イタリア料理:GEN@日南市油津
日南市に、「雛には稀な」と称すべく、本格的なイタリア料理店があり、日南市に行ったときに寄ることにしている。といっても私が日南市に用があるのは、じゃからんた見物くらいであり、だから私は店には「年一度、じゃからんたの季節に訪れる客」として認識されているようだ。
ディナー料理、あれこれ。
この店は基本的には地ものを大事にしている。
そして、この料理の色彩感覚がまたよろしい。
フォアグラの表面をキャラメリゼして香を高め、茄子とともに。
上に載っているのはイカ墨を焦がしたもの。
イタリア料理の手法以外にも、さまざまな手法を取り入れた複雑な創作系料理。
大きな浅蜊(特注品らしい)と、海老、野菜類を煮込んだもの。
スープもよいし、またプリプリした浅蜊も見事。
サーモンと豆、茸、野菜のパスタ。
パスタの食感、全体的なバランス。完成度の高い、本格的なパスタである。
羊のリブステーキ。
いい肉を使っている。
宮崎牛を使ったコンソメスープと、羊肉の取り合わせ。
コンソメスープがまた実に美味。
今までのコースで結構な量があったが、デザートは別腹。
これもおいしくいただけました。
GENの若い店主は、南イタリアで修業してきた経験の持ち主。
素材の選択、調理の技術、アレンジの仕方、腕は確かなものである。
店主は帰国してから、本国のイタリア料理を自分でアレンジした料理を出す店を出したいと思った。しかし、店を出すところが都市部だと、家賃等余分なお金がかかり過ぎ、料理の値段が高くなってしまうことに不満を覚えた。たとえば1万円の料理を出すとき、都市部と地方では、材料に使えるお金が相当に違う。
イタリア料理で客が出す金はだいたい決まっている。それゆえ、土地代の安い地方で店を出したなら、その値段で、より自身の満足行く料理が作られる。というわけで、自分の地元の日南油津に開店した次第。
こういうところに本格的なイタリア料理の需要があるとは思えぬが、それは徐々にその手の料理の美味さを浸透させていって、客を増やしていこうという遠大な計画を店主は立てていた。しかしながら、やはり最初のほうは閑古鳥が鳴いていて、参ったこともあったそうだが、結局は当初の目論見通り、客は徐々に増えていき、4年目の今なかなかの人気店になっており、宮崎市から贔屓の客も訪れるそうだ。
美味しいものは誰でも好きなのだから、少々辺鄙なところにあっても、人は集まってくるという、なんかの格言が作れそうな話である。
さて、来年もじゃからんととGENを目的に日南を訪れることにするか。
来年は、じゃからんた満開だといいのだが。
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