遥かなるラピュタの道@阿蘇サイクリング
サイクルマラソン阿蘇望があと一か月ほどに迫っており、坂のトレーニングをそろそろ始めねばならない。
それで本番前に数度は大きな坂を登りたく、日曜日が梅雨のあいまの晴天になるとの予報だったので、阿蘇に一つ登りたい坂があることもあり、阿蘇を訪れることにした。
目標地は、阿蘇内牧から、外輪山まで登って行く農道、通称「ラピュタの道」。
特殊な景観を持つ道であり、ちかごろサイクリストの人気を集めている道だ。
早朝、南阿蘇方面を走ったのち、北阿蘇に移動。内牧温泉に車をとめて、ラピュタの道を目指す。
ネットでラピュタの道の入り口は調べていたので、この「豊後街道」行の標識のある三叉路より登って行く。
すると、しばらくして道は五叉路に分かれていた。そんな情報はネットに載っていなかったぞ。
普通に考えればまっすぐ登って行く舗装道がそれであろうが、それはすぐに「通行止め」の標識があって、どうも違うようである。標識を見ると、右方向に「豊後街道」とある。右方向の二つの道のうち、登り道は、コンコリート舗装道であり、もう一つは未舗装の林道だったので、コンコリ道を行くことにした。
この道、けっこう傾斜がきつい。
さすがラピュタの道、なかなか手強いと思いつつ進めるうち、林を抜けると移動性の鉄柵があった。放牧用の柵だそうで、車両を自分で開け閉めするようにとのことであったでの、ここも進んでいく。
この柵から傾斜はどんどんきつくなり、15%くらいの坂が続く。
そして道を横切る牛と遭遇。こちらを不審げに眺める牛が道を通過したのち、進んでいった。
このコンクリ道、さらに傾斜が待ちところによっては20%を越えるレベルまでになった。ハンドルを引き付け、ペダルを強く踏み込んでいるうち、前輪がふっと浮くようになった。こんなところでひっくり返っては命が危ない。ここは安全第一、自転車からおりて押し歩きして登って行くことにした。
それにしても、ラピュタの道、いくらなんでもハードすぎる。これが全国から人を集める、サイクルロードとは信じがたい、と思いつつ登って行った。
押し歩きをしばしすると、コンクリ舗装は途切れ、道が終了となっていた。
この道、ラピュタの道でもなんでもなく、製作中の作業道だったようだ。
道の方向からして、いずれはミルクロードまでつながるであろうから、将来完成したときは、「ラピュタの道2号」あるいは「裏ラピュタの道」とかいう名の、超激坂として新たなる名所になるかもしれない。
まあ、できても私は行かんけど。
しょうがなく、引き返すことにする。
登りと違って下りは楽、というわけにはいかず、今までの激坂は上から見ると崖みたいに感じられ、とてもサドルに乗って下りる気はせず、やはり押し歩きで下って行った。
そして、最初の五叉路に戻る。
どうやらラピュタの道はこの真っ直ぐ方面の舗装路のようなのだが、このように通行禁止となっている。しかし、車は途中までは行けるようで、車が何台も通っているので、それでこの道を登ることにした。
さきほどの道と違って、この道はアスファルト舗装なので、タイヤのグリップが利いてたいへん走りやすい。そして傾斜も緩いので、とても楽である。そうして走るうち、本格的な通行止めのゲートが出現した。
「落石の恐れがあるため通行止め」とのことである。
この「落石」が、「fallen stones」なのか「falling stones」なのかで意味が違ってくる。前者なら自転車走行可だが、後者なら無理だ。日本語は難しいなあ、さてどうしたものかと思ってしばし躊躇していた私に、ここの公園で休憩していた、おそらくトレッキング中の外人さんが、私に近寄って流暢な日本語で「ここ大丈夫ですよ。」と言ってきた。
私はありがたく礼をして、「日本語上手ですねえ」と言ったら、きれいな日本語で「どうも、ありがとう」と答えた。こういうマニアックなところに来る外人さんはやはり日本をよく勉強しているな、と感心。
外人さんは元来た道を戻らず、さらに下って行った。
私はバーを下をくぐり、ラピュタの道を登って行く。
緑に満ちた阿蘇の外輪山のなかの道がずっと続く。
坂の斜度はずっと同じような感じなので、一定のリズムで行くことができる。
坂は延々と続き、それを見渡すことが出来る。壮大な規模の坂道である。
道には途中で立派な橋がかけられてあった。
ここで徒歩で下ってくる二人組に遭遇。下りるのはよいとして、引き返すのが大変そう。
高度を上げて見下ろすと、草原のなかの曲がり道が美しい。
この道は本当に走っていて楽しく、ずっと続いてほしいと願いたくなるような、そういう道であった。
しかし登りはいつかは終点地に着く。そして登り詰めると、有名な景色が見える。
狭義的にはこの景色が「ラピュタの道」だそうだ。
阿蘇盆地が雲海に埋もれるとき、この一角のみが雲海に浮かびあがったら、空に浮かぶ城、それこそ「ラピュタ」のように見えるそうである。
ミルクロードに登ったのちは、それからミルクロードを走り、やまなみハイウェイ経由でいったん内牧に下り、それから阿蘇東登山道を目指す。
国道57号線から東登山道に入り、ここからまた登り坂が始まる。
阿蘇吉田線は草原、阿蘇山と見晴よい景色が続く道なのだが、天気が良くなったのには参った。
梅雨の日々が続いていたので、紫外線対策をまったく考えておらず、直射日光が暑いし、痛い。これは誤算であった。
阿蘇の噴煙を気にしていたけど、今の所落ち着いているようで、いつも程度の硫黄のにおいがする程度で、サイクリングには支障なかった。
東登山道の最高点である草千里浜に到着。
本日二番目の峠である。
予定だと、あと一つ、日の尾峠か箱石峠を行くつもりだったのだが、太陽の日差しが強すぎ、走っていて肌が痛いので、ここで終了することにした。
ここから内牧温泉まで引き返した。ほんとうは温泉に入ってから帰るつもりであったが、日焼けが痛く、温泉に入る気になれなかったので、その代わりというわけでもないのだが、商店街の酒屋で地酒を買って、それから帰宅。
阿蘇望は坂対策とともに、太陽の対策が大事である。
本番にはきちんと備えることにしよう。
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Comments
今年も阿蘇望に参加されるんですね。天候と阿蘇山の噴火に不安があったので、私は今回は見送りました。
阿蘇望当日は快晴になると良いですね。
ラピュタの道は本当に素晴らしい景色が楽しめますね。昨年私も上がりましたが、幸運にも雲海に浮かぶラピュタを見ることが出来ました。
Posted by: take | July 02, 2015 07:39 PM
阿蘇望は、私はエントリしたのは4回ですが、まともに走れたのは1回だけでした。
完走するにためには、コースのきつさより、大会がまともに開けるかどうかというのが大前提となるイベントゆえ、今年もまったく油断できませんね。
そしてラピュタの道。雲海の姿を見られたのは素晴らしい体験だと思います。
あのあたり、晩秋から冬、雪山に登るためによく走るので、阿蘇の雲海はたびたび見たことはありますが、ラピュタあたりはすっ飛ばしていました。
次回、阿蘇の雲海が見られるとき、ラピュタの道も是非よってみたいと思います。
Posted by: 湯平 | July 02, 2015 10:03 PM