遥かなるモン・サン=ミッシェル 2日目
モン・サン=ミッシェル二日目。
日の出時刻前にホテルを出発。雲がどんよりとたちこめ、これは日の出は期待できそうにない。
早朝ゆえ、昼間は観光客、シャトルバス、馬車でにぎわう橋は、ほとんど人がいない。
東の空を眺めながら歩いたが、日の出の時刻を過ぎても朝日は雲のなかであった。
モン・サン=ミッシェル、観光客はいないけれど、この時刻には島内の施設のために、多くの荷物、商品が運び込まれているようであった。
入り口。閑散としている。
跳ね橋を持つ、「王の門」。
その手前左手にあるのが、ジャンボオムレツで有名なレストラン「ラ・メール・プラール」。
土産屋やレストランが立ち並び、昼間は人で混雑しているグランドゥ・リュも早朝は静かな通りである。
この通りはとても狭く、そのわりには店が多いので、荷物はどうやって運んでいるのだろうと誰でも思うだろうが、その正解はこの写真。
入り口に止めた車から、電動の軽フォークリフトで運び入れているのであった。
北の塔から東の空を眺める。ついに太陽は、その姿を見せそうにない。
北の塔から修道院を見る。
晴れていれば、朝日の染まる修道院の姿を見ることができたのだが、残念。
修道院入り口の手前で引き返し、ホテルに戻って朝食をとり、それから修道院の開いている時刻に出なおした。
昼間になると、グランドゥ・リュは人で賑わっている。
ここを歩く気もしないので、王の門からすぐ右手の迂回路を使って北の塔経由で修道院へと行った。
修道院に入ったのちは、「西のテラス」と呼ばれる展望所からの眺めがたいへん素晴らしい。西方向の広々たる海と大地を眺めることができる。
礼拝堂にはこの地に聖堂を建てよと命じた天使ミカエルの像が祀られている。
モン・サン=ミッシェル名物の美しい庭園は工事中であった。なんでもこの下の部屋が雨漏りするのでそれの対策だそうだ。
ここはなにしろ古い建物なので、あちらこちら修復中であった。
伝説によると、天使ミカエルはこの地に聖堂を建てさせようと、この地の司教オベールの夢元に現れそう命じたそうだ。しかし司教はそれを単なる夢と思い、何度ミカエルが現れても無視していた。業を煮やしたミカエルは夢に出たついでに、司教の頭を指でつつき頭蓋骨に穴を開けるという過激な手段に出た。畏れおののいた司教はあわてて島に聖堂を造り、それがモン・サン=ミッシェルの起源とされる。
このレリーフはその光景を描いたもの。
なお、オベール司教は重傷を負いながら生命は大丈夫だったようで、神につかえる人生を全うしたのちはサン・ジェルヴェ教会に葬られ、彼の穴の開いた頭蓋骨は聖遺物として公開されている。
モン・サン=ミッシェルは、聖堂、修道院、城塞、牢獄と、時代によっていろいろな使い方をされた複雑な歴史を持つ。牢獄時代は2万人近くの人が住んでいたそうで、大量の荷物の運搬が必要となり、大車輪を上階で回して、この通路を使って荷物を揚げていたそうだ。
「海に浮かぶモン・サン=ミッシェル」というのを見てみたかったが、今回はその機会はなかった。でも、潮が引いているので周りを歩くことができたので、しばし干潟を散策。
モン・サン=ミッシェル橋から見た姿が正面像として有名だが、違うところからの眺めもまた趣があってよい。
島からは小さな岬のように海に突き出た磯が何ケ所かあり、それぞれにまるで砦のように塔や協会が建てられている。そのうちの一つがサントベール協会。
ここまで行ったのち潮が満ちて来て、それ以上行けなくなり島一周散策は諦め、元の道を引き返した。
島内、修道院、干潟を十分に満喫して橋を引き返す。
そしてモン・サン=ミッシェルを振り返る。
やはり唯一無二の個性ある風景である。
一度は訪れるべきところと思っていたけど、本当に訪れてみてよかったと実感した。
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