洋食

November 25, 2012

ジビエ第二弾をGazzat@名古屋市で

 岐阜の柳家でジビエをしこたま食ったけど、名古屋にはまだ美味しいジビエを出す店があるという。
 今からがジビエの時期なので、それをはずすわけにはいかず、食通P氏の引率にて、一行はジビエ第二弾をGazzat(ガザット)にて味わうことにした。

 ガザットは、カウンター前にオイル漬けのサーディンやサンマ、それにキッシュ等、おいしそうなツマミが並べられており、そういった洒落たツマミでワインを飲むワインバーなのであるが、寒くなってのジビエのシーズンからは、ジビエが本道とばかり、絶品のジビエ料理を出す店となる。

 今回のジビエは、野鳩、小鴨、赤足ウズラ(Perdrix rouge)であり、すでに羽をむしられ、焼く準備の整えられた鳥をまず見せてくれた。羽をむしられた鳥の姿が苦手でない人は、次のリンクを参照。(→こういうもの

【炭火焼き】
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 鳥はカウンター奥で、マスターが手慣れた様子で、ガンガンと焼いてくれます。

【野鳩】
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 こんがり、ふんわりといい焼き加減。

【野鳩】
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 これを食べやすいように、切り分けてくれます。
 いいあんばいに塩加減も利いており、鳥肉の美味さがよりよく強調されている。

【小鴨】
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 次は小鴨。

【小鴨】
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 この焼き加減も素晴らしい。
 切った面を見ると、それだけで美味さが分かる美しさ。
 鴨肉は、洋食によく使われる素材だけど、ここの鴨肉は非常に味と香りが濃厚であり、たしかに今までそのへんを飛んでいた鴨らしい、独特のクセがあり、力強い、いかにもジビエという料理であった。

【赤足ウズラ】
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 赤足ウズラって、じつは初めて食べるけど、フランスではジビエとして代表的な鳥のようだ。

【赤足ウズラ】
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 赤足ウズラは見た目はけっこう派手な鳥であり、味も個性的なのだろうなと思ったが、意外とマイルド。あまりクセもなく普通に美味しい、良質な肉質を持つジビエであった。
 ジビエといっても、いろいろと種類があることをあらためて認識。

 名古屋、岐阜の名店をさんざんに楽しませくれた、P氏主催の11月の食ツアーであった。
 深く、感謝。

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November 24, 2012

至福のディナー@トゥラジョア(Tout la Joie)名古屋市 

 名古屋の名店「トゥラジョア(Tout la Joie)」で、ディナーを楽しんできた。
 昨年lここを訪れたときは、ランチであり、夜に京都の「桜田」を予約するという、無茶なプランを立てていたため、ワインは控えめにしていたのであるが、今回はディナーなので、心置きなくワインと料理を楽しめる。

 この店は、いちおうフレンチということになっているようだが、料理全体としては、フレンチもイタリアンも和も中華も、ぜんぶいいところを取り入れて、シェフ独自の料理に昇華している、世界でここしかない創作系料理店という位置づけになろう。

【百合根と浅利のスープ】
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 百合根と浅利のスープは、北海道産の特殊な百合根を用いて、きわめて滑らかな食感を保ち、それに浅利ベースの濃厚なスープをからませて、複雑な香りと味を持つ料理となっている。

【トリュフ風味の栗きんとん】
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 トリュフ風味の栗きんとんもまだ独創性豊かなもので、もとはトリュフ添えの薩摩芋の料理からインスパイアされたものなのだが、これをさらに進化させ、栗の上品にして豊かな甘さに、トリュフの豊かな香りをぶつけたもの。
 椀の蓋を開けたとき広がる削りトリュフの香りがまず素晴らしいが、栗きんとんにもトリュフが包まれており、さらにまた違ったトリュフの香りが立ち上る。

【鮑とタラバガニの香草パン粉炒め】
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 鮑とタラバガニという華やかな高級食材を使ったものに、さらに面白い食感を持つパン粉炒めがアクセントをつけ、しかも全体としてまとまりのある見事な料理。

