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May 08, 2016

映画:レヴェナント

Revenant


 あらゆる栄光を獲得した大スターが、ただ一つ手に入れていないものーアカデミー主演男優賞を獲るために、過酷な撮影状況のもと、おのれの身体をはって命がけの演技をする、ド根性映画。ここまでやってオスカー獲れなかったら、あとはどうすりゃいいんだ、と誰にも思わせる説得力に満ちている。

 この映画は、「レヴェナント」という優れた映画を観ると同時に、「ディカプリオを題材としたディカプリオ主演のオスカー獲得劇」という映画も楽しめる、二層構造をもったユニークなものである。

 もっともディカプリオがオスカーのために悪目立ちしているかといえば、そういうことはなく、もちろん目立つことは大変目だっているのだが、あの鬼気迫る演技の数々は、極限状態に陥り、そこから奇跡的な復活を果たすという、「極端な男」を演じるには不可欠のものであり、ディカプリオの演技力なくしては、この主人公は造形できなかったであろう。

 あらすじ。
 1800年代の北米。ロッキーの山中で動物を狩り毛皮を集めていた毛皮商人一行が、原住民に襲われ逃避行に入る。そのとき灰色熊に襲われ瀕死の重傷を被った猟師グラスは、一行の足手まといになることから、死の看取りおよび埋葬用に3人をつけてそこに残される。グラスは高熱を出しており、もう間もない命と思われ、原住民が近くに迫っているであろうこともあり、3人のうちの一人ジョンが、てっとり早くグラスを殺そうとしたが、それを見たグラスの息子が反対し、グラスの息子はグラスの目の前で殺されてしまう。そしてグラスはそこに半ば埋葬されたようなかたち、極寒の荒野に一人残されてしまった。
 すぐにでも死ぬと思われていたグラスであるが、そういう目にあったために、強靭な精神力を発揮し、折れた足を引きずりながら、ジョンへの復讐のため生還の地を目指す。

 ……………

 灰色熊に無数の傷をつけられ、さらには咽も裂かれているので飲水もまたできない、しかも足は解放骨折しているのでまともに歩くこともできない。こんなもの、感染症ですぐ敗血症起こして死んでしまうわいとか思ってしまうのであるが、でもこの映画は実話を元にしているのであり、だからこそ、実在のグラスは「レヴェナント(revenant)蘇りし者」と呼ばれたわけで、世の中、信じられぬほど逞しい生命力を持っている人がいるのである。

 ともかく、グラスの壮絶なるサバイバル劇は、まあやりたい放題であって、たいへん迫力ある。そこまでやるか、という場面もいくつもあり、究極の努力をなさねば生き残ることは出来ない、その厳しさが迫って来る。

 そしてグラスの生きるための努力を主筋に、そのグラスを脅かす過酷なロッキーの自然。これが、もうじつにじつに美しい。
 鋭い針葉樹の森、白く広がる大雪原、雪をまとった峻厳たる岩山、凍れる河、これこそ映像美という光景がふんだんに現れ、映画館でみる映画の醍醐味を存分に教えてくれる。


 ディカプリオのオスカー獲得がまずは有名な映画であるが、筋もよいし、脇役の出来も非常によく、そして抜群の映像美。
 見事な名作であった。


 …………………………………

 レヴェナント →公式サイト

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