寿司

February 10, 2018

寿司:吉鮨@広島市

 広島に行ったときには、是非とも行ってみるべき寿司の名店「吉鮨」。この店は、広島、というより中国地方随一の寿司の名店であり、今回の雪山ツアーでも訪れるのを楽しみにしていた。

 「吉鮨」は、広島では珍しい江戸前寿司店であり、また料理がお任せのみであり、値段もやや高めということから、少々敷居が高い、というふうに思われていたけれど、今回電話予約したさいに、料理が値段によって選べるように変わっており、初めて訪れる客も行きやすいようになっていた。
 それでネットで調べてみると、値段設定が1.5万から始まっているようであった。また以前は写真撮影禁止であったが、現在はそれも許可とのこと。

 というわけで、今回は写真を数枚使っての記事。

【炙り穴子】
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 まずはツマミから一通り。
 酢なまこ、平目と鰯、煮ダコ、炙りミル貝、茶碗蒸し、子持ち昆布みりん漬、炙り穴子、甘鯛塩焼き等々。
 どれも素材が抜群であり、そしてどれにも丁寧な仕事がなされており、和料理としても逸品。なかでも炙り穴子はこの店のスペシャリテ。まず穴子そのものが素晴らしく、それを絶妙に熱を入れており、歯ごたえも香りも見事。これを、そのまま、塩、トリュフ塩と食べ比べると、さらに味の世界が広がる。穴子で有名な広島ならではのもの、と思いきや、じつは近頃瀬戸内海の穴子は質が落ちてきて、今回のは対馬のものだそうだ。
 そして、その他にも瀬戸内海以外のものがけっこう使われるようになってきていた。地元の海が衰えて来ているのは残念であるが、それでも良い素材は広島には集まってきており、それらを厳選しての逸品の数々である。

 つまみ一通りからは、握りへと。
 つまみ同様に、全てのタネは素材が抜群に良く、それに江戸前および店主独自の丁寧にして繊細な仕事が加えられている。
 寿司店はオープンキッチンであるからして、店主の仕事ぶりがライブで見られるわけだが、それを見ていると、まさに熟練の職人芸である。
 鮨はどれも完成度が高く、店主の徹底した完璧主義がうかがえ、緊張感の高いものであり、その結果握られた鮨は形が美しく、そしてただただ美味しい。

【烏賊】
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 この烏賊の包丁の入れ方からして、芸術品のごときもの。食べるのが勿体ないような美しさであるが、食べれば、シャリとともにとろけていく素材の感触がじつに見事である。

【雲丹】
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 雲丹も、この姿だけで、その握りの技術の高さが分かる。シャリとの相性も抜群だ。


 握りは、カスゴ、キス、鯵、甲烏賊、アオリ烏賊、車海老、ホタテ、サヨリ、煮ハマ、トロタク、穴子、等々で、あとはカンピョウ巻きを追加して終了。その後は、抹茶アイスで〆である。

 料理全体、全てがレベルが高く、一貫して感心するものばかりであった。
 これほど満足度の高い寿司店もそうはないのであり、季節ごとに通いたくなる名店なのではるが、広島は遠いからなあ。
 次に来られるのはいつになることやら。

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January 02, 2018

フィレンツェ5日目→羽田

 フィレンツェ滞在5日目。本日午後に飛行機に乗るので、観光は午前中のみである。

【聖マルコ修道院】
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 「天使の画家」フラ・アンジェリコの作品が多く納められていることで名高い、聖マルコ修道院。修道僧の暮らすたくさんの部屋ごとに彼の絵が飾られており、それらはどれも優しさと慈しみに満ちたものであり、いかにもこの静謐な修道院にふさわしいものばかりであった。
 その多くの絵のなかで最も有名なものが「受胎告知」である。ダ・ヴィンチのような迫真性や迫力はないけれど、穏やかで、暖かな雰囲気を持つ独特の名画である。敬虔な修道僧でもあった、フラ・アンジェリコの人柄を偲ばせてくれる。

