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September 2017の記事

September 23, 2017

重盤岩@津奈木町 & 湯の児温泉@水俣市

 熊本から鹿児島方面に国道3号線を走っていると、途中の津奈木町で国道沿いに見える奇岩「重盤岩」。前から気になっていたのだが、熊本に用事ができたついでに行ってみることにした。

【重盤岩】
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 津奈木町は、九州中央部に横たわる巨大な山塊である九州脊梁山地の、西の海側の端に位置するので、もっぱら山ばかりという地形であるが、その山々のなかで重盤岩のみは、山というより岩の塊という姿であり、とても個性的である。

【つなぎ美術館】
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 津奈木町はアートの町でもあり、町なかにいろいろな美術のオブジェが飾られている。それらを散策しながら楽しめるのも、この町の魅力だ。

【重盤岩眼鏡橋】
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 重盤岩のふもとには、これも熊本名物のアーチ状石橋がある。
 オブジェの奥に見える橋である。
 江戸時代に、熊本には高度な技術のある石工集団がいたので、熊本では各所にこのような美しい橋が造られている。そしてそれらは頑丈だったので今にいたるまで残っている。

【モノレール】
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 重盤岩には、80mほどの高さを登る。
 つなぎ美術館から、モノレールが出ているので、それを使うと楽に登ることができる。

【重盤岩】
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 重盤岩は、下から見ると、岩峰が一個突き出ている、単純な岩山に見えるけど、登ってみると、四方八方に登山道を伸ばした複雑な形をした岩山であった。
 それぞれの道をたどり、そこからの風景を楽しみながら、じっくりと散策した。

【湯の児温泉】
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 重盤岩を散策したのちは、近くにある湯の児温泉に移動。
 歴史あるこの温泉は、小さな湾に、いくつもの温泉宿がある風情ある姿である。

【温泉】
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 今回泊まった宿は、「昇陽館」。
 全室オーシャンビューという、眺めのよい宿である。
 ただし、ここからはどうやっても沈む太陽しか見えないはずなので、この宿の名前には納得がいかなかった。

【湯の児温泉】
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 この宿は、湯の児の豊富な湯をいかして、いろいろな種類の温泉があり、どれも良かった。

【夕食】
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 夕食は温泉宿スタイル。
 刺身、煮物、椀物、焼き物、それらを一挙に持ってきて、あとはセルフサービスというもの。
 こういうのは好きではないが、でもある意味でくつろげるので嫌いではない。海産物のレベルもなかなかのものであった。

 今回、急に思い立って旅行を決め、そこでたまたま空いていた宿を予約したけど、値段のわりにはいい宿だったと思う。特に眺め、温泉は、標準以上のレベルであった。

【湯の児島】
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 湯の児の湾に浮かぶ3つの島。
 最初の橋は、「飛び込み禁止」とか書いているけど、おらんだろそんな人、とか心で突っこんでしまう。

 一番目の島は、小高いところに登り、そこの神社にお参りして、それから次の島へと行く。
 その途中に、「願掛け亀」という大きな亀の石像があり、そこでお賽銭を供えましょう。福々しい亀なので、なにか御利益ありそう。
 この島々は、これ以外にもたくさんの亀の像が設置されているけど、それには理由がある。一つには昔、大きな亀が訪れたという伝説があること。そして、もう一つは第3の島を見晴らすところに、亀に似た岩があること。伝説はともかく、この岩を見ると、その位置と姿が絶妙なので、ここがいかにも「亀の島」という気にさせられる。

【福田農園】
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 湯の児温泉近くには、スペインの文化を伝える「福田農園」がある。
 定期的にフラメンコなどもやっているそうだ。
 今回はそれを見る時間もなかったので、美味しいとの評判のパンをたくさん購入して、それから帰宅した。


