オーヴォ@シルクドソレイユ福岡公演
定期的に新作の公演を行っているシルクドソレイユ。
今年の新作は「オーヴォ」。虫の世界をつかって、シルクドソレイユならではの幻想的、情緒的なショーとのことである。
今回の劇「オーヴォ」の筋については、いつものような筋があってなきがごときものではなくて、いちおう旅人の恋物語ふうなものになっていた。
とある虫がいっぱいいる所を訪れた旅人トゲ虫が、そこでテントウ虫に恋をする。それを見た周囲の虫たちが、茶化したり、応援したり、あるいは全然関係なしに盛り上がったりして、様々な虫達の大宴会(?)が広げられる。
これらがどれもこれも圧巻。コオロギ、コオロギ、クモ、コガネムシ、アリ、トンボ等々が、重力の法則を無視したような、とんでもないパフォーマンスを次々に繰り広げる。
シルクドソレイユを初めて見たとき、その超人的な体術に圧倒されたけれど、今回もまた同様に圧倒されてしまった。なにをどうやったらこんなこと出来るんだろうとか、そもそもこの人たちは関節の可動域がどうかしているとか、命知らずにもほどがあるとか、いろいろと呆れ、感嘆してしまうパフォーマンスが途切れることなく繰り出される。
まあ、この劇は虫たちのパフォーマンスの擬人化なのであって、確かに虫なら、現実界でもとんでもなく飛べるし、走られるし、跳ねられし、曲がれるし、…で、虫の世界を忠実に具現化したものとも言えるが、それを本当に演じられる団員には感心することしきりなしであった。
そしてそれらを可能にしたのは、団員たちの絶えまぬ努力と訓練の結果演じられるようになったものなのではあり、あのようなパフォーマンスを間近で見ていると、人間というものは、鍛えれあげれば、ここまでのことが出来るようになるのだと、見ているとなにか人間賛歌のような思いもこみあげてくる、そういうショーでもあった。
シルクドソレイユ、何度見ても、楽しく、面白く、そして新しい。
……………………………………
オーヴォ ホームページ
「演劇」カテゴリの記事
- グリザベラ@キャッツはなぜ嫌われているのか? & 絵画と寓意(2020.02.26)
- キュリオス@シルクドソレイユ福岡公演(2019.03.16)
- オセロ@ロンドン グローブ座(2018.09.20)
- ミュージカル:オペラ座の怪人@ケンヒル版(2018.09.01)
- オーヴォ@シルクドソレイユ福岡公演(2015.03.28)
The comments to this entry are closed.
Comments