都城

October 01, 2016

おでん:雨風@都城市

1

 霧島山麓の盆地にある都城市は、郷土食として「地鶏」と「おでん」が有名であり、その料理店も数多い。
 そうなった理由として、地鶏についてはこの地での生産量が多いからであろうけど、おでんについては、おでんの具―芋とか大根だとかの生産が多かったからとかいうわけではない。
 都城市には昭和20年代に「ジャングル」と「雨風」という2軒のおでん屋が開店し、両店で出されるおでんがとても美味しかったため、都城市民がおでんを愛好するようになり、おでんという料理が人気を博していって、それからおでん屋が増えていき、都城市の名物と化した、ということらしい。
 両店とも創業から70年近くたつが、その味は進化を重ねながら代々引き継がれていって、いまなお人訪れること多き老舗人気店として存在している。

 今回はそのうちの一店「雨風」に行ってみた。

【宮崎牛スジ、厚揚げ】
2

【豆腐、豆もやし】
3

【秋刀魚のツミレ、メヒカリのツミレ】
4

 おでんの出汁は昆布と鰹と塩で、あっさりめ。それぞれ丁寧に下ごしらえされた具に、いい塩梅にその出汁が沁み入っており、いわゆる「プロのおでん屋さんのおでん」を味わえる。
 とくに名物、季節の魚のツミレは煮加減が大事なので、注文を受けてから煮られることになるのだが、これが魚の素材の味、歯ごたえ、出汁とのバランスが非常によく、逸品である。

【黒豚の軟骨味噌煮】
5

 南九州のおでん屋でよく出される「豚の軟骨」は、おでんの出汁でなく、味噌仕立ての出汁で甘辛くじっくりと煮られたものが出される。
 これもこの店の名物である。味の豊かさが特徴であり、焼酎によく合いそうな料理だ。


 こういったおでんもたいへんよいが、雨風では研究好きな若い店主が、酒の肴として造っている創作系のツマミもまた有名である。
 カウンター奥の黒板には、和・洋取り交ぜてのユニークなツマミがずらずら書かれており、これをメインにしても楽しめそうな、とても使い道の広いおでん屋なのであった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 21, 2009

母智丘の桜

 九州では、桜は私が子供の頃は4月の始業式に咲くものと決まっていたものだが、地球温暖化は着実に進行しているようで、近年は3月末に満開になるものとなっている。そして、暖冬であった平成21年の桜はさらに開花の速度を速め、すでに3月中旬で花を咲かせている。桜の名所母智丘においては、開花のピークであるはずの3月末より桜祭りが催されるのだが、今年は開花のピークが3月第3週の土日に来てしまい、さて、祭りの頃に桜の花は残っているのであろうか?
 私は桜祭りに興味はないが、桜には興味がある。満開に近いとの新聞の情報なので、自転車で行ってみることにした。

【母智丘桜並木】
Cherry_tree_row

 いつもは閑散としているこの道は、今日は桜見物の車がひっきりなしに通っている。
 桜のトンネルのなか、適度な勾配のある坂を自転車で気持ちよく進めていく。

【母智丘公園】
Chery_park

 桜はすでに満開。風が吹くと、桜の花がさらさらと流れてきます。
 土曜日の昼という時間でもあり、あんまり花見の客はいない。照明器具が設置されているので、夜には宴会で賑わうのでしょう。

【くまそ広場】
Kumaso_park

 ついでなので、くまそ広場まで行ってみる。ここも桜がたくさん植えられているけど、こちらは標高が100mくらいは高いので、まだ5分から7分咲き。桜祭りのときは、くまそ広場のほうが賑わいそうだな。

【関之尾の滝】
Fall

 くまそ広場からは、関之尾の滝を見下ろすことができる。
 くまそ広場の奥、石楠花が植えられている公園をさらに奥に進んでいくと、遠くから滝の音が聞こえ、そしてあの雄大な滝を遠く見ることができる。

