登山

May 05, 2019

登山:対馬竜良山

【竜良山@豆酘港から】

0mountain

 下対馬の良港、豆酘港の奥に位置する竜良山は、円錐形の一際目立つ姿から、港に帰って来る漁船のランドマークとなっており、その美しい姿は玄海の荒波と格闘して、ようやく家路に近づいてきた猟師たちにとって、神々しいものに映っていたであろう。そのため、竜良山は古来より神聖視され、立ち入りが禁じられていたことから、山麓の森林が保護されており、それは貴重な自然林として、現在では国の天然記念物に指定されている。

 今では立ち入り禁止は解除されてはいるが、それでも地元の人たちは、この聖なる山に入ることは敢えて避けているそうだ。
 とはいえ、世の中には一定数、そこに山があるとなにはともあれ登りたがる人たちが居て、そして私もその一員なので、登ってみることにした。
 この特別な山の登山については、豆酘の宿を出るとき本日の予定を聞かれ、竜良山に登りますとこたえたところ、あそこは霊山なのでと、主人からお清めの塩をもらっており、登山口でお祈りとともに塩で身を清め、それから山頂へGo。

【自然林】

2forest

1forest

3forest_1   

 登山口からずっと、照葉樹の原生林が続いている。巨大な樹、細い樹、曲がりくねった樹、倒木、落ち葉、無秩序のなかに、しかし自然そのものを感じさせる不思議な秩序を感じさせる原初の森が広がり、厳かな気分にひたされる。

【稜線】

4way

 稜線に出てからは植生が変わり、岩だらけのなか、岩の隙間から細い樹々が立っている。

【山頂】

5view

 山頂に出れば、岩場となり、一挙に展望が広がる。
 山々は海まで連なって行き、その途切れるところに豆酘の港が見える。そして手前には今が旬のヒトツバタゴが咲き誇っている。

【天道大神神社】

6shrine_1

7shrine_1

 下山したのちは、登山口の近くにある天道大神神社に寄ってみた。
 この神社は、対馬の天道信仰の祀りの場であり、ここでの御神体は竜良山そのものである。
 対馬の宗教は独特であり、その根幹であるところの天道信仰については、たいへん複雑な要素がからまり、何度テキストを読んでもよく分からないところがあるのだが、それは結局は対馬が複雑な歴史を持ち、その宗教も歴史の激動とともに変革を遂げ続けざるを得なかった、そういうことであろうと思う。
 宗教そのものについては難解なのであるが、天道を祀るこの古き神社は、ここに居るだけで、この地の力のごときものが伝わってくる、それをシンプルに感じられる、そういう静謐かつ荘厳な地であった。

 ……………………………

Photo_11

 

| | Comments (0)

May 04, 2019

登山:対馬白嶽

【白嶽】

1mountain

 対馬は山の多い地、というか島がそのまま山となっている地であり、いたるところ山ばかりなのであるが、そのなかで最も有名な山が白嶽。対馬の山岳信仰の聖地として、霊山と崇められている山である。
 なぜ信仰の対象となっていたかといえば、山の姿を見れば一目瞭然。第一駐車場から見るその姿は、石英斑岩による白い岩峰を二つ空に突き立てた威厳ある姿であり、周囲の山々の盟主たる威容を堂々と誇っている。
 その山の麓にある登山口に向かって行ったが、この第一駐車場から道は狭くなり、けっこうな難路であって、苦労して登山口にたどり着くこととなった。

【登山道】

2way_2

 登山口にたどり着いてしまえば、そこからはよく整備された登山道が続いている。

【鳥居】

3torii

 白嶽神社の鳥居から、白嶽への取りつきとなり、傾斜もきつくなる。
 この登山道を白嶽方向に登らず、そのまま真っ直ぐ行くと、厳原まで続く長い山岳縦走路となる。

【山頂下広場】

4openspace

 登山道はやがて、整備された広場へと出る。祠や狛犬等があり、この山が信仰の場ということがよく分かる。

【白嶽神社】

7shrine

 双耳峰の鞍部をいったん越えると、そこには白嶽神社がある。この鳥居から先は聖域となっており、出入りは禁止されている。
 白嶽そのものが、御神体となっているようであった。

