登山

June 27, 2020

森の貴婦人に会いに行ってひどい目にあった話

【森の貴婦人 オオヤマレンゲ】

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 その清楚にして華やかな佇まいから、「森の貴婦人」とも称される山の名花オオヤマレンゲ。美しい花であるが、標高1000m以上でないと育たない樹に咲くため、高いところに行くことが好きな人しか見ることのできない、やや観賞に難易度を持つ花である。
 この花は梅雨の時期が開花の旬であり、そして雨にそぼ濡れた姿がより魅力的であるため、少々の雨くらいは気にせずに山に登って、そしてその姿を愛でるということがままある。

 6月最終末、土曜日の天気予報では梅雨前線が北上して北部九州は豪雨であるけど、宮崎は午後までは薄い雲がかかる程度の曇り時々雨で、そして夕方から豪雨になるとのこと。それなら宮崎の最高峰の祖母山(九合目にオオヤマレンゲの大群落がある)なら、さっさと登ってさっさと下りれば大丈夫だろうと思い、尾平の登山口まで行ってみた。

【尾平登山口】

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 普段は突兀たる岩峰をいくつも突き立てる祖母山の勇壮な姿が見られる尾平登山口であるが、本日は中腹から雲のなかに隠れている。稜線に出てからの展望はまったく期待できないだろうけど、今回の目的は展望ではなくオオヤマレンゲなので、ノープロブレム。

【奥岳川】

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 祖母山の登山道はまずは奥岳川に掛けられた橋を渡る。深山の渓谷なので、水は透明に澄んでいてうつくしい。いくつかの橋と渡渉を経て、黒金尾根にとりつき登っていく。

【雲の中】

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 本日は最高気温が30℃で、そして湿気が高く、登っていて蒸し暑くてしかたない。しかし標高1000mを越えたところからは雲のなかなので涼しくなるだろうとそれを楽しみに高度を上げていったが、いざ入った雲のなかは小雨であって、雨具を着ないといけなかった。風がなく気温の高いなか、急傾斜の登山道を雨具を着て登っていくと、余計に蒸し暑く、稜線に出るまでは修業の登山であった。

【稜線】

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 稜線に出ると小雨から霧雨に変わり、フードを被らなくてよくなったので、大変楽になり、風景を楽しむ余裕も出る。
 薄ピンクの縁取りを付けたベニヤマボウシの奥、霧の中に天狗岩が見える。

【オオヤマレンゲ】

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 山頂を過ぎ、九合目小屋周囲がオオヤマレンゲの大群落地。
 半球型の純白な花びらを付けたオオヤマレンゲがいたるところで咲き誇っている。雨の季節、束の間の饗宴を楽しむ貴婦人たちの宴の舞台。そして目論見通り、霧雨に濡れ雨滴をまとった花々はさらに瑞々しさを増していっそうその魅力を高めていた。
 修業の末に観ることができた、この素晴らしい世界に満足してあとは下山するのみ。

【宮原登山道】

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 帰りは宮原尾根を下山。
 しかし宮原尾根の雲のなかは大雨であった。稜線越えるだけで天気ががらりと変わるのは山ではよくあることだが、しかし尾根一本違うだけで雲のなかがこうまで違うとは驚きであった。大雨に登山道は水で満ち、小川と化している。こちらの尾根もけっこうな傾斜なので、とにかく滑って歩きにくい。そのうち遠くで雷が鳴りだした。そんなの予報では言ってなかったぞ、と腹を立てつつ、それはさておき山のなかの雷ほど怖いものはなく、ゴロゴロ鳴る音はたいへん心臓に悪い。そして雷に加えて、夕方になると雨が本格的になるのは予報で分かっていたので、さっさと下山したく気は焦るが、無理に急いで滑って転んで足でも捩じったら大変なので慎重に時間をかけて下るしかない。
 急ぎたいが、急げないという苦行の時間を経て、標高1000mくらいでようやく雲を抜けて雨は小雨となった。雷もどこかに行ってくれた。やれやれである。

【宮原登山道渡渉部】

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 下っている最中、下の方から沢の音が轟々ととんでもない音で響いて来ていたので、今日は渡渉は無理かなと思っていたが、迂回ルートは遠回りになるので、とりあえず渡渉部がどうなっているかそこまで行ってみた。
 すると水量はたしかにいつもと比べはるかに増量していたけど、渡って渡れぬこともないようなので、十分に気をつけて渡渉に成功。

