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April 25, 2015

祖母傾大縦走一日目:九折登山口→三坊主→傾山→尾平越→古祖母山→祖母山→九合目小屋 

 アケボノツツジの季節。
 先週は大崩山に登ったので、今回はこれも大崩山に匹敵するアケボノツツジの名所祖母山系に行ってみよう。天気予報では週末は土日とも好天とのことで、これは一泊しての祖母傾大縦走のチャンスである。一泊仕様に装備を整えて、(といっても普段の装備に酒と食料のたぐいを大量にザックに突っ込んだだけであるが)、行ってみることにした。
 祖母傾大縦走路はなにしろ行程が長いのが特徴である。一泊二泊で行くには、祖母山から登るなら宿泊は九折小屋、傾山から登るなら宿泊は祖母山九合目小屋になるが、それには半日くらいの時間がかかるため、早朝に出る必要がある。それゆえ、今回は日の出とともに出発。

【九折登山口】
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 よく整備された登山口から傾山へ向かう。
 登山道からはすぐに本日の登山ルートの、三坊主の岩峰が高いところに見え、このルートが急峻なことが分かる。

【観音滝】
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 傾山三尾ルートの名物がこの観音滝。垂直に一挙に落ちる、形よい滝である。

【観音滝渡渉部】
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 三尾ルートはこの観音滝渡渉部を渡る必要がある。さして危険性はないところだが、ずっと先に行き、上から観音滝を見ようとすると相当に危険なので、周囲には「滝を見るな」との標識が掛けられている。

【三尾へ】
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 観音滝から急傾斜の尾根を登っていくうち、いくらか傾斜がゆるやかになり、ブナ林の美しい樹林帯に入ると、三尾も近い。

【三坊主】
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 登山道を歩くうち、三坊主の岩峰が林の間から見えてきた。

【三坊主 アケボノツツジ】
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 本日の登山の目当のアケボノツツジは岩場に咲く特徴を持っており、それゆえ、三坊主のような岩場にはたくさん植えている。
 三坊主岩峰を眼前にして、新緑とアケボノツツジが混然一体になって、その色を競演しているのはじつに美しかった。
 写真ではその魅力をまったく伝えられていないのが残念。

【三坊主ルート(横から)】
Mitubouzu

【三坊主ルート(正面から)】
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 傾山は岩場に富んだ山であり、そのもっとも特徴的なルートは、上畑からダイレクトに見えるギザギザの稜線を行くルート。
 写真で見えるように、最初のギザギザの三坊主を越え、そして二坊主を越え、ようやく傾山本峰に取り付ける厳しいルートである。
 この道、見て分かるように、登っては下り、下っては登る、の繰り返しなので、全然標高が稼げないので、途中で嫌になってくるのが必定であるが、しかし、道そのものが面白く、そして岩場ゆえにアケボノツツジがいたるところで咲いており、今の季節に傾山に登るには、やはりこのルートが一番素晴らしい。

【三坊主ルートのアケボノツツジ】
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 このルート、いくらでもアケボノツツジが咲いており、峻厳な岩場の景色によく似合っている。

【二坊主岩場】
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 岩場を登っては下り、下りては登っての登山を繰り返すのち、この特徴的な岩場を越えれば、やがて一般登山道に合流する。

【傾山山頂】
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 祖母傾山系で最も美しい山頂を持つ、傾山。
 山頂の岩場の広場もいいし、ここからの眺めもまたいい。

【傾山からの縦走路の眺め】
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 傾山山頂からは、本谷山~祖母山の縦走路がよく見える。
 普段ならその雄大な眺めをおおいに楽しめるのが、今回は、これを縦走せねばならないので、その雄大さがちょいと辛い。
 本日の夕方には、向いの、少々霞んでいる祖母山九合目まで着いてねばならないが、その長大な距離を目のあたりにすると、…大変ですな。

【傾山】
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 傾山は三つの大きな岩峰を天に突き立てた形良い山である。
 ただしその姿は九折からの稜線からしか見られない。だから傾山に登るなら、最初は九折登山口から九折コースをたどって登ったほうが良いと思う。
 そのほうがこの絶景を正面に眺めながらの山行ができる。

【登山道】
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 九折から笠松、本谷へと登山道を行く。
 この登山道、以前はスズタケがうるさいほど生えていて、ゴーグルがないと、とてもまともに進めなかったのだが、今はスズタケが枯れ果て、その影響かブナも枯れていたりした。
 この原因は野性動物の食害ということだけど、けっこう深刻な状態になっているようであった。

【本谷山】
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 笠松山からなだらかな山道を行き、本谷山山頂に到着。
 本谷山は、この山系ではとにかく山容がでかく、登って下るのが大変である。
 山の規模でいったら、たぶんこの山が一番でかいのでは?