 聖マルコ修道院から、次は大聖堂近くの大聖堂付属美術館へ。

【大聖堂付属美術館 ピエタ】
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 以前大聖堂に置かれていた美術品が置かれている美術館。この美術館も観るべきものが多く、けっこうな時間がかかった。
 最も印象的だったのは、やはりミケランジェロの「フィレンツェのピエタ」。
 ミケランジェロが自身の墓に飾るために作成された像であるが、途中で製作は放棄され未完となった。
 全体像はともかくとして、彫られた部分だけでも傑作であることは間違いないけど、若い頃のピエタとは違い、この像には観るものをして、心を沈ませる、悲劇性や懊悩といった苦々しいものがどうしても感じさせられる。そしてそれは大理石から深い精神劇を抉りだす、芸術家の大変な苦心をもどうしても思い知らさせるものでもあった。

【大聖堂付属美術館 マグダラのマリア】
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 数ある彫刻群のうち、もっとも個性的なものがドナテッロ作のマグダラのマリア像。
 やつれ果てた、みすぼらしい装いのマグダラのマリアは、しかし、その真摯な祈りの姿から、崇高な精神性を放っている。
 初期ルネッサンスの巨匠ドナテッロは、私は今まで美術書でしかその作品を観たことはなかったけど、フィレンツェに多く置かれている彼の彫刻をオリジナルでみると、どれも感銘を受けるものばかりで、その実力の高さをよく知ることができた。

【ペレートラ空港】
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 フィレンツェの空路の入り口、ペレートラ空港。この空港、フィレンツェに近いので、便利なのではあるが、滑走路が短く大型の旅客機が利用できないのが難である。
 そして今回使用のエア・ドロミティは来るときも1時間くらい出発が遅れたが、帰りもまた1時間遅れるとのことである。ラテン系の航空会社はどうも信用できないなあ。まあ、親会社はルフトハンザなのだが。
 フランクフルトでの乗継ぎは、タイトな時間割りで大丈夫かなあと危惧していたが、イミグレがほとんど素通り状態だったのが幸いして、ギリギリで乗ることができた。エア・ドロミティからの乗り継ぎ組以外はみな既に着席して、我々をただ待っている状況のようであった。
 ただし、エア・ドロミティからの荷物搬入とかあるので、結局は出発は定刻よりも遅れるだろうと思っていたら、定刻通りに出発。エア・ドロミティやるじゃん、とか感心してしまった。

【羽田空港】
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 そうして着いた羽田空港。天気良好である。
 ルフトハンザの飛行機は、日本でも滅多に見なくなったジャンボであった。あんまり乗り心地のいい飛行機でもなかったので、これが廃れた理由はよく分かった。
 さて、降りてみると、なんと私の荷物がLOSTになっていることが判明。乗り継ぎのさい積みそこねたそうで、・・・エア・ドロミティ、やっぱりできんやつだったか。感心して損した。

【羽田 寿司幸】
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 Lost baggageについては、3時間後に飛んでくるANA機が運んでくれるとのことであった。自宅に郵送でもよいのだが、それもあとが面倒なので、今日のうちに手にいれるべく、空港で時間をつぶすことにした。
 そういうわけで、第一ターミナルの寿司店で、酒を飲みながらだらだらと過ごした。
 平成30年の寿司の食べ初めは、「羽田 寿司幸」であった。

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October 27, 2017

鮨匠のむら@平成29年秋

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 私の定期訪問寿司店の一つ、鮨匠のむら。
 いつもは、のむらスペシャルの極上雲丹が味わえる夏に訪れていたのだが、今年は機会がなく、それでもう雲丹の終わった季節に訪れることとなった。

 いつもながら、地元主体の産地直送のものに加え、店主が遠方から取り寄せる逸品が並ぶ料理を堪能する。

 そして晩秋の時期は、「いくら」が自慢。
 醤油漬けしたものでなく、質のよいイクラを仕入れ、それをそのまま出していて、イクラの真の魅力を味わえる。
じつに濃厚で豊かな味である。

 肴から、鮨、そして日本酒の銘酒の数々、すべて美味しかった。


 ところで、本日は明日から台風が近づいている日だったのであるが、こういう県外の客の多い店はキャンセルが大変だろうなあと思い、尋ねてみるとやはりそうであった。
 遠方から来る客は、飛行機を使うことが多いので、最初から来ることができないとか、あるいは来ることはできても帰れないとかにどうしてもなるので、泣く泣くキャンセルする客が多く、そして仕入れた素材をどうしたものかと店主は苦笑していた。

