風景

August 27, 2016

和食:きじの松田屋@菊池市

 暑いなか不動岩を登り、下山後は菊池温泉に泊まり、気持ちのよい風呂に入って登山(というか暑さ)の疲れを癒す。
 夕食はどうするかといえば、菊池には「きじの松田屋」という雉料理の名店があることが知られており、今まで訪れる機会がなかったので、行ってみることにした。

 「きじの松田屋」は、雉を育てながら料理店を経営しているので、山のなかにあり、菊池市から阿蘇外輪山方向に向かい7kmほどをタクシーで行く必要がある。
 そして着いてみれば、菊池川源流に近き地ゆえ、自然豊かなところにあり、その高台にあるので、周囲の雑木林や田圃を一望することができる。

【店からの風景】
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 料理は雉をいろいろな調理法で楽しめるフルコースを頼んでみた。

【料理】
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 雉という食材、私は今までジビエでしか食ったことはないのでその印象が強く、この店の雉はあの独特のクセのあるものかと思ったら、とても素直で上品な味のものであった。
 それゆえジビエ料理的なもの、あるいは地鶏的なもの-宮崎の地頭鶏や熊本の天草大王みたいな濃厚系な味を持つものを期待しておくと、ちょいと肩すかしを食うと思うけど、(私がくらったのだけど)、これが食べ進むうち、だんだんとその旨みの深みが分かってきて、雉という食材の素晴らしさをおおいに知ることができた。
 雉のタタキはまずは雉という食材をストレートに味わせてくれる。そしてそれを溶岩焼きにすると(いわゆる焼鳥)、雉の脂がとてもすっきりした純粋なものなので、これを合わせて肉を焼きあげると、雉肉の澄んだ旨みがよく分かり、それでいくらでも食える気になる。
 鍋は雉の骨をしっかりと煮込んだ出汁で食う。溶岩焼き同様に、その美味い出汁に包まれたあっさりした味の雉がさらに旨みを深め、これもいくらでも食べる気になれる。

 フルコース、大満足の料理であった。
 この店はかなり不便なところにあるので、訪れるのが大変なのであるが、それでも遠方から客がよく訪れる、その理由がよく分かりました。

 もっとも、「雉はあっさり系統の肉なので、いくらで食べられる」とは書いたが、この店では写真に示すように肉は最初から多量に出すし、それに追加もあるので、全部食べるのはかなり困難ではある。
 それゆえ私は残念ながら少量を残してしまったのだが、でも、その余りは新鮮なまま、この店の番をしている名犬ルパンの餌となり、それを食しているルパン号の嬉しそうな鳴き声を聞くことができ、・・・なんかうれしかった。

【名犬 ルパン@店主ブログより】
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 「きじの松田屋」店主は熊本で大企業に勤めていたのであるが、田舎で自由きままに農業をやりたいという希望強く、その夢を実現するために早期退職をして、それから熊本中探して、この菊池の水源近き地を理想の地として見出し、今までの資産をこれに費やして購入した。
 そして雑木林を開拓して、男手一本で田圃、柿林を造り、さらには雉の養雉も行い、雉を全国に配送するかたわら、ついには雉料理店も開店し、そのレベルの高さから、食べ物好きな人たちが遠方から訪れるという、サクセスストーリーを築きあげた。
 そのテンション、エネルギーに高さにはほとほと感心するしかなく、食事をしながら店主の話を聞くと、それだけで元気をもらった気分になれます。

 このようなエネルギー、そういう力は遺伝するらしく、店主の息子が阿蘇の産山で熊本赤牛を出す民宿を経営してるそうで紹介を受けた。そこもまたぜひ訪れてみたい。

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 きじの松田屋→HP
 産山の赤牛の店:「山の里」→HP

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June 20, 2015

宮崎の6月の花

 6月になり、当たり前のことながら雨の日が続いている。外出する気もおきぬ季節だが、それでも雨のなか植物は元気に花を咲かせたりしているわけで、特に宮崎の6月の花は「じゃからんた」という花が有名である。
 日南の道の駅に、じゃからんたの群落があり、昨年行ったときは、時期が早すぎ、あまり花はついていなかった。
 それで今回は6月下旬に行って、花の盛りを期待することにした。
 とはいえ、じゃからんたの森は、さほど面積があるわけでなく、それだけ見てもあまり時間が過ごせないので、そのついでに、他の花々の名所も訪れることにした。

