ラーメン

December 29, 2011

京都編(6) 浜大津→京都市(祇園畑中) 37.1km


【義仲寺】
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 滋賀大津市は、木曽義仲が討ち死にした所であり、その地に義仲寺がある。
 前回行きそびれたので、行ってみた。
 猛々しい武将という義仲のイメージとは裏腹に、古色蒼然とした静かな寺である。
 松尾芭蕉は義仲を好んでおり、この寺も訪れて句を詠んでいるけど、この寺と芭蕉の侘び寂びの精神はうまくマッチしていると思った。

【国道1号線】
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 滋賀県から京都への国道1号線は、ゆるやかな峠越えがあるのみの楽な道である。この道、通るのは初めてのはずだが、既視感を覚える。そして進むうち、ここは絶対に通ったはずと思ってきた。

【月心寺】
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 そして、この建物が見えて、確かにここを通ったことを思い出した。
 6年前、私はこの「月心寺」に来るために、滋賀からレンタカーで走ったのであった。
 月心寺は、日本で最高級の精進料理が食べられることで有名な寺である。
 この寺の精進料理を経験するには、10名以上人数がそろわないと予約が出来ないという、九州の人間にとってはハードな関門がある。それをなんとかするべく、福岡の有志が人数を集めて京都に遠征したさい、それに私が便乗して、訪れたのであった。
 ちなみに精進料理ってノンアルコールだろうから車で来たのであったが、「般若湯」なるアルコールも出ることを来て知り、しまったと思った記憶がある。
 精進料理そのものについてはさして記憶に残っていないが、料理よりも、個性的な庵主さんのほうが圧倒的に記憶に残っている。
 あの時点で既に80歳を超えた御高齢の方であったが、まだ現役であろうか?

 1号線から京都に入ったのちは、昼食をとりに行く。

【妖怪ストリート いのうえ】
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 京都の北野天満宮の前に妖怪ストリートという商店街がある。
 商店街の店の前に、その店手製妖怪人形が置かれ、商店街にずらりと妖怪が並ぶ、る楽しい通りである。
 そのなかに「いのうえ」という定食店が一軒。ここも妖怪が二匹が置かれ、そして妖怪提灯も下がられているが、この店の名物が「妖怪ラーメン」。

【妖怪ラーメン】
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 どこが「妖怪」かといえば、おどろおどろしい見た目である。
 イカ墨たっぷりの黒いスープに、くちなしで染めた紫色の麺。黒いピータン、真っ赤なパブリカをまぶしたチャーシュ、と怪しさたっぷりのラーメンである。
 味はというと、…ニラが少々きつくて、他はあっさり系なのにバランスが悪く思える。まあ、そのバランスの悪さも妖怪っぽいというところか。
 なにはともあれ、話のネタにはなります。

【八坂神社】
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 本日の宿は、八坂神社傍の「祇園畑中」。
 京都の観光地へ行くのに便利なところにある宿である。
 料理の美味しいことでも有名。

【祇園畑中】
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【部屋】
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 祇園畑中は、いかにも京都の宿という感じの、じっくりと落ち着ける宿である。
 大浴場もあるので、(大というか中だな)、風呂に入ったのち外の景色でも眺めながら部屋でくつろぐことにする。

【夕食】
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 京都の料理は若手の料理人のところなど、時代の先端を行く和食を出すぞという感じの、研ぎ澄まされた料理を出すところが多くなっているけど、旅館では中庸系のものが多い。
 祇園畑中もその系統のもので、京料理の本流の、穏やかな感じの料理が続く。
 料理、接遇、そして部屋も含め、落ち着ける宿である。

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December 27, 2011

三重編(3) 名古屋→桑名→亀山 74.8km


【名古屋市内】
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 二日続けて大寒波が襲った名古屋市はまだ雪は残ってはいるものの、天気が晴れとなったので、京都方面に向けて名古屋を脱出することにした。
 雪はこのように更地には積もってはいるものの、道路は除雪されている。

【国道側道】
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 名古屋からは、大垣経由で米原市に出て、それから滋賀に入ろうと思っていたのだが、山のほうに向かうにつれ、車道は除雪されているものの、路側帯には雪が残っており、自転車が走行するのは危険だ。しかし、歩道を行こうにも、こちらはさらに雪が積もっており、走行自体が無理となる。
 これを無理して行ったところで、米原市はおろか大垣市にさえたどり着かないと思い、進路を南方面の国道1号線に変更。