【山頂から】

5summit_2

 山頂に着くと、言葉を失う絶景が広がっていた。
 この山の山頂部は岩峰なので、視界を遮るものはなく、360度の風景を楽しめる。
 そして南方向には、厳原へと続く山並みが連なり、原生林の緑と白い巨岩が美しいコントラストを見せている。そしてその緑のなかに、ぽつんぽつんとヒトツバタゴの白い花が見えるのもまた良い。

【山頂から】

6summit_1

 北方向には、双耳峰のも一つの峰が見える。巨大な岩塊である。
 そしてその奥には浅茅湾が広がり、対馬独特の極めて複雑な海岸線も見ることができる。

【岩のテラス】

8square

 山頂から下りてしばらくのところにある岩のテラスにも寄ってみた。
 ここも眺めが良く、そして間近に見る白嶽の岩峰の姿もまた迫力ある。

 

 対馬白嶽は九州100名山にも選ばれている名峰であるが、たしかに山そのものの姿が良く、そして山頂からの眺めは絶景であり、100名山どころか、もし九州から10座名山を選ぶとしたら、かならずノミネートされるべき名山に思えた。
 対馬は来るのはけっこう大変であるけど、この山に登るためだけでも来る価値ある、そういう素晴らしい山であった。

 ……………………………

Photo_10

| | Comments (0)

May 03, 2019

登山:対馬御岳

【ヤマネコ注意】

10wildcat

 対馬で一番有名なものといえば、ツシマヤマネコである。
 日本にいるネコの数は多かれど、野生種のネコは、このツシマヤマネコとイリオモテヤマネコの二種類のみであり、たいへん貴重なものである。それゆえ、ツシマヤマネコの保護を喚起するため、対馬には島中のいたるところに「ヤマネコ飛びだし注意」の交通標識がある。
 そのツシマヤマネコの生息地として自然林が保護されているのが、対馬御岳であり、この山はツシマヤマネコの住む山として有名だ。
 その御岳に登ってみることにした。

【滝】

1fall

 御岳の登山道は地図を見ると、登山口からの周回ルートがあるので、それを使うことにした。
 まずは荒れた林道を進んでいくと、林道は途中で途切れていた。地図の破線はそこから山頂まで続いており、ここらへんから本格的な登山道になるらしかった。しかしそこに道らしきものはなく、地図を検討すると、それは沢を詰めていくルートになっている。
 激藪やナイフリッジなどがない限り尾根筋の登山道なら、道がなくともたいていは進んで行けるけど、沢筋の登山道って、きちんと整備していないと、途中で滝に当たって行く手を阻まれることがほとんどである。
 それゆえ大丈夫かいなと思いながら、道なき道を進んでいったら、案の定滝が出て来て通せんぼになってしまった。いちおう巻けるかどうか試して、右側の崖を登っていったけど、手がかり足がかりに乏しく、ギアがないと突破は無理のようであった。
 それでこのルートはここで諦め、登山口まで引き返し、もう一つのルートを使うことにした。

 教訓:地図は大事だけど、そこに書かれてある登山道は、いつ使われていたものか分からないので、完全に信用してはいけません。

【登山道】

2way_1

 鳥居をくぐって進むと、こちらはさっきと違って、よく整備された登山道である。

【ツシマヤマネコの森】

3cat

 この山域は特定動物の保護林となっており、その特定動物とはもちろんツシマヤマネコである。

【島大国魂神社】

4shrine

 山頂近くに立派な社があり、登山口の鳥居はおそらくこの神社のものであったのだろう。

【対馬御岳山頂】

5summit_1

 山頂に到着。
 樹木を保護しているせいか、山頂も樹々が生い茂っており、展望はあまり良くなかった。

 下山は往路をたどり、またツシマヤマネコの森を通って行った。
 ツシマヤマネコ、少しばかり出会えるのを期待していが、姿はおろか鳴き声さえ耳にすることはなかった。ツシマヤマネコって、絶滅危惧種であり、今対馬には80頭くらしか生息していないそうだから、それも当然なのだろうけど、保護対策がうまくいって、かつてのように対馬のいたるところにツシマヤマネコがいる、そういうことになってもらいたいものだ。

【厳原にて】

9daizen

6sasimi

7nodoguro

 下山後は厳原の宿へ。
 夕食は近くの居酒屋「だいぜん」で。
 対馬は漁港ばかりの島であり、魚も当然豊富に獲れる。それゆえ、本日は海の幸をふんだんに味わうことにした。新鮮な刺身に、対馬産が最も美味しいとされるノドグロ。
 対馬、美味しい。

