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March 2015の記事

March 29, 2015

カレー:スパイスハウス サリー@久留米市

Ssally

 このブログでは、カレーの項はマニアックな店を主に取り上げているのであるが、今回は極めて真っ当なカレー料理店を紹介する。
 久留米市の老舗カレー店サリーである。

 インドカレーはスパイスの用い方で、様々な趣きを持つ料理になる。
 サリーの店主は本場インドや東京のカレーの名店で修業した経験があり、スパイスの使い方は当然熟知している。その熟練の技で、各種スパイスをふんだんに使っているけど、それらが見事に調和して、洗練極まりないカレーとなっている。

 インドカレーにおいては、スパイスという調味料がそれぞれ個性が強いことから、無理に調和させずに、それぞれとんがったところを残した、不調和なカレーにしたほうが、かえって各種のスパイスの個性が際立つことがあり、それがいかにもインドカレー、という感じになり、個性的なカレーになっていることが多い。
 というか、たいてのインドカレーはそういう料理という印象を私は持っている。

 しかしサリーのカレーは、スパイスのバランスが見事であり、スパイスがそれぞれの良いところを引き出して、かつ全体として高めあう、総合スパイスとでもいうべきカレー料理を作っている、そういう完成度の高さを持っている。
 このカレーを食べると、繊細さとか、洗練とか、そういう印象をまずは受け、優雅さとか、上品さとか、あるいは高級感を感じる。
 このような印象は、じっくりと煮込んで作る欧州系のカレーには、時に感じるけど、スパイス主体のインドカレーでそういう印象を受けるカレーは、私はじつはこの店のカレーしか知らない。

 福岡に行ったついでに、久しぶりにサリーに寄り、カシミルールカレーとインドカレーのダブルで、カレーを堪能したけど、やはりじつに完成度の高いカレーだと感心し、カレーの名店だと改めて認識した。


 …ところが、4月になって、福岡の人たちから、サリー閉店の知らせを聞いた。
 店の閉店云々については店主の意向でどうしょうもないとはいえ、こういうオンリーワンの店が無くなってしまうのは、カレーファンとしてじつに残念である。
 美味しい店は、いつまであるかは誰にも分からないので、あるあいだ、懸命に食いに行かねばと、あらためて思い知った次第。

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March 28, 2015

オーヴォ@シルクドソレイユ福岡公演

Ovo

 定期的に新作の公演を行っているシルクドソレイユ。
 今年の新作は「オーヴォ」。虫の世界をつかって、シルクドソレイユならではの幻想的、情緒的なショーとのことである。
 
 今回の劇「オーヴォ」の筋については、いつものような筋があってなきがごときものではなくて、いちおう旅人の恋物語ふうなものになっていた。
 とある虫がいっぱいいる所を訪れた旅人トゲ虫が、そこでテントウ虫に恋をする。それを見た周囲の虫たちが、茶化したり、応援したり、あるいは全然関係なしに盛り上がったりして、様々な虫達の大宴会(?)が広げられる。
 これらがどれもこれも圧巻。コオロギ、コオロギ、クモ、コガネムシ、アリ、トンボ等々が、重力の法則を無視したような、とんでもないパフォーマンスを次々に繰り広げる。

 シルクドソレイユを初めて見たとき、その超人的な体術に圧倒されたけれど、今回もまた同様に圧倒されてしまった。なにをどうやったらこんなこと出来るんだろうとか、そもそもこの人たちは関節の可動域がどうかしているとか、命知らずにもほどがあるとか、いろいろと呆れ、感嘆してしまうパフォーマンスが途切れることなく繰り出される。

 まあ、この劇は虫たちのパフォーマンスの擬人化なのであって、確かに虫なら、現実界でもとんでもなく飛べるし、走られるし、跳ねられし、曲がれるし、…で、虫の世界を忠実に具現化したものとも言えるが、それを本当に演じられる団員には感心することしきりなしであった。
 そしてそれらを可能にしたのは、団員たちの絶えまぬ努力と訓練の結果演じられるようになったものなのではあり、あのようなパフォーマンスを間近で見ていると、人間というものは、鍛えれあげれば、ここまでのことが出来るようになるのだと、見ているとなにか人間賛歌のような思いもこみあげてくる、そういうショーでもあった。

 シルクドソレイユ、何度見ても、楽しく、面白く、そして新しい。


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 オーヴォ ホームページ

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福岡の桜@平成27年

 3月下旬、福岡市に行く用事があり、そのついで福岡の桜の名所を車でまわってみた。

【発心公園@久留米】
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 発心公園は耳納連山の麓にあり、ここから広々とした筑後平野を見下ろすことができる。桜は700本ほど植えられており、江戸時代は藩主が花見に用いていたところだそうだ。
 桜の咲き具合は5分から7分程度。桜を額縁にようにして望む、久留米の田園風景がのどかでいい感じだ。

【甘木公園@朝倉市】
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 市民の憩いの場である甘木公園。
 池と橋の配置がよく、そこに満開の桜が咲いていれば素晴らしい風景なのだろうけど、ここはまだ残念ながら1分から3分咲きであった。見ごろ一週後くらいからみたいだ。
 ソメイヨシノはまだだったけど、山桜は満開であった。