【CoCo壱番屋】
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 こっちのルートは楽なので、なんだかやる気が落ち、途中でみかけたCoCo壱番屋で昼食休憩。
 腹がいっぱいになると、サイクリングはつらくなるが、亀山市までの道はたいしたことはない。
 そして奈良から名古屋にやって来た道をそのまま引き返すルートを通り、亀山市に宿泊。


【博多ラーメン一竜】
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 亀岡市ではホテルの近くで夕食。
 宿泊した「ホテルエコノ亀山」の周囲はファミレス、ネパール料理店、居酒屋、コンビニ、本屋などがずらりと立ち並んでおり、ずいぶん便利である。案外と、こういう便利なロケーションのホテルは珍しい。

【博多ラーメン】
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 その店々のなかに博多ラーメン店があったので、それにしてみた。
 それにしても、居酒屋や寿司店以外だと、豚骨ラーメン店ばかり行っているような気がするなあ。
 豚骨ラーメンと生ビールの組み合わせはたいへんよろしく、そして麺はやはりバリカタで頼む。
 …しかし、三重県の麺の固さは九州より一ランク柔いみたいで、替え玉はハリガネにしておいた。

 さて、明日は三重滋賀県境を越えるわけだが、このルートだと県境越えには峠がある。はたして、雪の積もり具合はどんなものであろうか。

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December 20, 2011

三重編(1) 奈良市→伊賀 45.8km

【伊賀忍者博物館】
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 奈良市からは木津川に沿って走行して、伊賀市へ着。
 伊賀市といえば、もちろん忍者の里。
 日本人としては、国際的に最も有名であろう日本の名物「Ninja」の本拠地を一度は訪ねる必要があると思っていたのだ。
 この忍者博物館には本物の忍者屋敷を移籍したものであって、いろいろと仕掛けがあって、面白い。案内の人が、壁抜けの術などを実践してくれて、こういうものが実際にあったことに感心する。
 忍者についての資料も豊富であり、忍者の歴史、生態がよく理解できた。
 忍者マニアにとっては、訪れるべき場所であろう。

【松尾芭蕉生家】
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 伊賀市は、また俳聖松尾芭蕉の生まれ、住んだところとして有名。
 芭蕉の生家は保存されており、庭には芭蕉の号の由来となった芭蕉も植えられている。
 この芭蕉という植物、バナナみたいであり、南洋系の雰囲気が強く、松尾芭蕉のわびさびの世界とはどうも外れているのでは、と思っている人は多いはず。

【ラーメン】
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 伊賀市の食べ物といえば伊賀牛が名物だそうだ。日本って、そこら中に名物和牛が存在しており、畜産のレベルが高いことがわかる。
 その伊賀牛は、すき焼きが特に美味いそうだが、一人ですき焼き食っても仕方ないので、宿近くのラーメン店「伝丸」で夕食。
 北海道ラーメンとのことで味噌ラーメン店かと思いきや、豚骨ラーメンもあった。豚骨ラーメンは以前は九州限定みたいなものだったけど、いつのまにか全国どこにでもあるようになっている。



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November 06, 2011

福島編(8) 二岐温泉→会津若松→喜多方 62.3km

【芦ノ牧温泉】
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 二岐温泉から会津若松まではずっと下り道であり、楽なルートである。
 このあたりは温泉の多いところであるが、国道沿いにあった芦ノ牧温泉は、渓流のせまいところに宿・ホテルが密集した、なんとも味のある温泉地で気にいった。紅葉もそろそろ始まりである。

【鶴ヶ城】
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 会津若松には名所が多いが、その第一は鶴ヶ城なので寄ってみた。
 戊辰戦争のときに激戦の舞台となったところである。

【佐川勘兵衛の顕彰碑】
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 戊辰戦争とは、会津藩にとって理不尽きわまりないものであり、新政府軍に対する怨恨が未だに残っている。
 その恨みを西南戦争に従軍することによって少しは晴らした鬼勘兵衛こと佐川勘兵衛の顕彰碑が城の近くにあって、今に伝わる会津の人の気持ちが良く分かる。

 会津は他に白虎隊の飯盛山、武家屋敷、さざえ堂、等の名所があるが、小雨の降るなか寄る気もせず、そしてこれらは以前訪れたことがあるので、passして喜多方へそのまま行くこととした。