 ・・・10月になって、台風が週末に襲来し、私としては山に登れないとか、紅葉が散ってしまうとか不平を言っていたのであるが、それどころではないダメージを受けている人たちが数多くいることが分かり、そんなことで文句を言ってはいかんなあ、と反省いたしました。

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November 25, 2016

寿司:ふく吉@大阪市東梅田

 大阪市の老舗寿司店「鮨処平野」が気にいって、大阪を訪れたときは「鮨処平野」およびそこで修業していたお弟子さんの店に行くことが多くなったが、今回もその一店「ふく吉」を訪ねた。

【お造り】
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 鯛と、カワハギ+肝。
 さすがに良い素材を使っている。

【カツオ】
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 カツオは生で。薬味はミョウガに刻みニンニク。ほどよく脂ののったカツオに、ニンニクがほどよく調和。

【モロコ焼き】
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 関西の高級魚、モロコ。
 この店はオープンキッチンスタイルであり、ツケ場でモロコを丁寧に焼いているのを見ることができる。そしてその焼き加減はたいへんよろしい。モロコの旨みと苦みが、噛めば一瞬で口のなかに広がって来る。

【香箱蟹+豆腐あんかけ】
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 今や全国的名物となった香箱蟹。そのせいで和食店はいずこもこの時期、小さな香箱蟹の処理で大変だそうだが、香箱蟹をそのまま出してはおもしろくないとのことで、豆腐と春菊を加え、それにあんをかけた、なんともにぎやかな料理となっている。
 そして、たしかに香箱蟹の内子外子と、豆腐との相性はよかった。

【アン肝 チーズ 奈良漬】
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 アン肝、チーズ、それに奈良漬けという、大胆な組あわせの皿。
 これらは全て酒によくあうけど、チーズ、あるいはアン肝と奈良漬けと一緒に食うとさらに美味さが増す。

【鰤の椀物】
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 前に来たときに驚いたけど、やはり今回も驚いたのがこの店の椀物。
 出汁が本格的なのである。澄み切っていて、繊細で、寿司店で出すには手間がかかり過ぎるだろう、と思ってしまうほどの逸品。
 そして肴全体がそうであったのだが、どれも和食としてのレベルが高い。
 それもそのはず、店主は元々は京都の老舗料亭で修業し、その後「鮨処平野」に移ってさらに鮨の修業を行い、その後独立したわけだから。

【鮨】
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 鮨はシャリはそれほど主張の強いものではなく、そしてかなりこぶりに握られ、つまりは酒の肴によくあっている。
 穴子は笹の葉をひいて炙っている。これは「鮨処平野」直伝のもので、こうすることにより姿美しく炙れ、また香りもよくなるそうだ。

 店主は朗らかな人であり、店内は笑いにつつまれアットホームな雰囲気である。これは「鮨処平野」「多田」でも同様であった。でもそれは関西の寿司店の特徴、というわけではなく、―他のいくつかの関西の老舗寿司店はそうでもなかったので、つまりは「鮨処平野」系の寿司店の特徴なのであろう。

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November 04, 2016

今季の初河豚を「大海寿司@別府」で。

 本日は宮崎市の和食店で河豚の会の予定であったのだが、週初めに「いい天然河豚が人数分入手できそうにない」とかのことで、中止になってしまった。
 しかし頭がすでに河豚モードになっているので、何はともあれ河豚が食べたい気分になっている。
 しばし考え、「大海寿司」なら予約も取りやすいし、今の時期いい河豚が入っているだろうと思い、別府へGo。

【河豚刺し】
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 大海寿司の河豚はほぼ活き締めのものを厚めに切ったもの。歯ごたえが強くて、身の甘みが豊かなのが特徴である。時々客のリクエストにより、寝かしたものを薄切りにしたものも出すのだが、別府の人はこの料理法の河豚のほうが好きな人が多く、このスタイルでやっているとのことである。河豚はいいものだったら、どの料理法でも美味しく、それぞれ個性があって私はどっちも好きだな。
 そして当然大海寿司の河豚はとても美味く、今季最初の河豚は幸先よく始まる。

【鮨】
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 地のものの刺身と、河豚のあとは、鮨へ。マグロ以外は大分で取れたものであり、たいへん良いネタのものばかりである。
 大分名産関鯖も安定の美味しさ。