 桜を堪能したのち元来た道を戻るが、どうも風が当たる目が痛い。
 今日は近場の走りだから、サングラスをせずに走ったのだけど、黄砂の飛ぶ時期には無謀だったみたいで、結膜炎になってしまい、翌日には目がまっ赤になってしまった。おかげで明るいところを見ると、目が痛く、いろいろと苦労した。数日でなんとか治ったけど、これからはいかなる距離の走りでも、サングラスはするよう固く決意した

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 18, 2009

和料理 つか野@都城市上町

 つか野にて、春のコース料理を食べる。

【前菜:竹の子とイカの木の芽和えと、野菜の白和え】
Bamboo_shoot1

【造り:歯鰹と鯛】
Raw_fish

【揚げ物:山菜、朝鮮人参、海老】
Fry

【椀物:竹の子、海草】
Bambpp_shoot2

【鯖鮨・サゴシ(鰆の子供)西京焼き】
Mackerel

【ヒレ肉焼き 温野菜添え】
Beef

【御飯・呉汁】
Rice


 素材はなるべく宮崎・南九州のものを、使おうと努力しています。たしかな技術で、丁寧に作られた料理が、美しく盛られて出てきます。
 味付けは南九州風ではなく、全体的にやさしめ。とくに椀物は、あっさりしているものの、くっきりと味が浮かんでくる上手な出汁のとりかた。呉汁も大豆の旨み、甘味みを生かした、この店の名物。
 牛肉は普通はサガリだけど、今回はヒレ肉。宮崎の和食屋ではメインの締めに、肉料理が出てくることが多いけれど、ここもその流儀。店主がカウンター内で、醤油タレ,焼きを微妙に調整しながら、じっくりと焼いているのがみられます。味付けはもちろん和風です。

 研究熱心な店主は、全国の様々な店を食べ歩いていて、そこからいろいろなものを取り入れて、自分の料理に生かしています。
 南九州は、和料理はあまり盛んな地ではないと思いますが、郷土の素材を大事にした、技術のしっかりした和料理を出す、つか野のような店は、和食好きにとっては大変ありがたい存在です。

……………………………………………………
おまかせ料理つか野 都城市上町7-21 TEL 0986-25-1008

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 10, 2009

ラーメン:かどや@都城市栄町

 ラーメン好きな人が都城を訪れたとき、個性的なラーメンを食べたいと思ったときは、「かどや」を訪れるのがよいように私は思う。

 「かどや」のラーメンの看板メニューは、醤油味ラーメンということになっている。このラーメン、出汁は魚介系でとられているけど、その出汁が強烈である。いろいろな魚の出汁が、それぞれの味をとんがらせながら、渾然一体となり、複雑にして力強いスープを形成している。このスープ、一口飲むだけで、尋常でない手間隙がかけて作られていることが分かります。

 「かどや」には宮崎のラーメン屋らしく、豚骨ラーメンもメニューにある。こちらも強烈。このラーメンのスープたるや、脂がたっぷりで、とろとろにしてクリーミィであり、スープというより薄めのシチューのような感じ。脂たっぷりといえど、豚骨独特の臭みやえぐみはなく、香りよく食感はまろやかです。
 麺は中太で、つるつるもちもちした食感。スープとよくあっていると思う。

 醤油も豚骨も、他の店ではちょっと味わえないような、練りに練り上げられた、独自のラーメンである。個性が強いだけあって、人によって好みが分かれるであろうけど、都城では一度は食べてみるべきラーメンだと思います。

