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July 2019の記事

July 14, 2019

信州旅行(2) 善光寺

 日本の有名な神社仏閣はだいたい訪れたことがある。
 といってそれは私が信心深いからというわけではなく、日本各地の名所って、たいていは神社、仏閣、城のたぐいなのであり、旅行ついでにそこに寄ることが多かったからである。

 しかしながら、長野市の善光寺は今まで訪れたことがなかった。
 長野の最大の観光名所であり、日本最古の仏像を有するこの有名な寺を何故訪れなかったかといえば、それは長野市が九州から訪れるのに不便なところにあり、行くのに気が進まなかったからだ。(同じ長野の松本市は、それよりは便利なので幾度も訪れたことがある。)

 けれども善光寺は、日本人は一度は訪れるベき寺とされている。
 それは善光寺は、本堂のお戒壇巡りをすると極楽浄土に行くことが約束される、というたいへん有難い寺だからである。
 私自身は、極楽浄土が存在しているとは思ってもいないが、もし万が一本当にそのようなものがあったとしたら、のちに極楽浄土の門の前に立ったとき、門番に「お前は善光寺に参っていないので入場はダメ」とか言われたら、さぞかし口惜しいだろうので、その万が一に備えて、やはり善光寺には行ってみようと思った次第。

【善光寺】

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 というわけでの善光寺。
 檜皮葺きの立派な屋根を持つ、巨大な本堂は国宝に指定されている。
 ここに日本最古の仏像が安置されており、その下を巡るお戒壇巡りへ出発。
 日本の寺では、真っ暗な回廊を巡る、このたぐいの戒壇巡り、胎内巡りはしばし見かけるが、善光寺においては、本堂の規模が大きいだけあって、回廊の距離も長く、まったく視界が利かない真の暗闇のなか手探りで歩いていると、そのうち平衡感覚がおかしくなり、宙をさまよっているかのような不思議な感覚が生じ、回廊を抜け明るいところで出ると、ああ日常の世界に戻ってきたのだと、ほっとする感じがした。
 かくして、とりあえずミッション終了。

【仁王門】

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 善光寺には名物は多かれど、その一つが仁王門の金剛力士像。
 著名な彫刻家によって造られた二体の像は迫力満点。

【牛】

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 善光寺といえば、牛がセットであるので、境内のどこかにそれがないかなと思っていたが、いくつか見つけた。
 これはそのうち最も分かりやすい、森永乳業贈呈のもの。この牛には名前があり、「善子さん」と「光子さん」というのが面白い。

【御祭礼 屋台巡業】

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 善光寺を訪れた日はちょうど祇園祭が行われていた。
 門前町が町ごとに屋台を出して、舞いを奉納するというもの。
 それぞれの屋台に特徴があり、みていて楽しかった。

【美ヶ原】

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 善光寺参りののちは、長野を代表する観光道路ビーナスラインへ。
 しかし梅雨の時期の長野は、雨は降っていないものの、標高の高いところはガスに覆われており、楽しみにしていた美ヶ原の眺めは、まったくダメであった。

【白樺湖】

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 白樺湖まで来ると、そろそろ本日の宿のある蓼原は近い。
 ビーナスラインは結局、ずっとガスのなかであり、なにも展望はなかった。
 また改めて長野に来なくては。

 

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July 13, 2019

湯田中渋湯温泉郷@長野

 善光寺の門前町である長野の奥座敷、湯田中渋温泉郷。長野からここまで私鉄が走っており、その終点地が湯田中温泉。
この温泉に、ユニークな建物と温泉を持つ、江戸寛政時代からの老舗旅館「よろづや」があり、そこに宿泊。

【ロビー】

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 「よろづや」は外見は廃虚風雰囲気のある鉄筋高層建築物だけど、中に入ると、華やぎのあるレトロな空間が広がっていて、驚かされる。

【風景】

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 本館の部屋から眺める風景。
 志賀高原へと向かう山並みが続いているはずだが、雲に途切れている。
 天気のよい日は、長野ならではの雄大な山岳の風景が広がっているだろうに、少々残念。

