犬はこの「白牡丹ちゃん」一匹だけであった。あとは自由行動ばかりであまり客の前に出てこなかった猫が三匹。
 家でもそうだけど、ペットのいるところって、場がなごむものであり、そしてこの宿も白牡丹ちゃんが気ままに闊歩しているので、なんとものんびりした、柔らかな雰囲気が満ちていて、心地よかった。

 

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April 28, 2019

カタクリの道 右谷山南尾根~寂地山@山口県岩国市

 寂地山は、右谷山から冠岳にかけての縦走路がカタクリの名所であり、今の時期はカタクリロードとなるので、それを目当てに登ることにした。
 前回雪の時期に寂地山を登ったときは寂地峡~寂地林道の周回コースを使ったけど、今回は右谷山にも登りたいので別のコースを考える。地図をみると右谷山の南尾根に破線が引かれており、この道を使うと寂地峡駐車場を起点として周回できるので、南尾根を使って登ることにした。

【登山道(?)】

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 駐車場から舗装路をしばし歩き、登山口らしき所から山に入りこむ。すると登山道に続くと思われた踏み跡は沢に消えてしまったので、方向を無理に変え山側に乗り上げると、登山道らしき道を見つけた。
 しかしその道は草に埋もれ、ここ数年まったく使われていない、つまりは廃道化していた。まあ、それでも登山口周囲が藪道でも進むうちまともな登山道になることもあるので、(天草念珠岳とか指宿矢筈岳とかみたいに)、なにはともあれ南尾根を目指して登っていった。

【無線アンテナ】

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 藪道と作業道を交互に行くうち、なんとか尾根に乗り上げると色褪せた赤テープがあったので、やはりかつては登山道に使われていた道と判明した。けれども尾根に入っても道そのものははっきりとせず、獣道を拾いながら登って行くうち、ちょっとした岩場があって、そこに登ると、無線アンテナがあった。 まだ新しく現役のようであるが、山頂ならいざしらず、このようなところに重い無線機を持ってきてCQCQする人がいるらしきことに不思議感を覚えた。

【登山道】

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 南尾根は最初の標高909mのピークに来ると、踏み跡がはっきりしだしてきて、どうやらこのあたりからどこかの登山道と合流しているようであり、歩きやすくなった。

【登山道】

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 標高1000mを越えると植生はブナ林となって、明るい自然林となるので雰囲気がよくなる。そして林間から遠くに目指す右谷山が見え、これで右谷山に着けることが確実になり、ほっとした。

【右谷山山頂】

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 そしてようやく右谷山山頂に到着。
 ここまでで登山はお腹いっぱいもう結構という感じであるが、ここからがカタクリロードの始まり、本番である。
 山頂には一人昼食休憩している人がいて、藪から突如山頂に現れた私を見て、「そこから登れるんですかあ」と驚いたように言ってきた。私は「登れるといえば登れるのですけど、登れないといえば登れません」と曖昧に答えておいた。

【カタクリロード】

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 右谷山から寂地山までの縦走路は、両脇にカタクリの花々が咲くカタクリロード。
 淡い赤紫色の花片を勢いよく後方に反り返らせたカタクリの花は、見ていて元気の塊のようであり、こちらにもなにかのパワーを与えてくれるようで快活な気分になれる。そういう気持ちのよい縦走路がずっと寂地山まで続き、ぞんぶんにこの希なるカタクリロードを楽しめた。

【寂地山山頂】

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 寂地山山頂でいったんのゴール。ここからはカタクリと別れて寂地峡への下山となる。たくさんのカタクリの花も見られたし、不思議物件も見つけたし、ルートファインディングに苦労もしたし、いろいろと盛りだくさん、充実の寂地山登山であった。

【大滝鳴滝温泉】

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 下山後は北広島に移動し、大朝鳴滝温泉に宿泊。大朝インターから下りて山道に入っていき、終点地点に何やら廃墟のような建物が現れ、ここ本当に営業しているのかい?と思ったけど、入ってみたら昭和の古き良き雰囲気を残したロッジみたいな宿であった。老夫婦が切り盛りしている、手造り感濃厚な宿で、そして山菜を使った料理はよかったし、鉱泉の沸かし湯も気持ちよかった。この手のレトロな宿は、これから減って行く一方であろうし、貴重な宿泊体験ができた。