【奥岳川】

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 宮原ルートの橋の上から見た奥岳川。
 午前中の清流とはうって変わって、濁流うずまく荒れた川となっていた。

【尾平登山口】

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 尾平登山口から祖母山を振り返る。雲はさらに下に下り、あたり一面も水浸しであった。
 このあと車を走らせていると、尾平トンネルを越えたところあたりから、雨は土砂降りになった。下山がもう少し遅れると、前も見えないような豪雨のなかを歩く羽目になったわけで、なかなか危ういタイミングであった。

 本日は、霧雨に濡れたオオヤマレンゲ観賞というミッションは無事に達成できたが、天気図の読み方がまったく甘くて、いろいろと反省多き登山であった。ちなみにこのオオヤマレンゲの旬の週末、祖母山では誰にも会わなかったし、また駐車場にも私の他には一台も駐車していなかった。通常の感覚だと、この予報では登山自体が論外だったようで、それもまた反省材料の一つである。

 

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May 10, 2020

令和2年5月 宮崎のアケボノツツジ

【狛犬@延岡今山八幡宮】

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 GWは遠方へ旅行するか、あるいは登山遠征に行くかがここ数年のルーチンであったのだけど、今年はコロナ禍による緊急事態宣言のために、遠方に行き難くなった。この宣言の本来の目的である感染抑制の趣旨からすれば、人との接触を避けながら車中泊を繰り返し、遠方地で散策なり登山をするなら、とくに問題はないようには思うものの、(じっさい、そういう人々はある程度いたとは思う)、感染者数の少ない県では、ウイルスの持ち込みに対して敏感になっており、宮崎県においてもGW期間中は主な観光地や登山口の駐車場は使用禁止となっていて、さらに「県外の人の来訪は御遠慮ください」との立看板も設置されている。これは他県も同様と想定され、ならばそういう排他的な場所を他県ナンバーでこそこそ移動するのは、どうも精神衛生上よくないと思え、今回のGWはおとなしく宮崎県内をうろうろとすることにした。
 GWの宮崎といえば、なんといっても山に咲き乱れるアケボノツツジ。標高が高く、自然条件の厳しいところにしか生えない樹ゆえ、そこに行きつくまではけっこう大変なのだけど、いったん見ればそれまでの苦労があっさりと報われる絢爛豪華な花なのである。

【諸塚山】

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 アケボノツツジは見るのが大変とは書いたが、例外的なのが諸塚山である。諸塚山のアケボノツツジは登山口から歩いて5分のところに大群落があり、散歩気分でそこまで行くことができる。ただしこれは諸塚山の登山口が標高1200mの高さにあるという、ある種反則的な理由による。そしてその登山口まで車で着くのにはくねくねした山道を長距離走らねばならず、結局はやはり大変なのだ。

【大崩山】

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 GWは全国からアケボノツツジを目指して登山客が集まり、登山口近くは路上駐車があふれる大崩山も、今年ばかりはさすがに閑散としていた。
 人は閑散としていても、それとは関係なく、旬のアケボノツツジは岩稜帯に密集して咲き誇っていた。どの樹々も花のつきが多く、今年は当たり年だったようだ。袖ダキから小積ダキまでの道は満開のアケボノツツジだらけであり、花に酔ったような気になった。

【パックン岩@鉾岳】

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 近頃発見(?)され県北の有名スポットとなった「パックン岩」。ナムコのゲーム「パックマン」のキャラとそっくりということで名付けられた岩である。
 県北の者として、一度は見に行くべきとは思ってはいたもの、ここの登山口に到るまでの県道が狭いうえに、近くに鹿川渓谷という観光地があるため交通量が多く、運転にいろいろと気苦労があるため行く気が出なかったのだが、今なら交通量も激減だろうと思い行ってみた。予想通りに交通量が少なくスムーズに登山口に到着。
 パックン岩は鉾岳への途中にあり、たしかに特徴的な岩である。ま、話のネタにはなるでしょう。パックン岩に来たついでに鉾岳にも登ろうかと歩を進めたが、適当に登っていたせいで尾根を一つ間違え、反対方向の山の頂きに出てしまった。で、同じような高さで向かいの鉾岳を見ると、もうそこでどうでもよくなり、さっさと下山した。そこで咲いていたアケボノツツジが美しかったこともあり、私としては満足であった。