 今回、突発的に重盤岩を訪れたけど、植生を見ると、紅葉が多く植えられており、これは10月末から11月にくるとさぞ美しい景色を眺められるだろうなと思った。

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September 19, 2017

映画 エイリアン:コヴェナント@プロメテウス続編

Aliencovenant

 地球上の古代遺跡にかつて異星人が地球を訪問して、人類を創造し、かつ文化を指導したことを示す壁画が発見された。それには異星人の居住している星の位置が描かれており、大企業が神を探すために一兆ドルの予算をかけて最新鋭宇宙船プロメテウス号を造り、星間飛行にてその星を訪れた、というのが前作の「プロメテウス」。

 「我々はどこから来たのか? 我々は何か? 我々はどこに行くのか?」という、人類にとっての最大にして深刻なる難問への解答を、大画面を使った映画による映像美で描出しようという野心作であったが、たしかに映像そのものは素晴らしいものの、脚本に穴がありすぎた問題作であった。
 多大な犠牲を払ってたどりついた星は、目標としていた異星人の母星ではなく、一種の軍事実験基地であり、そしてそこには「神」と目されるエンジニアは一体しか居なくて、しかもそれは高い知性を有する存在とはとても思えない怒りっぽい短慮男でしかなく、人類の歴史初の異星人とのファーストコンタクトはただの諍いになり、その諍いはさらにはエンジニアの船とプロメテウス号の戦闘まで発展し、なにがなにやらわからぬうちにプロメテウス号は破壊され、この人類の英知をかけた「神探索プロジェクト」は、ただの喧嘩っぱやい異星人とのバトルに終わってしまった。

 壮大なる宇宙を舞台とした、哲学的、思索的な劇を見るつもりが、不機嫌な宇宙人との単なる喧嘩をみさせられ閉口した観客には、しかしまだ希望が残されていた。
 プロメテウス号はダメになったが、エンジニアの船は機能しており、それを使って生き残ったプロメテウスのクルーが、そもそもの命題であった謎を解きに、エンジニアの母星に旅立ったのが、「プロメテウス」の幕であった。
 続編では、母星にとどりつくだろうから、そこで本来の劇が見られるであろう。

 さて今回公開された続編の「コヴェナント」は、プロメテウスから約20年後が舞台。コヴェナント号は、2000人の選ばれた人類を乗せて新天地の惑星「オリガ6」へ恒星間宇宙飛行を行っていた。ところがコヴェナント号は途中で故障し、その修理のため乗組員は冷凍睡眠から起こされた。そのさいに近くの惑星から、人類の発したと思われる信号を受信し、その惑星の環境が「オリガ6」よりも人類の生息に適していることも判明。コヴェナント号はその惑星の探査を行う。
 この惑星こそが、前作でプロメテウス号スタッフが向かった「エンジニアの母星」であり、そこで前作で謎のまま終わっていたものが、ここで謎解きされるはずである。

 この謎解きを、前作で欲求不満をかかえたままの観客は、5年かけて待っていたのだから、わくわくしながら観たわけだが、・・・しかし観終わっての感想といえば、「それはないよ、スコット監督」というものであった。

 以下、ネタバレ感想。
     
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 コヴェナント号のクルーが降り立った星は、「植物は生い茂っているが、動物はいっさいいない」死の雰囲気濃厚な星であった。そして話が進むうち、この星にいた知的生命体は全て滅びさっていることが分かる。しかもその知的生命体は、プロメテウス号スタッフが会合することを熱望していた「エンジニア」ではなく、人類同様にエンジニアの造ったらしいものであることも分かる。つまりはここは母星ではなかったのだ。
 こうして前作のテーマであった、「遥かなる空間を旅しての、人類の創造主との会合」、という深遠なる劇は、今回もスルーされ、観客はべつに見たくもないエイリアンと人類のバトルをえんえんと見させられることになる。いやこの映画、題名にエイリアンってついているのだから、エイリアンが出ることに不平を言ってはいかんのだろうが、しかし前作じゃついてなかったし、もとよりエイリアンが主題の映画でもなかったし、なんか納得いかん

 まあそんなわけで、このシリーズ、当初の人類創造のミステリというテーマはもう離れて、エイリアン誕生の謎解きが主体になっているようだ。
 しかしそうだとすると、書けば長くなるので端折るが、エイリアン1とプロメテウスシリーズでは、様々なことで齟齬が生じて、映画全体でまったく整合性がとれなくなるけど、それでいいんだろうか。まさかパラレルワールドということで済ませてしまうつもりなのか。


