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May 23, 2015

映画:リピーテッド

Repeated

 リドリー・スコット指揮、主演がニコール・キッドマンとコリン・ファースの二人の名優によるミステリ映画。
 これは期待できるあろう。というわけで、観てみた。

 簡単なあらすじ。

 ヒロインのクリスティンは、傷害事件により頭を強打されたことにより、高次脳機能障害を負い、記憶が一日しか保てない。そのため一日を終え、眠りにつくと朝起きた時、「ここはどこ?私は誰?」という状況に陥る日々を10年以上続けている。
 その都度、夫であるベンは、「君はクリスティン。僕は夫のベン。君は記憶を無くしているんだ」と説明することを延々と繰り返している。そういう絶望的な作業を、献身的に行う夫のサポートによりクリスティンは日々の生活をなんとか送っていた。

 あるとき、彼女の症状に興味を持つ持つ医師ナッシュがクリスティンと偶々出会ったことから、彼女の病状の改善のために治療を行うことにした。それは彼女に毎日の記憶をデジカメ動画に記録して、そこで記憶を積み上げていくことにより、脳の機能を改善を図るというもの。

 クリスティンにとって最大の謎は、「なぜ自分は殴られる目にあったのか、そして犯人は誰なのか?」ということである。それを知れば、自分の脳機能も回復するのではと思う。
 彼女は医師のサポートを得ながら、時折現れる記憶の断片を、パズルのピースを組み立てるようにして、記憶の改築を図って行く。

 しかし、そこで徐々に明かされていく真実は彼女にとって、とても残酷で、そして辛いものであった。

 ある意味自業自得としかいいようのない、彼女の真実に対し、それを隠しながら彼女を見守り、保護し続けた、夫ベンの真実の愛を知り、彼女は号泣する。そして、夫に全てを告白して、そこで感動の終幕にいたると思いきや、そうではない。
 その感動(?)の場面から、一挙に物語は暗転していく。

 彼女が懸命に追っていた謎、それはたしかに重大な謎であったが、じつはそれよりはるかに強烈な謎が彼女の目の前にずっと存在していたのである。
 親友クレアからの電話の一言がその決定となる。その一言で、今までの世界がひっくり返り、安定したはずの大地が一挙に崩れ去る。ここの場面は、映画の最大の見どころである。

 この映画、ミステリ映画と思いきや、じつは夫婦の純愛物語なんだなあと途中で思わせながら、じつはやっぱりミステリ映画であったという、手のこんだ映画であった。
 そしてミステリ映画として、小道具もうまく用いており、たとえば全然使ってないように見えていたパソコンが、重要な小道具であったこともあとで分かる。
 二転三転の筋といい、最後の着地の良さといい、全体的によく出来ていたミステリだと思う。


 そして、やはりこの映画で一番存在感を示していたのはヒロインのニコール・キッドマン。一日のうちにとんでもないことー絶望とか、恐怖とか、不安とかを経験しているのに、翌朝はまったくそれを忘れている記憶障害者という、難しい役を、いかにもリアルそのものに演じている。元々、たいへん上手い役者だったけど、やっぱりとても上手いと感心してしまう。
 それから、ニコール・キッドマンも30代ころの極端な美貌はさすがに衰えてはいるが、色気が抜けてきたぶん、透明感が出てきて、独自の魅力を示していた。いい感じで枯れてきており、20代、30代、40代のそれぞれでハリウッドの代表作をものにしてきた稀代の名優だけど、50代でもそれをおおいに期待できそうである。


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 リピーテッド 公式サイト

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