【南種子町】

サイクリング二日目は島の東側を回ろう。
【茎永】

しばらくは586号線を走り、茎永の交差点に至る。ここを真っ直ぐ行けば、昨日訪れた宇宙センターである。今日はここを左折、宇宙センターの裏手にまわる。
【宇宙センター】


宇宙センターの敷地内の道路はさすがに路面の状態がよく幅も広い。ロケット準備時は大きな荷物が行き来する道路であるからであろう。
そして現役の発射台を二つ眺めながら、海方向へ下って行く。
【広田遺跡】


宇宙センターから海のそばに下りてしばらく走ると、名所の広田遺跡へと出る。
ところで南種子町の特徴として、道に過剰なまでに設置されている案内板がある。100~200mくらいの間隔で置かれているこの案内板のおかげで、現在地が容易に分かり、便利だ。この行政サービスは残念ながら北と中地区では行われていない。たぶん南種子町が予算が潤沢だからであろう。
【千座の岩屋】




「千座の岩屋」は、海水によって浸食されて造られた海蝕岩である。
入り口は小さいのでたいしたものと思ってなかったが、中は複雑な迷路状になっており、通路とともにいくつものホールが出来て、全体として巨大な構築物となっており、なんだか我々と違う文明による秘密基地のような、神秘感ただよわせる面白い岩窟であった。
【阿嶽川マングローブ林】


九州本土では見られない、汽水域の森林、マングローブ群。
こういうものは本土にはないので、種子島以南を訪れたとき、これは見るべき光景だと思う。
【国道58号線】

海岸線からはいったん島の中央に向かい、国道58号線にちょっと入って、それからまた県道75号線を走り、東海岸へと行く。
【県道75号線】



種子島一周サイクリングの核心部は、この東海岸線を走る75号線であろう。
東側に海岸線を見つつ、小刻みなアップダウンが続き、風景が刻々変わっていく。走っていて、面白いし、楽しい。
【県道591号線へ】

75号線を走るうち、75号線はやがて石之表港へ向かう方向になる。
種子島一周をするにはここで県道591号線に入る必要がある。このあたりは安納という地名だが、それはもちろん種子島名物の安納芋のあの安納である。
【県道591号線】


海岸線に沿って走って行く。
この道、そばにいくつか白い郵便ポストがある。
現役なのかなあ、と思って調べると、手紙入れのところはふさいでいた。
いったいこれはなんなのであろう?
【喜志鹿崎】



喜志鹿崎の案内標識が出たところで、喜志鹿崎への往復を行う。
この岬は種子島の北端である。
着いてみれば、鹿児島の大隅半島を見ることができる。
意外と近い距離にあるんだ。
【西之表市へ】



喜志鹿岬からは西之表市へとまたアップダウン激しい道を行く。
海が見えてきたら、もうゴールは近い。
ところで、行ってみて初めて知ったけど、種子島はサーファーの集う地なのであった。
どの海岸線でもサーファーがいたし、そして、今日は西風が強い日だったので、一番激しい波は西海岸に立っていたけど、一般人なら入るとそれで命とりになるようにしか思えない波のなか、ここでもサーファーが波のなかに二人いた。一般人には信じられる技術と根性だな。
一番下の写真にサーファーが小さく写っているが、荒波と格闘する彼らを私は感心しながら見ていました。
【西乃表港】

そして本日ゴールの西之表港に到着。
計96.5kmの走行であった。
種子島一周は、走行距離179km、獲得標高は2500mほどで、じつは一日で走ることも可能なコースである。
もちろん数ある観光名所を訪ねていたら、時間的には一日では無理であるけれど、サイクリングオンリーを目的にしても楽しめる、魅力あふれるコースであったわけであり、サイクリング大会などは十分開催可能であろう。
種子島は、近くの島、―屋久島・奄美大島と比べ、サイクリングの地としては、あんまり注目を集めていないけれど、走ってみての感想としては、両島に劣らぬ魅力あふれる島であったので、ぜひともサイクリストは訪れてほしいと思うし、そしてサイクリング大会もいつの日か開催してもらいたいと思った。