【尾鈴山】

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 尾鈴山は稜線上にアケボノツツジとシャクナゲがほぼ同時期に咲くので、この時期は一粒で二度美味しい登山が楽しめる。
それで登った尾鈴山、すでに花の旬は過ぎており、シャクナゲは終盤、アケボノツツジはほぼ終わりであった。薄桃色の花びらが散りばめられた登山道を歩きながら、そこで眺める終わりかけの花々もまた風情あるものと思うのであった。

 アケボノツツジの咲く山は、他にも夏木山、五葉岳、祖母山、傾山・・・といい山がたくさんあるけど、それらは稜線が県境になっていて、半分大分県みたいな山なので、今回は遠慮して、登るのはすべて純宮崎県の山にしておいた。

 

 それにしても新型コロナ禍、相手はウイルスなので無くなることはあり得ず、免疫獲得、診断治療法の進歩、弱毒化等を経て、既存のコロナウイルス並みの存在になるまでは、相当な時間がかかるのは確実で、我々はこの厄介なものと長くつきあわざるをえない。今、一般人が普通にやれることは感染の大きな原因となっている「三密」を避けるということが一番であろうけど、そうなるといろいろな文化がなくなってしまうだろうなあ。
 山でいえば、「山小屋」なんて三密の典型みたいなもので、今後数年間は山小屋の営業はどこも無理であろう。そうなると今年からの日本アルプスは、テントと寝袋食料を担ぐ体力のある人しか入れない山となってしまう。それはそれでいい面もあろうけど、山小屋がなくなると、登山道をメンテする人がいなくなるわけで、これから登山道はそうとうに荒れることが予想される。コロナのせいで、登山の文化も変わっていくのは哀しいものがある。登山以外にも、あらゆる文化においてひどい影響が出るだろう。
 ただし、人類が経験したウイルスのパンデミックは必ず終焉があった。どんな形にせよゴールは必ずある。この厄介にして面倒なコロナ禍が一日でも早く終息しますように。

【今山大師@延岡】

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February 23, 2020

地球温暖化を実感する @冠山~寂地山登山

 近年、いろいろと話題になっている地球温暖化。じっさい地球全体は温暖化に向かっているのだろうけど、今までは年間通して少しは暑くはなるものの、冬はきちんと寒くなっていたから特にその実感はなかった。九州の山においても、冬は寒波が定期的に来て、そして雪は降り積もっていた。
 しかし昨年、寒波は来ても、それは短期間であり、雪の積もる期間は少なく、雪山を楽しめないシーズンとなってしまった。そして今年になると状況はさらにひどくなり、寒波は散発的にのみ来て、その時だけ雪は降るものの、それはすぐに溶けてしまい、まったく白い雪山になってくれない。
 冬、もっとも山が美しくなる季節なのに、こういうことでは春になる前に、雪山を求め九州を離れて遠征せねば。

 それで2月の連休は雪が豊富で、スキー場もたくさんある広島の中国山地へ出かけた。ネットで調べると、火曜日から水曜日にかけて大寒波が訪れたので雪はどっさりあるようだ。
 ・・・ところが、大寒波のあとに、一挙に気温が上がり、土曜日の午前中に雨が降ってしまったので、どうも雪の積もり具合についてはあやしくなってきた。
 それでもなにはともあれ、雨あがりの午後に深入山へと行ってみた。

【深入山】

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 なだらかで木が少ないことから、今の時期は雪が積もって、白いプリンのようになる深入山、みごとに雪がない。でもガスがかかっていてよく見えない稜線には雪があるかも、と期待して登ってみた。

【深入山山頂】

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 深入山は標高1153m。冬、中国山地のこの標高では雪がないとおかしいのだが、雪、ない。困ったものである。
 それでも深入山は景色がよいことで有名なので、周囲のガスが晴れて、見晴らしが良くなるのを待とうとしたが、山頂では強い北風がダイレクトに当たり、まともに立っているのも大変だったので、さっさと下山することにした。

【深入山北斜面】

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 下山路は北側の斜面を行くが、こちら側は日が当らないので、今週積もった雪がまだ残っていた。けれど下るうち、日当たり側に出ると、登山道の雪は溶けて、冷水となって流れ、道全体が小川と化していた。

【しし鍋@旅館松かわ】

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 深入山から下山したのちは、吉和の潮原温泉へ。ここで名物のしし鍋でも食いながら、登山計画を練り直す。
 深入山の状態からみるに、中国山地の雪は標高1200mくらい、そして日当たりのよくないところくらいにしか残っていなさそうである。そうなるとその高さの稜線を持つ山は吉和冠山から寂地山、右谷山にかけての稜線になろう。ではそこを登ってみよう。ただ右谷山まで行ってしまったら時間的に寂地峡に下らざるを得ず、それだと元の登山口に戻るのが大変なので、潮原から寂地山へのピストン登山という、寂地山登山にはあまり一般的でない、冬用の変則コースをとることにした。