 別府は地震のあとは、しばらくは閑古鳥が鳴いていたそうであるが、その後「ふっこう割」の効果もあって、客足はほぼ元に戻って来たとのこと。
 そして大海寿司も客が戻って来たのであるが、ちょいと変化があり、県外の客がどんどん増えて来て、しかも彼らがリピートしてくるそうだ。(今日も私以外はみな県外客であった)
 元々は地元の美味いもの好きな人たちが使う、いわゆる通向けの店だったのだが、ふっこう割および口コミ効果で、よりポピュラーな店になってきているみたい。
 これからは、今までみたいに簡単に予約がとれる、ということはなくなるかもしれない、と少々焦るのであった。

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October 16, 2016

寿司:ふじ田@東銀座

 東京寿司屋巡り三店目は、東銀座の「ふじ田」。
 ここも若い店主の開いた店で、まだ開店してから2年くらいの新しい店である。
 福岡のある寿司店の店主が、銀座では近頃この店が良いみたいですと、客に勧めたことから、九州の人たちがよく訪れるようになっている。口コミというのは重要なのだ。

【ツマミ】
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 ツマミは白身三点、煮ダコ、イクラと茸の茶碗蒸し、鯵の巴巻き、ホンシシャモ焼。
 どれも酒のよく進む適度な味付けある品々である。所望すると、まだいろいろとツマミの種類はあるようで、隣の客はそれらも頼んでいたが、私はこれ以上食べると鮨が食べられなくなるので、握りへと。

【握り】
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 握りは、平目、鯛、イカ、鰤、鯵、鯖、コハダ、赤身、中トロ、大トロ、穴子、玉子、鉄火、カンピョウ、等々。
 シャリは小ぶりで流線型に握られ、ネタとのバランスも良く、鮨が良い酒の肴となる。
 素材も良いものであり、仕事も丁寧。こてこての江戸前ではなく、〆かたはあっさりで、シャリの酢もそんなにきつくはない。
 全体として、うまくまとまった料理の数々だと思う。

 そして「ふじ田」の特徴はやはりコストパフォーマンスの良いところであろう。
 ツマミと鮨一通りと、それに酒を4合くらい飲んで、勘定は2万円を少し超える程度。
 歌舞伎座の近くという銀座の便利な地で、これはたいへんお値打ちものである。
 店主も真面目かつ気さくで、落ち着いて楽しめる店であり、使い勝手はたいへん良い。
 まあ、素材に関しては銀座の超一流店に比べるとさすがに少々落ちるので、「銀座に鮨を食いに行くぞ~!」と気合を入れて行くような店ではないとは思うけど、それでも東京に行って、気軽に美味い鮨を食いたいと思ったとき、この店は十分選択肢の上位になりうる良店だと思う。

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October 15, 2016

寿司:ます田@南青山

 「すきやばし次郎」で修業を積んだ若き店主が2年ほど前に開いた店。既に人気店になっており、そのうち予約も困難な店になることが予想されるために、その前に一度訪れておこうと行ってみた。

【ます田】
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 表参道駅近くのビルに地下一館に店はある。
 地下へ降りる階段はやたらに急峻であり、なんだか潜水艦のハッチみたいな雰囲気。これは実用ではないようで、(非常用?)、店に行くにはエレベーターを使ってくださいと書いてあったのでエレベーターで下ると、ドアが開いたら、そこは店のなかであった。

【ツマミ】
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 ツマミ+握りのおまかせを注文。
 ツマミはカワハギ+ポン酢肝和え、カツオ、〆鯖、タラの白子を蒸したもの、穴子の白焼き、メヒカリ焼、等々。いずれもさすがによい素材を使っている。
 次郎のお弟子さんということで、「次郎」や「水谷」のようにツマミは寿司ダネを切ったもののみ、と思っていたが、意外と焼いたり、蒸したり、と手のいったものがでてきた。次郎系では「青空」もそういう感じだったので、次郎のニューウエーブ系?