【桃源郷岬:遠見山】
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 宮崎県北、門川町にある、岬全体が紫陽花に覆われている、紫陽花の名所「桃源郷岬」。
 岬に入れば、とにかく紫陽花、紫陽花、紫陽花の世界である。
 この圧倒的紫陽花の世界は、けっこう有名になってきており、駐車場には県外ナンバーの車が多く見られた。

【桃源郷岬:遠見山】
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 ここには、宮崎を代表する花「ブーゲンビリア」も一本植えられており、これがまた華やかである。
 黒揚羽も、紫陽花よりこちらの蜜のほうが好きなようで、懸命に密を吸っていた。

【米良街道】
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 宮崎で6月に咲く花は、合歓の樹もある。
 米良街道のダム湖周囲は合歓の樹の群落があるとのことで、行ってみたが、・・・あんまり咲いていなかった。
 左上にぽつぽつ咲いているのが、その合歓の樹。

【じゃからんたの森@南郷道の駅】
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 米良街道からそのまま日南へ走っていった。
 「道の駅なんごう」は、じゃからんたの旬の時期は、観光客で賑わうのであるが、近づいてもその気配が全くないので、不安に思ったけど、着いてみたらその不安は当たり、既にじゃからんたは盛りを過ぎたあとであった。

 花は地面に散り、わずかに残った花がぽつぽつと咲いているのみ。
 中央にある写真がその盛りの姿なのであるが、こういうのを見たかったなあ。

 来年に期待するか。

【じゃからんた】
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 じゃからんたは、その花そのものも美しいけど、こういう群生地ではやはり満開の姿を見たいものである。

【遠景】
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 日南海岸は、変化に乏しいのっぺりした海岸だが、ここらあたりは変化に富んだ地形となり、道の駅から見る風景は美しい。
 じゃからんたは駄目だったが、この風景を見たことに満足しておこう。

【坂元棚田】
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 日南から222号線を行くと、名所「坂本棚田」がある。
 田植えが終わった時期の棚田と、そして紫陽花の姿。
 風情ある風景である。

【あじさい公園@都城山之口】
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 222号線をずっと進むと都城。都城には紫陽花の名所があり、それが都城山之口のあじさい公園。
 紫陽花が満開であり、どこもここも紫陽花だらけで、紫陽花を満喫できた。

 天気はずっとイマイチであり、ときどき雨の降るなかのドライブではあったが、紫陽花は雨と相性がよく、雨のなかのほうがかえって魅力を増していたりした。
 6月の花は、やっぱり紫陽花だな。

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April 04, 2014

京都の夜桜:清水寺

 3月下旬は宮崎で満開の桜を満喫。
 翌週の週末は桜を追いかけて、というわけではないのだが、京都へと行った。
 その時期、京都はドンピシャのタイミングで桜が満開であったけれど、京都は観光ではなく出張で訪れたため、午前午後は仕事していたので、陽の下の桜はあまり見ることが出来ず残念。まあ、こういうこともあります。

 それでも夜桜は観ることができ、そして京都は桜の美しさの演出に、じつに長けた力を持っていることに改めて感心した。

 京都の夜桜は、嵐山、高台寺、清水寺、等々いろいろと名所があるのだが、夕食後に夜桜見物に行ける所は清水寺しかなかったので、清水寺を鑑賞。

【清水寺山門】
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 三年坂を登りつめると、朱色の鮮やかな清水寺山門。
 その後ろには、観音さまの慈悲の心を表すとされる、青いレーザー光が一条夜空に放たれている。

【庭園】
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 庭園は、たくさんの照明によりライトアップされている。
 光の色も様々であり、照らされるものも桜のみならず、竹や、他の樹々も照らされ、それらは妖しいまでに美しく輝く。

【三重の塔】
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 種々の色に林は輝き、闇はかえって深くなる。
 その闇の奥に、三重の塔がくっきりと姿を現している。

