雨の日は滝&九州遺産巡り
10月も下旬になり紅葉の季節になり、ちらほらと山々の紅葉情報も届いているのだが、せっかくの週末が雨となり、山には登る気がしない。
雨で楽しめるものといえば、滝くらいしかないので、こういうときしかしない滝めぐりをしてみよう。目指す滝を選ぶにあたっては、私が不思議物件のネタ本として愛読している「九州遺産」という本に、いくつかの芸術的建築物が滝とセットとなって載っていたので、その二つ「白水の滝」「沈堕の滝」を訪れることにした。
竹田市の名瀑「白水の滝」。
阿蘇の噴火でつくられた火山岩による崖から、直接水が噴き出て滝となっている。
だからよく見ると、この滝はいくつもの水流が集まって滝を形成していることが分かる。
この滝は二段構えになっており、二段目のほうは先の伏流水の滝を集めて水流が滝となっている。こちらはだから水の流れが太い。
白水の滝の近くにあるのが、この音無井路十二号分水。
写真を見ただけでは何がなんやらよく分からん施設であるが、実物を見ると原理がよく分かる。
竹田という地は水の豊富なところであるが、土地の起伏が激しく、農業用水をまんべんなく引くのが困難な地である。それを解決しようとしたのが、この分水。
円形の真ん中では周囲の地から水をサイホンの原理で汲みだしている。ここから水がどんどん湧いてくる。そしてそこから外の円に水はあふれ、これが三等分され地下に引いている導管によって、三方向に平等に流されている。
造形の面白さもあるが、このダイナミックな水の動きが見ていて飽きず、この分水、一度は見るべき価値あるものだ。
続いて豊後大野に移動し、「沈堕の滝」へ。
この滝も阿蘇の大噴火をベースにして形成された滝であり、幅100mに及ぶ柱状節理の壁に幾筋にも別れた滝が流れる、見事な景観となっている。
この滝はそのままダムの形をしており、そしてじっさいにダムとして使われていたので、滝の上部に堰堤が築かれており、それゆえ人工物+天然物のハイブリッドとなったユニークな景観をみせている。
沈堕の滝は発電施設として使われており、それで滝の下部に石造りの発電所が造られていた。
明治時代の建築物で、石積みの壁面にアーチが並んでおり、廃墟と化した今ではなにやら神殿風の雰囲気もある。内部に入ることもでき、そこでは蔦が生い茂り、廃墟マニアとかにはとてもうけるような、いい廃墟っぷりである。
「九州遺産」には、たくさんの訪れたい建築物が載っており、そしてそのなかには先の地震で崩壊したものや、もう撤去されたものがあり、これらがまだ残っているうちに、処々訪れてみたいものだと改めて思った。
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