 ところで、前作の舞台の星から今回の星までのプロメテウス号スタッフ、ショウ博士とアンドロイド デヴィッドの旅は、この映画ではいっさい省かれている。デヴィッドはこの映画での重要人物でもあり、省いていいようなものでもないはずだが、スコット監督も悪いとは思ったようで、そこの部分を描いた特別編が公開されている。

【特別映像】

 この短編、とてもいい、すばらしくよい。
 それこそずらずら並ぶコメント欄にある、「本編より、こっちのほうがずっと出来がよい」というのにいたく同感してしまうほど。

 エンジニアの母星へ向かう旅で、デヴィッドはショウ博士からの、優しい思いやりを受ける。前作では周りの者からモノ扱いされて、根性がねじまがり、性悪アンドロイドとなっていたデヴィッドが、“ I’ve never experienced such compassion. ”とつぶやき、母星で出会うエンジニアがショウ博士のような人だったらよいねと言って、こういう人に会いたいと博士の似顔絵を見せる。そういう「回心」したデヴィッドが、長旅を終えて目的の星に着いたとき、“ Look on my works, ye mighty, and despair! 神よ、私のやったことを見よ、そして絶望せよ!”と言い放って、生物にとっての超毒素である「黒い液体」を上空から撒き散らし、惑星に住む者を全滅させる。まさに悪魔のごとき存在と化している。
 この天使から悪魔への変貌、宇宙船のなかでいったい何があったのか。くわしく描写すればシェイクスピアの悲劇のような絶望に満ちた愛憎劇があったと想定はされるが、それは観客の想像しだいということか。

【「神」を滅ぼすデヴィッド】
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 コヴェナント、前作に引き続き、絵はたいへん美しいものであり、さらなる続編が作成されればぜひ見たいものではあるが、あいかわらず脚本がなあ。
 ハリウッドシステムでは、なにより「売れる脚本」が求められるから、こういう脚本になってしまうのはしかたないのかしれないが、しかしほんとうにこういうのがより支持される脚本なのかねえ? どうにも疑問である。


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 映画 エイリアン:コヴェナント 公式サイト

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September 17, 2017

綾界隈@台風18号到来の宮崎

【9月17日天気図】
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 9月になって涼しくなり、山のシーズン到来というわけで、連休は山登りと温泉で楽しもうと思っていたのだが、そこへ連休を狙ったかのように、大型の台風18号が、進路が不安定なまま九州に向かってきて、予定がまったく立たなくなったので大人しく前半はインドアで過ごしていた。
 そして16日の夜には、台風の進路がはっきりし、17日の午前中に鹿児島上陸ということで予測が立てやすくなった。
 その日は綾町の温泉宿「酒泉の杜 綾陽亭」に予約を入れていた。当たり前のことながら、旅館というものは、当日にキャンセルをするとキャンセル料を取られるのだが、このときは数日前に宿からあり、「台風の場合はキャンセル料はとりませんので、キャンセルされる場合は早めにご連絡お願いします」との電話があり、なかなか出来た宿と思った。
 当日になり、天気図をみて計画をねる。
 まず宮崎では台風は午後に直撃ということになる。そして雨については、前線との関係で県北はひどいことになりそうだが、宮崎市から綾町へのルートはさほどの雨は降らなさそうである。
 それで、午前中にとっとと綾に移動して、台風本番は施設内で迎えるというプランを立てた。「酒泉の杜」は、温泉、ワイナリー、レストラン等のあるリゾート施設なので、チャックインまで充分に時間をつぶせるであろう。

 ということで、いつもより遥かに車の数の少ない10号線を車で走り、11時頃に綾に到着。
 ところが、時間をつぶすはすの予定の酒泉の杜、本日は台風のせいで全施設営業中止となっていた。・・・よく考えれば当たり前なのだが、その可能性についてはすっかり失念していた。反省。

【酒泉の杜】
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 施設の臨時休業とととも、イベントも中止のお知らせ。

