フランス料理: Le cinq@パリ
パリ滞在最終日は、レストランLe cinqでランチ。
5年前にパリを訪れたとき、三つ星レストランLedoyenの料理に感心したけど、そのときのフランス料理界のスターシェフChristian Le Squer氏がLe cinqに移ってきたそうで、かの名シェフの料理を期待しての訪問である。
アミューズブッシュは、一口大のジンジャー味のシャンパンゼリー。これって、Ledoyenでも出て来た料理であり、シェフの得意料理だったんだ。
口になかにいれると、ふるっと震えて、それから弾けた。それと同時に、前に食べたときの感覚もよみがえった。
焼いたアーティチョーク。タイム、トマトのスープに、香草。
それぞれの素材の香りが軽やか、かつ鮮やかである。
「現代のパリスタイルの玉葱グラタン」という、なんだかよく分からないネーミングの料理。これ一目、松露みたいに見えるけど、じつは小玉葱で、そして焼かれた玉葱は外側だけであり、なかにはクリーム状のオニオンスープが入ったグラタン仕立て。
カラっとした玉葱をかじると、なかから熱いスープがこぼれて来る面白い食感。そして玉葱もスープも味は豊かであり、そして甘み、苦み、塩味、それぞれのバランスが絶妙である。
名シェフの腕が存分にふるわれている。
真鯛を焼いたものに、トマトとジンジャーのソース。
フランスでの魚料理は、魚の素材そのものがピンとこない印象を私は持っているけど、この鯛は見事。仕入れ、仕込みがうまくいっている。さらにあっさり系のスープがさらに鯛の味を引き立ていて、素材のよさをよく演出している。
全体が黒い、見た目へんな料理。
素材が「黒米とブータンノワール」なので、黒くなるのは当たり前なのだが、あまり食欲をそそる外観ではない。 しかし口に入れてみると、食感といい、味の広がりといい、ブータンノワールと黒米の相性といい、まさに完璧に近い出来。
フランス料理の、もう一つの華である。デザート料理。
今までの料理でけっこうな量があったが、デザートは別腹ということで、この美しく、また鮮やかな香りの料理をいただく。
Le cinqの料理は、コテコテのクラシックなフランス料理と異なり、和食的な引き算の方法も用いた、優雅にして繊細な料理。素材がよく、それぞれのバランスもまたよく、食べていて驚きと新しさも感じることができる。
パリをまた訪れたときは、是非とも再訪したい、とても美味しいレストランであった。
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