 ……………………………

Photo_9

| | Comments (0)

May 01, 2019

令和元年初日は高塔山から昭和の象徴若戸大橋を眺めてみる

 出雲大社参拝を終え、その夜は12時の改元のカウントダウンの番組を見ながら、改元を祝う。平成改元の時は、全国が粛々とした雰囲気のなかであり、こういう祝賀ムードは一切なかったので、今回の改元のための法改正実行はよかったと思う。

 さて、その翌日の令和元年初日の登山は、平成を象徴する何かをテーマにしようと思ったが、まさか雲仙の平成新山に登るわけにもいかず、さりとてそれ以外ろくなものが思い浮かばなかったので、発想を変換して、昭和の象徴をテーマにしようと思った。
 昭和を象徴するものなら、すぐ近くにそれらしきものがあったこともあり。

【若戸大橋@洞海湾から】

5bridge-from-sea

 北九州市、若松区と戸畑区を結ぶ若戸大橋は、昭和37年に完成した。
 当時は高度成長期の始まりであり、日本中元気があり、北九州市も重要な工業都市として発展していた。その時代に築かれた全長627mの長大な橋は、日本の技術の粋であり、東洋一の規模を誇るものであり、興隆する日本の象徴でもあったのである。
 その後日本は産業構造が変化し、北九州は凋落していき、若戸大橋もその誇りある地位を失っていった。
 長い時間の流れのなか、人も都市も建造物も、その運命に従って変わって行くしかない、そういう無常というものを見せてくれる、美しく大きな橋である。

【若戸大橋】

1bridge

 若戸大橋のビューポイントはいろいろあるが、一番は高塔山の展望所からのものとされている。たしかに間近に全貌が見られるところはここしかない。
 半世紀以上、昭和と平成の時代、北九州の物流を支え続けて来た働き者の橋である。

【玄海自然道】

2health-pass

 高塔山は標高124mの低山なので、それだけ登るのも物足りず、玄海自然歩道を使って石峰山まで行ってみることにした。
 ここは途中の健康峠。ここを通ると、健康になれるそうだ。

【石峰山山頂から】

3view

 石峰山山頂からは、洞海湾の向うに、皿倉山が見えるはずだが、本日は雲がかかっており見られなかった。

【稜線】

4from-station

 石峰山からは藤の木駅方面に下山。
 駅からは今歩いた稜線の全体像が見られる。
 藤の木駅は、かつて筑豊炭田から若松港に石炭を運ぶ貨物列車が数多く走っていた筑豊本線の駅である。時代の流れとともに、筑豊は閉山となり、貨物列車も走ることはなくなり、この駅も静かな無人駅となっている。

 ………………………………

Photo_8

| | Comments (0)

April 30, 2019

平成最後の日は、出雲北山を縦走して、出雲大社参拝

 平成31年4月30日は平成最後の日である。それで何かそれにふさわしい登山をしようと思い、出雲の山を登ったあと出雲大社に参拝するという計画を思いついた。うまい具合に出雲大社は裏に弥山という山があり、そして弥山は出雲北山山系に連なっているので、その山系の入り口から登って弥山で下りると、ダイレクトに出雲大社に参拝することができる。
 ということで、出雲北山へGo。

【出雲大社駅 「はたでん」】

1start_1

 出雲大社まではまずは車で行き、それから出雲大社駅の「はたでん」に乗って、登山口の位置する旅伏駅へ行くことにする。
 この「はたでん」は地元の私鉄「一畑電車株式会社」の運営する鉄路であり、島根のようなところで私鉄が維持できていることに感心してしまった。そこにはいわゆる「地元の人と企業の血のにじむような努力」があるのだとは思う。九州なんて、純粋民間資本の私鉄は福岡にしかないのだから。

【旅伏駅】

12tabusi-station

 乗り換えを挟んで旅伏駅に到着。なんだかけっこうな距離を移動してしまった。これは歩いて戻るの大変そう。

【登山口】

2gate

 旅伏駅からの出雲北山縦走は金山の中国自然歩道を使うのが普通だけど、地図をみると、その一本手前の尾根に登山道を示す破線があったのでそれを使用してみた。これは登山口の鹿除けゲート。弥山で下りたところの登山口にも同様のものがあったので、出雲北山は鹿の多い山のようだ。