【桃山風呂:宿公式ページより】

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 純木造伽藍建築なる工法で建てられた大風呂は、その建築様式の豪華でまさに圧巻。自然の木だけを使い、ここまで豪奢で立派な風呂って、初めて見た。国の文化財に指定されている理由も納得である。

【世界大平和観音】

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 湯田中温泉は俳人小林一茶がよく訪れ句を詠んだ地ということで、一茶が散策した裏山が散歩道として整備されている。
 そのスタート地点が平和観音像であるが、かつては現役の宗教施設らしかった廃園のなか、もう手入れがなされなくなって久しいとおぼしき姿が、妙に印象的であった。

【一茶のこみち】

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 湯田中温泉の裏山、害獣除けの電気柵に沿って歩いてみる。周囲は鬱蒼とした雑木林で、展望はまったく利かない。
 ときおりある「平和の鐘」を鳴らしてみると、やけによく響き、なんだか迷惑行為をやっている気になってしまった。

【夕食】

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 夕食は地元の山の幸、川の幸を用いたもの。
 いずれも普通に美味しかった。
 長野は蕎麦の名産地であり、特に本日訪れた戸隠は全国的に有名であるけど、寄る機会がなかった。それをここで経験することができ、とりあえず長野の蕎麦クリア。

【渋温泉】

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 夕食後、隣の渋温泉まで散策。
 石畳の風情ある道を歩いて行く。

【金具屋@渋温泉】

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 渋温泉の夜の名物「旅館 金具屋」。
 千と千尋の温泉宿のモデルになったとも称される、木造4階建ての国の文化財。
 ライトアップされた姿は、夢幻的であり、御伽の世界の建物のよう。

【かえで通り】

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 朝は湯田中温泉名物の朝市へ。
 地図では「かえで通り」を進むとそこへ行けるとのことであったが、その通りに出ると、名前の由来がわかった。

【朝市@湯田中駅前】

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 足湯もある湯田中温泉駅前で、土日月の早朝に行われる朝市。
 野菜、果物、漬物、ジャム等々が売られているこじんまりした市。観光客と地元の人がまじり、コスパの良さそうな品々を買い求めておりました。
 山間の静かな温泉街に、この風景はよくあっていたと思う。

 

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信州旅行(1) 戸隠神社

【天手力男神(アメノタヂカラオ)】

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 宮崎県北高千穂の観光名所「天岩戸神社」は、日本の神話の最初のほうに登場する神社であり、この神社と対になる神社が長野にある。
 天岩戸神社の伝説では、弟の乱暴に憤った天照大神が岩屋に引きこもり岩戸を閉じてしまった。そうなると天照大神は日の神なので世の中が夜になってしまい、闇の世界に困った神々は相談して、なんとか天照大神がこの世に出てきてくれるように作戦を練り、まずは岩戸の前で大宴会を行った。岩屋のなかまで響くその馬鹿騒ぎが気になった天照大神が少し戸を開けると、その機を逃さず、天手力男神という力持ちの神がその戸をつかみ、長野まで放り投げてしまった。その戸が、長野の戸隠山であり、功労者の神である天手力男神がその山の麓の戸隠神社奥社に祀られている。

 この戸をぶん投げるシーンはドラマチックであり、高千穂神楽でも名シーンとなっていて、高千穂の町での神楽の絵や像では、このシーンを描いたものが採用されていることが多い。天岩戸神社に設置されている神楽の像も、それである。

 で、戸隠神社は宮崎県民としては一度は訪れてみるべき神社であったので、行ってみることにした。

【戸隠神社中宮】

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 戸隠神社は大きな神社5社からなる広大な神社であり、全部回っていると時間が足りないので、その中心である中宮からスタート。
 この神社は、天岩戸神社での神々の作戦時、戦略を考案した智恵の神天八意思兼命を祀っている。