【潮原登山口】

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 冠山への登山口。雪、ほとんどない。

【潮原登山口 2018年】

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 こちらは、一昨年登ったときの写真。雪の量がまったく違う。

【登山道】

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 標高1100mくらいになっても雪の量はこのくらい。木の合間から見えているのが冠山。

【登山道】

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 標高が1200mを越えたくらいから雪は出て来る。しかし積雪量は乏しい。

【登山道 2018年】

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 一昨年はこれくらい雪が積もっていて、膝まで沈むラッセルを楽しめたのだが。

【冠山山頂】

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 雪ないな、ないな、と思いながら到着した山頂。ここも標高1300mを越えているわりには雪が乏しい。

【登山道】

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 冠山からはいったん100mほど標高を落としてから、寂地山までの1200mを越える稜線を行く。こちらの道は日当たりの関係からか、ずっと雪は残っており、ようやく雪山気分を味わえた。

【寂地山山頂】

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 いくつかの小ピークのあるなだらかな稜線を歩くうち、今までより少々高いピークがあるなと登って行くうち、着いたピークが本日の最終目的地寂地山山頂であった。
 登山全体を通して、狙い通りに冠山から寂地山にかけて雪山登山を楽しめたのは良かったけど、それにしても2月の中国山地でここまで雪が少ないとは、ほんとうに地球温暖化を実感できた日であった。

 じっさいのところ、雪が少なくて困ることって、一部の業種以外にはないだろうし、除雪の手間がいらないだけ一般の人には助かっているだろうけど、雪山が趣味の者にとっては、今後の趣味の戦略をいろいろと練り直さねば、と思った、今シーズンのあまりの暖冬であった。

 

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November 16, 2019

アクロス山に登ってみる@福岡市

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 標高60mの低山なれど、福岡市での有数の有名な山、「アクロス山」。
 有名ではあるけれど、わざわざ登りに行くほどのものでもないのだが、今回アクロス福岡に用事があったので、そのついでに登ってみた。
 アクロス内には山頂までのルートはないので、天神公園側に二か所設けられた階段を使っていく。

【天神公園から】

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 天神公園から見るアクロス山は、秋山の佇まい。
 都会のまんなかにこのような大規模な人工林があるのは面白い。
 アクロス山には5万本近い樹が植樹されており、種類も多く、樹々を観察しながら登るとさらに楽しい。

【展望】

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 アクロス山は山頂まで行くと、北は博多湾、南は大宰府方向、360度の風景を望めるのだが、時間制限があり、本日はそこまで行けなった。
 というわけで、登頂はしていないのだけど、それでも途中の展望台から見る風景は、都会と川と山々を一望できる素晴らしいものであった。

 

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July 06, 2019

滝で涼みに日向冠岳へ

 宮崎県北にはそれぞれの地域に目立つ山があって、「市民の山」的な存在となっている。延岡では行縢山がそれで、日向市では冠岳がそれに当たる。
 梅雨が始まり連日雨が降る中、週末は梅雨の中休み的となり、好天との予報なので、近場の山に登ってみることにした。冠岳なら標高も低くてあまり疲れないだろうし、それに滝がいくつもあり、滝で涼むこともできるだろう。

【登山道】

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 冠岳は標高438mでさしたる高さはないが、7月だけあってそれなりに暑く、しかも林のなかは蒸し暑くて、最初の30分くらいでそうとうに疲れてしまった。何度も途中で帰りたくなったが、とにかく稜線に出れば風は吹いているだろうから、それを頼みに歩を進めて行った。

【岩場】

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 この岩場まで来ると風景は開けてきて、風も吹いてきたので、ようやく一息つけた。

【冠岳北岳】

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 稜線に出ると、冠岳北岳が見える。
 巨大な一枚岩の岩壁で、この姿は日向市のどこからで見える、シンボルタワーである。
 もっとも近くで見ると、樹々に岩壁が隠れて、かえって迫力がない。

【展望台より】

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 山頂近くの展望所から耳川の流れを一望することができる。
 耳川は黄緑かかった特殊な色の川で、上流くからずっとこんな色であり、たぶん源流の椎葉の山のなかにこの色のモトがあるんだろうな、と推測している。