【黒豚豚骨ラーメン】
Ramen

……………………………………………………
かどや 都城市栄町17-1 TEL 0986-22-2288

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 03, 2009

イタリア料理@星の空 3月

 2月に訪れてけっこう良かったので、月も替わったことだし、3月のディナーコースをまたも食べに行くことにする。コース料理は5000円・7000円のもの2種類だけかと思っていたが、1万円のコースもあるとのことで、それを選んでみた。
 前来たさい、代行を頼んでも問題ない距離と分かったので、今回は酒を飲める者と共に訪店。2人で飲んだのは、シャンパン ハーフボトル1本 白ワイン1本 赤ワイン1本。さすがに、一人で白赤一本ずつ空けるのは苦しい年齢になってきたので、酒を飲める者と行くと赤白両方が楽しめるのがいいです。(ハーフボトル1本ずつ空ければいいという説もあるが、ハーフは種類が少ないんだよなあ)

【前菜】
Ham

 パロマの生ハムに、野菜や果物を添えて。まあまあの質の生ハム。

【魚料理】
Spny_lobster

 前は手長海老だったけど、今回は伊勢海老を主役に、車海老や貝類、雲丹などを用いての、新鮮な海産物の盛り合わせ。素材がくっきりと出てくる系等の料理。

【海産物の包み蒸し焼き】
Boiled_marine_products

 これは2月にも出たもの。この店の看板料理みたいです。今度は白子などが加えられて、味がより豊かになっている。

【パスタ】
Pasta

 前回はリゾットだったので、今回はパスタを注文。茹で野菜にチーズを添えて。パスタの茹で加減はアルデンテ、オリーブオイルをからませて。本道をいくパスタです。

【肉料理】
Meal

 宮崎牛の薄切り、香辛料で味を調えて。よい牛肉を使っています。

 全体として、素材はいいけれど、どうもなにかしっくりこない。ときに素材が出すぎてしまい、料理としてのまとまりが悪く感じる。
 2月の7000円のコースのほうが素材と料理のバランスがとれていて、流れも良かった。たぶん、この店の主力が7000円コースあたりに設定されて、そこらあたりが店としても安定した料理を出せるのでは、などと思った。

 料理は、味付け、調理、盛り合わせ、どれも繊細かつ本格的なもので、南九州では、希少価値のあるイタリア料理であろう。予約のさい、マスターと料理内容についてよく相談すれば、さらに満足のいく料理を食べられると思いました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 17, 2009

イタリア料理@リストランテ「星の空」(都城市菓子野町)

 見習い職人F君がひょんなことから「星の空」のオーナーと知り合いになり、ぜひとも食べにきてくださいとのことで先週訪れたところ、たいへん美味しかったという。
 「星の空」、名前は知っていたけど、けっこう辺鄙なところにあり、車で行くとワインが飲めない。それゆえ行くことはなかったのだが、都城一美味いイタリア料理店という噂もあり、F君の話を聞いて、やはり一度は訪れるべきだと思った。とりあえず酒を飲まない(飲めない)ものを誰かつかまえて運転をさせ、行くことにしよう。人気店で、予約を取るのが大変らしいゆえ、F君に予約を頼む。「了承。自分も参加ですね」との言葉に、「待て、なんでおれがイタ飯屋に野郎を連れて行かないといけないんだい」との私の当然の返しに、いささか不満顔。それでも無事に予約がとれ、ディナーへと。
 …ちなみに、和食屋とか寿司屋なら、野郎を連れて行くのにぜんぜん抵抗はないが、レストランに野郎を連れて行く気にまったくならないのは何故なんでしょうね。日本の洋食屋が男女で食べるような仕組になっているからかな。(たま~にレストランで男ばかりで食べている席をみかけることがあるけど、そういう人たちはすごく食に詳しく、またそういう席が成り立つ店って、とてもレベルが高いのが普通だ)

 それはさておき。
 この店、事前に地図で調べていても、一発でたどり着くのは困難です。標識もないし、県道から店が見えるわけでもない。それで一回行き過ぎてコンビニ近くまで行ってしまったところで引き返し、このへんだろうと思う道を曲がり、なんとか無事到着。
 夜なのでまわりの風景はよく分からなかったけど、敷地は広く、植えられた木々は林となっており、店も広く、オーベルジュの雰囲気があります。

