紅葉登山:竜門峡ダム~後黒髪山~黒髪山~竜門峡ダム
11月下旬の紅葉登山、佐賀県の紅葉の名所竜門峡を訪ね、そのついでに佐賀の名山である「黒髪山」も登ってみよう。
黒髪山への登山にあたって、竜門峡ダム登山口からのコースを検討してみる。
登山口からは、黒髪山へと、後黒髪山方向への2つの登山道が伸びている。
しかし赤矢印で示す後黒髪山への登山道は途中で破線が切れており、尻切れトンボになっている。この位置で登山道が途切れる理由があるわけはなく、おそらくはこれ以後の記載漏れと思われた。
ヤマレコで、後黒髪山の登山道を調べると、黒髪山方面からきちんと正規登山道が伸びていることが確認でき、その道もこの地図には載っていないことから、やはりこれが単純な記載漏れとの私の推測を裏付ける。ただし、ヤマレコのいずれの登山記録も、後黒髪山からは元の道に引き返すか、別の道に行っており、竜門峡へそのまま行ったものは一つもなく、それが少々気にはなった。
なにはともあれ、登りはこの国土地理院に載っている登山道を用いて後黒髪山に登り、それから黒髪山へ行って、元の竜門峡に戻る周回コースを予定した。
登山口である竜門峡ダム駐車場から、地形と地図を確認する。
後黒髪山の西峰が正面に見える。その稜線につながる尾根(赤線)上に、地図では登山道はあるので、この尾根にとりついたら、あとは容易に後黒髪山に辿りつけるであろう。
そしてその尾根を目的として、まずは登山口を探すが、それらしきものがまったく見つからない。
地図上では登山口は「龍水亭」の横あたりにあるはずなのだが、どこにもそのようなものはなく、しょうがないので、とりあえずは雑木林に入って、目的の尾根を目指すことにした。
雑木林に入ると、赤テープはすぐに見つかったが、その周囲には登山道らしきものはなく、地図のみをたよりに尾根方向へと向かっていく。
やがて目指す尾根には乗ったものの、やはり登山道は現れてこない。
とにかく尾根筋を詰めて行くと、ときおり赤テープは現れるのだが、どの赤テープの場所にも、その周囲に道はない。
尾根を最短距離の直線方向に登りつめ、傾斜が緩くなると、そこから踏み跡のしっかりした登山道が突然出現した。ただこの道はどうも、右隣りの尾根からの続きのようであり、先ほどまでの登山道(?)とは関係ないもののようであった。
今までのルートは、赤テープが要所要所にはあったので、登山道として使われていたことは間違いないとは思う。しかし、何らかの理由で使われなくなってしまい、年月がたって踏み跡は消失し、つまりは廃道となったのだろう。
ヤマレコにこの道が全く載っていなかった理由が、これで判明した。
正規登山道に入ってからは、車に例えると、街中の一般道から自動車専用道に入ったようなもので、快適、快調に歩を進めることができる。
そして後黒髪山に到着。
後黒髪山からは稜線沿いに黒髪岩へと行く。
この山域の登山道はだいたい自然林のなかを行くので展望が利かないが、一ヶ所だけ林の切れているところがあり、そこから黒髪山をようやく見ることができた。
なだらかな稜線を歩くうち、視界が急に開け、黒髪山を眼前にとらえることができた。
黒髪山山頂は岩山となっていて、急に今までと雰囲気が変化する。
山頂は鎖場を登れば、すぐである。
黒髪山山頂は、天童岩と名付けられた巨岩からなる。
黒髪山は、大蛇退治の伝説の残る山であり、その大蛇がこの岩まで来て、身を巻き付けたとの話が今に伝わっている。
なお、このように巨岩が山頂にある山はけっこう多いが、それは山というものが岩から構成されているからであって、そして山では乗っかっている土や樹木が崩れるときは山頂から崩れるので、そうなったとき、山頂では山の本体である、巨岩が露出する。つまり、この岩は氷山の一角であり、下にずっと続いている。
黒髪山では、竜門峡に加え、東側に見える雄・雌岩と乳待坊公園が紅葉の名所である。残念ながら、時期はまだのようで、紅葉の色は薄い。
さらにはPM2.5のせいで、空気が靄っているので、あまり眺望もよくなかった。
黒髪山からは見返り峠経由で下山。
自然林と、小さな渓谷、それに樹々の根のからみついた巨岩が、趣ある風景をつくっていた。
登山道からいったん遊歩道に入る。よく整備された、気持ちのよい道である。
黒髪山山系を一周して、もとの登山口へ。
この登山口と、それから竜門峡ダム周囲は、今が紅葉の盛りであって、美しい紅葉を楽しむことができた。
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※ 記事に書いているように、竜門峡登山口から後黒髪山までの登山道は、国土地理院の地図には記載されてはいるものの、現在ほぼ廃道状態です。この道を使うなら、地図、コンパスが必須です
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