【日の丸展望台より】

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 北岳を過ぎて、次は冠岳の名所「日の丸展望台」へ。
 ここには日ノ丸が翻っており、注意すれば麓からも旗を見ることができる。

【水場】

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 水場を過ぎて、吉ヶ原岳へと向かう。
 暑い日には水場があるとほんとうに助かる。

【展望台?】

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 吉ヶ原岳への途中に展望台があると地図に書いていたので、そこに寄ってみた。
 しかし藪と雑木でまったく展望は利かず、展望台であったのはそうとう昔のことと思われた。
 位置的には、樹々がなければ尾鈴山がよく見えるはず。

【二段の滝】

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 吉ヶ原岳を過ぎてからは下山ルートに入る。下山ルートは滝を持つ沢筋であり、本来なら登山道に使えるようなルートではないのだが、ロープ、鎖、梯子等よく整備されており、滝を間近に見ながら進むことができる。

【樋口の滝】

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 滝巡りコース中、一番の大物の滝が「樋口の滝」。
 立派な滝ではあるが、写真ではまったくその威容を伝えられないのが残念。

【登山案内図】

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 滝を堪能して元の登山口へと戻った。
 山を周回してこの案内図をみると、あまり正確ではないようだ。
 冠岳は常に人の手が入って、登山道が複雑に伸びていて、つまりは進化し続けていると思われる。
 標高はさしてないが、複雑な地形を持つ山であり、さらには気分次第でコースがいくらでも選べるわけで、長くつきあえるいい山だと思った。

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June 23, 2019

オオヤマレンゲ(2)@英彦山

【九州自然歩道】

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 梅雨の時期なのに好天の日曜日、鳴子山に引き続き、オオヤマレンゲを見に英彦山へと。
 別所駐車場に着くと、登山日和だけあってほぼ満車状態。強引に数台とめるスペースはありそうだったが、本日は北岳始点の周回コースを予定していたため、素通りして次の駐車場へ。英彦山は別所から高住神社までの間に広大な駐車場がいくつもあるけれど、これってオーバースペックなのではといつも思う。おかげで便利ではあるが。駐車場からはすぐ九州自然歩道を使って、高住神社の登山口まで行く。杉林のなかの平坦な散歩道である。

【キャンプ場】

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 キャンプ場に出ると丘の緑が濃く、青空のもと輝いている。梅雨とは思えない初夏のような景色であるが、じっさいまだこの地域は梅雨入りしていない。

【登山道】

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 北岳への登山道は苔むした岩が続き、霊山らしい神秘的な雰囲気をまとっている。

【展望台】

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 途中で展望台に寄ってみた。
 この「展望台」、じつは切り立った一枚の岩壁であり、「展望板」とも称すべきもの。それゆえ高度感抜群であり、眼下に広がる風景もまた雄大。

【オオヤマレンゲ】

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 北岳への稜線の手前の「溶岩の壁」あたりに英彦山の名物であるオオヤマレンゲの群落がある。
 鳴子山ではまだ始まったばかりであったが、対照的に英彦山ではほぼ終わりかけ。枯れた花がいくつも樹にあるなか、それでもちょうど満開のオオヤマレンゲをいくつか見ることができたのはまだ幸運であった。
 北岳経由で英彦山に登って来る人はたいていこれが目当てなので、オオヤマレンゲの前ではたくさんの登山客が集い、写真を撮っていて、順番待ちの行列ができていた。

【ヒコサンヒメシャラ】

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 オオヤマレンゲの傍に、これも英彦山を代表する花ヒコサンヒメシャラが咲いていて、こちらのほうは蕾も多く、今からどんどん花が開いていくところであった。
 オオヤマレンゲには華やかさでは負けるものの、独特の愛嬌がある良い花である。
 三枚目のものは中岳山頂に咲いていたもの。さすが英彦山の名のついた樹であり、英彦山のあちこちに生えていた。普通のヒメシャラと違ってあまり目立たない樹なので、花の時期でないとなかなか気付かない。

【中岳へ】

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 北岳まで登ると、中岳、南岳は近い。

【南岳山頂】

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 中岳から南岳にかけてはエゴノキの白い花がちょうど盛りであって、登山道にもいくつもの花が散っていて、道を白く染めていた。

【大南神社】

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 南岳からは大南神社を通るコースで下山。そこそこ岩場があり、変化に富んだ道である。

【学問神社】

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 登山道から少し外れているが、学問神社にも寄ってみた。いろいろあやかりたいことがあったので。ここは御利益がありそうな名前の神社だけあって、たどり着くまでの道はけっこう険しく、ちょっとしたアドベンチャールートになっている。