【綾陽亭 客室】
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 というわけで、酒泉の杜をぶらぶらして時間を過ごすという計画があっさりと没になったのだが、宿のほうが特例で12時からチェックインさせてくれた。有難きかな。
 広々として、品のよい、快適な部屋である。
 この部屋のソファに寝っ転がり、午後からは嵐の様相になってきた外を眺めながら、読書や音楽で、ゆったりと時を過ごした。

【部屋風呂】
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 部屋風呂も檜の立派なものである。

【大浴場】
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 酒泉の杜の大浴場は、本日は宿泊者専用である。
 得した気分になった。

【夕方】
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 海上にいたころはゆっくりと進んでいた台風ではあったが、九州に上陸してからは速度を上げ、あっというまに当地を過ぎ去り、夕方には晴れ間も見えた。
 連休中の、迷惑千万の邪魔虫であった台風のとりあえずの通過であった。
 ちなみに、飛行機も飛ばす、JRも全区間運休というこの日、宿のキャンセルは2組だけだったそうだ。どうやって遠くから来れたのだろう?と思ってしまうが、台風に慣れた日本人は、旅のやりかたもそれぞれの工夫をもっているようだ。

【夕食】
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 夕食は、宮崎の地元のものをふんだんに使ったもの。
 綾町取れの野菜、茸、日向鶏、地頭鶏、宮崎牛、日向灘の魚、天然鮎、宮崎産の鰻等々、〆はやはり宮崎名物レタス巻き。
 この宿は県外の観光客が訪れることが多いので、そういう人たちにとって満足度の高い料理であろう。もちろん県内の者にとっても、十分に美味しい料理の数々である。

【照葉大吊橋】
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 翌日は台風一過の晴天である。
 それで綾の観光地を散策。
 まずは、一番の名所「綾の大吊橋」。
 原生林の峡谷にかけられた、世界最大規模の長さを高さを持つ、大吊橋。
 足元は一部が網状になっていて、歩いていると高度感抜群である。

【花時計】
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 直径26mという大きな花時計。
 花の時期はとてもきれいなのであるが、少々時期外れであった。

【綾城】
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 綾の町を見下ろす場所にある、ユニークな造形の城。
 ここからの眺めはじつに素晴らしい。


 台風直撃の連休、それなりに充実した休日を過ごすことができた。

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September 10, 2017

西郷どん帰郷の路@鹿川古道再生プロジェクト

【西郷軍敗走路@宮崎県内】
Rute

 西南戦争末期、西郷軍は延岡和田峠で決定的な敗戦を喫し、事ここまでと悟った西郷は、軍の解散令を出した。そこで多くの降伏兵が出て、西郷は残った兵たちを率い、延岡から鹿児島への逃避行を行った。
 主要道路にはもちろん政府軍が待ち構えているので、裏道、山道を通っての行程になる。行く所々で糧食、武器を略奪しながらの行軍であったため、地元の住民にとってははなはだ迷惑な集団であったとは思われるが、なにはともあれ西郷軍は険しい山々を辛酸辛苦の末に突破し、鹿児島城山への帰還に成功した。
 西郷軍は、戦略・戦術等の軍隊そのものの能力には著しく難があったが、サバイバル技術には優れたものがあったようで、彼らは能力の使い方を根本的に間違っていたのでは、と後世の者からは残念に思われている。

 その西郷軍の敗走に使ったルートをざっと上の図に示す。
 これらの道は、今も生活道に使われていたり、登山道に使われていたりもするが、西南戦争から150年近くがたった今、その半ばは廃道になっている。

 ところで近年の歴史ブームの余波からか、宮崎県の地方起こしで、この敗走路を復活させようという活動が数年前から起こり、たとえば日之影から岩戸までは、「天の古道」として復活した。
 それで、チーム大崩でも、大崩山山麓の西郷軍が通ったルート、「鹿川古道(上の地図で赤線の部分)」を整備して復活させようという話が持ち上がり、私もそれに参加してみた。

【西郷隆盛宿陣の跡】
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 上祝子集落に残る、西郷隆盛が泊まった農家の跡。
 ここをもう少し行ったところから、鹿川古道は始まる。