【清水寺本堂】
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 京都の観光の大スター、国宝の清水寺本堂。
 昼間は巨大な柱に支えられ空中にせり出している姿が印象的な大舞台は、夜にはライトアップされた桜の花々に浮かぶ、空中庭園のようにも見える。
 背後に街明りを灯す京都市を置き、夜空には鋭くレーザービームが走る。
 なんとも幻想的な風景である。

【境内の池】
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 ライトアップされた桜の樹々は、鏡のような池にも姿を映し、美しさ二重に高めている。
 静謐で、かつ夢幻的な風景である。

 世に桜の名所は多い。
 そして京都の名所よりも、桜をたくさん植えているところもいくらでもあるけれど、背景となる建物や庭園と合わせての風景の造り方、あるいは見せ方に関しては、京都の桜はやはり抜きんでている。
 春の桜の時期、京都の桜を求めて、全国から多くの観光客が訪れるのもむべなるかな、である。

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和食:祇園にしかわ@京都市

 高台寺の近くにある和食店「祇園にしかわ」は、京都駅からの公共交通機関の使い方が難しい。
 とりあえずは東山駅を使い、京都有数の観光名所東山界隈を通りぬけて店へと行くことにした。

【円山公園 祇園枝垂桜】
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 京都の枝垂桜のスーパースター「祇園枝垂桜」。
 花の時期は常に観光客で一杯である。
 この桜の真価は、ライトアップされた夜桜の姿にあり、一度みればその幽玄さに心を奪われること必定という、異様なまでの美しさをもつ。
 今回は、残念ながら夕暮れの姿のみでパス。

【祇園にしかわ】
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 「祇園にしかわ」は、京都らしい打ち水をされた路地の奥にある。
宿であれ、料理店であれ、この小路をくぐれば、楽しいことを経験できる、そういう期待感がもりあがる、古都ならではの演出。

【造り】
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 料理はたくさん出てきて、そのなかで特に印象的なものを写真で紹介。
 造りは、唐墨をまぶした鯛、ポン酢とのれそれ、鮑と赤貝を煮切りで、ショウガ醤油と鮪トロ、車海老、帆立等々、いずれも適度に味付けをなされた海の幸が並ぶ。
 この海の幸の美しさもよいが、それぞれ個性的な器もまた素晴らしい。

【八寸】
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 八寸は、モロコと鰯の焼きもの、白海老の掻き揚げ、鯖寿司、筍の木の芽和え等、旬の素材が並ぶ。
 見た目にも美しく、八寸全体で、この店ならでは春の演出をしている。

【椀物】
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 椀物は甘鯛と青豌豆豆腐。
 出汁は京風に、澄みきったもの。

【焼き物】
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 サヨリに雲丹を塗ってねじり焼きにしたものと、鯛の味噌焼きと木の芽。それに空豆。
 豊かな味に、鮮やかな色で、個性の強い料理。

【焼き物】
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 焼物もう一つは、ホタルイカとコノコの石釜焼き。
 ホタルイカもコノコも濃厚な味の食材であるが、これは典型的な足し算の料理で、互いの魅力をうまく引き立てあっている。

【蒸し物】
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 蒸し物は、塩釜蒸し。
 ずいぶんと手間のかかる料理なのであるが、中はいたってシンプルな筍とワカメの蒸し物。シンプルだけあって、純粋な香りと、旨みの凝集した味を楽しむことができる。

【御飯】
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 〆は鯛茶漬け。
 御飯もお茶も鯛もすべてよし。


 「祇園にしかわ」の料理は、全体的に華やかで優美で、いわゆる分かりやすい京都料理だと思う。気合いを入れて、「ご馳走を食うぞ」と勇んで来たりしたとき、その期待に存分に応える料理で、満足感が高い。
 私は近頃京都市内の料理店は、「緒方」と「桜田」を使っていたけど、あの手の京料理は繊細かつ尖鋭的すぎて、時に禅問答のような料理にも感じられ、それでかえって今回の「祇園にしむら」の料理は新鮮に感じられた。