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December 23, 2018

登山:古処山

 福岡に来たついで、油山だけでは物足りないなので、もう一つ山に登ることにした。
 九州では登山はだいたい温泉とセットなので、まず温泉を設定。福岡の名湯といえば、原鶴温泉であるが、今まで行ったことはなかったので、これに行ってみたい。で、その周囲の山といえば、古処山が一番有名なので、この山に登ることにした。

【登山口】
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 秋月キャンプ場跡の登山口から出発。
 本日はあいにくの天気で、曇りときどき小雨というところ。
 本来なら山登りするような天気ではないけど、既に温泉宿を予約しているので登らざるをえない。

【登山道】
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 この山のある朝倉市は昨年大水害のあったところであるが、この山の登山道も、所々崩れたところがあり、まだその爪跡が残っていた。

【登山道】
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 5合目に到着。ここは古処林道の終点で、駐車場もある。

【登山道】
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 天気はずっとすっきりせず、あたりは霧がこもっていて見通しはよくない。

【山頂】
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 古処山の登山道は、基本的にはよく整備されており、参道の雰囲気もあったけど、山頂に着くとそれも当然、社があった。
 山頂は樹々は少なく、展望はよいはずだが、本日の天候ではなにも見えなかった。

【古処林道】
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 下山は5合目からは元来た道は滑りそうなので、林道を使った。所々、路肩の崩れた林道であったが、入り口に着くとやはり「車両通行止」の看板が出ていた。
 しばし舗装路を歩き、それから林道に入って元の登山口へと戻った。

 沢、巨岩、遺跡等、変化に富んだおもしろい山だったけど、天気のせいで、その良さがあまり分からなかった山行であった。やっぱりこんな天気の日に山登りなどするものではないな。
 なにはともあれ平成30年度の登山は、これで〆である。怪我、事故なく無事に過ごせた一年であった。また来年もいろいろな山に登ってみよう。

【原鶴温泉】
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 古処山からは原鶴温泉へ。
 原鶴温泉って、大分道を走っているときに写真の右に写っている丘の上の建物が、「原鶴温泉」の看板が出ていて目立つので、私は原鶴温泉は丘の上にあると思っていた。しかしいざ着いてみると、筑後川の中州にある温泉街がそれであった。長いこと勘違いしていたなあ。

 そしてその湯は弱アルカリ性の柔らかい、たいへんよい湯であった。

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November 23, 2018

のんびり古湯温泉

 佐賀県の山間にある、小さな温泉街、古湯温泉。
 今年夏に泊まったとき、よい雰囲気の温泉地と思ったけど、今年のあまりの猛暑に温泉街を散策することなく宿から退散したので、秋になり、紅葉巡りを兼ね、その続編として訪れてみることにした。

【扇屋】
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 古湯温泉が古い歴史を持つ温泉であるけど、そのなか、やはり古い歴史を持つ創業130年になる老舗旅館の扇屋に宿泊。和歌の巨匠斉藤茂吉が懇意にしていたそうである。

【夕食】
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 扇屋の料理は、鯉料理が有名だそうだが、今は旬ではないので他の郷土料理をメインに。鯉のあらい、モクズガニ、こんにゃく刺身、山女甘露煮等、地元の食材を使った、素朴な、味わいある、料理の数々。
 そして佐賀は日本酒の蔵元の多い地なので、それらを使った利き酒セットもある。

【風呂:公式ページより】
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 古湯温泉は、人肌程度のぬるい湯で知られている。泉質は弱アルカリ性なので、そのぬるさもあいまって、柔らかな肌触りのよい湯だ。

【古湯温泉散策】
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 古湯温泉街は温泉街は石畳の道路沿いに、いくつもの温泉宿が立ち並ぶ、こじんまりしたつくりである。
 すぐ傍を山女が泳ぐような清流である嘉瀬川が流れ、まわりには色づいている雑木林の山が囲み、山間の自然豊かな景色が広がる。
 川で目立つ水車小屋は、現役であって、今も蕎麦粉を挽いているそうだ。