【フカヒレの白味噌風味】
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 中華料理の定番フカヒレと、京都風の白味噌スープ。中華のフカヒレスープとは違うスープが、フカヒレの新たな魅力を教えてくれる。

 須本シェフの料理は、こだわりある素晴らしい食材を、自由自在に調理して、魅力あふれる独創的な料理が次々に出てくる。
 今宵も、喜びに満ちた夜を過ごせた。
 トゥラジョアは、その店名のとおりに、「Tout la Joie (all the joy)」を与えてくる店である。

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November 10, 2012

秋の洋食といえば白トリュフ! @ベルエポック

 秋の茸といえば、和食では松茸、洋食では白トリュフということになる。
 白トリュフは、香りが強く、その香りは刺激的かつ官能的であり、秋とともに是非食いたいという食材である。しかし、なにしろ個性的な食材なので、組み立てが難しく、出てもパスタに振りかけるだけ、なんて店が多いなか、ベルエポックの佐々木シェフはやってくれました。
 メインは白トリュフ尽くしのコース。
 どれもバランスが良く、トリュフは主人公にならず、個性的脇役として料理を盛り立てる、そういう素晴らしい料理が続きました。

【白トリュフ】
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 容器から蓋を開けたところ。
 トリュフの濃厚な香りが、ぷんぷんと店中に漂います。

【メイン1】
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 地元の鮑。鮑も香豊かな食材であるが、これにトリュフのリゾットを添えて、二つの香を混ぜて、さらなる高みの香りの世界へと誘ってくれる。

【メイン2】
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 コンソメスープだけでも極めて良質だけど、これに素の味を最大限生かした宮崎牛のしゃぶしゃぶが入り、そこに宮崎の見た目も美しい野菜が色彩を整え、そして、全体を統括するように白トリュフが載り、見事な料理となっている。

【メイン3】
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 ジビエの季節にはまだ早いが、それでも諸塚村の鹿を使って、そこにトリュフを刻んで載せて、ジビエの香りとトリュフの香りとの重奏。

 白トリュフという、個性が強く、かつ美味な食材を用いて、万華鏡のごとく、種々の料理を花開かせてくれた佐々木シェフの技量にただただ感嘆するディナーであった。

 宮崎に佐々木シェフあり、ですわ。

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January 18, 2012

高知編(3) 高知市→土佐山 19.6km

【高知市】
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 高知市の朝。
 高層ホテルの窓から眺める、と高知市の形がよく分かる。
 太平洋が嚢状に陸地に割り込んで湾をつくり、その湾のまわりに都市をつくっている。
 だから目の前を流れているのは川というより湾の細くなったところが正しい表現か。

【はりまや橋】
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 高知の名所「はりまや橋」は昨夜見たが、明るいときにも来てみた。
 日本三大がっかり名所の一つとして有名である、はりまや橋。
 三大がっかり名所のうち、「札幌市時計台」と「長崎オランダ坂」は訪れたことはあるが、「はりまや橋」は初めてである。
 がっかり云々はともかくとして、名所になることがおかしいような、なんということもなき橋ではある。
 ただ高知市の、ど真中にあるものゆえ、目立つといえば目立ちます。

【高知城】
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 高知市を散策したついで、高知城にも登ってみた。
 土佐藩の城、高知城は江戸時代からの建物が残存しており、重要文化財の指定も受けている。
 天守閣からは、高知市を一望でき、広々とした風景を楽しめる。

【山に向かって】
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 高知で有名な料理店といえば、私は「オーベルジュ土佐山」しか知らないので、今夜はそこに泊まり、夕食をとることにした。
 「オーベルジュ土佐山」は高知市郊外に位置していたが、自転車を走らせると、えらい山奥にあった。「土佐山」という地名なんだから、山で当然なんだろうけど、…高知の山はけっこう深い。いったん山に入ると、ずっと山である。

 高知は海岸線が長くて、海に面しているところがずっと続くが、そのわりには平地は少なく、実質上は山国なのである。
 土佐藩は土佐二十四万石と称されていた。四国の半分ほどの面積を占める、大きな藩のわりには石高が少ないなと漠然と思っていたが、高知に来たらその理由がよく分かった。

