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December 30, 2017

フィレンツェ 2日目

 パリではルーブルが、マドリードではプラドがその地の最高レベルのものを多く収蔵した、市を代表する美術館であるが、フィレンツェではウッフィツィがそれになる。ここで、ルネッサンスの美術を開花させたフィレンツェが生んだ天才たちによる絵画、彫刻のたくさんの逸品を観ることができる。

【ウッフィツィ美術館】
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 ウッフィツィ美術館は、市の中央広場からアルノ川への回廊的な建物であり、その立体的な迫力は素晴らしいものがある。

【入り口】
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 世界中から観光客が訪れるフィレンツェにおいて、その観光客がまず訪れる美術館であるだけに、客はたいへん多く、常に大行列がある。
 ガイド本による事前の情報では、フィレンツェカードがあると並ばずに入れるとのことであったが、フィレンツェカードって基本的にはプリペイドカード的役割しかなく、チケットを買うために並ぶ必要はないというだけであって、結局、予約客とフィレンツェカードを持っている人たちによる別の大行列に並ぶことになり、入るのに30分ほどかかった。

【ローマ皇帝像】
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 美術館に入ると、まずは3階まで上がって、それから展示室に行く。このとき3階の入り口にアウグストゥス像があり、そして中に入ると廊下にはずらりと歴代のローマ皇帝の胸像が並べられていた。どれもオリジナルであり、ローマの歴史のファンとして楽しいものがあった。
 フィレンツェは、「ローマの正当な後継者」と自負している都市なので、さもありなんという感じである。ただし、フィレンツェが理想としていたローマは、じつは共和制ローマであり、しかし、ここにあるのは帝政ローマ時代の像ばかりだったのは、少々苦笑させられるものがあった。

【美術品】
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 ウッフィツィ美術館に多数ある、人類の宝のような美術品は、それらをじっくり見ているととても一日では時間が足りない。
 とりあえず、絶対観なければならないいくつかの作品を紹介。
 美術の教科書に載っており、そして美術の歴史における必須品のような絵画が、ナマでじっくりと観られるわけで、まさに目の喜びである。

 そして特に感銘を受けたのが、ダ・ヴィンチの受胎告知。
 聖マリアの前に神の使いが現れるドラマチックなシーンは、数多くの絵が描かれ、それらはウッフィツィ美術館にもたくさん展示されているが、ダ・ヴィンチのこの絵は格がまったく違う。天使ガブリエルの迫真性と神秘性、聖マリアの清らかさと静謐さ、そして画面全体を占める神韻縹渺たる雰囲気。まさに神品というべきもの。

【ヴェッキオ宮殿】
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 ウッフィツィ美術館で名画を観過ぎて、頭が少々疲れたが、その隣にフィレンツェの名所ヴェッキオ宮殿があるのでここも訪れよう。
 フィレンツェの盛期に市政の中心として造られ、今も市役所として現役の建物である。

【ダヴィデ像(コピー)】
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 フィレンツェの精神を象徴するダヴィデ像は、フィレンツェのあちこちにあるのであるが、元々はここに設置されていた。人類の宝を雨ざらし野ざらしにするのはいかがなものかということで、今ではオリジナルはアカデミア美術館に移されて、コピーが置かれている。

【ヴェッキオ宮殿】
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 ヴェッキオ宮殿内の500人広間。
 この大きな部屋の壁には、もともとはダ・ヴィンチとミケランジェロが絵画を描くことになっていたのだが、残念ながら両者とも途中で中止となった。完成していたら、途方もない宝となっていたろうに。
 今はヴァザーリによる勇壮な壁画があり、これも立派なものだ。
 じつはヴァザーリの絵の下には、ダ・ヴィンチの描きかけの作品があり、これを復元しようという話もあったのだが、ヴァザーリの絵も名品なので、剥がすわけにはいかず、結局うやむやとなっている。

【ヴェッキオ宮殿の塔から】
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 フィレンツェで最も立派な建物である大聖堂は、いろいろな所から見下ろして眺めることができる。その代表的なところとしてミケランジェロ広場、ジョットの鐘楼があるけど、前者は遠すぎ、後者は遠すぎるとは思う。
 私としてはヴェッキオ宮殿の塔から見下ろす大聖堂が、距離といい、高さといい、最も適していた。

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Comments

うらやましい限りです。「受胎告知」、霊的そのものでしたか!
こちとら10年に一度のインフルエンザグレートヴィンテージに年末年始忙殺されてたと言うのに(^^;)
しかしイタ飯はどうも和製の方が我々の身の丈に合ってるような笑

Posted by: 天ちゃん | January 18, 2018 09:42 PM

>>しかしイタ飯はどうも和製の方が我々の身の丈に合ってるような笑

それは極めて深遠にして壮大な(笑)問題提起なんですが、イタリア料理、特に北方のものは、徹底した新鮮な素材の吟味、引き算的な味の組立て、とかいう点で日本人の料理の好みに似通っています。
それが日本の料理人がたくさんイタリアに修業した理由でもあるのですが、その結果、そこから帰って来た器用な日本人シェフが、豊富な優れた素材がある日本で開店し、本場を凌駕するイタリア料理を平気で提示しているのは、当たり前とはいえます。
宮崎でも、味という点で、本場の星つき店を超える店は普通にありますし。
でも、店そのもの、給仕の人達、客、そして料理、それらを総合すると、やはりイタリアにでかけて体験しないと、分からない面白さ、奥深さはありますので、・・・まあ、いずれ人数集めてイタリア・ツアーしましょうよ。

Posted by: 湯平 | January 18, 2018 10:03 PM

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