【奉幣殿】

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 奉幣殿に着いて、だいたい登山は終了。
 本日もたくさんの花々を見ることが出来て、いい登山であった。

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June 22, 2019

オオヤマレンゲ(1)@鳴子山

 九州の山ではミヤマキリシマの季節が終わり、次に咲く花はオオヤマレンゲである。極めて限られた山域にのみ咲くミヤマキリシマと違い、オオヤマレンゲは色々な山域に生えていて、気分しだいで登る山を決めることになる。
 そして今年の6月は梅雨前線の北上が遅れていて、下旬になっても九州北部は梅雨入りしておらず、雨が降りそうにない大分~福岡の山を目指すことにした。

【沢水登山口】

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 まずは山頂近くにオオヤマレンゲの群落がある鳴子山に登ることにした。  鳴子山はどの登山口から登っても距離のある山で、ということはどこから登ってみいいということにもなるが、今回は自転車を用いて、赤川に車を止めてそれから沢水に自転車移動という沢水赤川周回コースで鳴子山に登ることにした。

【沢水キャンプ場】

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 沢水からの登山口は最初は草原のなかを行き、それから林のなかをトラバースして、くたみ分かれへ行く。

【鳴子山稜線】

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 くたみ分かれからの急登の尾根を登り、それから稜線へと出る。ここからは岩場が続くので、足元に注意しながら進んでいこう。

【オオヤマレンゲ蕾】

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 鳴子山を過ぎて、稜線を歩くとやがて登山道わきにオオヤマレンゲの樹々が現れる。ただしその樹には蕾は付いているものの、まだ咲いている花はほとんどなかった。

【オオヤマレンゲの樹】

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 満開のオオヤマレンゲを探して、登山道から離れ、山肌に下りて行くと花をつけている樹を見つけた。しかし咲いているところが高く、あまりいい写真にならない。他の場所を探そうといったん登山道に戻っているところで、やはりオオヤマレンゲ目当てに登って来た人に会い、「そっちはまだでしょう。鞍部のほうに下って、左側の斜面に行くと、いい花が咲いていましたよ」と教えてくれた。

【オオヤマレンゲ】

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 それでその場所に行き、ちょうどいい高さに咲いている花を数輪見つけることができた。
 オオヤマレンゲは白いドレスをまとったような華やかな姿なので、「森の貴婦人」と称されている。たしかに緑の季節、そのなかで鮮やかな白い花を咲かせたオオヤマレンゲは目立つし、気品あふれる、とても美しい花だ。まさに森の貴婦人。

【稲星山へ】

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 鳴子山からは稲星山経由で下山。稲星山の斜面にはまだミヤマキリシマがわずかに残っていた。
 九重の花のスターは一にミヤマキリシマ、二にオオヤマレンゲだけど、そのピークの時期が重ならないところがまた興味深い。

 

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June 15, 2019

令和記念登山:四王寺山@大宰府

 5月に元号が新しくなったのでそれを記念した登山をしようしようと思いつつ、ミヤマキリシマのほうに気をとられているうちに一月が過ぎた。このままだらだらしていると暑くなって登山シーズンから外れてしまうので、さっさと計画を立てることにする。
 令和といえば、大宰府がその所縁の地。大宰府の登山といえば、普通は宝満山ということになるのだが、令和発祥のコアの地は、梅園の宴を催した大伴旅人の住宅があったとされる坂本八幡宮である。坂本八幡宮は四王寺山の登山口に当たるので、四王寺山を登ることにしてみた。こういうことがないと、他県の者はあまり登る機会もない山でもあるし。

【大宰府駅】

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 四王寺山、まずは大宰府駅から出発。
 天気予報では終日雨とのことであったが、やはり小雨が降っている。とりあえずは雨具を装着して行ってみよう。

【市街地】

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 坂本八幡宮までは市街地のなかを歩く。
 大宰府目当ての観光客が多いなか、ザックかついで傘もささずに歩く私の姿はけっこう違和感があったと思う。

【大宰府政庁跡】

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 かつては朝廷の出向機関であり、九州全体を管轄する権限を持ち「遠の朝廷」と呼ばれた大宰府も、今ではほとんど何も残っていなくて、ただの更地が広がる。この奥に見える山が四王寺山であるが、大半はガスのなかだ。

