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November 06, 2021

イカキングに会いたい

 久しぶりに更新。

 このブログは主に旅と外食をメインのネタとしているものなので、このご時世なかなか新たな記事をUPするのもはばかられ、ブログを放置する日々が長々と過ぎたのであるが、あまりに放置しすぎて管理人がコロナでくたばっていると思われるのもなんだし、それにようやくコロナの出口が見えてきたこともあって、今後のつまらぬ抱負を述べるがてら更新。

 それにしても、2020年の3月から一気に世界と社会が姿を変えたのは、多くの人と同様に人生初の経験であった。こういうことがグローバルに起きるのは偶発的大戦争とか破局的噴火くらいであろうと思っていたが、この医療の進んだ時代に、パンデミックが生じるとはまさに青天の霹靂であり、まあ世の中何が起きるかわからないという当たり前の真理をこの時代に思い知ってしまった。

 コロナの蔓延により社会規律も変わり、私の職場だって新たな対応を進めていたのであるが、誰もが初めて経験することであって、それは手探り状態で進めざるをえず、昨年の4月から5月にかけては仕事がまったくなくなり、社会人になってこれほど暇で楽な日々を過ごしたことはなかった。それでも給与所得者としては給料は普通に出るわけで、「これぞ給料泥棒」となんとなく職場に悪いなあなどと思ってはいたが、そのうちコロナに対応する新たな仕事が次々と生じ、ひどいときはてんてこ舞い状態になり、なるほどやはりトータルではまったく楽できない、人生は勘定は合うようになっているんだなと、「人生万事塞翁が馬」とか「禍福は糾える縄の如し」とか「天網恢恢疎にして漏らさず」とかいう諺を頭に浮かべつつ仕事をしながら今にいたる。

 コロナのせいで仕事も変化したが、生活も変わり、私のようなどこそこにすぐ出かけたがる人間にとっては窮屈な日々だったけど、それでも感染の波の合間を縫って、ちょこちょこと遠出はしていた。自粛、自粛で気がめいるなか、たまに出かけて見る珍しい光景というものは、やはりなによりも精神のリフレッシュになり、心身の健康にとても良いものであったと、あらためて思う。

 その旅で、見つけたいくつかの不思議物件を紹介してみよう。

 【土偶駅@木造駅】

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 青森はJR五能線の木造駅。この駅舎の外壁に遮光器土偶が飾られている。土偶があまりに巨大すぎて、遠目には土偶が駅そのものに見えてくる。その怪異な姿は日本の駅舎のなかでも唯一無二のものであって、ローカル線の無人駅なのに、これを目当てに多くの観光客が訪れるという。
 さすがにこれのみ目当てで青森に訪れたわけではないが、それでもこの普通の町に、違和感たっぷりにその存在をアピールする巨大土偶を見たとき、「ああ、これはやはり一度はナマで見るべきものであった」と、己のサーチ能力に感心しつつ満足した。 
 なおこの土偶、ただの飾りではなく、実用的能力も持つ。土偶の細い目は、列車が近づいたときピカピカと光り、人々に列車の到来を知らせるそうで、きちんと世の役に立つ働きものなのである。

【カニ爪オブジェ@紋別町】

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 北海道はオホーツク海に臨む紋別町。その海浜に高さ12mの巨大なカニの爪が聳えている。広々とした海浜公園で、ニョキっと空に爪を立てる、この大きなオブジェは、その巨大さと鋭さで、紋別がズワイガニの名産地であることを知らせる、というよりも、もっと激しい役割を感じさせる。
 オホーツクの荒れた海を前に、毅然と屹立する巨大なカニ爪は、厳しい北海の大自然に真っ向から立ち向かう、北海道防衛隊最前線隊長といった勇敢さを感じ、観る者の精神に高揚感を与えてくれる。
 なお、このカニ爪オブジェはかつての芸術祭の時に作られたものであり、以前は他にもいくつか北の海を表すオブジェが設置されていたのだが、それらは北海の厳しい気候に耐え切れず老朽化して除去されてしまい、今ではこの頑強な勇士、カニ爪のみ残っている。

【礼文岳@礼文島】

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 北海道、花の島として有名な礼文島の最高峰「礼文岳」。礼文島を登山目当てに訪れる人はあんまり居ず、私も登山目的で訪れたわけではないものの、そこに山があるからにはとりあえず登ってみよう、とカジュアル靴のまま登ってみた。
 標高490mの山なのであっさりと山頂には着いたが、この山頂、あるはずのないものがある。それは山頂標柱の奥にあるハイマツであり、この植物は本州では高山でしか見ることはない。それも森林限界を突破した2500mくらいの高さから現れ、これを見たことのある人はある程度気合の入った登山者のみという、けっこうレアな植物なのである。それが標高500mにも満たぬ低山に群生していることに驚いてしまった。
 結局はそれだけ北海道の自然が厳しいということであり、本州では2500mを越えないと体験できない寒気というものが、北海道では500m程度で現れてしまうということだ。じっさいに礼文島の冬の厳しさというものは相当なものであり、住む人々は冬のあいだはただ家に閉じこもっているしかないそう。

 

 今年経験した不思議物件、他にもいろいろあれど、とにかく世の中には実際に観ないと実感できないものは多く、やはり旅というものは大事だなあという結論。

 

【イカキング@石川県能登町】

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 そして今特に気になっている不思議物件は、能登町にある「イカキング」。
 イカキングはイカ漁の名所九十九湾のもと、「イカの駅つくモール」に設置された巨大イカオブジェである。
 この手の頭足網軟体動物の置物は、タコと相場が決まっておりイカは滅多にない。なぜならタコは造形が単純でまた安定性がよいので、公園に滑り台のたぐいなどでよく見ることができる。しかしそれに対してイカは形が流線形で、足も長2+短8の複雑な形をしており、作るにも設置するにも費用と手間暇がかかるからだ。ところが能登町は敢然と2500万円という大予算をかけてこの難プロジェクトを実施した。そしてその出来上がりの姿の写真をみると、なかなか躍動感ある、立派なオブジェに思える。
 その予算、コロナで疲弊した地方経済を支えるための政府からの補助金を利用したものであり、当初はイカの化け物に、コロナ対策用の巨額な費用を使うなんてという非難の声もあったそうだが、いざ完成すると、造形の良さもあって、人気の観光名所となり十分にペイできそうな状況。

  世には見たいもの、見るべきものが、たくさんある。
 まずは、年末年始、非常宣言等が出ていなかったら、能登まで行って、コロナの荒波を悠々と泳ぐイカキングの雄姿を見てみたい。

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