【流川桜並木@うきは市】
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 巨瀬川に沿って、えんえんと続く、1000本の桜並木。桜色に満ちたなか、菜の花の黄色がよいコントラストをつくる、その風景が名物の地。
 うまい具合に7分咲であり、菜の花も咲き誇っていて美しい風景を楽しめることができた。
 桜の密度の高いところなので、満開後は桜吹雪もまたじつに見事なものであろうと思った。

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March 22, 2015

陸羽茶室@香港中環

 香港滞在最終日の朝食は、陸羽茶室にて。
 香港で最も有名な飲茶の店である。

 そして今回は、陸羽茶室に40年近くほぼ毎朝通っているという、香港在住の超常連氏の誘いで訪れることとなった。
 我々一行がそろって、それからいかにも歴史ありそうな店に入っていって、〇〇氏の予約の何某ですが、と言ったところ、なにやらよく分からん気配のうち、二階の大部屋に案内された。
 部屋は、中途半端に高級っぽく、一昔前のデパートの大食堂といった感じ。各テーブルを、蒸し器を置いたトレイを肩から下げた売り子さん達が歩き、そのなかの飲茶を指さして選ぶ形式。とにかくそれらの飲茶を適当に選んで、常連氏一行を待っているが、携帯で連絡していると、もう既に到着しているとのこと。

 それで、昨年も世話になった地元のK氏が二階に現れ、本来の予約の場であった一階へと改めて案内された。…最初の時点で、言葉がまったく通じていなかったようである。

【1階】
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 一階に行くと、二階とはかなり雰囲気が違っていた。
 天上は高く、壁にかけられている絵は立派なものであり、テーブルにしてもいい木材を使っている。
 植民地時代からの格式を感じさせる重厚な造りであった。

【飲茶いろいろ】
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 飲茶については、超常連氏が次々に頼み、蒸籠ごと並べられていく。これに、中国独特の、茶の葉たっぷりの烏龍茶をあわせ、たしかに飲茶の世界。
 なかには蒸籠になかに一塊しかないような大きな料理もあるけど、これは卓の上に置いてある料理鋏で適当に切り分けていく。


 私の隣が超常連氏だったので、「この店はとても美味しいです。ところであなたは40年近く毎日この店を訪れていると聞きました。そこまで通う魅力は何なんなのでしょうか? やはり美味しさでしょうか」と尋ねたところ、「まず第一にこの店は香港でここにしかない古い歴史がある。見て分かるように、これらのアンティークの造りがたいへん魅力的です。そしてこの店にいると親しい友人に会えます。彼らと会話する朝食はたいへん美味しく、そして楽しい。それにこの店は時々世界のVIPが訪れる。彼らに突然会えるという驚きもあります。それら全体が、この店の大きな魅力になっています」とのことであった。

 たしかに、この店はそういう使い方をしていると、魅力が何層倍にもなるであろう。

 …ただし、料理の美味しさは他の階でも分かるとして、店の本来の独特の雰囲気は、どうやら地元の常連さん達専用のような一階じゃないと分からないとも思われ、この店の真価を知るには、なんとか地元の伝手を使って、一階で料理を食べるに限るとも思われた。
 今回、そのような機会を得ることが出来て、とても幸運であった。

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March 21, 2015

オペラ:皇帝の花嫁 リムスキー・コルサコフ作曲

 香港音楽祭の第三夜は、オペラ「皇帝の花嫁」。
 そんなものは知らん、という人が大多数であろう。私も事前にプログラムを見るまで、こういうオペラがこの世に存在することさえ知らなかった。
 ロシアの有名作曲家リムスキー・コルサコフの作曲によるもので、ロシアではけっこう有名なオペラだそうだ。しかしロシアのオペラ自体がマイナーな我が国では知名度はゼロに等しく、いまだに本邦では演奏されたことがない。どころか、アジア全体でも演奏されたことはなく、1899年にこの作品が作られて以来、100年以上経っての今回の香港での上演がアジア初演となるそうだ。そしてたぶん今回一回きりの演奏となるであろうから、ほとんど幻のような作品なのであり、これを生で見た経験のある人は極めて少ない。それゆえ見たことがなにかの自慢のタネになるかもしれない。

 このオペラ、事前にどんなものか調べておこうかと思い、CDをアマゾンで探したが、さすがマイナー曲だけあって、なにもなかった。ただしオペラを映画形式で撮ったDVDがあったので、それで一通り勉強しておいた。(半世紀前につくられたこの映画は、ロシアの風景が美しく撮られており、なかなかの逸品。ソ連という国は、政治と経済は出鱈目だったけど、芸術のレベルは高かったことを改めて認識。)