【オーベルジュ土佐山へ】
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 オーベルジュ土佐山へは、山奥へ、山奥へと入っていくのであるが、そんな山奥を訪れる人は、オーベルジュ土佐山に泊まる人しかいないので、標識は要所要所にしっかりとあり、迷うことなくたどり着ける。

【オーベルジュ土佐山】
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 山を登って行き、ようやく到着。
 川ぞいの山荘風の洋館であり、温泉施設もあった。
 人里離れ、のんびりとくつろぐ、そういう使い方をする宿のようである。

【夕食】
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 オーベルジュ、というからには洋食系の料理が出て来るかと予想していたけど、和・洋、混じった創作系の料理であった。
 こういう山奥に料理宿を出すだけあって、素材には相当なこだわりがあり、メニューには各素材ごとに生産者の名前が書かれてあった。

【夕食】
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 創作系ばかりというわけでなく、土瓶蒸しも出て来た。
 そういえば今シーズン、土瓶蒸しを食べるのは初めてだな。

【夕食】
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 料理はいずれも良かったけど、とくにこの鶏のソテーは、見た目がリズミカルで、そして味も変化に富んでいて面白い料理であった。

【部屋】
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 オーベルジュ土佐山の部屋は、木材を多用したロッジ風であり、音の反響が大変良い。そして部屋には高性能CDプレイヤーが設置されていて、CDの貸出しもしている。
 グールドのCDがあったので、そのイタリア協奏曲を鳴らしてみたら、予想通りに大変良い音で響いた。
瑞々しく、生命力豊かで、霊感にあふれた音。

【不思議物件】
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 オーベルジュ土佐山で見かけた不思議物件を紹介。
 この宿は山奥にあるので、周囲には明かりはほとんどなく、夜には漆黒の闇につつまれる地である。
 ただ、その闇の中、川を越えた山の頂近く、裸の木が一本、枝まできちんと見えるくらいに金色に輝いている。
 おそらくは、よく反射する素材で造った人工の木を、ライトアップしているものと思われるが、高知の山奥、一面の闇のなか、そのようなものが深夜から夜明けまで、ぽつんと輝いていているのは、なんともシュールな光景であった。
 梶井基次郎的世界というか、なんというか。

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December 24, 2011

愛知編(3) 名古屋市 忘年会2日目

【トゥ・ラ・ジョア 海老芋のウニ風味】
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 忘年会2日目の昼食は、名古屋市の創作系料理店「トゥ・ラ・ジョア」にて。
 会員制に近い店であり、名古屋では最も予約の困難な部類の店だそうだ。
 名古屋市在住の食の大御所のような人が今回の忘年会の主催者であったので、そのおかげで我々一行がこの店を経験でき、ありがたいことである。

 トゥ・ラ・ジョアはいちおうフレンチに分類される店なのだが、実質的には大阪のカハラみたいな、自在な創作系の店のようであった。
 その日のメニューを、メニュー表から書き写すと、

 ・源助大根と鮑の椀物
 ・トラ河豚のスープ
 ・海老芋のウニ風味
 ・下仁田葱と真鱈白子のオーブン焼
 ・カニ真丈の甲羅蒸
 ・すだち牛のビーツソース
 ・Mのサラダ
 ・帆立貝ご飯
 ・ブッシュドノエル

 調理も素材も過剰なくらいに手間暇かけているのだけど、フランス料理にありがちな、出来た料理もその流れで「過剰なもの」になる、ということはまったくなく、どの料理も見事にバランスが取れており、スマートかつクールな料理であった。
 同じ創作系の「カハラ」がホームランバッターが次々と出てくる打線とすれば、この店はイチロークラスの巧打者がずらりと並ぶ感じである。

 写真で紹介している料理は、海老芋に辛味風味のウニを芯に入れて、茹でたものに、ウニを和えて、アラレで食感にアクセントをつけたもの。
 相当な試行錯誤を経て、完成された料理なのだろうけど、複雑にして、深く、鮮やかな味にただただ陶酔するのみ。そして見た目も、写真のごとく、優美である。

 トゥ・ラ・ジョアは、ミシュラン言うところの三つ星店、まさに「そのためだけに旅行して訪れる価値のある店」である。
 これは来年も来なくては、と、主催者の予約に便乗して、私も来年の同時期に訪れることにした。


