登山:晩秋の英彦山
12月になり、もう紅葉は散っているであろう晩秋の英彦山を訪れることにした。
天気はみごとに晴れて、いい登山日和である。
別所駐車場からしばし舗装路を歩いたのち、中宮への石段が続く参道を登って行く。
杉林が続くうち、高度を越えたあたりから自然林もちらほら現れ、そして葉はもう落ちていた。
こういった石段、あるいは石段もどきの道を登って行くと、山頂にたどり着く。
中岳から山頂公園を望む。
今日は天気のよい登山日和なので、登山者でにぎわっていた。
英彦山はよく整備された登りやすい山なので、ここら周辺の人たちの憩いの山となっているようだ。
前回は鬼杉コースで南岳経由で中岳に登ったので、今回は北岳経由で下ってみることにしよう。
北岳を越えてしばし高度を下げたのち、鞍部にいたる。ここを下って行けば、そのまま豊前坊に出るが、前に見える小ピークが展望所になっている雰囲気があったので、そこへ寄ってみることにした。
この小ピークは「望雲の頭」という名前がついていた。いかにも展望のよさそうな名前であるが、木立が生い茂っており、展望はよくない。まあ、上の雲は見えるから、名前は間違ってはいないのだが。
ここをもう少し進んでいったら、道は下りとなり、そして薬師峠方面に抜けるという標識があったので、そこで引き返した。
鞍部からはよく整備された道が続く。
鞍部よりしばし下ったところに、柱状節理が。
ここにもかつて阿蘇山の溶岩が迫ってきたのだな。
登山道はやがて葉を落とした樹々の林のなかに入る。
シオジという樹であり、この広大な群落は英彦山の名物である。
登山道を下って行くうち、特徴ある岩峰群が見えて来る。
そして「望雲台まで0.1km」という標識があったので、それに従い寄ってみることにした。
岩峰の間の急傾斜を鎖を使って登って行く。左手の鋭い岩峰が「望雲台」なのだろうか?
鎖を登り切ると、予想と違って道は岩峰には向かわず、右方向へ。
前方に鎖をかけたポールが並んでいるのが見えるので、あれに沿ってさらに登るようである。
先ほど見えていたポールのところに行くと、ここで行きどまっていた。どうやらここが「望雲台」のようだ。しかし、これは「台」ではなく、板あるいは壁だよなあ。なにか表示がおかしいと思いつつ、しかしここからの展望は大変良かった。
すぐ近くには特徴ある山容の鷹巣山が見える。そして本日は好天だったので、豊後灘が水平線までよく見渡せた。
素晴らしい展望を楽しんだのち、望雲台を下りたが、降りたところに巻き道があるのに気付いた。
そこでつらつら思うに、今のところが本当に「望雲台」か疑問に思えて来た。あれは、どう考えても「台」ではない。「台」と名のつくところは平たいスペースがあり、そこで人がくつろげるはずだ。しかし、今のところは人が座るスペースさえないナイフエッジである。
そして巻き道は、左手の小ピークにつながっており、(写真の赤印の岩)、ここがじつは本当の「望雲台」であり、今登ったところはトラップなのではかと思い、その岩に行ってみることにした。
で、岩の基部についたが、手がかり足がかりはそれなりにあるが、・・・こりゃクライミングシューズ履いてないと登れないな。そんなものいちいち持ってきてないので、ここで終了。
それとともに、さっきのところが本当に「望雲台」ということも判明した。
登山道に戻り、下っていくうちホルスタインの像が目立つ豊前坊高住神社に到着し、ここでいちおう登山道は終点となる。
この神社は農耕を祀った社でもあるゆえ、牛の像が奉納されているそうだ。
神社からは、杉林のなかの自然歩道を歩いて、駐車場へ戻って行くのみである。
ゆるやかな下りの、静かな自然歩道をもくもくと歩いて行こう。
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