【坂本八幡宮】

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 今回の目的の一つである坂本八幡宮。
 新元号令和のおかげで、観光客の多く訪れる地となっていて、近くの駐車場には大型バスが何台も入って来た。当然、参拝の長い行列ができていた。
 この神社、じつは大友旅人を祀っているわけでも、創立に大伴旅人が関与しているわけでもないのだが、1300年も前に、この地で令和の典拠となる梅園の宴が開かれたので、それを偲ぶべく人々が集っているのである。

 さて、ここから登山が始まるのだが、雨は相変わらず降っている。標高100m以上は雲のなかで見晴らしは利きそうにない。雨のずっと降るなか、景色も楽しめない登山はやる気がでない。それで四王寺山の山4つを巡る全周回コースは諦めて、3つを巡る短縮コースにした。

【岩屋城跡】

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 最初のピークは岩屋城跡。戦国時代の大友氏と薩摩氏の壮絶な戦いで知られている。そういう重要な戦いの場になるだけあって、大宰府を見渡す交通の要所に位置する山なのだが、あいにくの天気で、大宰府の地はぼんやりとしか見えない。

【大原山】

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 親水公園を経由して、大原山へ。今回ではここが一番高い所で、標高354mである。四王寺山は最高が410mの低い山なので、雨が降っていてもたいしたことない山だろうと思っていたが、雲のなかに入ると、風は強くなるし、雨は横殴りに降ってくるしで、寒いわ痛いわで、けっこうひどい目にあってしまった。やはり山というものは、天気次第で容易に牙をむく。なめてはいけません。なめたつもりはなかったんだけど。

【一番札所】

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 四王寺山は名前の通り、宗教的な山でもあり、三十三ヶ所の札所があり、それぞれに石仏が祀られている。
 ここは一番札所であるが、滝のそばで、神秘的趣のある地であった。

【大宰府天満宮】

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 下山して、大宰府最大の名所である天満宮にお参り。
 ここも大行列であった。元々、受験の神様ということで参拝客の多い神社であったけど、令和効果でさらに人が増したようだ。
 しかし、令和効果で四王寺山も登山客が増えそうなものだが、本日はあいにくの天気のせいか、他に登山者は誰も見ることはなかった。

【二日市温泉】

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 登山後は近くの二日市温泉へ。二日市温泉は古い歴史を持つ温泉であり、万葉集にこの地を詠んだ大友旅人の和歌が残っている。
 そして、四王寺山で寒い目にあった私にとって、ここの微かに硫黄漂う、保温力のある温泉は、極上ものの気持ちよさであった。

 

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June 01, 2019

ミヤマキリシマ本番:立中山~北大船~平治岳

 6月といえばミヤマキリシマの季節。
 先週の偵察登山で、6月最初の週末は立中山と平治岳が見頃であると当たりを付けていたので、本番の本日はその二つの峰を訪れる計画とする。となると、長者原登山口から坊がつるを経て、鉾立峠から立中山、そこから段原に登り、北大船の稜線経由で平治岳に登り返して長者原に戻る、というコースが考えられる。長者原から立中山までは7kmほどのだらだらした高低差の少ない道を行くことになり、あんまり気が乗らないけど、この時期限定のミヤマキリシマ特別コースということで無理に納得し、出発。

【坊がつる】

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 明日が山開きなので、法華院のテン場は満室状態。
 奥に平治岳が見えるけど、大戸越から山頂にかけてはいい染まり具合である。

【鉾立峠】

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 九重の交通の要所鉾立峠。くたみ別れ側からは時々来るけど、長者原からは初めて来た。

【立中山】

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 鉾立峠から立中山へ。
 ミヤマキリシマはほぼ満開。ピンクに染まったバンドが山頂まで続いている。

【立中山山頂】

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 ミヤマキリシマの名所、立中山山頂。ピンクと紫紅色に染まって、夢幻的な光景。

【段原】

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 新避難小屋建設中の段原。
 北大船方向の稜線も、そろそろミヤマキリシマが咲き始めている。

【北大船稜線】

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 旬の時期は、ピンク色の道になる北大船の稜線も、今はまだ緑とピンクの斑な道。
 あと一週間後くらいが見頃のようである。

【平治岳南斜面】

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 北大船稜線の端まで来ると、平治岳の南斜面が見える。
 ここはほぼ満開のようで、見事にピンクに染まっている。まるで山頂の窪みにたまったピンクの色が、大きな滝となっていっせいに流れ落ちているような、ここでしか見られない豪華な花の饗宴を見ることが出来る。

【大戸越】

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 大戸越にいったん下り、それからこのピンクの斜面を登って行く。