 忘年会2日目の夕食は、名古屋を離れ、京都の割烹「桜田」にて。
 その時間で、自転車で京都市に行くのは無理なので、新幹線で訪れることにする。
 新幹線だと、名古屋から京都までなんて、あっという間だな。

【京都 桜田】
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 2011年忘年会は、「柳家」「トゥ・ラ・ジョア」と個性の強い店を2軒訪れたのち、京料理の伝統の粋のような店「桜田」で〆となる。

 桜田は数多い京料理の名店のなかでも、スタンダードに近い、本流の京料理を出してくれる店である。
 いい素材を仕入れ、それを引き立てさせるような、切り方、煮方、蒸し方、焼き方で、シンプルながらも精緻な計算で成り立つ料理の数々。
 長い歴史のある京都でしか味わえない、「日本人の究極の家庭料理」を堪能しました。

 写真は虎魚の椀もの。
 研ぎ澄まされた出汁が、くっきりと具材の味を際立たさせ、立体的に迫る山水画のごとき世界。和食の世界の奥深さというものを教えてくれます。
 京料理、そして桜田の真骨頂。

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December 17, 2011

大阪編(1) 神戸→大阪 32.2km

【神戸市風景】
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 神戸市の裏山的存在の布引展望台にロープウェーで登って、神戸市の風景を眺めてみた。
 ここから見ると、神戸市って、海と山にはさまれた狭い地に、ぎっしりと建物がつまった街ということがよく分かる。 

【大阪府へ】
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 国道2号線を走行していき、小さな橋を渡ると、ここから大阪府との標識があった。
 県境というのは、どこもそれなりのドラマがあるのであるが、こんなあっさりした県境は初めて経験する。

【リッツカールトン】
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 出張などで大阪に滞在するときはリーガロイヤルを使うことが多いのだけれど、今回は、誰もが素晴らしい褒める大阪リッツカールトンに話のネタに泊まってみることにした。
 部屋に入れば、たしかに凄い。どっかの貴族の部屋のようである。眺めも淡路島まで見えてたいへんよろしい 。
 そしてホテル全体としても、いたるところに個性的な空間があり、ディズニーランドのごときテーマパーク的楽しさがあった。
 観光などで大阪に来る人には、受けるだろうな、という感想。
 しかしビジネスとかで使うには、ちょっと…という感じもある。

【御堂筋イルミネーション】
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 大阪市に来た目的はこれ。
 御堂筋のイルミネーション。道と街が光に満ちている。

【川添】
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 夕食は「川添」で。
 ここは大阪北新地のフレンチで、シェフの川添氏は、あのカハラの一番弟子であり、師匠譲りの創作系の料理を出す店である。
 そして川添シェフと宮崎の食通W氏は、幼少からの付き合いもある方とのことで、大阪市に行ったときには是非と勧められていたので、これを機会と行ってみた。
 料理は小技大技を適宜用いた、創作感と遊び感にあふれた料理。
 楽しく美味しくいただけました。
 写真はフレンチとしては反則の旬の素材を用いた海鮮丼。でも、〆としてぴったりはまっていました。

 Facebookに「リッツカールトンなう。」などと書き込んでいたら、たまたま仕事で大阪市に訪れていた九州在住のワインマニアI氏から、一緒に飲みませんかとの誘いあり。
 それで「川添」で合流することとし、ワイン飲みながら、店主も含めて楽しく歓談。
 Facebookって、遊びのツールとしてはほんとうに便利だなあ。



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November 09, 2011

新潟編(3) 新潟市

【朝食】
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 本日は新潟市に滞在。
 サイクリングの予定はないので、朝から優雅にビールで朝食。
 泊まった宿は老舗ホテルの「イタリア軒」で、やはりこうした一流ホテルの朝食は美味い。カリカリベーコンがじつによい焼き加減である。

【石井スポーツ】
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 これからどんどん寒くなってくるので、登山用防寒具と冬用グローブを石井スポーツで購入。サイクリング用の冬用装備は持っていたが、それだととてもこれからの寒さには耐えられないことを実感したため。
 それはそうと石井スポーツ店に入ると、スキー道具の数の多さに圧倒される。さすが新潟、スキーの本場は違いますなあ。