【喜多方・蔵】
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 喜多方は、ラーメンとともに、蔵でも有名である。
 町を歩けば、いたるところに古くからの蔵があって、町に独特の雰囲気を与えている。
 その蔵の一つの前に猫が一匹いた。
 白黒の蔵の前に、白黒の猫。まるで蔵の守り神みたいで、いい味をだしている。
 蔵猫と呼ばせてもらおう。

【喜多方:夕食】
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 喜多方の夕食は、当然喜多方ラーメンということになるが、ラーメンは〆にしたいので、とりあえず酒を飲むべく宿近くの居酒屋「晩酌屋喜っせ」に入る。
 そこでここの名物らしき、「イカの墨ごろ焼き」をアテに酒を飲む。
 これはイカの身全部(身、嘴、ミミ、目、ゲソ)を、すりつぶした内臓を混ぜたイカ墨をからませて焼いたもの。生の海を感じる、野生の料理という感じですね。

 さて居酒屋で軽く飲んで、次は喜多方ラーメンを食おうと思ったが、街中を歩くうちに意外なことを発見。
 喜多方ラーメンって地元の人にとっては「食事」なのであって、九州人のように飲んだ後にラーメンで〆るという発想はなく、ゆえにラーメン店は午後7時過ぎると軒並み閉店しているのであった。
 そして、喜多方の人は三食でもラーメンを食べるので、朝からラーメンを食うため、それらの店は朝7時には開店する必要がある。(それもあって夜早く閉めるわけだ)
 しょうがないので、明日は朝からラーメン食うことにしよう。…しかし、朝からラーメンはきついなあ。

【玉子焼き】
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【比内地鶏焼き】
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 ラーメンを食い損ねたので、腹に余裕がある。
 それで郷土料理店の「田舎家」に行き、さらに酒を飲むことにした。
 会津の郷土料理は、地鶏に、地鶏を使った玉子焼き、それに馬だそうだ。馬は熊本でいくらでも食ったので、地鶏料理にした。

【喜多方ラーメン】
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 そういうわけで翌朝は、坂内食堂というラーメン店で朝ラーメン。
 朝というのに、客はかなり入っていた。
 ラーメンは、函館ラーメンから魚介系を除いた感じの塩ラーメン。澄んだ味で、全体として優しい味わいのあっさり系ラーメンであり、これなら朝からでも可能だな。
 熊本ラーメンみたいなコテコテ系ラーメンなら、朝食にはとても無理だが。



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April 03, 2009

八ちゃんラーメン@福岡市薬院

 週末は出張にて博多へ。
 夜遅くに着いたので、博多ではまっとうな寿司屋などは開いているわけもなく、(東京は夜遅くまでやってるまっとうな寿司屋がけっこうあって、助かるんだけど)、それではラーメンでも食ってみることにする。寿司とラーメンでは違いが大きいような気もするが、いいんです。10時過ぎると、なぜか寿司かラーメンしか食う気がしなくなるだよなあ。こういう人って、けっこういるのでは。そうでないと深夜営業のラーメン屋と寿司屋の数の多さが説明できない。

 博多といえば豚骨ラーメンということになり、一風堂や一蘭が有名だけど、これらは全国にチェーン店を展開する店でもあり、せっかく博多に来たからには、博多でしか食べられない豚骨ラーメンを食いたい。博多でしか食べられない豚骨ラーメンで一番有名な店といえば、「元祖長浜ラーメン」ということになるだろうけど、あれは、私ごときの普通の人間は、一回食えばもう十分に堪能できます。
 そういうわけで、薬院の「八ちゃんラーメン」を選択枝として第一にあげる。あの濃厚ラーメンは、他にはない独自性をもち、そして不味くはないから。それでホテルに荷物を置いたのち、薬院へ行く。以前は八ちゃんラーメン前には、お化け屋敷の提灯妖怪のような、ボロボロな提灯が置かれていたのであるが、いつしか代替わりしたようで、あれよりましな提灯が置かれていた。たぶん以前のものは、長年の風雨に負け、骨だらけになってしまい、引退したんでしょう。