【登山道】

21way

 林道を歩くうち、その道は尾根から外れていくので、途中で尾根によじ登り尾根を行ったが、そこはもはや登山道として使われてないらしく、道は相当に荒れていた。どうやら先の林道をそのまま行くのが正解だったようだ。

【宍道湖方面】

22-lake

 この尾根は南側が切り立っており、それで眺めはよい。
 山陰の名所、宍道湖を望むことができた。

【ギンリョウソウ】

30-white

 荒れた林を歩くうち、ギンリョウソウを見つけた。
 さほど珍しいものではないけど、その色、姿が独特すぎるので、見つけるとやはり嬉しくなる。

【一本松】

302-pine

 荒れた登山道は一本松手前で自然歩道と合流。ここからは歩きやすくなる。

【旅伏山山頂】

303-summit

 最初のピークは旅伏山。この山はよく整備されていて、視界は開けている。

【鼻高山】

3031summit2

 出雲北山縦走は標高ほぼ0mのところから、最高地は536mまで登るコースであり、ここがその最高地。登る高さはたいしたことないと思えるけど、じつは縦走路はピークがいくつもあり、その傾斜が急であることもあって、かなりタフなコースであった。

【激坂解説】

3032sign

 それぞれのピークはなだらかになってなくて、傾斜がきつく、特にきついところを解説したものがあった。

【出雲ドーム】

304-dome

 縦走路を行くとき、樹の合間から出雲平野が覗くが、そのなかで最も目立つのは出雲ドームであった。

【弥山山頂】

305-misen

 いちいち数えてはいなかったが、とにかくけっこうな数のピークを登り下りし、ようやく最後のピーク弥山に到着。弥山という名の山は日本中いたるところにあるけれど、元の意味は「世界の中心」であり、出雲大社の裏に位置するこの山は、その名にふさわしいと言えよう。もっとも、弥山(=須弥山)の概念は仏教によるもので、神社との整合性についてはなかなか微妙なものがある。

【出雲大社】

306-view

 その弥山山頂から、本日目指す出雲大社を見下ろす。大鳥居につながる、こんもりした森が出雲大社である。

【出雲大社】

10shrine

 弥山から下山すると、すぐに出雲大社に到着。本日のゴールである。旅伏駅からおよそ17kmの行程であった。
 ここで、参拝をして、本日のミッション終了。

 

 明日からは平成を離れ、令和の日々を過ごすことになるわけであるが、時が過ぎたとき「元号が変わる一日前、平成最後の日は何をやっていただろう?」と思い返すことがあると思う。その時、平成最後の日はこういう印象的なことを行っていたので、「あ、そうだ。出雲大社に登山参拝をしたんだ」と容易に思い出すことができるであろう。
 本日のミッションは、令和を生きる将来の私にとっての、良き贈り物となったはずである。

 ………………………………

1904_2

| | Comments (0)

April 29, 2019

新緑の三瓶山@島根

【北の原駐車場から三瓶山を見る】

1start

 GWの前半は天気が不安定で、3日目は全国的に雨との予報であり、たしかに起きると外は雨が降っていた。それで本日は山には行かず、世界遺産の石見銀山にでも行こうかなと思って車を走らせていたところ、だんだんと雨が上がって来た。
 となると、この近くには中国地方を代表する名山「三瓶山」がある。ダメ元で登山口まで行ってみようと行き先を変更した。
 北の原の登山口に着くと、山そのものはすっぽりと雲のなかにあったが、いちおう雨は降っていない。ならば滅多に来るところでもないので、登ってみようと登山開始。

【姫逃池】

2_5

 登山口近くの池、姫逃池。
 新緑の季節であり、芽生えたばかりの緑が瑞々しい。

【登山口】

21gate

 姫逃池コースから登山開始。
 三瓶山はよく整備された山であり、たくさんの登山道を持っており、うまくいけば男三瓶山と女三瓶山を周回できそうだが、あの雲の状態ではたぶん無理だろうなと予想する。