【鹿川古道】
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 鹿川古道は、この川を渡るところから始まる。
 鹿川古道は、かつて上祝子と鹿川が林業で栄えていたころ、人々の往来に使われていた道だったが、人々が去ってしまい、道が使われなくなった今、かつて掛けられていた橋は落ちたままとなっている。

【鹿川古道】
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 林道を少し歩いて、それから山のなかに入って行く。

【鹿川古道】
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 使われなくなった道は、樹々や草で覆われてしまう。
 地道に樹々を切り、草を刈って行く。

【鹿川古道】
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 先頭者が樹々を切ったあと、後続の者がそれらを脇に捨てていって、道が整備されていく。

【展望所】
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 鹿川古道は基本的には茂った林のなかの道なので展望がきかないが、ところどころ展望の利くところがある。
ここはその一つ。
 広ダキ、やかん落とし、大崩山山系の特徴である巨大な花崗岩のスラブを見ることができる。

【鹿川古道】
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 ここらは日当たりがよいせいか、カヤが生い茂って、自然に還ってしまっている。
 ここは刈り払い機にぞんぶんに活躍してもらって、道を切り開いて行く。

【鹿川古道】
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 使用前、使用後という感じで、道が復活している。
 もっともカヤはすぐにまた生えて来るので、人が入り続けないかぎり、この道もやがては自然に戻ってしまう。

【林道】
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 3kmほど進んで、機械用の燃料もなくなってきたので、本日の整備作業は終了。帰りは、古道は使わずに、快適な林道を歩くことにした。

 終点である鹿川越までは、あと半分くらいを残すのみ。あと一回作業を行えば、鹿川古道全行程が復旧できそうである。


【本日の鹿川古道作業区間】
Sisigawa

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September 09, 2017

落水林道@整備後

 大崩山のイベントで、上祝子から鹿川までの廃道を復旧させようというものがあり、天気予報では好天だったので参加してみることにした。
 このイベントの常で、前夜に宴会があるので、それにも当然参加してみることにして、その前には大崩山界隈を散策してみたい。(まだ暑いなか、大崩山に登る気はしないので。)
 それで、昨年に完成した落水林道がその後どうなっているかを見るため、ハイキングすることにした。

【祝子川】
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 大崩山の登山ベース「美人の湯」から、まずは舗装路をスタート。
 最初に祝子川を渡る橋から見る、大崩山の眺め。

【鋸山】
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 林道を登っていき、特徴ある鋸山の姿が見えると、落水林道の入り口も近くである。

【落水林道】
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 落水林道は、以前に林業用に使われていたので、きちんと残っているところは幅も広く、トレランなどに使いやすい道である。

【落水林道】
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 落水林道は、しかし使われなくなって久しく、道は多くの場所で崩壊していて、かつ崩落しているところもあり、「林道」と名はついているけど、ルートファインディングは難しいコースだと思う。
 トレラン目的で来た人とかは、最初はガイド付きで走ったほうがぜったい安心。

【落水林道】
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 昨年、道の馬酔木は全部刈ったはずだが、生命力の強い樹であり、このようにまた元気に生えてきていた。

【落水林道】
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 台風や、大雨で樹々は倒れるのであり、この林道もいくつも倒木のあるのを見つけた。
 やはり普段使われていない道は、荒れる一方なのではある。

【落石場】
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 落水林道を歩き、この平たい落石が被さっているところにくれば、林道もほぼ終点。


 散策を終え、落水林道の状況を、整備管理者のN館長に伝えたところ、自然を相手にする限り、これはこれでいいのであり、整備はずっと必要なので、エンドレスの努力を続けていきましょうとの、たくましい答えが返ってきました。

 まあ、とりあえず、道は使わないと荒れていく一方なので、大崩山が好きな人は登山もふくめ、この林道も散策なりサイクリングなりトレランなり、なにか使っていってほしいなあ、と思う次第であります。

【宴会料理】
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 夜の宴会は、大崩山で獲れた鹿料理に、自家栽培の野菜の数々、それに各自持ち寄りの料理、酒で、深夜まですすむのであった。