 ディナーのコースは5000円と7000円のがあり、今回は7000円のものを頼む。
 そのうちのメインのものを。

【手長エビ】
Skampi

 都城でこのサイズの立派な手長エビが食べられるとは。新鮮で、ナマのまま食べるエビに、香草、ソースで味付け。それに炙ったタイラギが添えられています。見て分かるように、美しい料理です。

【魚介類・野菜の蒸し焼き】
Bouillabaisse

 この店の看板料理みたいです。エビ、アサリ、イカ、サーモン、ブロッコリー、エリンギ等々が、紙で包まれて蒸し焼きされ、いいぐあいにそれらの旨みが混ざったスープができて、焼き物というより、ブイヤーベース風のすべてがうまくまとまった料理となっています。とくにスープがよく、パンをひたしてぜんぶ食べます。

【宮崎牛・リゾット】
Beef

 肉料理は宮崎牛。当たり前のことながら、そのへんの焼肉屋よりずっとよい牛を使っています。その牛を、スープのしみた大根と、リゾットがしっかり支えています。

 素材も、調理もなかなかの高レベル。こういう店が宮崎は都城の山の中にあるのは面白い。
 料理は、全体として、ほどよい華やかさを感じさせます。なにかの記念日や、祝い事があるときなど、とくに適しているのではないでしょうか。
 部屋のつくり、インテリア、雰囲気もセンスたいへんよし。たぶん風景も良いであろうので、次は日が長くなってディナーでも、風景が窓より眺められる時期に来たいと思いました。

……………………………………………………
リストランテ「星の空」
宮崎県都城市菓子野町1070-17  TEL:0986-37-2992

| | Comments (2) | TrackBack (0)

February 14, 2009

ラーメン@長浜ラーメン いってつ

Ittetu


 九州のラーメンは豚骨ラーメンが主流であると思うけど、熊本系豚骨は、臭いが強いのと麺が太いので、「濃いラーメン」となってしまい、私は苦手である。宮崎系ラーメンも濃いラーメンの系等の店が多いように漠然と思っている。ま、都城駅前の「かどや」くらいの濃いさになると、その味の豊かさ・クリーミィさが個性になって、あれはあれで素晴らしいものだと思うが。

 私は豚骨ラーメンでは博多ラーメン、いわゆる長浜ラーメンが好きである。ほどほどの臭いに、ほどほどの味、歯ごたえある細麺、少なめの具財で味をまとめるバランスの良さ。全体として、食べやすく感じる。
 もっとも長浜ラーメンと名がついても、スープが駄目、麺が駄目、両方とも駄目という店は本場福岡でもいっぱいあり、福岡より遠く離れた宮崎で、きちんとした長浜ラーメンが食べられれば、それは有り難いことであり、そして、きちんとした長浜ラーメンを出す店が現にある。

 国道10号線の「長浜ラーメンいってつ」がそれで、丁寧につくられた豚骨スープは、やわらかく奥ゆきのある味で、麺も本場風の細麺。私は長浜ラーメンは固さはバリカタが好きだか、いい麺でないと、バリカタでは食えたものではないけど、この店はバリカタが十分に美味い。
 本日もバリカタでラーメンを頼み、替え玉も注文する。うまかった。

 宮崎での福岡ラーメンであるが、この店のラーメンを美味いと思う人は多く、いつも客がいっぱいの店で、狭い店のなか多くの従業員がきびきびと働いています。

……………………………………………………
長浜ラーメンいってつ

| | Comments (0) | TrackBack (0)

February 13, 2009

河豚料理@笑福(都城市牟田町)

