右田ケ岳@防府市
高速道路山陽道を走っていると、山口県の防府西ICを過ぎたころから、山側に白い岩肌をみせる山々がいくつも立ち並んでおり、以前から気になっていた。
今回、中国地方登山シリーズのなかで、そのうちの一つを登ることにし、それらの山群の主峰である、右田ケ岳を選んでみた。
右田ケ岳の全貌は、右田ケ岳小学校横から見る姿が分かりやすい。
左側から連なる凹凸のスカイラインに沿って歩き、頂上を目指すのである。
見てわかる通り、花崗岩の巨大な岩塔をいくつも空に突き上げた、険しい形の山だ。
右田ケ岳の登山口は、天徳寺から。
まるでこの寺の御本尊のように、正面に峻厳たる岩山が屹立している。
山門をくぐり、石段にしたがって歩くうち展望の開ける場所に出る。
石灯籠の奥に防府の街並みが広がる。
右田ケ岳は花崗岩から成る岩山であり、まともに行っては登ることが困難な山である。
それで岩を穿って、階段を造ったり、トンネルみたいに岩を掘ったりして、登山道が築きあげられている。
この山は岩山であるので、岩稜帯では樹は高くなく、ふり返ればいつでも、防府の街、そして高度を上げれば瀬戸内海まで、一望することができる。
この登山道はいくつもピークがあり、最初のピーク、石船山を越えると、右田ケ岳の山頂が見えて来る。
登山口にお寺があることから分かるように、この山は信仰の対象なのでもあり、山のいたるところの花崗岩に観音像が彫られている。
どれも芸術性が高く、見ごたえがある。
山頂に近づくにつれ、道の傾斜は険しくなるが、岩そのものはしっかりしているので、岩を踏みしめ登っていこう。
右田ケ岳は双耳峰になっており、いったん西側の峰に登ってそれから少し下って、本峰にいたる。
風に翻る日章旗がお迎えである。
山頂からは、今までのルートから振りかえって見えて来た市街地と瀬戸内海が見えるが、最高の高さから見る眺めがやはり一番よい。
山頂からはそのまま進めば、周回する下山路に入れる。
下山路は、瀬戸内海側を見ながらの下りで、とても眺めがよい。
そして、ところどころ、岩と樹々でつくられた庭園のようなスポットがあり、それがとても趣がある。
高度を下げると、道は自然林のなかにはいり、このなかをしばし歩くと舗装路に出て、元に登山口に戻った。
右田ケ岳は、花崗岩の岩を積み重ね、いたるところに巨岩、奇岩がある、見処多き山である。そしてそこに登山道を通しているので、登山全体がアスレチックフィールドみたいになっており、登っていてたいへん楽しい。
この山は地元に人に愛されており、山道の整備が行き届いていたが、その理由もよく分かる魅力あふれる山であった。
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