【落水林道】
 落水林道:「美人の湯」を起点終点で、総距離16.3km 獲得標高762m
Ochimizu


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September 03, 2017

「天空の船」&レストラン「Festa del mare」@上天草松島

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 念珠岳から下りて、車で30分ほどの位置にある、本日の宿「天空の船」へと向かう。
 この宿は天草のリゾートホテルであり、天草松島の絶景を高台から望みながら、露天風呂に入られるというのが売りの宿であり、残暑の天草登山で汗をたくさんかいた身には、絶好の場にあるホテルといえる。

 そして部屋から見たホテルの本館の姿。
 たしかに、岬の突端から空へと漕ぎ出す、客船のように見え、「天空の船」が見事なネーミングということが分かった。

【露天風呂】
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 オーシャンビューの部屋のテラスのなかにある、掛け流しの露天風呂。
 リクライニングソファもあり、ここでゆったり時を過ごし、日がな、太陽の動きとともに変わる松島の風景を眺めたりすれば、贅沢な時を過ごせるだろうなと思った。

【夕暮れ】
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 天草の海は西に面しているので、サンセットビューが売り物である。
 本日は、大気が澄んでおり、そこまできれいな夕焼けにはならなかったが、それでも沈む夕日に、刻々と色と姿を変えていく、雲や海の姿がとても印象的であった。

【天空の船@夜】
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 ホテル本館は、夜になると、内部かの明かりが自らを美しく照らし、まるで豪華客船のように見え、このホテルの真の姿は夜にあると思った。

 風呂と夕焼けを満喫したあとは、ホテルにあるレストランで夕食。

【前菜】
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 天草の食材を使った盛り合わせ。
 海老の包み揚げ。天草の名物の天草大王のササミのマリネ。甲イカの昆布〆。
 野菜のバーニャカウダ。

【前菜(オプション)】
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 今が旬の天草赤雲丹。甘くて旨い。
 これはオプションメニュー。

【前菜】
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 アワビと天草野菜のガスパチョ。香草添え。

【前菜】
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 トウモロコシのクロカンテ。クルマエビの唐辛子風味。

【パスタ】
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 天草産魚介類とトマトで和えたサルディニア風フレゴパスタ。

【魚料理】
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 有明町産さざえと鮮魚のソティ・新ごぼうのソース。
 鮮魚はイシガキダイ。

【肉料理】
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 阿蘇赤牛の網焼きもろみと、赤ワインソースと夏野菜添え。


 「リゾートホテル」なるものは、サービスが多角的であり、種々のことに手を出さないといけないので、そのどれもが平均的になりがちで、食事も「とりあえず最大公約数的に満足できるようなもの」が出てきがちなのだが、このディナーを食べてちょっと驚いた。
 本格的なイタリア料理である。
 もちろん素材は地元のものを主に使っているけど、組み立て、調理法は、じつに真っ当なイタリア料理であり、都市部の専門店で十分に通用するレベルのものである。
 こういう地方の観光地で、しかも多数の客を相手にする観光ホテルで、このような本格的かつ真摯なイタリアンを食べられて、イタリア料理好きの私としてはとても感心した。さらに、ワイン揃えも立派なものであり、それもまた驚きであった。

 海産物、野菜の豊富な天草は、それを利用した美味しい店が多いけれど、基本的には新鮮な素材勝負な店が主体であり、そのなかでこのように、素材をうまく生かして、イタリア料理に昇華できる腕を持つシェフのいるレストランがあることは、天草にとって、じつに良いことだと思った。

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September 02, 2017

登山:念珠岳@上天草観海アルプス

【念珠岳登山地図】
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 昨年から唐突に開始している夏の天草登山シリーズ。今回は、天草観海アルプス最高峰の念珠岳である。
 この山は調べてみると、たくさんの登山ルートを持っている。そのなかでは観海アルプスの自然歩道を使うのが、稜線歩きが長く、一番眺めがよさそうだ。それで、そのルートを使うことにした。登山コースについては、「熊本県の山@山と渓谷社」の念珠岳に載っているもの使うことにした。