 …しかしながら京都の和食店でよく思うのだが、こういう中規模の店はどこでも、造り、椀物、焼物、揚物等々、それぞれに担当スタッフ+チームがいて、コース料理をつくっている。つまり相当の腕を持つ人達が多数集まらないとできない料理なわけであり、それにはかなりの人件費がかかるはずだが、ならばどうやってこの値段で料理が出せるのであろう? 素材と人件費を考えると、ありえない値段なんだが。
 京都の和食は美味さとともに、そのコストパフォーマンスの良さも有名であるけど、コストパフォーマンスの良さの理由を推理するに、それは人件費をよほど……、いやこういう考察はやめておこう。


 ところで、今回の食事ではカウンターの隣はオーストラリア出身の青年であった。シドニーの大学で日本美術史を学び、卒業したので就職前にバイトをしながら日本を旅しているそうだ。日本の食事にもおおいに興味があり、今日は昼は滋賀の「徳山鮓」で熊鍋を食い、夕食は京都市の割烹に来たという、日本人でもそうはいない、というか滅多にいないレベルの食通である。
 当然日本語も上手であり、料理のこともよく知っていたが、知らない素材についていろいろと質問があった。その一つに「のれそれ」があり、「穴子の仔魚」と言っても分からんだろうなと思い、「レプトケファルス オブ コンガー」と言ったら、よけい分からないようであった。ともかく「穴子のベリーヤングなやつ」と説明し、なんとか通じた気配だったが、今思うに普通に「穴子のベイビーフィッシュ」くらいに説明すればよかったな、と少し反省。
 これだけ日本の食を楽しんでいるのだから、さぞかしオーストラリアでも食の情報を知っているのだろうなと思い、オーストラリアのお勧めの店などを尋ねたけど、自国の料理については辛辣な意見だったのは、…まあ意外でもないか。
 食事を終え、会話が終わったのちは、互いにgood-byeで、私には「ユニークな外人さんと京都で会った」という記憶のみ残るところだが、今はFacebookというものがあるので、そこはかとはなしにまだつながりがあるのが、現代文明の面白さでもある。

【八坂の塔】
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 食事を終えたのちは、まだ寺院のライトアップの時間に間にあう。それで、清水寺へと行くことにした。
 二年坂へ向かうその途中、八坂の五重の塔がライトアップされている。塔の手前には、桜が一本、花々が照らされている。
 この時期、京都はどこを歩いても、夢幻的な風景を楽しむことができる。

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March 30, 2014

桜源郷、花立公園

 花立公園を訪れたのちは、近くの温泉旅館で一泊し、その翌朝は好天であった。
 桜が満開である週末は土日とも雨の予報であったが、うまく外れて日曜は晴れである。
 そうなると、昨日小雨のなか、その本来の魅力を楽しめなかった花立公園には是非とも行かねばならない。

【最初の景色】
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 花立公園は、花立山の南斜面にある。
 山道をいくつものカーブを越えていくと、あるところで一気に視界が開け、桜色に染まった山肌が姿を現す。けっこう感動的な瞬間。

【桜道】
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 車を一番下の駐車場に止め、ここから散策。
 車の整理の人から「山頂まであと1.8km」ありますよ」と言われたが、この桜色の景色は歩いて楽しむべきであろう。

【花立公園】
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 舗装路を歩いて行き、花立公園へ。
 昨日と比べ、光あふれるなかでは桜の花の鮮やかさがまったく違う。
 ここからは、画面中央の遊歩道を歩いて行こう。

【遊歩道】
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 桜は満開の時期を過ぎ、花は散りだしていた。
 それで遊歩道は桜の花びらが敷き詰められ、桜の絨毯のようである。
 風が吹けば、花はとどめなく降りしきり、まさに桜吹雪であった。

【展望】
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 高度を徐々に上げていけば、視界も広がる。
 周囲の山々や、ゴルフ場、遠くには日向灘。

【山頂公園】
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 桜の花を楽しみながら、山頂公園へと到着。
 ここには色々な花が植えられており、様々な色に満ちている。

【桜の花びら】
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 それでも今一番美しいのは桜であり、花が散り、緑の葉の上に落ちたさまも、また美しいものであった。