【握り】
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 コハダの握りを食べると、ああこれは次郎の握りだ、と思った。
 コハダはしっかりと〆られており、そしてシャリも酢がよく利いているので、全体に塩と酢の個性が強く、食べたとたんに次郎の鮨を思い出した。味覚と臭覚って記憶をよく刺戟する。
 近頃の鮨は、江戸前でも以前と比べて酢がマイルドになっている傾向があるので、この酢の利いた鮨はかえって新鮮に感じられた。
 もっとも店主に言わせれば、もっと酢を利かせたいのだけど、客の好みを考えるとなかなか踏み込めないとのことではあったが。

 車海老は茹でたてのものであるが、次郎とは違って普通のサイズ。次郎系の店ではジャンボ車海老が一種の名物となっているけど、店主によれば、あれは大きすぎて鮨としてのバランスが悪く、また口の小さい女性客が食いにくそう、ということでこのサイズにしているとのこと。すべて小野二郎リスペクトというわけではなくて、独自の改良もされているのである。

 要所々々に名店次郎のDNAが組み込まれながらも、また独自の進化、発展もあり、将来楽しみな店である。

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October 14, 2016

寿司:鮨あらい@銀座

 宮崎の食通W氏が銀座に出て来たとき最近の定番の鮨店となっている「鮨あらい」。気になっていたので東京に出たついでに訪れてみることにしてみた。

 「鮨あらい」は30代の若い店主が1年前ほどに銀座に開いた店で、店の内装、雰囲気も清新である。

【ノドグロ酒蒸し】
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【アン肝 奈良漬】
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 つまみはまずはマツカワカレイ、ツブ貝、サバ、蛸、蒸しアワビ、アワビ肝、鰹タタキ。どの素材も質のよいもの。刺身はどれも専用の醤油で供される。鰹のタタキはそれに合わせて仄かなニンニクの香りのする上品なニンニク醤油と思いきや、葱を摩り下ろしてつくったもので、いい工夫であった。
 それから蒸しものでノドグロ酒蒸し。ノドグロは脂の特徴を生かして焼くか煮るかしかない料理だと思っていたけど、酒蒸しにすると脂がいい感じで抜け落ち、さっぱり気味の食感となり、そうなると旨味が表に出てこれもノドグロの特徴がうまく出ている料理と感心した。
 アン肝はそれ自体でもたいへん美味しいが、店主独自の工夫で奈良漬をあわせて食べるとその豊穣さがさらに広がる。これにも感心した。
 店主は「すし匠」でも修業経験があり、さすがにつまみには力が入っている。

【握り】
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 握りは鯛、金目鯛、コハダ、サバ、アジ、サワラ、スミイカ、ブリ、車海老、雲丹、赤身、中トロ、大トロ、穴子、等々。
 シャリは江戸前らしくよく酢が効いている。握りは若干大きめで、それにネタもあわせているので、バランスは良い。そしてこの店は温度管理が厳格であり、少量ずつに炊かれたシャリが持ってこられ、なるべく温度が一定になるようにしている。その温度は人肌よりやや高めであり、シャリの大きさとあわせて、「迫力のある」鮨となっており、全体を通して鮨の印象がより強くなっている。
 ツマミの秀逸さからツマミに力を入れた店と思っていたが、どうしてどうして鮨が主役ですと主張しておりました。

【シジミ汁】
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 椀物はシジミ汁。
 これはシジミの味がとても濃厚であり、しかししつこくなく、相当に熟練した腕でつくられたものであり、寿司店レベルを超えている。

 ツマミ、鮨、椀物、いずれも見事なものであった。
 さすが銀座の人気店である。
 そしてこの店は銀座にしてはコストパフォーマンスも良く、これからもさらに人気を博していく寿司店であろうと確信した。

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August 20, 2016

錦江湾花火大会&「のむら」で鮨@鹿児島市

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 江戸時代から薩摩人は花火が大好きであり、それで鹿児島の花火大会は、他の地の花火大会とはひとあじ違う、迫力のあるものが楽しめる。
 二尺玉がぽんぽんと打ち上がり、夜空に大輪の花火を開かせ、そして鹿児島中に轟音を響かせる。ほとんど騒音なみの音量だが、そこは桜島という大先輩が鎮座している地ゆえ、みな耐性ができており、この光と音のショーを心から楽しんでいる。

 花火を存分に楽しんだのちは、「鮨匠のむら」で夕食。

 いつも満席の「のむら」であるが、今日は席に余裕がある。
というのも、本日は花火大会があったので、昼あるいは夕早めに食事を終わらせ、それから花火大会見物に行く人が多かったからだそうだ。
 だから、私は夕の二回転目、ということになるわけ。