 それから自転車店に行き、後輪のタイヤを交換。
 昨日チューブ交換したときに、タイヤの摩耗が激しく、道路とグリップしなくなっていることに気付いたのである。
 重い荷物積んで走ると、タイヤの寿命もずいぶんと短くなるみたいであった。

【ホテル29階からの眺め】
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 新潟市2日目は31階建の高層ホテルである日航ホテルに宿泊。
 部屋は29階で、窓からは新潟市と日本海が一望できる。
 そしてその先には佐渡島が見える。佐渡島って案外近いんだな。

【夕食と夜景】
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 夕食は郷土料理店に行って、ノドグロでも食べてみようかなと思っていたが、雨は降ってるし、ホテルが繁華街から遠く、不便なところにあるのでホテルで夕飯を取ることにした。
 そして何よりも眺めの良いホテルなので、展望を楽しみながら食事をしたいが、ホテルのレストランは3階にある。自室よりも眺めの悪いところで食事をしてもつまらないので、ルームサービスでディナーとした。

【夜景】
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 暮れなずむ風景を眺めながらの夕食だが、期待していた夜景はそこそこであった。港町だからもう少し明かりはつくかと思っていたけど、新潟市はあんまり夜は灯りをつけない街のようだ。

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June 12, 2011

無量塔の朝食

 旅館の朝食とは面白いものである。
 朝食のおかずは、イコール酒の肴であり、あまりに気合を入れすぎたものを出せば、客はそれに感応して朝から酒を飲み、さらに飲んで、そこで一日が終了してしまう。
 …それじゃあんまりなので、力を抜いた料理を出せば、まあ、普通の朝食になりがちだ。

 私の経験した限り、日本の旅館で一番美味い朝食を出すのは、長崎雲仙の「半水盧」であり、ただしここは車で来たので、そこで酒を我慢するのに苦労した記憶がある。そういうわけで、旅館としては、「美味いけど酒は飲みたくなるような朝食」を供することに、ずいぶんと苦労しているのでは、とか思ってしまう。

 ただし旅館としては、これを避けるには、和食でなく洋食を出せば、少なくとも客は日本酒を朝から飲む気にはなれず、そこで全力投球の朝食を出せるとか、の話にもなる。だから名旅館と称される旅館は、朝食に洋食を充実させているんじゃないのかな?

 以上は私の勝手な思いなのだが、それはともかくとして由布院においては、旅館の朝食の洋食のレベルはすごく高い。由布院を代表する旅館「亀の井別荘」も「玉の湯」も、その朝洋食は傑出したレベルのものである。

 無量塔も以前は朝食に洋食が出ていたのだが、和をベースとした強引な洋食であり、あんまり一般受けするようなものではなかった。
 そのうち無量塔では、洋食を専門にする料理人が、旅館附属の料理店「アルテジオ・ダイニング」のシェフとなったので、朝食で洋食を希望する人は、そこに行って本格的な洋食を食べるシステムになっていた。ここが無量塔という旅館の、こだわりのすごさではある。

 ところが、「アルテジオ・ダイニング」が閉店ということになって、無量塔で朝の洋食が復活となった。

【無量塔・朝の洋食】
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【野菜と玉子の鍋焼き】
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 ひさりぶりに経験する無量塔の朝の洋食。
 昨日に出た無量塔の夕食の旨さを凝集したような、そういう料理だ。
 鍋のなかの野菜と卵と、それにソーセージをパンに詰め込んで、そこで荒い味のワインをぐいぐい飲みながら、食ってみたい。真にそう思う料理である。
 まあ、それじゃあ車に乗れなくなるから、コーヒーを飲みながらの朝食になったわけだが、でも、この洋食の濃厚さは、すでに由布院名物といってよい存在になっていると思った。