【自然林】

3forest

4forest

 三瓶山は自然林がよく保存されていて、森林浴気分での登山が楽しめた。

【男三瓶山山頂】

4summit_1

 三瓶山の最高峰の男三瓶山山頂に到着。
 下から見ていたとき、ここは雲のなかであったが、着いてもやっぱり雲のなかであり、視界は利かず、そして暴風が吹き荒れていた。標高1000m以上はまともに行動できる状況でないので、女三瓶山まで行くのはあきらめ、写真を撮って、さっさと退散することにした。

【三瓶山@浮布池から】

7mountain

 下山したのち、三瓶山近くの観光名所浮布池に寄って、展望所から三瓶山を眺める。
 先ほどより雲が上方に上がり、全体像らしきものが見えていた。
 火山特有のなだらかな円錐形の峰を連ねる、形の麗しい山系であり、これはぜひとも晴天の日に登りたいと思った。
 宿題を一つかかえ、平成最後の日を過ごすべく、次は出雲へと向かった。

 ………………………………

1904_1

| | Comments (0)

April 28, 2019

カタクリの道 右谷山南尾根~寂地山@山口県岩国市

 寂地山は、右谷山から冠岳にかけての縦走路がカタクリの名所であり、今の時期はカタクリロードとなるので、それを目当てに登ることにした。
 前回雪の時期に寂地山を登ったときは寂地峡~寂地林道の周回コースを使ったけど、今回は右谷山にも登りたいので別のコースを考える。地図をみると右谷山の南尾根に破線が引かれており、この道を使うと寂地峡駐車場を起点として周回できるので、南尾根を使って登ることにした。

【登山道(?)】

2way

 駐車場から舗装路をしばし歩き、登山口らしき所から山に入りこむ。すると登山道に続くと思われた踏み跡は沢に消えてしまったので、方向を無理に変え山側に乗り上げると、登山道らしき道を見つけた。
 しかしその道は草に埋もれ、ここ数年まったく使われていない、つまりは廃道化していた。まあ、それでも登山口周囲が藪道でも進むうちまともな登山道になることもあるので、(天草念珠岳とか指宿矢筈岳とかみたいに)、なにはともあれ南尾根を目指して登っていった。

【無線アンテナ】

21-way

 藪道と作業道を交互に行くうち、なんとか尾根に乗り上げると色褪せた赤テープがあったので、やはりかつては登山道に使われていた道と判明した。けれども尾根に入っても道そのものははっきりとせず、獣道を拾いながら登って行くうち、ちょっとした岩場があって、そこに登ると、無線アンテナがあった。 まだ新しく現役のようであるが、山頂ならいざしらず、このようなところに重い無線機を持ってきてCQCQする人がいるらしきことに不思議感を覚えた。

【登山道】

3way

 南尾根は最初の標高909mのピークに来ると、踏み跡がはっきりしだしてきて、どうやらこのあたりからどこかの登山道と合流しているようであり、歩きやすくなった。

【登山道】

31way

 標高1000mを越えると植生はブナ林となって、明るい自然林となるので雰囲気がよくなる。そして林間から遠くに目指す右谷山が見え、これで右谷山に着けることが確実になり、ほっとした。

【右谷山山頂】

4summit

 そしてようやく右谷山山頂に到着。
 ここまでで登山はお腹いっぱいもう結構という感じであるが、ここからがカタクリロードの始まり、本番である。
 山頂には一人昼食休憩している人がいて、藪から突如山頂に現れた私を見て、「そこから登れるんですかあ」と驚いたように言ってきた。私は「登れるといえば登れるのですけど、登れないといえば登れません」と曖昧に答えておいた。

【カタクリロード】

50

 

51_1

53_1

52_1

 右谷山から寂地山までの縦走路は、両脇にカタクリの花々が咲くカタクリロード。
 淡い赤紫色の花片を勢いよく後方に反り返らせたカタクリの花は、見ていて元気の塊のようであり、こちらにもなにかのパワーを与えてくれるようで快活な気分になれる。そういう気持ちのよい縦走路がずっと寂地山まで続き、ぞんぶんにこの希なるカタクリロードを楽しめた。

【寂地山山頂】

9_2

 寂地山山頂でいったんのゴール。ここからはカタクリと別れて寂地峡への下山となる。たくさんのカタクリの花も見られたし、不思議物件も見つけたし、ルートファインディングに苦労もしたし、いろいろと盛りだくさん、充実の寂地山登山であった。

