イタリア料理:Vena@京都市
京都市でランチ。
和、洋、いくらでも良い店のある京都であるが、以前から気になっていたイタリア料理店「Vena」へと。
この店は東山の老舗創作系イタリアン、イルギオットーネ出身のシェフが開いた店である。京都のイタリアンではイルギオットーネ派とでも称すべく、そこで修業し独立したシェフの店が近年次々と開店しており、それぞれ個性ある良店と評判であるから。
【店内と坪庭】
店は京都御所の近く、本通りから少し離れた閑静な住宅地にある一軒家で、中は木をふんだんに使った格調ある形式。そして窓の外には、いかにも京都ならではの坪庭がある。
【前菜】
洋風茶碗蒸しみたいなものに、トマトのスープを載せたもの。ほどよい酸味で、食欲が進む。
【前菜盛合わせ】
店の力は前菜の盛合わせで直ちに分かると言われているけど、これは優れた店だとすぐに分かる、丁寧に造り上げた繊細な料理の数々。卵の殻には茸入りスクランブルエッグにキャビア、牛スジの熱々コロッケ、ズッキーニに生ハムとモッツアレラチーズ、カルパッチョなど。
今回はワインのペアリングでオーダーしたけど、この皿は白ワイングラス一杯では足りず、赤をもう一つ頼んだ。
【パスタ】
アスパラと浅蜊のパスタ。
程よい味付けと茹で加減。
【リゾット】
茸とタケノコのリゾット。それにパルマの生ハム。全体的に濃厚。
【肉料理】
仔牛のパンチェッタをパートフィルで包んで焼きあげたもの。それにマスタードを添えて。調和のとれた優雅な味わいの料理。
料理全体はとても完成度の高いもので、隙のない料理という印象であった。たいへんレベルの高いイタリア料理店だと思う。
ただ、本家のイルギオットーネは、京都ならではの和の技術を用いて、やりたい放題という感じの面白い料理が際限なく出て来る、いわゆる変化球系の店だったのに対して、この店は北イタリアのクラシカルな技術を用いて、地元の素材を仕上げる、直球勝負の店に思われた。これは以前行った、やはりイルギオットーネ出身のシェフの店「Cenci」でも同じような印象を私は感じた。
そう言えば福岡のイタリアンも、老舗「サーラカリーナ」を本家として、そこから独立したシェフがいろいろと店を出しているけど、やはり同様の感じで、本家が一番クラシカルなイタリア料理から外れており、これは面白い現象に感じられた。
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