【笑福】
Shop_2

 冬といえば河豚である。
 寒くなると、テッサ、テッチリ、白子焼き、雑炊…食いたいくなるなあ。
 都城でも、和食屋や居酒屋で河豚の刺身は出てくることはあるけど、コース料理で出てくる店はないと思っていた。しかし牟田町をぶらりと歩いていると、看板に「ふぐ」の文字のある店がある。戸を開け、河豚ありますか?と訪ねると、予約してないと用意できなとのことだ。
 それゆえ改めて日にちを決めて、予約をする。コースは5000円からとのこと。料金はともかくとして、河豚刺し、河豚鍋、唐揚げに加えて、白子が出てくるコースにしてほしいと要望すると、白子は当日市場に出ていないといいものが出せないとのこと。だから当日なければ、冷凍の白子になりますとのことであった。をいをい、という気もするが、ま、海から離れた都城市では仕方ないか。

 そして当日を迎え、河豚料理コース開始。

【ヒレ酒】
Hirezake

 なにはともあれ、まずはこれ。
 じつのところヒレ酒を美味いと思ったことも、河豚料理にあうと思ったこともぜんぜんないのだが、アルコールを飛ばす点火とか、蓋をとったときに立ち上る強い魚の香りとか、冷めるとともに魚くさくなって飲めたものではなくなってしまう欠点とか、いろいろと個性の強い飲み物であり、冬に一度は体験しておくべき風物詩的なものと思っているのだ。

【河豚刺し】
Globefish_raw_fish

 この店ではあまり寝かしていない新鮮な河豚を切っているようで、河豚刺しは少し厚めで、歯ごたえがよい。甘味をほんのりと感じます。カワハギの肝も付け合せに出ており、ときどき肝を巻いて食べると、味にアクセントがつく。
 今日連れてきた2名はこんな大皿に盛られた河豚は食ったことがないから食い方が分からないという。(なんじゃ、それ)とりあえず、5~10枚ごそっとすくって食べるのは反則だから、それだけはしないようにと説明しておく。

【河豚唐揚げ】
Fried_globefish

 トラフグの身は大きく、その大きめの身の唐揚げは、ぷりぷりと弾力豊か。いい河豚を使っています。味付けは少々塩味が強かったか。

【白子焼き】
Testis

 河豚料理のスター白子。
 本日は、運よく2個いい生の白子が入ったそうで、たしかに丸々と太った白子です。客は3人、白子は2つ。白子を切って焼くわけにもいかず、焼き白子は2個出てきた。当然スポンサーの私が一つを食べ、もう一つを2名で半分ずつにして食べることにする。
 遠火でじっくりと焼かれた白子で、パリッとした皮の食感、ほどよい温度のねっとりとした白子、上手な焼き方です。旨みも十分。みなさん、美味い美味いと、喜んでいます。

【河豚鍋】
Boiled_globefish

 肝心の河豚は出汁のために最初に放り込んだので、よく見えず。野菜の多い鍋であったな。野菜は人参、春菊、葱、椎茸、えのき、白菜それにマロニー。

【雑炊】
Porridge

 〆は雑炊。私が鍋奉行のようなことをやっていたせいか、材料のみを持ってきてくれて、セルフで雑炊をつくることに。材料は、御飯に卵に葱にポン酢に塩。
 河豚の雑炊は、河豚の出汁を楽しむためにあるわけで、卵と塩少々でつくるのが私の好み。葱やポン酢を入れるとせっかくの繊細な河豚の香りがと味が邪魔されてしまう。そういうわけで、こういうシンプルなものに。

 雑炊後はデザートに苺が出てきて、腹いっぱいとなる。
 全体的にきちんと調理された河豚料理を楽しむことができた。ふらりと入った和食屋の河豚料理で痛い目にあったことが数度あるけど、この店のはしごく真っ当な河豚料理です。

……………………………………………………
笑福(活魚・ふぐ・寿司) 都城市牟田町18-3-1F TEL0986-23-8788

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 13, 2009

地鶏@地頭鶏gen(都城駅前)

 宮崎名物地鶏焼きは、じつは鶏の種類、味付け、焼き方などによって千差万別の、それぞれがまったく違う料理となっており、とても「宮崎名物地鶏焼き」と、ひとくくりにして分類できるような料理ではない。
 それゆえ、他県の人が宮崎を訪れたさい、「美味い地鶏焼きを出す店を案内してくれ」と言われても、あまりに種類が多種に分かれるため、その人の好みがどういうものか分からないかぎり、自信をもって案内などできない。だから、そういう案内の要求があると私は困惑してしまう。