 のどかな雰囲気のなか、やわらかな湯の温泉宿で、のんびりと日を過ごすのは、極上の時間が流れるのを感じとれる。

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November 18, 2018

紅葉巡り:蘭牟田池外輪山@薩摩川内

 鹿児島の紅葉の名所、蘭牟田池。
 この池は火口湖であり、火口である池をぐるりと外輪山が取り囲んでいる。
 紅葉を愛でながら、その山を歩いてみることにしよう。

【案内図】
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 このように、池を6つの山が囲んでいる。一番高い片城山で標高508mであり、いずれも低山であるが、登山道はそれなりの高低差を持っているので、6つ全て登るとかなりの獲得標高となる。

【飯盛山登山口】
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 ルートは時計周り、反時計周りどちらでもいいのだが、飯盛山はこれのみ独立峰みたいになっているので、最初に片づけておこう。
 飯盛山の登山道は案内図に載っている自然歩道とは異なっており、登山口は知らないと見つけられない。
 上の図の赤印をつけているあたりが登山口であるが、ここへの道はないので、斜面を適当に歩いてたどりつく。

【飯盛山山頂】
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 急傾斜の道を、150mほどの高さを登り、飯盛山山頂に到着。
 飯盛山は蘭牟田富士の別名を持つ、円錐形の美しい山なのだが、この山からは当然見られない。
 向かいに見える山、竜石から、この山を見るのを楽しみにしておこう。

【紅葉】
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 飯盛山~愛宕山にはカエデが植樹されており、光を透かしてみると、万華鏡みたいできれいである。

【登山道】
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 飯盛山を離れると、カエデは少なくなり、登山道は自然林や杉林となる。

【飯盛山風景】
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 外輪山の登山道は林のなかなので展望は利かないが、ときおり林の切れたところがあり、そこから蘭牟田富士と蘭牟田池を望むことができる。
 蘭牟田富士の姿もよいが、それが池に写る逆さ富士もまたいいものである。

【竜石山頂】
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 外輪山で最も展望のよい竜石山頂。
 ここには遠目にも目立つ「竜石」という巨岩があり、蘭牟田富士、蘭牟田池とともに独特の風景を形成している。

【愛宕山山頂】
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 6つの山の終点、愛宕山に到着。
 「愛宕山」という名前の山は、日本中たくさんあるけど、だいたいは京都の愛宕神社と関連あるものである。
 だから山頂にある、この小さな祠は、たぶん愛宕神社。

【蘭牟田池自然公園】
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 外輪山登山を終え、それから紅葉の名所の本丸である蘭牟田池自然公園に寄ってみる。
 カエデの染まり具合は5分といったところだったのに対して、湖畔のメタセコイヤはほぼピークを迎え、美しいたたずまいであった。
 このメタセコイヤの奥に見えるリゾートホテル。設備はまだ新しいけど、まったく人の気配がなかったので不思議に思っていたが、あとで調べると今年の春に廃業になっていたのであった。

【蘭牟田温泉】
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 登山のあとは、温泉ですっきりしよう。
 蘭牟田池の近くにある、蘭牟田温泉「下ノ湯」は、おもに地元の人たちに使われている共同浴場であり、入浴料150円という安さ。
 湯は蛇口から滔々と弱アルカリの柔らかいお湯が流れる、源泉かけ流しの、極上の湯。
 山あり、池あり、花あり、紅葉あり、そして温泉あり。蘭牟田、いいところだなあ。

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August 12, 2018

ONCURI@古湯温泉

 天山登山でたっぷり汗をかいたのち、その山麓にある古湯温泉へ。

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 古湯温泉は、緑多き山のなか、嘉瀬川と貝野川の合流部にある、古くから知られた温泉地である。
 本日は温泉街の入口に位置するoncuriという宿に宿泊。もともとは老舗旅館の「吉花亭」という目立つ宿だったのだけど、経営母体が変わり、リニューアルして名前も変えたそうだ。

