第4回落水林道整備@大崩山
かつて大崩山は林業で栄えており、山麓には縦横に林道がはりめぐされ、伐採された杉の木が活発に搬出されていたのだが、やがて林業は寂れ、それに従い林道も利用されなくなり、それから数十年の歳月が過ぎ、荒れる一方になっていた。
これらのほぼ廃道化した林道のうち、大崩山から鬼の目山に至る山系の麓を走る「落水林道」を整備し、トレランやMTBに使える道に再生しようというプロジェクトが今年の春から始まり、着々と進行中である。
私も初回に参加し、その後は参加する機会がなかったけど、4回目の今回、参加することができた。
落水林道へは、大崩茶屋前の橋を進んでいけば、行き当たる。
この山域は登山にはあんまり使われていないが、自然林が山麓を覆っており、秋には紅葉が盛んになる。私もここが紅葉が豊かなことを初めて知った。
10月中旬から始まった紅葉の山探訪シリーズ、どの山もいまいちであったけど、紅葉が目当てでなかった本日のイベントが、一番素晴らしい紅葉を経験することができた。
特徴ある山々がそびえ、紅葉が映えるなか、さまざまな道具を装備した総勢16名にお整備隊が林道を行く。
整備しながら、この美しい紅葉をながめる。
大崩山の新たな魅力を知った。
人の手が入らなくなった林道はここまで荒れるのかと感心するくらい荒れ放題の落水林道。
かつて造られた橋はほとんど崩壊し、落石や、倒木があり放題。それらを除きながら、難所を進んでいく。
林道では日のあたるところには、馬酔木がブッシュを作っており、人の行く手をはばんでいる。
これらをチェンソーで切り、その木を脇の崖に落としながら、道を整備していく。チェンソーで処理できないような樹は、手ノコで処理し、人海戦術で整備を進めていく。
そういう作業を繰り返し、2kmほどの整備区間を伸ばして本日は終了。
みな引き返して、林道途中に止めてあった車で祝子川温泉に帰ることになった。
しかし私は前回同様、せっかくの林道、そのまま歩けば祝子川温泉に行けるのに、引き返す気もせず、進むことにした。
前回はトレラン組といっしょに下山したので、足元を見るのに精いっぱいで、林道の状況をよく把握できなかったのであるが、今回は普通に歩いたので、しっかりと把握。
こちらの林道は今までに比べ日当たりがよいので、馬酔木のブッシュがさらに濃く、こういったブッシュが10数か所あるので、これは整備はあと一回では終わらないなと思った。
日当たりのあまりよくないところは、こういうふうにトレラン向きの美しい道もあった。
落水の滝分岐あたりに近づくと、このあたりはまだ林道が現役で使われいた時代が近かったみたいで、まわりの杉は手入れがされており、そして林道も手入れされていた痕跡が残っていた。
落水林道はほとんどの橋が崩壊していたけど、この橋のみはいまだ残っていたのも、なにかの文化遺産みたいで心うつものがあった。
この林道、落水の滝へのルートあたりはまだ登山者に使われており、そしてこの落石は有名なところ。
この落石、登山者にとってはぜんぜん問題ないのだが、マウンテンバイクにはこの隙間を通るのは厳しく、いかなる整備を加えるべきか。
やがて道は舗装路に出て、大崩茶屋前の橋へと。
ここから見る、祝子川と大崩山がまたじつによい。
そしてこのあたりで、後ろから車のエンジン音が響き、帰路中の林道整備組が追いついた。「乗って行きませんか~」とのお誘いがあったけど、温泉まではあと少しなので、せっかくですから全部歩きます、と答えた。
もっとも、本日は11月にしては30℃近くの夏なみの気温で、舗装路のうえは暑く、さらにここらからずっと登りになるので、暑くてきつい行程となってしまった。暑い、暑いと思いながら歩くうち、ああ、車に乗っておけば、と後悔することしきりであった。
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