大崩山のササユリ&オオヤマレンゲ
梅雨の時期は、大崩山はササユリが見ごろとなる。
それは知っていたが、雨のなかを大崩山に登る気もせず、だから滅多にササユリを見ることはなかったけど、今回、土曜日だけ梅雨のあいまに好天となったので、ササユリ見物に大崩山に登ってみた。
大崩山登山のルートは、眺望を主体とするとワク塚→坊主尾根が本筋であり、逆に回ると、大崩山の魅力がだいぶと減じてしまうのだが、今回はササユリが目的である。
ササユリは坊主尾根に多く咲いているので、坊主尾根から登ることにした。
坊主尾根は山荘前から渡渉する。この渡渉部、普段は川から頭を出している岩を適当に選んで渡ればいいのだが、本日は今までの雨により川の水量が増しており、適度な渡渉ルートが見つからない。
これは靴脱いで渡らないと無理かなあと思ったが、いろいろ観察すると、唯一岩伝いに渡れるルートを見つけ、そこを渡って渡渉。
ササユリは、坊主岩を越えたくらいの高さから自生している。
立ちどまって崖を観察すると、あちこちにピンクの花をつけているササユリの姿を見ることができた。
大崩山のササユリは、登山道沿いに咲いているものも多く、大半は花の時期が終わっていたが、それでも今が花の盛りのものもあり、艶々したピンクの花がとても美しい。
一輪咲きのものもあり、二輪つけているものもあり、集団で咲いているものもあり、坊主尾根から象岩までは、そういうササユリの饗宴を楽しめる。
美しいササユリと、それに美しい岩峰を持つ大崩山が被写体にあるところなので、両者が収まるポイントはないかなあと思いつつの山行であったが、そういうところはなかった。
とりあえず、象岩とササユリのツーショットだが、ササユリが小さすぎて、あんまりいい写真でないなあ。
そして上ワク塚に着くと、トレランリーダーのNさんが休憩しているところに遭遇。
やはりササユリ目当てに登山に来ていたそうだ。
そしてNさんによれば、ワク塚で引き返していた登山者が、「帰りはオオヤマレンゲ目当てに稜線下の迂回路を行く」と言っていたとのこと。
へ~、大崩山にオオヤマレンゲがあるんですか、とかの話になり、私も下山路は稜線を行かずに、迂回路を通ることにした。
そして上ワク塚から高度を下げていき、最初のハシゴが見えるところで、迂回路と中ワク塚への稜線ルートに分かれるのだが、私は迂回路を選択。
そうすると、ほんのすぐのところにオオヤマレンゲの樹がいくつもあり、しっかりと花を咲かせていた。
山の貴婦人と称されるように、白いドレスをまとったような、艶やかで可憐な花である。
オオヤマレンゲの樹は、中ワク塚の分岐から下ワク塚の分岐までの迂回路に、いくつもあった。
ただ、下ワク塚への分岐からは、もう一本もなかった。非常に限局して生えているようである。
そういうわけで、大崩山のオオヤマレンゲは人に知られていないんだろうなあ。
大崩山のシンボルである、下ワク塚の雄姿。
今回は袖ダキに寄らないので、乳房岩に登ってからの眺めである。
袖ダキは、登山者がいっぱいであった。
登山道には、崖の崩れたところに、ササユリの芽がいくつも芽吹いているところがあった。
ササユリは成長の遅い植物であり、これらが花を咲かすまでは相当の年月がかかるのであるが、なんとか無事に育って、見事な群落になってもらいたいものである。
ところで下山中に、登山者一行から、ワク塚渡渉からすぐのロープの岩のところに、アシナガバチが群れており、自分たちはそれに刺されたので用心してくださいとの忠告を受けた。
それゆえ、今回の登山ではここは最もデンジャラスな所と覚悟して、この岩に近づいたときは相当に警戒したのであるが、私が通ったときは、ハチのたぐいはいず、ほっとした。
なにはともあれ、山は常に細心の用心をせねばならない。
良いものに対しても、悪いものに対しても。
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