雲仙のミヤマキリシマ&小浜のジャカランタ
ミヤマキリシマの季節到来である。
この時期は梅雨前線のせいで、天候が悪いことが多いのだが、今年はまだ梅雨前線の北上が遅く、5月の最終末は高気圧が九州を覆い、好天の予報である。
九州にはミヤマキリシマの咲く山は多かれど、今が旬の山は雲仙のようだったので、雲仙へとでかけてみよう。
また下山後は、小浜温泉に寄り、そろそろ咲くであろうジャカランタもあわせて楽しむ予定とした。
池原登山口から登山開始。
ここはツツジが多く植えられているけれど、もう花の時期は終わりに近かった。
今日は天気が良すぎて、日が痛いほどであったが、しばし歩くと林のなかの道となって日陰となり助かった。
登山口はいったん仁田峠へと出る。
ここもミヤマキリシマの名所。たくさんの車も止まっていた。
妙見岳に登り、国見岳を見ると、見事にミヤマキリシマが咲き誇っていた。
雲仙の三岳のなか、どの山もミヤマキリシマは生えているのだけど、国見岳は量・質ともに、他の山を圧倒していた。
国見岳に近づくにつれ、ピンクの花々がよく見えてくる。
国見岳のミヤマキリシマは、群落を作っている九重とは違って、他の灌木とともに生えているので、初夏の濃い緑との色の対照が独自の景観をつくっている。
国見岳山頂から普賢岳と平成新山を眺める。
あまりミヤマキリシマは咲いていないようだが、ここから見えないクレーターのなかの咲き具合に期待して、普賢岳へと向かう。
平成新山へと着けば、ミヤマキリシマはぽつぽつと咲いている程度。
以前の噴火でここらの植生はいったん全滅したはずだが、それでも新たな灌木はしっかりと生えていて、そして平成新山の瓦礫にも、うっすらと植物が覆い、そのなかには小さなミヤマキリシマの株もいくつかあって、ピンクの花を咲かせている。
自然の回復力には感心させられる。
普賢岳方面のクレーターは、ヒカゲツツジの群落があるのだが、さすがにもう終わっていて、花は一輪も残っていなかった。
それでもこの濃い新緑は見事なものである。
この標識を少し登れば、普賢岳山頂である。
しかし本日は狭い山頂に人がいっぱいなのが、どこからで見えていたので、今回はパスして下山。
仁田峠に到着。
今日は天気がよく、ミヤマキリシマのピンクに加え、生命感あふれる新緑、そして澄み切った空の青さを存分に楽しめた。
下山後は小浜温泉へと。
小浜温泉は町じゅう、もうもうと湯煙が立ち、海からも海底からわく温泉で湯気が立つ、湯量豊富なところであり、風呂も当然源泉かけ流しである。
雲仙温泉郷も良いところだが、小浜温泉もとても良い温泉地である。
小浜名物は温泉に加え、街道にずらりと並ぶジャカランタ。
6月からが旬の花なのであるが、5月下旬ではさすがにまだ花はわずかしか咲いていなかった。
ミヤマキリシマ、ジャカランタと二つの名花を同時に楽しむのはやはり無理だったか。