フランス料理: 114 faubourg@パリ
114フォーブル。パリの中心街の瀟洒なホテル「ル・ブリストル」のなかにあるカジュアルなフレンチレストラン、またはブラッスリーともいう。
ブラッスリーということで、気軽な気持ちで訪れたら、入り口は高級ホテルの玄関なので、ちょっと緊張してしまった。
とりあえずフロントで「114 faubourに予約しています」と言うと、スタッフがにこやかに笑みを浮かべて案内してくれます。
レストランはこんな感じ。
室内の壁の絵や調度品はいい感じで気軽であり、リラックスして食事を楽しめる。スタッフの方たちのサービスもたいへんフレンドリーであった。
このレストランのディナーはコースはなく、アラカルトのみ。
それらの一品ごとの量が分からないので、とりあえず前菜2+メイン1で組むことにして、最初はこの店の名物料理である「King crab eggs, ginger and lemon mayonnaise」から。
この料理、写真でしか事前情報はなく、卵と蟹を和えてそれを卵に入れたものと思っていたけど、いざ目の前に来たら、この卵は陶製の容器なのであった。
卵容器は小さめの鶏卵サイズ。そのなかにタラバ蟹の身とマヨネーズを和えて、そして3つの器ごとに違う香草を載せて変化をつけている。
濃厚なタラバ蟹の味がまず良く、それにマヨネーズを追加し、さらに重層的な味にしている。美味しいけど、蟹+マヨネーズって、強すぎる組みあわせであり、3つ食うと途中で飽きて来た。隣の組は、一人につきこの料理を卵一個分のみ注文していたから、「なるほど、そういう頼み方があったんだ」と感心、今度来る機会があればそうしようと思った。
次の前菜は、「Artichoke soup with pan-seared foie gras, black truffle emulsion」。
私が海外のレストランで特に興味があるのは、キャビアやフォアグラ、トリュフといった高級食材の使い方。日本だと、この手の食材は、「高級」という印象のみ先走った、なんだかそれだけがとんがっている変な料理にでくわすことが多いのだけど、(特に和食系)、前回パリに来たときに、これらの食材の醍醐味を知ることができたので、今回もそれに期待。
そしてその期待にそぐわぬ見事な料理。軽く熱を入れたフォアグラは豊かな味で、香ばしいトリュフと、まろやかな乳化アーティーチョークのスープがあわさり、じつに豊穣な味わいの料理となっている。一口、二口、とその世界にひきこまれる。
ただ、豊かなのはいいが、おしむらくは味付けに塩が効きすぎていて、五口目くらいからはけっこうきつかった。 あっさり系の味を好む人には、少々つらい料理かも。
メインの魚料理は、「Fillet of Sea Bass softly baked, cockles cooked with seaweed butter, “charlotte” potatoes」。
前菜2品がけっこう腹に来たので、メインは「ライトな魚料理をお願いします」といったところ、この料理を勧められた。
鱸を焼いたものに、海藻バターで炒めたコックル(ザル貝)とシャーロットポテトと野菜を和えたもの。見た目美しく、魚にかけられたソースもじつに手の込んだ豊かにして豊穣な味わい。
たいへんに美味い。
ただ、フランスでの料理全体に思えたのだけど、主役の魚の味がどうもピンとこない。
サイズといい、食感といい、良い鱸を使っているのは間違いないのだけど、日本の白身魚の淡泊だけど複雑な味わいに慣れていると、どうもソースで無理やり美味くしているという印象がしてしまう。
おそらくは、獲ったあとすぐからの魚の処理が日本と違うからなんだろうけど、それからすると日本の漁業文化(特に漁師さんたちの技)の奥深さに改めて感心してしまう。
などと、少々気になったポイントも書いたけど、全体的には、日本では食べられない、パリならではの素晴らしい料理をとても楽しめたディナーであった
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