【二弁当峠】
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 このコースは登山口と下山するところが離れているので、まずは二弁当峠に車を止め、そこから自転車で下貫まで移動して、そこから登ることにした。

【下貫】
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 下貫は、龍ヶ岳への登山口でもある。
 この舗装路を8kmほど歩いて、歩道に入る必要がある。
 アスファルトの照り返しによる暑さを覚悟したが、山のなかに入ると木陰が多くて、意外と暑くはなかった。

【観海アルプス】
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 一回目の峠を過ぎると、本日歩く観海アルプスの稜線が見えてくる。
 標高は500m程度と低いけれども、恰好はよい山々である。

【登山口】
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 舗装路を登って行き、2度目の峠みたいなところが、念珠岳への登山道入り口。
 今の時期は、あまり使われていないようで、夏草が道を隠していた。

【登山道】
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 しばらく歩くと、道は広くなる。
 この登山道、しばしばササクサが茂っており、種が服にたくさんくっつくので苦労した。

【稜線】
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 登山口から15分ほど登ったら、この稜線に出る。
 ここからが九州自然歩道であり、500mごとに標識が設置されていた。

【烏帽子岳】
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 念珠岳の稜線ラインは、いくつものコブがあったが、大きいものは3つであり、その最初の一つが烏帽子岳。
 ここは登らず、そのまま巻道を行った。

【念珠岳へ】
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 いくつも軽いアップダウンを行くうち、念珠岳への登り口に到着。
 ここからは急傾斜を登っていく。

【念珠岳】
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 そして念珠岳山頂に到着。
 この山頂は木々が伐採されていて、とても展望がよい。
 天草の山々や、静かな内海の八代海、複雑な海岸線を持つ天草の海岸線、そして港町、素晴らしい眺めが広がっている。

【登山道】
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 念珠岳からの自然歩道は、稜線から少し離れ、アップダウンの少ない緩やかな道となる。

【二弁当峠旧分岐】
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 やがて登山道は二弁当峠への旧分岐に出る。
 地図を見ると九州自然歩道のほうは舗装路に出て相当歩いて二弁当峠に着くの対し、この旧道を使うとほぼダイレクトに二弁当峠に出ることになっている。
 舗装路をだらだら歩くのもつまらないので、ここで自然歩道から離れ旧道を下っていくことにした。

【登山道】
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 この旧道、ほとんど使われていないらしく、標識も赤テープもまったくない、整備のされていない道であった。そして進むうち、道が不明瞭になり、はたして道なのか、それとも雨で崩れた跡なのか分からなくなってきた。
 それで地図をみて調べると、どうやら分岐点から少し入ったところで、正規の尾根の一つ手前の枝尾根に入ってしまったようであった。
 ただ、地図からすると、ここは下ってさえいけば、道路のどこかに必ず出るので、そのまま下っていくことにした。

 そして道らしきものは、ついになくなってしまい、前方向はすべて藪というところに出てしまった。藪こぎはイヤなので、横と斜め方向に藪をさけて下っていき、やっと道路へと出た。
 出たのはいいが、そこはコンクリで固めた法面であった。つまり崖である。登山道を外れて下山すると、だいたいこういうことが生じるのは一種のお約束ごとではある。いわゆるマーフィの法則というやつか。

 とにかくその崖を観察すると、20mくらい横で崖が切れていたので、結局藪を突破してそこから道路に脱出した。

【コンクリ法面】
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 この写真の、ちょうど真ん中あたりで、私がひょっこり顔を出したわけである。
 傾斜のある山での、この手のコンクリの崖、下手をすると延々100m以上続くこともあるのだが、小規模なものでよかった。

【登山道入り口】
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 こうして予定していたとこよりも、かなり上の道路に出たせいで、登山口まで10分ほど歩くことになった。
 そして、二弁当峠近傍にあった、正しい旧道の入り口を見つけた。
 ここもそうとう使われていないらしく、標識は茫々に茂る草になかば覆われていた。

 なにはともあれ、登山口に着き、そして自転車の回収に下貫に行って、登山は終了。
 好天のもと、天草の自然を楽しめた山行であった。


Photo

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