【大滝鳴滝温泉】

1entrance  

2lodge

3bath

4fry

 下山後は北広島に移動し、大朝鳴滝温泉に宿泊。大朝インターから下りて山道に入っていき、終点地点に何やら廃墟のような建物が現れ、ここ本当に営業しているのかい?と思ったけど、入ってみたら昭和の古き良き雰囲気を残したロッジみたいな宿であった。老夫婦が切り盛りしている、手造り感濃厚な宿で、そして山菜を使った料理はよかったし、鉱泉の沸かし湯も気持ちよかった。この手のレトロな宿は、これから減って行く一方であろうし、貴重な宿泊体験ができた。

 ………………………………

Photo_7

| | Comments (0)

April 27, 2019

ヤマシャクヤクの楽園 十種ヶ峰@山口市神角

 GWの長い連休は季節の花を求めて、山々を訪ね歩くことにしてみた。
 まずは以前から行きたかった十種ヶ峰のヤマシャクヤクを見に行くことに。

 ヤマシャクヤク自体は九州でもさほど珍しい花ではないけど、山口神角の十種ヶ峰にはその大群落があり、谷一面のヤマシャクヤクが乱れ咲くさまは壮観とのことで定評があるのである。

【登山口】

1_9

 ヤマシャクヤクの旬ということで、登山口は賑わっていた。
 登山口正面に、長門富士と呼ばれる円錐型の十種ヶ峰が見える。

【登山道】

2_4

 登山道には、ヤマシャクルートと名付けられている。
 あとで分かったけど、この登山道はヤマシャクヤクの群落地に入るため、けっこう強引な造りになっており、変化に富んでいて面白かった。

【ヤマシャクヤク】

5_2

  17b

 登って行くうち、風景が開けると、そこはヤマシャクヤクの楽園。
 谷一面がヤマシャクヤクに埋め尽くされていた。こんな風景、たぶんここしかないであろう。

【ヤマシャクヤク】

7_3

6_4

15

 ヤマシャクヤクは開く前の薄緑の饅頭みたいなのが可愛らしくて風情があるけど、もちろん咲ききった姿も華麗でよろしい。

【ヤマシャクヤク】

3_4

4_4

11_1

 ヤマシャクヤクの群落は満開まではあと一歩というところであったが、それでも蕾から咲きかけ、咲ききったもの、いろいろと勢ぞろいしていて、それが花のダンスのようなリズムをつくっていて、見ていて飽きなかった。

【山頂】

8_2

 ヤマシャクヤクの谷を抜けると、登山道は歩きやすくなり、そして視界の開けた山頂へ。
 中国山地の山々と、そして麓に今登って来た神角の村が見えた。

【田圃】

9_1

 十種ヶ峰の登山道は一方通行の周回ルートとなっていて、下山時は田圃のなかを通る。
 ちょうど田植えが終わった時期であり、春ののどかさが、あたり一面に広がっていた。

 ………………………………

Photo_6

| | Comments (0)

April 13, 2019

アケボノツツジ@行縢山雌岳

 4月中旬、桜も散ったあと、アケノボツツジの季節を迎える。
 主に南九州の高山で咲く花、アケボノツツジはその花勢の豪華さから、ツツジの女王と称され、そしてその名にふさわしい絢爛たる佇まいを見せる。

 宮崎県北で一番先にアケボノツツジが咲くのは行縢山雌岳なので、好天の週末、登ってみた。

【登山道】

1_7

 行縢山雌岳は展望が利かない山なので、人はたいてい雄岳の方に登り、そして私もそうなのであるが、この季節だけはアケボノツツジ目当てに登山者が増える。
 雌岳にはいろいろ登山ルートがあるが、今回は南尾根の直登ルートを使用。雌岳に一直線に登るルートなので、最も早く登ることができる。ただし、あまり使われていない登山道なので、藪は多いし、難所も多く、それなりの緊張を強いられる。

【登山道】

2_2

 藪を越えると、下草の少ない尾根道となる。ミツバツツジが出迎えてくれる。

【ヒカゲツツジ】

4flower

5flower

 雌岳山頂に到着し、東側に少々下りるとヒカゲツツジの群落がある。
 ちょうど花の時期であり、清楚な姿を見ることができた。

【アケボノツツジ】

6_3

7_2

8_1

 雌岳の稜線上にアケボノツツジの群落があり、ちょうど満開の時期であった。
 アケボノツツジは他のツツジと異なり、葉が出る前に一挙に枝一面に花を咲かせる。そのため、樹全体がピンクの明かりを灯すシャンデリアのような姿となり、じつに豪奢で、美しい。
 それはまさにツツジの女王であり、そして山の女王と言えよう。
 今年も、登山者だけが得ることの出来る、贅沢な時間を味わえた。