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 部屋は半露天付きの離れにしたけど、なにやら変な部屋であり、「離れ」という概念を吹っ切ったものであった。部屋の半分以上の面積を風呂が占め、残りの部分に無理やりベッドを押し込み、さらに残った僅かなスペースにその他もろもろがある、というもの。
 なんでこういう変な、というかユニークなつくりにしたのだろうと尋ねたら、宿のリニューアルの際に、もともと家族風呂だったところを宿泊部屋に改造したため、そうなったとのことであった。
 なるほど、貸切家族風呂の脱衣場の部分を寝室にしたら、こういう妙な部屋になるなと納得。
 とういうわけで、ここの離れは、風呂に入るか、寝るかする以外なにもできない部屋なのであるが、他の温泉宿でも、私はそれ以外しないので、まったく無問題ではあった。
 そして肝心の温泉は、弱アルカリの柔らかい湯で、それがぬるめの温度であり、登山で筋肉の疲れた身にはまったく気持ちのよいものであり、大満足であった。

【夕食】
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 夕食は和会席。その和会席料理、あきらかに料理長は洋の人であり、洋の技術でむりやり(?)和食をつくったという感じ。宿として料理長の特性を生かして洋を看板にすればよさそうに思えるけど、こういう温泉宿は和のほうが需要が多いだろうからそうなったのか。
 造りは、平目、ヒラス、マグロを山葵醤油や、藻塩、レモン塩でいただくというもの。
 鮎料理は、燻製仕立てになっており、鮎の香りはかなり上書きされたものになっている。ブイヤベースは普通にブイヤベースだと思うけど、使っている素材が鱸、サザエ、つみれ、冬瓜等の和のものをつかっているのが趣向らしい。肉料理は、伊万里牛、光瀬鶏、さくらポークの低温調理。アランパッサール流とはかなり違った独特の低温調理法。

 こういった大箱の温泉宿は、最大公約数的料理、つまりは刺身、焼き魚、天麩羅、茶碗蒸し、牛肉網焼きなんてものになりがちだけど、ここでは、かなり挑戦的、アゲレッシブな料理が出てきて、面白かった。

【花火】
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 Oncuriは夜のイベントとして、宿の前で花火を打ち上げてくれる。
 ちょうど食事の時間だったので、酒を飲みながら、優雅に花火を楽しむことができた。

【嘉瀬川ダム】
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 翌日、oncuriは古湯温泉の入り口にあり、私は古湯温泉街そのものをまったく見ていないので、温泉街を散策しようと思っていたけど、外に出たとたんあまりの暑さに、この暑さのなかぶらぶら歩く気はまったくなくなり、それで古湯温泉の上流部にある嘉瀬川ダムをドライブで見物だけして、それから帰宅した。
 古湯温泉については、また季節のよい時に来て、そのとき散策することにしよう。

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May 26, 2018

登山:久住山@ミヤマキリシマ

 5月下旬、九重のミヤマキリシマの季節。
 九重にはいくつもミヤマキリシマの名所があるけれど、今回は扇ヶ鼻を目指す。

 26日土曜日、天気予報によれば、午前中は雨だけど、午後には回復するとのこと。
 牧ノ戸峠に向けて車を走らせると、予報とおりにずっと雨。牧ノ戸峠の駐車場で雨が止むまで待機。10時半過ぎると、雨脚が弱まり、雲の位置も高くなったので、それから準備を整えて出発。

【扇ヶ鼻】
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 標高1700mに2m足りないせいか、普段はあまり見向きもされない扇ヶ鼻も、この時期は人でにぎわう。しかしながら、花の咲き具合はよくて3分といったところで、1週間~10日ほど来るのが早すぎたようだ。株ごとに蕾はたくさんついていたので、その時期はピンクに染まる山肌が楽しめるであろう。

【星生山へ】
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 扇ヶ鼻からは星生山へ。
 こちらも花の咲き具合は3分といったところ。

【星生山山頂】
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 星生山山頂からは、九重全体の360度の展望を楽しめるのだが、本日はガスの流れが急であり、久住山にはずっとガスがふき付けられて姿がよく見えない。