【戸隠山】

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 中宮から歩道、車道を歩き、戸隠森林植園へ。ここから戸隠山を見ることができる。
 火成岩が崩落してギザギザの屏風型になった山である。
 天岩戸神社の近くには似たような山、根子岳があり、そっちが戸隠伝説の山となってもよさそうなものだが、まあ天手力男神がよほど力持ちであったと解釈しておこう。

【奥社鳥居から参道】

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 入り口の大鳥居からは約2kmに及ぶ参道がある。しばらくは大杉の立ち並ぶ真っ直ぐな道である。

【奥社参道杉並木】

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 山門を越えると、奥社の名物である杉並木が続く。赤い樹肌を持つ大杉が並び、いずれも樹齢400年を超える老杉。独特な厳かな雰囲気があり、この並木は長野県の天然記念物に指定されている。

【参道】

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 杉並木が終わってから参道は石畳の登り坂となる。

【戸隠神社奥社】

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 坂を登りおえ、奥社に到着。
 天手力男神は力の象徴であるから、スポーツの神としても知られており、参拝してアウトドアでの無事故を祈った。

【戸隠山登山口】

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 神社の手前には戸隠山への登山口がある。
 複雑な形をしていて登攀意欲をそそる山であるが、今回は何の道具も持ってきていないため、登山口を眺めるだけで終わった。

 私は長野では、北アルプスの名峰はほとんど登ったけど、こういう個性的な名山はまだ登っていない。いずれまた訪れたいものだ。

 

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July 07, 2019

御田祭@美郷町西郷区

 七夕の日、美郷町の有名な祭り「御田祭」に行ってきた。
 千年近い歴史を持つ田代神社の田植えの祭りであり、それは神社前の神田において、牛馬、人力を用いて整地を行い、そのあと田植えを行うという、機械化の進んだ現代ではもう行われなくなった伝統的田植えを神前にて行うという、希少価値ある祭りなのである。

【馬入れ】

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 いきなりクライマックスから紹介。
 大きな裸馬にまたがって、青年たちが神田を疾走。泥飛沫を上げながらの豪快な疾走。なお、鞍も鐙もない裸馬ゆえ、乗り手はしょっちゅう泥の中へと落馬して、かなり危険な行為ではある。

【牛入れ】

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 馬に続いては牛の神田入り。
 この牛たち、普段は農耕などしないだろうから、泥田に入るのを露骨に嫌がっていて、泥のなかに入れられると興奮状態になり、引き手たちの手綱を振り払い、逃げ回る。そして泥田のなかで暴れているぶんにはいいのだが、一匹が畔に乗り上げ、そこで向きを変え観光客に向かって突進してきた。それはまさに猪突猛進というべき勢いであり、そしてその観光客のなかに私もいたので、慌てて横に飛んで逃げて難を逃れた。
 それって、ほぼ間一髪のタイミングであり、カメラのファインダー覗いていたら、行動が遅れて間違いなく牛にぶつけられていたところであった。そうなるとただで済むわけもなく、病院送りは確実であり、あやうく宮日新聞に載ってしまうところであった。あぶない、あぶない。

【牛入れ】

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 というわけで、牛のほうはあまり整地に役立たず、引き手によって懸命に宥められていた。写真にするとのどかな風景であるが、内実はかなり緊張感あるのである。

【御輿入れ】

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 牛馬に引き続き、人の手でも整地を行う。
 青年たちが御輿をかついで神田を一周。そのあとは大暴れし、泥のかけあい。

【代掻き】

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 また馬の登場。今回は泥田のなかの疾走でなく、真っ当に農具を使っての整地。こういう時でないと今では滅多に見られぬ、犂を引いての代掻きである。

【田植え@早乙女】

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 整地が終わったのち、絣と編み笠姿の早乙女達によって、田植えが始まる。バックグランドには、催馬楽の囃子歌。

【田植え終了】

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 二列の早乙女達の列が離れていくにつれ、田植えも進んでいき、そしてほぼ終了。
 泥田が、一面稲苗の植わった田圃に変わった姿はなかなかに感動的。しかし、賑わっていた観光客は途中で飽きたのかほぼ帰ってしまい、がらーんとしているのは少々味気ない。