 八ちゃんラーメンは人気店であり、行列は覚悟していたが、運よく訪れたときはあいていてあっさりと入ることができた。でも、そのあとは店外で行列ができていたが。

【八ちゃんラーメン】
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 八ちゃんラーメンの特徴は、なによりも、この濃厚なスープにある。スープそのものが油で満たされており、極端なことを言えば、サラダオイルに豚骨味をつけたかのごとき油まみれの、とろとろした、こってり味のスープが、ラーメンの主人公だ。麺は、スープを吸い上げる脇役に徹しており、固めに注文しても、柔らかめのソーメンのごとき麺が供され、それが油たっぷりのスープとからみあって、柔らかでかつぬるぬるした食感で咽をくぐっていく。この食感の楽しみが、じつは八ちゃんラーメンの醍醐味であろう。
 濃ゆい。濃ゆい世界のラーメンなのである。
 これが美味いかといえば、諸手をあげて賛成というわけにはいかないが、独自・独特の領域に達したラーメンであることは間違いない。好き嫌いは別にして、博多薬院に来たときには、一度は訪れていいラーメン屋だと思う。夜遅くしかやっていないので、簡単には訪れられないけど。

 とか思いながら、ラーメンを食す。ラーメン食ったのち、さてスープをどうするか。
 昔は、底に残った濃厚な豚骨の出しガラが見えるまで、スープを飲み干していたのだが、今となってはとても無理だ。
 中年族にはきついラーメンといえる。じっさい、店内には若者が多かったし、胃袋に元気のある世代に向いているラーメンとはいえる。もっとも、果敢にスープ全部平らげる中年族もいることはいたので、個人の努力(何の?)があれば、麺・スープ全てを楽しめることは可能です。

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八ちゃんラーメン 福岡市中央区白金1丁目1−27 TEL 092-521-1834

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March 10, 2009

ラーメン:かどや@都城市栄町

 ラーメン好きな人が都城を訪れたとき、個性的なラーメンを食べたいと思ったときは、「かどや」を訪れるのがよいように私は思う。

 「かどや」のラーメンの看板メニューは、醤油味ラーメンということになっている。このラーメン、出汁は魚介系でとられているけど、その出汁が強烈である。いろいろな魚の出汁が、それぞれの味をとんがらせながら、渾然一体となり、複雑にして力強いスープを形成している。このスープ、一口飲むだけで、尋常でない手間隙がかけて作られていることが分かります。

 「かどや」には宮崎のラーメン屋らしく、豚骨ラーメンもメニューにある。こちらも強烈。このラーメンのスープたるや、脂がたっぷりで、とろとろにしてクリーミィであり、スープというより薄めのシチューのような感じ。脂たっぷりといえど、豚骨独特の臭みやえぐみはなく、香りよく食感はまろやかです。
 麺は中太で、つるつるもちもちした食感。スープとよくあっていると思う。

 醤油も豚骨も、他の店ではちょっと味わえないような、練りに練り上げられた、独自のラーメンである。個性が強いだけあって、人によって好みが分かれるであろうけど、都城では一度は食べてみるべきラーメンだと思います。

【黒豚豚骨ラーメン】
Ramen

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かどや 都城市栄町17-1 TEL 0986-22-2288

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February 14, 2009

ラーメン@長浜ラーメン いってつ

Ittetu


 九州のラーメンは豚骨ラーメンが主流であると思うけど、熊本系豚骨は、臭いが強いのと麺が太いので、「濃いラーメン」となってしまい、私は苦手である。宮崎系ラーメンも濃いラーメンの系等の店が多いように漠然と思っている。ま、都城駅前の「かどや」くらいの濃いさになると、その味の豊かさ・クリーミィさが個性になって、あれはあれで素晴らしいものだと思うが。

 私は豚骨ラーメンでは博多ラーメン、いわゆる長浜ラーメンが好きである。ほどほどの臭いに、ほどほどの味、歯ごたえある細麺、少なめの具財で味をまとめるバランスの良さ。全体として、食べやすく感じる。
 もっとも長浜ラーメンと名がついても、スープが駄目、麺が駄目、両方とも駄目という店は本場福岡でもいっぱいあり、福岡より遠く離れた宮崎で、きちんとした長浜ラーメンが食べられれば、それは有り難いことであり、そして、きちんとした長浜ラーメンを出す店が現にある。

 国道10号線の「長浜ラーメンいってつ」がそれで、丁寧につくられた豚骨スープは、やわらかく奥ゆきのある味で、麺も本場風の細麺。私は長浜ラーメンは固さはバリカタが好きだか、いい麺でないと、バリカタでは食えたものではないけど、この店はバリカタが十分に美味い。
 本日もバリカタでラーメンを頼み、替え玉も注文する。うまかった。

 宮崎での福岡ラーメンであるが、この店のラーメンを美味いと思う人は多く、いつも客がいっぱいの店で、狭い店のなか多くの従業員がきびきびと働いています。

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長浜ラーメンいってつ

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