11月第四週、先週に訪れた強烈な寒波はあっさりと去り、そうなると初心にもどって、低山紅葉探索登山を再開してみよう。
今回は鹿児島の紅葉の名所の山、冠嶽に登ることにした。
「冠嶽」は、秦の時代の徐福がこの地を訪れ、冠を置いていった言い伝えに由来する、由緒ある名前を持つ。
歴史書「史記」に、徐福は不老不死の霊薬が日本にあると言って、それを求めて日本に渡ったとの記述があることから、日本には北から南まで、「徐福が訪れた」との伝説を持つ地がいくつもあるのだが、徐福が出発した港は杭州にあるので、潮流の関係上、もし日本に来たなら川内あたりが一番妥当ではあろう。
なお徐福については、単なる詐欺師であった、という評価が古来より定まっているが、それから2000年以上が経ったのち、日本ではiPS細胞という不老不死に結び付く技術が開発されたわけであり、もしかしたら予知能力があった人だったのかもしれず、来るのがあまりに早すぎたのでは、などと敢えて言ってみる。
【冠嶽神社】

冠嶽には、いろいろと登山口があるのだが、とりあえず冠嶽神社からふるさと林道を使っていくことにする。
神社は、紅葉の盛りであった。
【ガイドマップ】

神社にあるガイドマップを見て、コースを考える。
ふるさと林道を歩いて、徐福公園に行き、鎮国神社経由で冠嶽に登ってみよう。
【ふるさと林道】

神社を少し上がったところで、道は二手に分かれて、こちらの上のほうがふるさと林道、なんだけど、この道が冠嶽に向かっている雰囲気がなかったため、間違って下のほうの道を私は行ってしまった。
【林道】


この道は少し下ったのち、舗装していない林道となり、冠嶽にも向かっているので、そのまま歩いて行った。
しかししばらくして、道は荒れ果て、ほとんど廃道と化していた。方向的には正しいので、しょうがないのでガレ場を歩いて、やがてふるさと林道に合流。
【ふるさと林道】

結局、先に行かなかった道とここで合流。
道路脇には楓の樹が植えられており、あと一週ほどすれば紅葉の旬のようであった。
【徐福公園】

徐福公園に着くと、ここにはひときわ目立つ大きな徐福の立像が。
バックには冠嶽がそびえ、いい構図である。
【鎮国寺へ】

徐福公園からは、鎮国寺への階段があり、ここを登って行く。
【鎮国寺参道】

階段が終わると道はゆるやかになり、杉林のなかを歩く。
【鎮国寺】

鎮国寺境内は紅葉の盛りであった。この奥に冠嶽が見え、ここもいい構図である。
【登山口】

鎮国寺からはしばし舗装路を歩き、そして登山道へ入る。
【登山道】

冠嶽に到る登山道はよく整備されていた。
【冠嶽山頂】


やがて冠嶽山頂へ。
展望のきいた山頂であり、周囲をよく見渡せる。しかし本日は空気が霞んでおり、海や甑島はよく見ることができなかった。
そして見下ろすと、さっき行った徐福公園が真下に見え、そしてあの大きな徐福像がとても小さく見える。
【登山道】

山頂から経塚によって、それから材木岳を目指す。
【材木岳行者堂】


煙草神社への分岐を過ぎてしばらくすると、材木岳行者堂。
ここからの見晴らしもよく、そして冠嶽山容の全体像が見える。けっこう複雑な地形の山である。
【材木岳山頂?】

行者堂から材木岳山頂を目指して上っていったが、それらしきものは見当たらず、そのうち下りとなった。
そうなると、一番高い位置にあった、この岩がいくつか積み重なっているところが山頂なのかな?
【行者堂から】

行者堂から下山となるが、国土地理院の地図を見ると、下山路は行者堂からダイレクトに谷筋で下りるのと、煙草神社への分岐から尾根伝いに下りるのと二つコースがある。
ダイレクトルートのほうが短距離なので、それで下っていったが、どうみても殆ど使われていない、登山道とは思えぬ道であり、そのうちルートが読めなくなってきた。
地図によれば、とにかく下っていけば林道(?)には出るのだが、その林道(?)は地図では途中で途切れており、どうにもその存在が怪しげである。もしこの林道がないなら、そのまま進めばどんどん谷に下って行くことになり、下手するとドツボにはまってしまう。
ここは前進を諦めて、引き返し、煙草神社経由で下っていくことにした。
【地図 @国土地理院】

赤丸で示すのが行者堂。ここから直接下りるルートは、廃道といっていいだろうから、使わないほうがいいです。
【登山道】

煙草神社への登山道は、さきほどのダイレクトルートとは異なり、よく整備された道であった。
【林道分岐】

登山道はやがて、使われなくなった林道へと出た。いちおう林道は存在しており、地図は正しかったわけだ。
【登山道】

煙草神社への登山道は、鎖を張った岩場を行く。
【ふるさと林道との合流点】

煙草神社に寄ったのち、登山道を下っていくと、やがてふるさと林道へと出た。
【冠嶽神社】


ふるさと林道を歩いて、冠嶽神社へと戻った。
ここで神社内を散策して、紅葉を堪能。
全体としては、まだ紅葉は早かったが、それでも所々に盛りの紅葉があり、その美しさを楽しめた山行であった。