【三国岩から】
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 祖母傾縦走路で、一番の絶景は、本谷山から少し下ったところにある三国岩からの眺めとされている。
 祖母山を盟主として、それからずらりと高峰を並べる姿は雄大の一言。
 写真ではその全貌が捉えられていないのが残念。

【ブナの広場】
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 祖母傾縦走路は、水場が乏しいのが、欠点であるけど、そのなかで唯一の豊富な水場を持つブナの広場。雰囲気もよく、休憩に絶好のところである。
 ただしここもずいぶんと姿が変わっていて、周りを覆っていたスズタケが枯れ果てていた。そして、野性獣からの 水場の保護のためか、水場をフェンスが覆っていた。

【古祖母山】
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 ブナの広場から見る、古祖母山。
 祖母傾縦走を傾山からすると、この古祖母山が一番の難所となる。
 普通に尾平峠から登るとべつだんなんということもない山なのだが、九折から登るとこの時点で1700m登っているので、かなり疲れがたまっている。それからまた、普通の登山が始まるのでけっこうきつい。
 だから、いつもと違って、古祖母山が、巨大な壁に見えてしまう。

【尾平峠】
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 ブナの広場から、少々のアップダウンを越えて、尾平越からの登山道合流部に。
 ここが祖母傾縦走路の鞍部で、標高1180mほど。最低高度の所である。ここから標高1756mの祖母山へ、アップダウン混みで約1000mの高さを登らねばならない。
 九折登山口から既に8時間、1700mの高さを登った身には、少々応える数字であるが、とにかく進まねばなんともならない。
 ともかくは、目前の目標、古祖母山までの400mの高さを登って行こう。

【尾平越~古祖母】
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 尾平越から古祖母の縦走路はアケボノツツジがよく生えていて、ここもアケボノツツジの名所である。
 花の咲き具合は5分程度であったが、ムシカリの白い花も咲いていて、白とピンクの競演となっていた。

【古祖母山ハシゴ場】
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 古祖母山は頂上近くになると岩が険しくなり、岩溝にハシゴがかけられている。ここを登りきれば、頂上まであと少し。400mの登高も終了点が近い。

【古祖母山山頂】
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 そしてようやく古祖母山山頂に到着。
 ここからは高千穂方面の景色が開けている。
 古祖母山山頂に来れば、祖母傾縦走のいったんの区切りにはなる。縦走路では尾平越が唯一大きく落ち込んでいるところなので、ここからの登りが大変なのだが、その登りの終点である古祖母、あるいは本谷まで登ってしまえば、縦走路のテーブル台の上まで登ったようなものなので、山行は楽になるし、また時間の計算も立つ。
 今の時間が午後4時なので、祖母山山頂まで3時間はかからないだろうから、日の入りまでには祖母山山頂そして九合目小屋までたどり着けそうだ。

【古祖母~障子岳】
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 古祖母から障子岳への縦走路も、以前はスズタケがうるさく茂っていたけど、今はだいぶと量が減っている。ただし、本谷山周囲よりはまだ勢いが強く、環境によってずいぶんと差があるようだ。

【縦走路】
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 障子岳より見る縦走路。
 このあたりから縦走路は祖母山に向けて直線状になるので、歩くたびにぐんぐんと祖母山が近づいてくる。

【祖母山への縦走路】
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 時間は午後5時を過ぎ、日は斜めになり、柔らかい日差しとなっている。
 障子岳を過ぎると、縦走路が一望できるけど、今の時間、当たり前のことながらこの稜線上で行動しているのは私だけのようであった。
 この縦走路、ビバークできそうなところはふんだんにある。それで12時間近く行動していた私としては、もういいやと腰を下ろし、酒を飲んで、ツェルトを張ってビバークしてしまう、そういう誘惑にずいぶんとかられたのだが、ここでビバークしては翌日歩かねばならぬぶんが結局は増えるだけの話で、トータルでは全然楽を出来ないので、歩を進めていく。

【1600m地点】
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 今日は「1600m地点を何回通ったのだろう」とか思いながら、ここを登っていけば、祖母山は近い。

【祖母山直下】
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 そして祖母山直下のハシゴ場へと。
 今日は疲れているので、いつも以上に慎重に進んでいく。

【祖母山山頂】
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 どんなに疲れていても、一歩ずつ登って行けば、必ず山頂には着く。登山とは単純なスポーツなのではある。
 そうやって、ようやく祖母山山頂へ。
 九折登山口から、約13時間かけてようやくの到着である。
 普段は祖母山山頂に登ってもたいした感慨はないが、九折登山口から延々とやってきたら、それなりの感慨を感じます。

【祖母山山頂から】
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 夕暮れの祖母山山頂からの風景。
 祖母山が三角錐の大きな影を向かいの山麓に落としている。
 そして左奥に見える山が傾山。あんなところからよく歩いて来たものだ。

 山頂には小屋の喧騒を離れて、山頂に避難してきた登山者が一人居て、その人といろいろと雑談をして、そのまま雑談しながら九合目小屋へと下った。

【九合目小屋】
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 本日のゴール、九合目小屋に到着。日の暮れる前までにはなんとか辿り着けた。
 歩いた距離は24.6km、獲得標高は2648m。九州随一のハードコースだ。
 小屋ではいつものごとく、管理人さん、それに登山者の人達とわいわい騒ぎながら、ひたすら酒を飲む。
 本日の宿泊者は縦走中の人が多く、翌朝の出発が早いため、午後9時には宴会もお開きとなり、私もそれくらいに就寝することになった。

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 本日の登山コース
Photo


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