 山肌一面に一万本もの桜が植えられた花立公園は、花の盛りの時期、桃源郷ならぬ桜源郷となる。あやしいまでに美しい、桜の魅力を存分に楽しめた花立公園であった。

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March 29, 2014

宮崎の桜@平成26年春

 今年の春は寒い日が続いていたせいで、桜の開花が遅れていたのだが、三月下旬に暖かくなった頃から開花しだし、あっという間の勢いで花が開いている。この勢いでは、週末には満開になりそうだ。
 週末は土日も雨という予報であり、花見には適していないが、この週末を逃すと桜は散ってしまうだろうから、雨の降るなかドライブがてら桜の名所を訪ねてみることにした。

【愛宕山参道】
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 延岡の桜の名所、愛宕山。
 愛宕山の麓の参道は満開の桜並木で、華やかな色どりである。

【愛宕山】
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 神話の山愛宕山は桜の名所でもある。
 展望所までの道も桜は満開で、展望所から山頂にかけての桜もちょうど時期であった。

【ループ公園】
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 愛宕山からは日豊グリーンランドを走行し、途中の休憩所のループ公園。
 ここも隠れた桜の名所であり、晴れていたら遠くに日向灘を望むことができて、空の青と海の青と、桜の花がいいコントラストになっていたはず。

【西都原公園】
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 宮崎県の有数の桜の名所である西都原古墳群。
 ここは菜の花も一面に植えられており、春は桜と菜の花の饗宴が見られる。
 黄と緑と桜色が互いに色を競い合う、美しき風景。
 これで天気が良ければ、もっと色が鮮やかだったのだろうけど。

【大坪の一本桜】
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 ソメイヨシノは集団で咲いてなんぼ、という面があるが、樹が大きくなれるヤマザクラは一本でも十分に景色の主人公になれる。
 宮崎の一本桜は、この国富町の「大坪の一本桜」が有名。
 …しかし、ヤマザクラはソメイヨシノよりも開花の時期が早い桜であり、ソメイヨシノが満開の今、すでに花は散っていて、葉桜になっているのであった。
 残念。

【堀切峠】
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 鬼の洗濯岩で有名な堀切峠は、桜の名所でもある。
 ただし、ここの桜も大坪の一本桜と同様にヤマザクラなのであり、すでに散っていた。
 宮崎で桜見物の日程を組むなら、ソメイヨシノ用とヤマザクラ用に、二つの日程を組まないと本当の魅力は味わえないと実感。

【花立公園】
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 今回の花見ドライブの真打ち、北郷の花立公園。
 山の斜面一面に一万本の桜が植えられている、という西日本一の規模を誇る桜の園。
くねくねした山道を走るうちこの斜面が見えると、風景は桜色に染まり感激ものであるが、本日は小雨のせいで風景が霞んでおり、イマイチの風景。
 それでも近寄れば、桜・桜・桜の世界に圧倒される。しばし歩けば、桜に酔ってしまいそうな、そういう桜だらけの別世界であった。

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March 20, 2014

香港10万ドルの夜景

 香港の名物は数あれど、標高373mのヴィクトリアピークから眺める、「100万ドルの夜景」と称される香港の夜の風景は是非とも経験したい。
 それでホテルのチェックインを済ませたのち、ヴィクトリアピークへと行くことにした。

 ヴィクトリアピークには、「ピークトラム」という山岳列車で登るのが常道であり、この列車から見る風景もまた良いとのことで、それも楽しみにしていたが、駅に着いてみるとメンテナンス中でしばらく休業との看板が出ていた。
 観光客が増えるであろう春の連休中に、ドル箱であるピークトラムの営業を休むとは何たる勿体なさ、と思ったが、ここは香港なので連休は関係ないのであった。

【ピークトラム駅前】
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 列車が使えないので、バスを使って頂上へと行く。奥に見えている山が、ヴィクトリアピークである。
 代表的観光地だけあって、すでに長蛇の列が出来ている。

 満員のバスに乗っての頂上までの道は、くねくねと曲がりくねった山道であり、乗っていて気分のよいものではなかった。これが列車のほうだと、急傾斜を直線で登るので、8分ほどの短時間で済むゆえ楽なのだが、バスだと横方向に揺られながら30分もかけて登ることになり、たいへんであった。