 とはいえ、都城市には、面白い地鶏焼きの店が多いことも事実であり、都城に来たときは一度は訪れるべきと思う。問題は、それがその人に当たりであるか、外れであるかなんだな。

 今後も地鶏屋の案内は請われるであろうが、私自身、都城の地鶏焼きについては、頭で整理があんまりついていない。それゆえ、地鶏屋案内をするにあたっての、自分にとっての一助として、整理を兼ねて、当blogでときおり都城の地鶏屋を紹介してみたいと思う。

 まずは、「地頭鶏gen」。先日訪れた店なので、blog用に写真を撮りました。

【地鶏腿塩焼き】
Wild_chicken

 他県(あるいは宮崎県)の人は、地鶏を「固いもの」と思い込んでいることが多いけど、本来の宮崎地鶏、とりわけ地頭鶏(じとっこ)は歯ごたえはあれど、空港土産あるいはコンビニで売っている真空パックの鶏炭火焼のようなコリコリした固さはない。(あれはあれで美味いけど)。地鶏は、歯で噛んで、弾力を感じたのちぷっつんと肉の中に歯が入り、そこからジューシーな鶏の肉汁が染み出て広がる、そういう食感を持つ。それだけで、鶏肉の美味さが感じられる食材なのだ。だから、巷間伝わる、炭火でガンガン真っ黒に焼いて、焼け焦げの匂いと味を加える「宮崎地鶏炭火焼」の料理法は、地頭鶏に対しては論外である。そんなことをしては養鶏業者が泣くか、あるいは怒る。地鶏は、単純に塩を振りかけ、ミディアム~レアで焼くのが、一番美味く食べる調理法となる。この店は、ミディアムだけど、レアでも美味しそう。

 じつのところ、地頭鶏を出している店は、地鶏の本場都城でも少なく、この店は希少価値があります。世間がイメージする地鶏の炭火焼とは異なる料理ですが、純粋に鶏肉の美味さを味わいたい人にはお勧めの店です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 09, 2009

寿司@ささぐり(都城市大王町)

 ささぐりに寿司を食いに行く。
 今年の寿司の食い初めだな。
 戸を開け入ると、客は私のみ。今年は不景気というが、週末というのにこの状況は、たしかに不景気のせいなのかな? でも、1月2日から貸切の宴会があったそうで、たまたまだったらしい。

適当にお好みで頼む。

【コハダ】
Shad

 コハダ自体の味は弱いけど、しっかりと〆られて、力強い寿司となっている。コハダも上手く調理されて、シャリの形とあわせ、美しい寿司になっています。

【ヅケマグロ】
Tuna

 ここの赤身はヅケで食べたいな。
 ヅケられて、旨みが増した寿司です。ねっとりとした食感が上出来。

【穴子】
Conger

 柔らかく調理された穴子に、ふんわりと握られたシャリがよく合い、きちんとした穴子の寿司になっています。

 ちなみに2貫ずつ写真に写っているのは、ネタごとに2貫出るというわけでなく、私が2貫を頼んだのである。写真に出していないが、他のネタのものは一貫ずつ頼みました。
 ネタはこの地で供されるものとしては良質のものでしょうし、なにより仕事が丁寧であり、正統的、真っ当な寿司が出てきます。
 地方でもこういう誠実につくられた寿司が食べられるのはありがたいことと思います。

 そうだ。
 この店は茶碗蒸しも、いいです。
 卵の美味しさを、薄味の出汁と、じっくりと蒸した調理法で演出したもの。寿司のみならず、料理の技術の高い店です。

【茶碗蒸し】
Egg_custard_steamed_in_teacup


| | Comments (0) | TrackBack (0)