 

 ………………………………

 

1904

| | Comments (0)

April 06, 2019

登山:市房山@湯前

 今年は暖冬だったので、桜の開花が例年よりも遅れて、南九州では4月初旬が花盛りとなっている。(桜は寒くなることで、開花のスイッチが入る特徴を持っているので、暖冬ではスイッチが入り辛いそうだ)
 それで桜を見に登山に行ってみよう。といって、山にソメイヨシノはないので、桜の名所を訪ねての登山にしてみる。

【市房ダム】

1cherry

 熊本、人吉の桜の名所「市房ダム千本桜」。ちょうど桜まつりも行われていた。
 花の時期は、満開を少し過ぎたくらい。それゆえ、ダム周回の道路では風とともに桜吹雪が見られた。もうしばらくすると湖畔はピンク色に染まりそう。

【市房山登山道】

2_1

 桜を見物したのち、市房山キャンプ場の登山口から登山開始。
 四合目の市房神社までは、樹齢1000年に及び「市房杉」と命名された巨大な杉が立ち並ぶ、荘厳な雰囲気の参道である。
 歩いていて非日常感を味わえる道であるけど、本日は気温が初夏なみに高く、風の吹かない林間の道はとにかく暑くて参ってしまった。今シーズの春は、気温の変動が激しくて身体がなかなかついていかない。

【市房神社】

3shrine

 四合目の市房神社からは、道は本格的な登山道となる。標高が高くなるのと、風が吹くので、ようやく暑さからは逃れることができた。

【登山道】

3_1

 市房山の花といえば、ミツバツツジとアケボノツツジで有名だけど、まだ時期は早く、ミツバツツジがぽつりぽつりと咲いているのを見るくらいだった。しかし、馬酔木はちょうど満開であった。

【市房山】

4_2

 尾根筋はずっと急傾斜であったが、稜線に出ると傾斜はゆるくなり、目指す市房山の姿も見えてきた。

【市房山】

  5_1

 徐々に高度を上げて行き、山頂に近付いたころ、「人吉かめさん」による「山頂まで5分」の標識が。
 九州の多くの山の山頂近くには、「人吉かめさん」によるこの標識が設置されており、九州の岳人は皆知っている存在なのであるが、それで「人吉かめさん」とは何か?というと、じつは知られていない。山岳会なのか、個人なのか、登山グループなのか、はたまた山頂近くの標識には「人吉かめさん」と一言付ける謎ルールが九州にはあるのか。

【山頂】

6summit

 などと「人吉かめさん」について考察しながら歩くうち、ひょっこりと山頂に到着。
 ここからは360度の見晴らしよい風景を楽しめる。とくに本日は快晴なので、九州脊梁山地の山々、霧島の山々、存分にその雄姿を楽しむことができた。

【マンサク】

7flower

 山頂近くにはマンサクがちょうど満開の時期であった。この鮮やかな錦糸卵様の黄色は、青空のもとだと特に映える。

【心見ノ橋】

7stone

 市房山は、このチョックストーンの「心見ノ橋」も名物。山頂のすぐ近くにある。
 「これを渡れない人は、心が汚れている」とのことで心見の橋と名付けれれているのであるが、そういうことを言ってると、高所恐怖症の人はみな心が汚れていることになってしまい、なかなか微妙な命名の橋なのである。

【市房山】

10view

 市房山は以前は二つ岩経由で周回できたけど、10数年前の台風で登山道が崩れてしまい現在は通行禁止となっている。私が、30年以上前にそこを通ったときは、二つ岩周囲は延々と小ピークが並ぶ、疲れる道であったけど、眺めはよく楽しいルートであったと記憶している。しかし、それも今は不可能。
 山って、登れるうちに登っておかないといけないなあ、と改めて実感。

 それで下山は登って来た道をそのまま戻っていった。
 登山口に着いてから後ろを振り返る。市房山は、青空のもと、どっしりした威容を示していた。

 ………………………………

1903_1

| | Comments (0)

より以前の記事一覧