旅館:美保館@美保関
かつて海の交通の要所として栄えた美保関は、いくつも遊郭が立ち並ぶような華やかな街だったのであるが、だんだんと寂れていき、今は観光と漁業の町になっている。
その美保関のなかに、かつて栄えたときの名残を残す建物がいくつかあって、それらは国の登録文化財となっている。
美保館はそのうちの一つであり、本館は、宿全体の朝食会場として使われており、全体も見物することができる。
華やかな催しものが出来そうな、豪奢なつくりであり、昭和の古き良き時代を思わせる建物である。
美保館は、本館のほうはもう旅館としては使われておらず、美保港に臨むビルが真間として宿泊施設となっている。
ただし、もう一軒、本館の真向かいに旧館があり、そこが一組宿泊することができる。
ここは、「文化財に泊まれる宿」として有名であり、ネットで検索すると空いていたので、そこに泊まってみた。
本館同様、じつにレトロかつ重厚であり、この無駄―というか贅沢な空間の使いかたが、それが自然に演出されていることから、部屋に入ったときにタイムスリップしたような、懐かしい感じを受けることができる。
ただし、この建物は路地にある旅館ゆえ、窓からの風景は美保関の通りなのであって、本来の美保関のウリである、向かいに名峰大山が迫る日本海の眺めが見られぬのは残念。
旧館のほうは眺めはよくないが、新館に行って、屋上の展望風呂に行けば、素晴らしい眺めを楽しむことができる。
港に、小さな灯台、海を行き来する漁船たち、そして奥にそびえる伯耆大山。(・・・今回は雲がかかって見られなかったが)
美保館に泊まったとき、この展望露天はぜひとも経験すべきところであろう。
宿の食事は良港が近くにいくらでもあることから、新鮮な海の幸尽くしである。さらには地元名物の出雲蕎麦も。
いずれも美味しかったけど、この地は本来は松葉蟹が一番の名物のはずなのだが、禁漁ぎりぎりの時に来てしまったので、蟹は紅ズワイのみであったのが少々残念であった。
この旅館はやはり、松葉蟹の旬の時期に来るのがベストであろう。
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