【イワカガミ】
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 本日はイワカガミがちょうど咲き頃だったみたいで、いずこでも満開のイワカガミを見ることができた。
 特に星生山にあったこのイワカガミ、これほどの群生は見たことがなく、この豪華な咲具合を見られて得をした気分。

【久住わかれ】
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 星生山から見えていたとおり、久住わかれからはガスの通り道になっていて、展望がよくない。
 それでもガスの流れが早いことから、もしかしたら久住山山頂に着くころには、ガスが晴れているかもしれないと、それを期待して登ってみた。

【久住山山頂】
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 ガスがひっきりなしに吹き荒れる登山道を登っていく。この時期なのに、ヤッケがないととても寒くて登れなかった。
 それでたどりついた山頂。残念ながらガスのなかで、まったく展望はきかなかった。
 ここでガスが晴れるのを待つのも寒いだけだから、写真を撮ったのちさっさと下山。

【西千里浜から】
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 西千里浜を歩くころ空が明るくなったので、うしろを振り返ると、見事にガスは払われ、星生崎と久住山のツーショットが鮮やかに見えた。
 あと30分くらいずれていたら、山頂での展望を楽しめたのだが、まあしょうがない。

【長湯温泉:翡翠之庄】
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 下山したのちは、明日大船山を南側から登る予定なので、そちらに便利な長湯温泉の宿に宿泊。
 この宿の露天風呂は、眺め、雰囲気、湯質、湯音、全てが好みであり、登山後の疲れを癒すには最適の温泉である。


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March 03, 2018

旅館:たから湯@西人吉

 山間の温泉地人吉の、明治創業の老舗旅館「たから湯」。
 もとは豊富な温泉をいかしての湯治宿だったのだが、今のオーナーが、温泉に加え宿泊そのものが旅の目的となるような魅力的な宿にしようという思いでリフォームを行い、それからは人吉では異質の、独自の個性を持つ宿となっている。

【庭】
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 旅館はなかに入ると、大まかな造りは古民家のようであるが、調度品はどれでも一流の洋風のものであり、その対比がおもしろい。
 そして部屋に案内され、庭を見ると、紅梅が満開であった。

【部屋】
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 和と洋の調和が、この宿のコンセプトらしい。
 部屋は二部屋からなり、和室と洋室である。
 洋室のほうは、ソファ、椅子、それにベッドの質がすばらしい。

【大浴場】
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 現代風な趣が強いロビー、部屋とはことなり、大浴場は昔からのものが保存されており、湯治の雰囲気を残したままのレトロなものである。
 源泉掛け流しの湯は、とてもきもちがよい。

【夕食】
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 「たから湯」の夕食は、ダイニングにて。このスペースもまたテーブル、椅子、すべて一流のものが揃えられており、美しい空間であった。
 そして食事は、球磨川流れる山深き地人吉、という場所からは、ジビエや山菜などをふんだんに使うようなものを予想していたら、まったくちがって本格的な会席料理であった。
 まず前菜から、その繊細で丁寧な仕事に印象を受ける。
 椀物は蛤真丈で、蛤の濃厚な味がうまく描出されている。
 造りは赤貝とサヨリで、山のなかで食べるようなものでもないのだが、とても良い素材である。焼物は鰆で、炊きものは甘鯛であり、これもまた同様にいい素材であり、そして調理もそれを生かす技術の高いものである。

 見てわかるように華やかな演出を行った料理の数々であるが、それを盛る器がまたどれも質の高いものばかりであった。

 全体として、一流の和食店に引けをとらない、旅館の枠を超えたような、見事な料理であったと思う。

【朝食】
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 朝食は、夕食とは変わって、地元の野菜や、名物を使った、田舎風の素朴なもの。
 これもまた美味しいものであり、この宿では、二通りの料理に味わいかたをできる。


 宿のつくりも、温泉も、接客も、そして料理もどれも高レベルのものであった。
 だいぶと前に、旅慣れた人から、人吉の「たから湯」はいいよと教えられ、ずっと気にはなっていたが、いざ訪れてみると、たしかに素晴らしい宿であった。
 そして、人吉といえば、やはり鮎が食の名物なので、いつか鮎の時期にまた来たいと思った。

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