 …このあとの夕食で集った人たちに「夜景みてきましたけど、今はピークトラム使えないので、頂上まで行くのがたいへんでした」と言ったら、「ああ、歩いて登られたんですね。そりゃたいへんだったでしょう」と言われた。まあ、時間があったらそうしたんですけど。あと、やはり私はそういう人物に思われているようであった。

【香港の眺め】
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 手前は香港島の高層ビル群。奥にはヴィクトリア湾が広がっているはずだが、もやっていてよく見えず。
 これは靄とかいうものではなく、どうも大気汚染と言ってよいものに思われた。
 それが証拠に、香港に来てから、目が痛い。

【夜景】
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 なにはともあれ、夜景を観ないといけないので、日が暮れて暗くなるのを待った。
 夕方のもやった風景から、夜になってもその風景はどうせ「1万ドルの夜景」程度だろうなと思っていたが、風が出たせいか靄がある程度は流れたようで、九龍側や湾側の明かりもこちらに届き、けっこうレベルの高い夜景が出現した。
 事前に写真で見て来た「100万ドルの夜景」に比べれば、明かりの強さ多さがまったく足らないけど、これなら「10万ドルの夜景」くらいにはなるのでは。
 いちおう自分としては、それなりの香港の夜景が見られたことに満足して下山した。

【晴れた香港】
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 香港は大気汚染が深刻となっており、そして木曜、金曜と香港はもやっていたので、香港とはこういうところなのだなと思っていたら、土曜日と日曜日は晴れていた。
 これは何故かと言うと、香港の大気汚染の最も深刻な原因である中国本土深圳の工場群が、休日は稼働していないため、汚染物質が飛んで来ず、空気もきれいになるそうだ。
 というわけで、香港の100万ドルの夜景を経験するには、土曜か日曜の夜にヴィクトリピークに行くのがお勧めである。

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January 01, 2014

平成26年初日の出@祖母山山頂

【山頂へ】
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 元日の早朝、初日の出を見るために小屋から山頂へと登って行く。
 雪で登山道は底上げされており、霧氷のトンネルのなかを進んでいく。

【山頂】
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 急登を抜け、平たく、景色が広がったところが山頂であるが、…その景色、周囲一面ガスがかかっており、これは日の出を見るには微妙な天気だ。
 山頂に出たとたんこの景色を見て、私と、それから一緒に登ってきたトレラン青年の二人から思わず「あちゃ~」という嘆声があがる。

【山頂】
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 山頂には、東方向を向いて待機している人、30名ほど。
 毎年登っている人もいて、近年初日の出を見ることは3年続けて失敗しており、今年も駄目かとの声も出た。

【初日の出】
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 山頂は写真では伝えにくいけど、強風が吹いており、雲の流れは早く、ガスも渦巻いて流れている。
 そしてガスの切れ目から、小さく、太陽が姿をのぞかせた。
 なにはともあれ、平成26年初日の出をGETである。

【初日の出】
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 太陽はいったん雲に隠れたが、高度を上げるとともに明るさを増してくる。
 雲の端が輝き、なにか素晴らしいものを見せてくれる雰囲気となってきた。

【初日の出】
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 ガスが流れ、東方向には、朱に染まった大崩山が、その巨大な山容の姿を現した

【初日の出】
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 太陽はさらに力を増していく。

【初日の出】
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 そして、ガスと雲にまとわれつつ、その合間から、太陽が炸裂するかのように光を放った。
 神々しくも、荘厳な姿である。
 雲とガスの流れとともに千変万化に姿を変えていた元日の太陽であるが、これがそのクライマックス。

 初日の出のショーをずっと眺めていた登山者たちは、太陽がはっきりと姿を現したところで、万歳三唱をあげ、初日の出が見られたことを祝った。

 山の上という場所はガスがかかる確率が高く、初日の出を見るには条件のよくないところなのであるが、このように条件がうまくあえば、自然のマジックが見られるわけで、今年の祖母山山頂ではそのマジックを幸運にも堪能することができた。
 寒い思いと、きつい思いをしないとたどり着けない場所に来た者たちだけが経験できる絶景であった。