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 8月は唐津の赤ウニの最盛期。
 壱岐の腕きき漁師さんと契約して、そこで獲れた最上質の雲丹のみを仕入れているので、相変わらずすこぶる美味である。
 まずは雲丹のみを食す。このまったく雑味のない、旨みと、甘みがたまらない。
 次は雲丹の茶碗蒸し。ほっこりと温められた雲丹は、少々変わった食感となり、そして甘みが増す。茶碗蒸しは、白身がアコウ、椎茸、山芋、サツマイモ、アオリイカが入った贅沢なもの。
 そして雲丹の握り。甘さ抑えめ、人肌のシャリが、雲丹の旨さをいっそう引き立てる。
 さらには雲丹丼。たっぷり雲丹をとって、口に運び、悶絶級の愉悦を味わう。

 雲丹以外の魚、握りもまた当然美味く、いつもながらの口八丁手八丁の店主のショーを楽しみました。

 錦江湾の花火に、のむらの鮨。
 鹿児島の夏の、極上の一夜であった。

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August 06, 2016

天草を食べ尽くそう 2日目(3) 蛇の目寿司@天草市本渡

 天草は漁港がたくさんあり、天草近海、東支那海等のよい魚がたくさん水揚げされるのであるが、一番よいものは天草どころか熊本市も素通りして、福岡、あるいは築地に行ってしまいがちである。
 それでも一部の店は独自に仕入れ先を確保して、高レベルの魚を出すことに尽力してきており、老舗店「蛇の目寿司」はその代表のようなものだ。
 私は天草に住んでいたころ、本渡市の寿司店はだいたい回ってみたが、素材に関してはこの店が図抜けていたので、常連客になっていた。かれこれ10数年以上前の話。

 今回、ひさかたぶりに蛇の目寿司を訪れたが、以前のとおり鮨ダネの質は良く、そして握りのセンスもよくて、やはり天草の寿司の名店だなと認識を新たにした。

【握り】
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 夏河豚は食感がよく、薬味との調和もよい。雲丹はちょうど今が旬であり、そしてこの店は天草で獲れる最上級の雲丹を使うので、旨みと甘みがじつに濃厚。蛇の目寿司の裏メニュー(?)として、雲丹丼があるのだが、これ雲丹丼にするとそれだけで完結するほどのものになるだろうな。蛸は包丁の入れ方でじつに繊細でとろけるような食感を演出。海老は天草でよく獲れるスエビというものですこぶる美味。シャリは甘めは控えめで、鮮度のよいネタをうまく引き立てている。

 この店の鮨は江戸前でなく、海に近い地によくある鮮魚系の鮨であるが、新鮮なネタをただシャリ団子に載せた、地方にありがちな鮮魚鮨ではまったくなく、繊細な仕事と工夫も加えられた、洗練された立派な鮨である。

 天草本渡は、昼に訪れた「奴寿司」と「蛇の目寿司」が有名店であり、また人気店であるが、それぞれ独自の個性がある鮨の名店であり、この両店を食べ歩くと、鮨というものについていろいろと考えるし、また天草の食文化の知識を深めることもでき、天草を訪れたときはぜひとも両店訪れるべきであろう。

【天草本渡市街】
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 蛇の目寿司のあとは、ホテルへはタクシーで2名が帰り、残り4名は徒歩で帰ることにする。もちろんポケモン狩りのためである。
 夜の街を歩くと、今日はちょうど夏祭りの日であって、それが終わったころであった。
 祭りのあとの、火薬のにおいと、喧騒の名残がただよう、なにか虚脱した雰囲気のある街並みを歩いて行く。

【夜の天草瀬戸大橋】
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 ポケモンは、なかなかヒットしない。
 時々出現するのは、ポッポ、コラッタ等の雑魚モンスターばかりである。
 ポケモンは人の集まるところ、あるいはモニュメント的なところに出がちなので、瀬戸大橋沿いを歩いてみた。海岸に近いから、それなりのポケモンが出るかと期待したが、出て来たのはやはり雑魚モンのコイキングであった。
 「コイキングは100匹集めると、ギャラドスになるんだよ」と、ポケモンに詳しいA氏がコイキングをGetしながら、ずいぶんと遠大なことを述べる。・・・ポケモンGoって大変だなあ。

 それにしても、いい大人たちがこぞってやってるポケモンGo。おそるべしゲームである。


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【(参考) コイキング→ギャラドス】

Garados


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