無量塔「西の別荘」@改装後
雨のなかの滝&九州遺産巡りのあとは由布院に行き、無量塔に宿泊。
4月の震災では由布院も大きな被害を受けて建物の損壊も多くあったのだが、無量塔は造りが半端なく頑丈なので、どんな地震が来ても壊れようはなく、なんの被害も受けなかったであろうと勝手に思っていた。
しかしながら、無量塔に着くと、「西の別荘」の姿が変わっている。無量塔でさえ無事ではなかったのだ。
いや実際のところ、建物本体はまったく大丈夫だったのだが、しかし屋根の藁ぶきがどっさりと落ちてしまい、それで改修を余議なくされてしまった。
そして、地震後は客の訪問が少なくなってしまったこともあり、そのついでに大幅にリフォームしたとのことである。
メジャーな変更は屋根のチェンジだけかと思ったら、部屋が全く違っている。
ここは畳敷きで床の間もある純和室だったはずだが、洋室になっていた。床から窓から全て総取り換えである。以前の侘び寂びを感じる和室からは、全く変わっており、開放的な雰囲気になっていて、「山のなかの洋荘」という感じ。そしてその他、風呂もまったく新しくなっていて、檜の香りがたいへん香ばしかった。
二階は二部屋続きの寝室であり、その合間の部屋には無量塔の他の棟と違い、付設の美術館同様に美術書が並べている本棚があった。
西の別荘は、東の別荘とともに一軒の棟であり、ここが無量塔の原点である。
無量塔の創設者、藤林氏は由布院の中心地から離れたところにまずこの棟を建て、ここに住み込んで無量塔全体のデザインを考えていたそうで、そのときの構想の助けに熟読していた書が、これらの美術書である。
藤林氏亡きあとも、その思想、構想は受け継がれ、無量塔は進歩を続けている。
一流であるためには、常に新しくなければならない。無量塔のように最初から完成度の高い宿でも、その変わるべき努力を高度の次元で続けていることに、いろいろと感じ入るものがあった。
夕食は大分の地のものを主に使ったもの。
八寸は創作系であり、定番の地鶏鍋、豊後牛の五葷諸味焼きは安定した美味しさ。
いつ来てもその美味さは間違いなく、九州の数ある宿で、やはりこの宿の料理が私は一番好みだな。
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