【祖母山縦走路】
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 太陽があがり、ガスも流れ、長々と続く雪の祖母山縦走路が見渡せた。
 今年もまたこの路を何度も通ってみよう。

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October 16, 2013

秋の虹

 超大型の台風26号は九州から遥か遠くを通っていたはずだが、さすがに超大型だけあって、風はこの地へも吹き付け、強い風が夜通し吹き荒れていた。
 朝を迎えると、肌寒いほどの涼しさであり、空気も澄んでいて、この台風が過ぎ去るとともに、季節は完全に秋になったようである。

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 外には、朝日の光を受けて、大きな虹がかかっている。
 これほど大きく、美しい虹はひさしぶりに見た。

 気持ちよい朝の空気のなか、虹を眺めながら自転車でまわりを散策することにした。

【遠見山林道】
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 虹を見るため、見晴らしの良いところに行ってみよう。
 このあたりで、最も小高いところの遠見山を目指す。
 遠見山への道は、昨夜の風で、樹々の葉や枝が散乱していた。

【遠見山山頂から】
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 遠見山は標高308m。
 ここからは、さえぎるものない、広々とした風景を楽しむことが出来る。
 眼下には門川湾と門川町が見える。
 それをまたいで、天空に大きな虹が立っている。

【虹】
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 この虹はあまりに大きすぎたので、二枚写真をつなげて、パノラマで全体像を。
 南は門川町から、北は延岡市から立ち上がって、大きな孤を描いている。

 台風26号の、この地への巨大な置き土産であった。


【Résumé(まとめ)】
 Le 26e typhon typhon a accompagné de vents forts à Kyushu. Un vent trés fort soufflait tout la nuit.   Quand matinée a venu, le typhon avait quitté. L'air est clair, la température est fraîche. En passant ce typhoon , la saison semblait changer au automne complètement.
 Quand j’ai sorti dehort, grand arc en ciel est apparu.
 En regardant le ciel, j'ai couru en vélo.
 Je suis allé à la montagne appelé Tomiyama. Il a 308m altitude, j'ai pu voir les vastes vues.
 Arc en ciel si trés grand, il était beau.
 C'était un gros souvenir du 26e typhon.

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October 04, 2011

若松風景 -軍艦防波堤-

 北九州若松区は洞海湾と響灘に囲まれた半島状の形態をしており、その海に向かいどこもかしこも埋め立てがされていて、人工的な海岸線を持っている。
 その埋め立て地のうち最大規模のものが響き灘埋め立て地である。

【響灘埋め立て地へ】
Bridge

 響灘埋め立ち地へは、この響灘大橋を越えていく。
 その先の海岸線にはずらりと風車が立てられ、海風に吹かれ周り続けている。

【軍艦防波堤】
Boat

 大橋を越えて、最初の交差点を右に曲がり、海岸を突き当たると、若松名所「軍艦防波堤」がある。
 ここにある船の残骸は、軍艦である。
 先の大戦で、連合艦隊中生き残った船は、敗戦後使い道がなくなってしまった。そのうちの駆逐艦3隻が北九州の防波のために、自沈させられたのである。
 それは「柳」「冬月」「涼月」の3隻であり、とくに「冬月」「涼月」は戦艦大和の沖縄特攻のときに護衛についた艦であり、あの米軍航空隊の絨毯攻撃のなか、奇跡的に生き残った艦である。

 「冬月」「涼月」は埋没して、姿を見ることはできないが、「柳」はまだ錆だらけの船体が残っていて、コンクリに固められた姿を見ることができる。

 70年以上も前、消滅してしまった連合艦隊のなか、いまだ響灘の波を受け止めて現役で働いている艦が、この若松にあるのである。

【若松北海岸道路】
Road

 若松北東部は人工的な埋め立て地なので、道路も計画的に作られており、真っ直ぐで広い道が通っている。
 見晴もよく、自転車で走っていて、たいへん気持ちのよい道なので、北九州サイクルツアーにもこの道を使えばよかったのに、と思う。
 まあ、その場合は戸畑に抜けるのに、自転車専用道である若戸大橋を通らねばならないのがネックになるだろうけど。

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