【平治岳南峰】

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 今の時期、いつもは人で大混雑の平治岳だけど、今回は来た時間が遅かったので、珍しく人の少ない平治岳となっていた。
南峰まで来ると、九重を代表する絶景が待っていた。
 山麓を染め上げるミヤマキリシマ、その奥に三俣山と坊がつる。
 岩に立つ人の姿がいい点景となって、この時期にしか存在しない、自然の美を哀しいまでに引き立てている。

 この絶景で、今回のミヤマキリシマ巡りは終了。
 立中山から平治岳に到るこのルートは、本日のコンディションでは最良のミヤマキリシマルートだったであろう。終わってみれば、我ながら会心の山行であった。

【坊がつる】

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 坊がつるに下山すると、色とりどりのテントの花が咲き誇っている。
 明日は久住山での山開きで、本日は最も坊がつるが人で混雑する日であり、夜はさぞ賑やかな宴が繰り広げられることだろう。

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May 26, 2019

ミヤマキリシマ偵察登山(2):赤川登山口から久住周回

 土曜日に引き続き、日曜日もミヤマキリシマ開花情報を偵察に赤川から九重に登る予定であった。
 しかし、天気予報では当日は天気は良いのだけど、5月にしては記録的な暑さとなるので、熱中症対策が必要とのことである。一挙に山に登る気が失われてしまったが、よく考えると九重は風の住処みたいなところであり、樹木帯さえ抜けてしまえば、たいてい風が吹いているので、体感温度はそんなに上がらないだろう、ということに気付き、登山を決定。そしてもし条件が悪くて、風が吹いていなかったら、扇ヶ鼻まで登って、そのあとはさっさと撤退する予定とした。

【扇ヶ鼻】

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 赤川登山口から、九重のミヤマキリシマの名所扇ヶ鼻を目指した。
 天気予報の通り、最初のほうの林のなかはやはり暑かったけど、灌木帯になると風が吹き抜けており、涼しくなった。計画通りである。
 林を抜けると展望が利き、そうなると扇ヶ鼻は山麓にはミヤマキシリマの咲いているのが見え、開花は始まっているようである。

【ミヤマキリシマ】

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 標高1300Mくらいからミヤマキシリマの咲いている姿を見ることができた。
 花の咲き方については標高と日当たりで決まるので、やはりこの南面くらいが今の時期は花が多い。

【ミヤマキリシマ】

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 標高が上がるにつれて、花の咲き加減も少なめになる。

【扇ヶ鼻】

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 扇ヶ鼻に着くと、旬の時期は山頂一面が紫紅色に染まるのに、まったく花は咲いていず、旬は再来週くらいに思われた。
 そして星生山方面を見ても、同様に花は咲いていない。
 ただし、稜線に出ると、風がさらに強くなり、より快適に歩けるようになったので、赤川起点の周回ルートで進むことにする。

【星生山へ】

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 星生山へ登っていると、日本語と英語がやたら流暢な国際人集団が登っていた。山頂に着いて、どういうグループなのか尋ねてみたら、別府の国際大学の英語教師と生徒の一団であった。どおりで。
 九重に来るのが初めてとのことだったので、ミヤマキリシマがいかに貴重な種であるかについて説明しつつ、アメリカ人の人がいたので「ちょうど貴国のプレジデントが来日してますね」と言ったら、「ああ、すみませ~ん」と,本当にすまなそうに日本語で謝られてしまった。どうして?(笑)

【三俣山】

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 星生山からは天狗ヶ城へと登った。
 正面に見える三俣山は斜面にはミヤマキリシマの咲いているのが見えたが、山頂近傍はまだのようである。

【中岳から】

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 中岳から大船山方面を見ると、立中山がミヤマキリシマの花に染まっていて、旬を迎えているようだった。

【稲星山】

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 中岳から向いの稲星山に。
 この山は風がいつも強いけど、本日も強く、おかげて気持ち良い涼しさであった。

【久住山】

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 稲星山からは久住山頂経由で赤川へと下山。
 標高1400mあたりから、ミヤマキリシマが咲いていた。

 というわけでの二日続けてのミヤマキリシマ偵察行。
 咲き具合は例年通りといったところであった。ということはいつも通り、梅雨入りとともに、花がどんどん咲きだすということになり、ミヤマキリシマ観賞は天気次第ということになる。
 昨年は梅雨のなかうまい具合に週末だけ晴れる、ということが多かったので助かったけど、さて今年はいかに。

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