 【参考】「アルテジオ・ダイニング」の料理長は、今は別府の旅館「神和苑」内のイタリア料理店の料理長として腕をふるっています。
 Web pageはここ

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May 08, 2011

5月のワイン会@ベルエポック

 定期的に開かれるベルエポックでのワイン会。
 4月は佐々木シェフのディナーを楽しんだが、今回は山本シェフのディナーである。期間がそれほど開いていなかったので、両シェフの個性の違いもまた楽しめてよかった。

【仔兎と春野菜のサラダ 赤ピーマンのクーリ】
Coulis

 前菜のこの料理からして山本シェフの個性満開である。
 極彩色といっていいような、強い色がモザイク状に組合わされた、食の構築物。それに赤ピーマンの裏漉しソースがまた色鮮やかに支えている。
 食味もまた賑やかで、華やかなものである。

【アスパラガスと魚介のフリキャッセ】
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 緑のアスパラガスと、肌色の貝、赤い海老で、それに色とりどりのソースを合わせ、これもまた絵画のごとき美しき料理である。

【真鯛のクーサン仕立】
Coussin

 色の強い料理が続いたのちは、白(といってもこれも結構強い色調だが)を基調の、真鯛のクーサン仕立て。
 濃厚なソースに負けぬ、真鯛の味もまた立派なもの。

【シャラン産鴨】
Dish

 本日のメインはこのシャラン産鴨。
 見てのとおりかなり大きなサイズのものである。
 本日は7人の会なので、これを7人で分けるとしたら相当な量になるなあと思った。

【シャラン産鴨のロティ マンダリンの香り】
Roti

 これがそのシャラン産鴨の料理。
 一番良いところ-胸肉だけを使ったので、一人分は常識的な量となった。
 柔らかく、肉汁たっぷりで、味も豊かな、優れものの鴨である。
 ただ、残りの腿肉とかはどんなものなのだったろうと思わぬこともなかった。

 このあとはデザートで〆となる。
 前菜からメインまで、山本シェフの料理以外のなにものでもない、華麗で豊穣なる山本ワールドを堪能させていただいた。
 目も舌も鼻もそしてお腹も全て満足満悦である。

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April 24, 2011

4月のワイン会@ベルエポック

 W氏主催のワイン会がベルエポックにて開かれた。
 W氏があらかじめワインを選択し、そのワインに合わせて一品ずつシェフが料理を考案するという、「ワインと料理のマリアージュ」が基軸にある、フランス料理の王道ともいえるものである。

 本日の料理は佐々木シェフによるものであった。
 そのコース料理のうちのいくつかを。

【オマール海老 菜園野菜 生ハムの香り添え】
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 菜園野菜とオマール海老は、よい加減に茹でられて、食感抜群である。
 これに生ハムの香りをつけたソースを添えて、野菜と海老の香りをつつむようにして、新たな香りが複雑に広がっている。

【スズキのポワレ 大根のレムラードソース】
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 長崎産の本スズキのポワレを、上はアサツキのマセラシヨン、下はレムラードソースの紫大根で挿んだ、香りが重層的になるような料理。
 この香りのハーモニーとともに、それぞれの食材の美味さがくっきりと浮かび上がってくる。

【仔羊のグリエとクロケット ホワイトアスパラガスと空豆添え】
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 まずは直球的な仔羊の網焼きの存在感が素晴らしく、仔羊の質の良さが分かる。それから、さらに手を加えたクロケットの味の面白さ、それに野菜たちも同様の強い存在感があり、なんとも力強い料理であった。

【クレープシュゼット】
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 本日のデザートはクレープシュゼット。
 これを調理するのはソムリエK氏で、皆の前でフランゼの妙技を披露。
 この炎の調理でできあがったクレープのカラメルソースは、出来たてだけあって、なんとも豊かな味であり、香り高いものであった。

【ワイン】
Wine

 ワインはどれも美味しかったけど、圧巻だったのがブルゴーニュワインの1966年もの、Gevrey-Chambertin Lavaux St-Jacques。40年以上たったワインということで濃厚な淀みを感じさせるものを予想していたら、それを越えて純化されたような、まさにワインの魂のみが仄かに輝いているごとき、凄みを感じるものであった。
 こういうワインに合わせる料理を考えるのも大変だろうけど、佐々木シェフはそれを見事にこなしていたと思います。

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