落水林道整備第ファイナル@大崩山
かつて林業で栄えた大崩山には材木を運びだすための長い林道が麓に通っていたが、林業が寂れるとともに林道は使われなくなり、やがて荒れるにまかされ廃道と化していた。
この廃道を復活させて、サイクリング、トレラン等のアウトドアに使えるようにしようとするプロジェクトが2年前から始まり、細々とした作業の積み重ねが実り、そろそろ開通間近である。
整備の前日は祝子川温泉で宴会。
11月になり猟期となったので、館長が大崩山で獲ってきた鹿、猪が食卓に並ぶ。
鹿肉の唐揚げ、鹿の肝の煮物、鹿の腸の塩焼き、猪のスジ肉おでん風、等々ここでしか食べられない崩山の秋の山の幸の数々。
ちなみにこれらは館長ふるまいの家庭料理といった位置づけの料理であり、祝子川温泉館のレストランの常設メニューではない。経験したいなら、ぜひ交流会へご参加を。
駐車場までは四駆、軽トラで移動し、それからは各自道具を持って移動。
山々は紅葉の時期であり、それなりに美しい。
落水の滝への道での名物、巨大な一枚岩。
これは通行を邪魔しているので、いずれ発破かけて除去すればと提案したが、これがつっかえ棒となってそれ以上の岩の滑落を防止しているかもしれないので、残していたほうがよいであろうとのことであった。
今回の一行にはいろいろといつもと違う分野のメンバーが参加している。
その一人は東京から、地方見学の目的で町役場に来ている若者で、ボルダリングが大好きであり、こういう岩をみると登らずにはいられないとのことである。
違う分野の人たちとして、報道の人も参加していた。
たぶん開通が間近ということがあったからであろう。
向こうでカメラを構えているのは読売新聞の記者である。
相当な距離を歩いたのち、未整備のところに入る。
道に倒れている樹を切って谷に落としたり、道に生え放題の馬酔木を切り払ったり、こういった作業を続けて林道が再び開かれていく。
林道には遊びどころもたっぷり。
ターザンになった気分で遊びましょう。
作業を2kmほど続けたところ、向うのほうから作業していて途中で終えていた地点(赤リボンを目印にしていた)ところに到着。2年間かけて、ようやく林道再開通である。
皆で喜びあい、そしてここで記念撮影。
写真を撮っているのは、主催者、それに取材陣(NHK記者、読売新聞記者)である。
それにしても、宮崎のはるか地方の片隅の、マイナーなイベントにでも取材に来る、マジャーどころのメディアの取材力には感心してしまう。
開通したのちは、元来た道を帰る人と、そのまま行く人に2グループに分かれ、私はそのまま行くほうへと。
ここからの道もまた変化に富んでいて面白い。
ここの、かつては石橋がかかっていたところは橋は崩れ、川を渡渉しないと渡れない。
山慣れしていない人にとってはこういう自然そのものの場所は意外と難しいようで、いま二名のサポートを得て渡渉しているところである。
開通点を過ぎた区間は2年前に整備を終えているので、道は通りやすいはずなのだが、それでも所々樹が倒れていて邪魔になっている。それで、持ってきた道具で樹を切って除去。
・・・林道のメンテナンスって、つまりはエンドレスなのである。
大崩山一帯は、鋸山の南山麓の紅葉がもっとも美しい。去年も良かったけど、今年もなかなかのものであった。 これでもう少し陽が強く射してくれれば、さらに色が映えるはずなのだが。
鋸山は名前の通り、稜線がギザギザの鋸歯状になっているのだが、午後からは雲がわいて、その稜線を隠していた。しかし山の背後に太陽が来ると、薄い雲から日光が、鋸の歯の間から射し、いくつもの日の矢を放つ、神秘的な風景が出現していた。
やがて落水落水林道は車も入れる整備された林道に出る。こういう道は歩いていてあんまり面白くないのだが、今日は美しい紅葉がずっと見られるので歩いていて飽きることがない。
そうして舗装路に出るころ、迎えの四駆がやってきてくれて、そこからは祝子川温泉に車で戻った。
2年間かけての落水林道開通。
これからここでいろいろな遊びが出来るのだろうが、それでも整備したはずのところにまた障害物が出現していたりして、自然を相手に遊ぶには、それなりの努力の継続が必要なのだとも知った一日であった。
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