国際化時代、料理店も大変である。 :たつ庄@薬院
安春計の店主をリーダーとする薬院界隈の寿司店グループの若手のホープの店、「たつ庄」を訪れた。
ところで、日本は近年海外旅行の人気ある対象に急上昇中であるが、東アジアの玄関に位置する福岡ではその傾向が顕著であり、料理店も外国の方が訪れることが多くなっている。
とりわけミシュランが刊行されて、そこで星が付いた店は特に人気が高くなっており、そういう店は和食に興味ある外国人がよく訪れるようになっている。
「たつ庄」も星付き店であり、当然外国人がどんどん訪れるようになっているそうだ。
美味い鮨とツマミを食いながらの店主との雑談で、そういう話が出て、そして今日も客は大半が中国と韓国からの人だという。
冒頭で示した写真は、鮨のネタを説明する、中国語の本であり、中国の人にはそれを用いながら食事の説明をするそうだ。さらには、英語のネタ解説表みたいなものも準備されており、店主はそれらを適宜用いながら、鮨を提供していた。
ただ、寿司店の慣習はやはり独特だな、とも思ったのが「お手拭き」の件。
寿司店では鮨を出すときに、指拭き用にお手拭きが供される店が多い。それは鮨を手でつかんで食べる人が多いから、ということからなんだけど、「たつ庄」では最初からそれが用意されていた。
すると、外国の人たちは、店に入って席に着くと、まずそれで手を拭うのである。
それで女将さんは、「いや、これは違うのです」と、ジェスチャーで示すのであるが、客はきょとんとして、なんだかよく理解できていない。
そしてそれは入って来る外国の方々がみんなそんなだから、なんだか可笑しかった。
私の隣に座った韓国からの人もそんなだったから、とりあえず私が「それは鮨が来たときに手を拭うもので、手を洗うためにはもう少し待てばwet hand towelが来ます。私が今使っているおしぼりがそれです」とか説明して、納得はしていたけど、よく考えれば、そういうタオルが二種類あるのも面白い習慣ですね。今まで思ったことなかったけど。
それからその客は料理を楽しんでいたのであるが、やがてツマミで出て来たミズイカと、鮨で出て来たスミイカがどう違うか疑問に思ったようで、それが私にふられ、とりあえず「イカにもいろいろあって、あっちがソフト、スティック、こっちがハード、エラスティック、いちおうハードなほうがスシにはスータブルなので、スシになっている」とか適当に答えておいたのであるが、・・・寿司の説明って日本語でも難しいのに、これが外国語だともっと大変であると思った。
さらには、和食だと、さらに複雑な料理が出て来るわけで、京都・東京あたりでの人気和食店ではもっと説明が大変なことは間違いない。
寿司店や割烹では、料理に加え、店の人たちとの会話も、その店の大切な魅力なのであり、これからの外国人の客が増えて来る時代、彼らへの対応もまた大事なのであり、こりゃ大変だなあと、ひとごとながら実感いたしました。
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