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November 26, 2016

りょうりや ステファン パンテル@京都市中京区

 フランスの三ツ星レストランで修業した経験を持つフランス人シェフが、奥さんの母国である日本に来て、フランス料理店で働いていたところ、京都の和食を味わっているうちに、その素材、調理法に感銘を受け、和食とフランス料理の融合性に自分の新たな料理の可能性を感じ、そこからインスピレーションを紡ぎだして、創作系フランス料理をつくっている店。
 京都ならではといえる独自の高みにある料理をぞんぶんに味わうことができます。

【Hors-d’oeuvre】
1

 前菜はしめ鯖料理から。
 京都はやっぱりまずはしめ鯖なのである。
 当然ながら普通のしめ鯖ではなく、シャンパンビネガーを使ってしめている。これに柿と祇園豆をあわせて。上にのっているのは生クリームで、それに炙ったピスタチオを散らしている。色どりあざやかで、見た目も、そして食べた味もにぎやかで豊かな料理。

【Hors-d’oeuvre】
2

 この店のスペシャリテ。フォアグラのコンフィ 奈良漬け巻き 南国フルーツソース。
 シェフが奈良漬けを食べたとき、これはフォアグラに合うのではないかと思い、それから創作した料理で、これによってシェフ流の料理がスタートした、記念碑的料理。
 たしかにとても美味。そして、この料理の主役フォアグラの質がとてもよいこともまた特筆ものである。

【Hors-d’oeuvre】
3

 スープは、かぼちゃのポタージュで、中には茸のソテー、トリュフ入りの白いクリームのなかには赤味噌が入っていたりして、非常ににぎやかな料理。

【Hors-d’oeuvre】
4

 ホタテ貝のソテーに、それにいろいろな種類の人参を、様々な料理法で。
 人参はどれも火の入れ方が違っており、それぞれが独自の美味しさを主張していている。

【poisson】
5

 魚料理は甘鯛。やはり京都の魚は甘鯛の若狭焼き、というわけなんだが、大胆にアレンジされている。甘鯛は海老芋を摩り下ろしたものと一緒に焼かれ、たがいに味を高めあってカップリングして出される。そしてその上には、甘鯛のウロコを焼いたものが載せられ、この歯ごたえがまたいい。
 そのまわりに京野菜が、甘鯛で出汁をとったバターソースが配され、ソースとともに食べればこれがすこぶる美味。

【viande】
6

 肉料理は、京都産の豚を焼き、煮、揚げと様々な調理法で、元の素材の旨さを存分に引き出している。

【dessert】
7

 デザートもまたレベルが高い。シェフはパテシィエの経験もあるので、料理全体、とてもレベルの高いものが一貫して楽しめます。


 京都に来ると、日本の和食の最高の地ゆえ、どうしても和食店に行きたくなるけど、これだけ食のレベルの高い地だと、素材の入手、料理人たちの活性等で、その他の料理のレベルも当然引き上げられてくるわけであって、「りょうりや ステファン パンテル」は、そういう京都の食文化の高さに影響されつつ、自分のスタイルを築きあげつつある良店であり、季節の移り変わりとともに幾度も訪れたい店だと、あらためて思った。

【Inspiration サイン】
Signe

 シェフのステファン パンテル氏は、フランスから京都に来て、今の料理に開眼するまでの記録と、それにレストランで出す料理のレシピを著したものをinspirationという書名で出版しており、写真の美しさもあって、素晴らしい良書となっている。
 私はこれを購入しており、そしてパンテル氏にサインしてもらった。
 このサイン、筆書きでなされており、じつに見事。そして、ここまで日本文化に精通しているのかと、感嘆いたしました。

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