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March 31, 2019

大善自然公園@延岡六峰街道

【六峰街道からの眺め】

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 九州脊梁山地の稜線を走る六峰街道は、その景観の良さから、ドライビングやツーリングコースとして有名だけど、その街道を走っていると、ETOランドの近くに「大善自然公園」の不自然なまでに立派な門が、誰しも目につく。
 この門、その扉は固く閉ざされており、中を窺い知ることは出来ず、ここはいったい何の施設なのか誰しも不思議に思う、延岡最大のミステリースポットとして、「大善自然公園」はあり続けていた。

【大善自然公園】

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 で、その「大善自然公園」の正体は何か?というと、じつは名前の通り、公園そのものなのである。ただし、一般の「公園」とは異なり、その成り立ちはかなりロマンがある。
 他県在住のとある資産家氏が、自分の理想とする公園を建設しようと思い立ち、九州のいろいろな土地を探したところ、延岡の山奥にそれを見出し、広大な敷地を購入して、そこに多額の費用を費やして整備を続けた。ある一人の理想を追い求める男の、情熱の産物なのである。
 そして、その構想はとても雄大であったため、完成には数十年の歳月がかかったのであるが、ようやく理想形の完成に近づいて来た。そしてオーナー氏は身近の人にのみ公園を開いていたのだけど、延岡にとんでもない公園があるという情報を得た宮崎県北の観光促進NPOノベスタが動き、オーナー氏の御好意を得て、一般の人にも公開するプレオープンが行われることとなり、物見高い人たちがそれにわらわらと応募して、公園内に入る、ということができた次第。私もその物見高い者の一員として、延岡の秘境に在る、驚異のワンダーランド「大善自然公園」を訪れてみました。

【駐車場】

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 白い象が守る門をくぐると、すぐに駐車場がある。そのとんでもない広さにまず驚いてしまう。

【徒歩隊】

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 今回の参加者は、歩いて散策する人たち20名と、自転車で全体を回る10名の計30名。オーナーの解説を受けながら、まずは徒歩隊が出発。

【自転車隊】

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  徒歩隊に引き続き、自転車隊も出発である。道路は基本的に舗装はされていないので、マウンテンバイク使用。

【山神社】

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 公園内には、和から漢までいろいろなものがあるけど、最初は「山神社」がお迎え。

【林道】

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 林道は整備されて走りやすい。

【幸運の門】

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 幸運の門をくぐると、幸運になれるアイテムがいっぱいそろっています。

【幸運の玉】

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 巨大な御影石を磨き上げた「幸運の玉」。なでるとなんかいいことがありそうで、みななでています。

【七福神】

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 幸運の場なので、当然七福神もずらりと並ぶ。

【池、滝】

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 地形を上手く使って、滝と池を造成。
 オーナー氏がこの地を選んだのは、この山域で、水が十分に流れているのはここだけだったからということである。

【ほたる池】

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 清冽な水を生かして、蛍の養殖も行われている。
 6月下旬には公園内を蛍が飛び交い、それはきれいだそうだ。

【モミジの園】

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 たくさんのモミジが植えられた園。
 公園内にはモミジの樹が多く、秋には見事に染まるそうだ。それで、ノベスタは秋の訪問も企画しているそうである。
 このモミジ園の上方には、「古代中華テラス」とでもいうべき庭園があり、始皇帝の巨大な像が見えている。

【漢城へ】

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 石灯篭に誘われ漢城門への坂を登って行く。

【漢城門】

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 兵馬俑の武士俑が守る門。その奥にも武士俑や、戦車、馬の像がずらりと立ち並ぶ。

【桃園の誓い】

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 入ってすぐに、三国志の「桃園の誓い」の場面を表した像がある。

【始皇帝像:下の画像はノベスタ撮影】

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 その向かいには、始皇帝の巨大像。始皇帝が先の劉備、関羽、張飛像を見守る、という意匠らしい。
 この庭園は見晴らしがよく、腰かけ、テーブルも用意されており、休憩するのにもってこいの所である。

【展示館】

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 先ほどのモミジ園に戻り、この建物に入ってみる。この建物は、一種の秘宝館であり、たいへん珍しい宝物が納められているのである。

【剥製群】

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 建物のなかには、パンダの剥製。現在では国際条例でパンダの毛皮や剥製の輸入は禁止されているので、もう新品は日本に存在しない、という貴重なものである。他にも虎、白熊、狼等の剥製。これらもまた珍しいものである。
 延岡の山奥に、こんな秘宝が隠されていたのだ。

【林道】

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 昼食休憩後は外周の林道を自転車走行。道がラフで、傾斜も急なので大変。
 ノベスタとともに公園訪問を企画したミッチー氏は、コースが面白いので、いずれこの地でもサイクリング大会を開きたいとのことであった。

 

 大善自然公園は、オーナー氏が高齢なので、いずれはこの公園を公的機関に譲渡して、みんなで楽しめるものにしたいとの希望をもっている。その最初の候補は当然延岡市ということになるのだが、維持費が年間数百万円かかることから、貧乏自治体の延岡市としては二の足を踏んでおり、それで他の自治体に今は話がまわっている状況、とのことであった。
 情熱ある個人が一代で耳目を驚かす巨大な施設を造り観光名所になるものの、しかし時がたちそれを維持する後継者がいなくて、結局は廃墟と化していってしまう、そういう話はじつは多くて、それには明石の平和観音寺とか福井の越前大仏などがすぐに例として思い浮かぶ。
 けれども、宮崎には高鍋大師のように、地元のNPOによって維持され、町を象徴する施設にまでなった例もあるので、それにならって、この豪快でユニークでそして唯一無二の施設が延岡の山のなか、人々の訪れる施設として在り続けることをせつに願う。

 

 

 

 

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