【早乙女meet巫女】

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 神事が全て終わり、足を洗いに行く早乙女たち。そこに巫女が通りかかり、互いに「かわいい~」と言い合う、ほほえましい風景。

 御田祭は普段見られぬものがふんだんに見られ、静も動も、いい被写体が多く、場内には高性能カメラを抱えたプロとアマチュアのカメラマンがたくさん居た。県外からも撮影目的で多くの人が訪れるそうだ。
 御田祭写真コンテストもあり、各所から送られた写真が後日順位を付けて発表されるそうである。
 私も突進してくる暴れ牛の近影を撮っていたら、それはずいぶんと迫力ある写真だろうから、いい順位を取れたかもしれないが、しかしそれは即私の病院送りを意味するわけで、そんな写真が撮れなくて幸いであった。

 こうして今年の御田祭は私に、「暴れ牛は怖い」という大事な教訓を与えて終わったのであった。

 

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July 06, 2019

滝で涼みに日向冠岳へ

 宮崎県北にはそれぞれの地域に目立つ山があって、「市民の山」的な存在となっている。延岡では行縢山がそれで、日向市では冠岳がそれに当たる。
 梅雨が始まり連日雨が降る中、週末は梅雨の中休み的となり、好天との予報なので、近場の山に登ってみることにした。冠岳なら標高も低くてあまり疲れないだろうし、それに滝がいくつもあり、滝で涼むこともできるだろう。

【登山道】

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 冠岳は標高438mでさしたる高さはないが、7月だけあってそれなりに暑く、しかも林のなかは蒸し暑くて、最初の30分くらいでそうとうに疲れてしまった。何度も途中で帰りたくなったが、とにかく稜線に出れば風は吹いているだろうから、それを頼みに歩を進めて行った。

【岩場】

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 この岩場まで来ると風景は開けてきて、風も吹いてきたので、ようやく一息つけた。

【冠岳北岳】

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 稜線に出ると、冠岳北岳が見える。
 巨大な一枚岩の岩壁で、この姿は日向市のどこからで見える、シンボルタワーである。
 もっとも近くで見ると、樹々に岩壁が隠れて、かえって迫力がない。

【展望台より】

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 山頂近くの展望所から耳川の流れを一望することができる。
 耳川は黄緑かかった特殊な色の川で、上流くからずっとこんな色であり、たぶん源流の椎葉の山のなかにこの色のモトがあるんだろうな、と推測している。

【日の丸展望台より】

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 北岳を過ぎて、次は冠岳の名所「日の丸展望台」へ。
 ここには日ノ丸が翻っており、注意すれば麓からも旗を見ることができる。

【水場】

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 水場を過ぎて、吉ヶ原岳へと向かう。
 暑い日には水場があるとほんとうに助かる。

【展望台?】

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 吉ヶ原岳への途中に展望台があると地図に書いていたので、そこに寄ってみた。
 しかし藪と雑木でまったく展望は利かず、展望台であったのはそうとう昔のことと思われた。
 位置的には、樹々がなければ尾鈴山がよく見えるはず。

【二段の滝】

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 吉ヶ原岳を過ぎてからは下山ルートに入る。下山ルートは滝を持つ沢筋であり、本来なら登山道に使えるようなルートではないのだが、ロープ、鎖、梯子等よく整備されており、滝を間近に見ながら進むことができる。

【樋口の滝】

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 滝巡りコース中、一番の大物の滝が「樋口の滝」。
 立派な滝ではあるが、写真ではまったくその威容を伝えられないのが残念。

【登山案内図】

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 滝を堪能して元の登山口へと戻った。
 山を周回してこの案内図をみると、あまり正確ではないようだ。
 冠岳は常に人の手が入って、登山道が複雑に伸びていて、つまりは進化し続けていると思われる。
 標高はさしてないが、複雑な地形を持つ山であり、さらには気分次第でコースがいくらでも選べるわけで、長くつきあえるいい山だと思った。

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