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February 10, 2019

雪の寂地山@中国山地

【雪道】
1front

 中国山地遠征の二日目は、山口県最高峰の寂地山。この山に雪が積もっていなかったら、この界隈の山はどこにも雪は積もっていないであろう、という山である。
 登山口めざして国道187号線を走っていると、はじめのうちは全く雪を見なかったが、高度が増すにつれようやく雪が見えて来た。

 県道434号線に入って、標高776mの松の木峠を越えたところで、立ち往生している車がある。狭い道なので、通せんぼして、私の車が進めない。これは九州方面から遠征してきた車の一団の一台で、暖冬に油断して、みなノーマルタイヤで来たそう。
 急カーブの凍結斜面で止まられては、こちらが牽引して助けるわけにもいかず、彼らが懸命に播いた融雪剤の効果を待って、ようやく車が動いたところで、向うに進めた。
 雪道は、なにが起こるか分からないから、時間には余裕を持って行動すべきと改めて思った。

【五竜の滝】
2start

 寂地峡キャンプ場が登山口。
 寂地峡ルートでまず登山を開始。入り口には、名所「五竜の滝」。この滝は巨大な岩から垂直に落ちて来る滝で、登山道はそれに沿っており、最初は階段を使っての急勾配を登ることになる。

【木馬トンネル】
2tunnel

 五竜の滝横の登山道を登りきると、長いトンネルがある。高さ160cmのところが途中にあるので、気をつけるようにと標識があった。
 暗いなか歩くうち、天井が低くなったところがあったので、そこをかがんで通り抜け、あとは安心して歩いていたところ、いきなり頭を岩にぶつけ、まさに目から火が出た。低いところは複数個所あったのだ。まったく油断大敵とはこのことである。

【登山道】
3way

 初期段階のアクシデントから気をとりなおし、歩を進めていくうち、道も白くなってきた。

【登山道】
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 寂地峡ルートはトンネルを越えてからは、沢沿いのゆるやかな道をえんえんと歩く。
 葉を落とした樹々から青空が見え、白い世界を照らし、美しい世界が広がる。

【登山道】
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 立派な木橋を越えたところが、寂地山への稜線への取りつきとなり、これからはぐんぐんと高度を稼いでいく。

【ミノコシ峠】
4pass

 道は稜線へと出る。
 ここから北側の斜面の樹々は霧氷を纏っていた。

【稜線】
4ridge

 稜線上は、標高1200m近くあるので雪の量は多い。昨夜はそれほど雪は降っていなかったらしく、新雪は10cmくらいで、その下の雪は固めであった。

【稜線:登山者】
4ridge2

 稜線上を黙々とラッセルしていくうち、私と逆方向から来たパーティと出会った。
 登山口から、ミノコシ峠の次の小ピークまでは、誰の踏み跡もない雪山であった。登山道が埋もれた白い雪原を、自分の感覚で道をつくっていくラッセルは、雪山登山の醍醐味である。
 しかし、人間は誰しも楽をしたがる存在であり、このパーティが視界に入ったとき、私は「あ、これでもうラッセルしなくて済む」とつい思ってしまった。
 ラッセル、きついっす。

【稜線登山道】
4way

 小ピークから先は、多人数によって踏み固められたトレースを有難く使わせてもらい進んでいく。

【寂地山山頂】
5summit

 そして寂地山山頂。
 霧氷をまとったブナ林が美しい。
 しかし展望は利かなかった。

【登山道】
6way

 下山は寂地林道コースにて。
 山の斜面には雪はたっぷりであった。

【寂地林道】
7way

 このコースは、長い林道を歩かねばならない、少々退屈なコースである。

【犬戻りの滝】
8fall

 林道からはいったん沢沿いの遊歩道に下り、それからいくつかの滝を見る。
 照葉樹の多いところであり、新緑や紅葉のシーズンはさぞかし美しくなるものと思われた。

 遊歩道からはまた林道にもどり、それから元の登山口に到着。

 昨年はこの時期、寂地山の隣にある冠山に登り雪の多さに感嘆したけど、今年は暖冬のせいで、さほど雪は積もっていなかった。
 この連休、「史上最強の寒波」のせいで、東日本はたいへんな日々だったようだが、西日本は比較的平穏であり、それは良いことではあるんだろうけど、わざわざ遠征してきた私には少々拍子抜けの日々であった。

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