 劇場、最前列の席に座り、そして幕が開く。
 最初、DVDで聞いていたとおりのバリトンのアリアが始まる。そのあと、イワン・セルゲーヴィッチという若い男が紹介され、朗々たるテノールの歌声を響かせる。いかにも主役級の歌なのであるが、映画にはそのような人物は出ておらず、「誰だ、こいつ?」と思ったが、そのうちヒロインの婚約者と判明。映画のほうは時間内に収めるため、イワンの歌と出番をカットしまくっていたみたい。イワンの歌は良いものが多かったので、カットは残念であった。

 舞台の演出は変にモダンにいじったものではなく、帝政ロシア時代の建物、内装、風景、衣装をそのまま再現したものであり、演奏もいたってスタンダード。
 オペラの筋は、どろどろの愛憎劇であって、見ていて面白い。また音楽も分かりやすく、どれも美しい旋律のものであった。
 オペラというものは本来はさして高尚なものではなく、どころか民衆の娯楽として支持されていた。現代で言えば、人気テレビドラマに似たようなものであった。
 この「皇帝の花嫁」はまさにそういう感じで、いかにも「古き良き時代のオペラ」という感じであった。4時間近い上演、退屈することなくおおいに楽しめた。

 

 ところでこのオペラ、プログラムでは指揮はロジェストヴェンスキーであった。80歳を越えた大指揮者が、遠いアジアにまで演奏に来るのだと、その気力・体力に感心したけど、…夕方に体調を崩して演奏が出来なくなり、アシスタント指揮者の指揮に変更になったとの知らせがあった。がっかりすると同時に、しかたないかと少々納得もした。

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坤記煲仔小菜@香港西環

【坤記煲仔小菜】
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 坤記煲仔小菜は、広東省の名物料理「ポウチャイファン(土鍋飯)」、これの最も美味しいものを出してくれる店とのことである。
 日本でも米の最もおいしい炊き方は強火の土鍋に限るとかの話をよく聞くけど、「ポウチャイファン」は中華料理独特の超強火で米を炊き上げ、それに種々の具材を入れて、さらに蒸しあげて作るという、中国ならではの米料理らしい。

【ポウチャイファン】
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 基本的には一鍋が一人前とのことらしいけど、普通に考えて2~3人前はある。
 8人では4鍋が限界だろうということで、4つ頼む。
 というわけで、ポウチャイファンいろいろ。豚肉、蛙、鹹魚、スペアリブなどを載せたものである。
 どれも美味しいけど、その秘密はすぐ横にある厨房にあることがすぐ分かる。厨房では、賑やかな、というか乱暴な火の音が聞こえ、相当な高温で米を炊き上げ、蒸していることが分かり、それがこの米の弾力と旨みを出していることが分かる。それに濃厚な味付けの具材が載り、じつに魅力的な料理の数々となっていた。

【海老と野菜の辛味炒め】
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 店には名物らしい、この料理の写真が貼っていたので、それも注文。
 御飯のお供になる料理であり、これとともにポウチャイファンを食べるとさらに美味しくなる。

【店を出るころ】
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 この店は地元の人に愛される人気店であり、我々は店の開店と同時に入ったのだが、あっというまに満員となり、そして食事の途中に外に行列が並ぶのが見え、我々が食事を終えて外に出たときは、このように外にテーブルが並べられていた。

 メニューを見ると、ポウチャイファンは50種類くらいあり、…これは極めて奥が深い世界だと思った。

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鵞頸街市(市場)@香港銅羅湾

 香港に来て以来、多彩な食材を使う中華料理を毎日食っているわけだが、その素材そのものについては私はじつはよく分かっていない。
 それで香港の食材が一番集うと言われ、香港の台所とも称される「鵞頸市場」を訪れてみることにした。

【鵞頸街市+タイムズスクウェア】
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 このマーケットは、古き雰囲気に満ちた町の一角にぎっしりと各種の素材店があるつくりになっている。いかにもローカルな市場なのだが、そのそばには香港有数の巨大ショッピングモールであるタイムズスクウェアの近代的超高層ビル群が近くに聳え、ここあたりは新旧の混淆の世界が広がっている。

【乾物の店】
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 中華料理の出汁の基本である、乾物がたくさん置いている店。
 これらを使いこなせると、じつに深い味のスープを作れるのだろうなあ。

【野菜の店】
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 香港は沖縄よりずっと南にあるので、亜熱帯~熱帯系の野菜がありそうだが、そうではなくて、日本の本土にあるような野菜がずらりと並べられている。
 ただし、瓜、葱、茄子、玉蜀黍、等の野菜は、日本のものより色とか香りとかが、強めであり、なんというか大陸の力を感じさせる。

【肉の店】
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 肉のたぐいは豚がメインとなっているようであった。
 「猪手」なる素材は明らかに豚足っぽかったけど、日本の豚足よりずっとスケールが大きい。

【鶏肉の店】
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 鶏肉の店は、鶏全体の料理にしろ、各種パーツにしろ、品ぞろえが豊富。それこそ鶏という素材は全体が美味しく食べられるということが、こういう店を見るとよく分かる

【魚の店】
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 日本では生魚を食う文化があり、それは世界レベルでは特殊なことかと思っていたのだが、この市場を見ると、魚、貝、海老、等々は全て新鮮そのものである。
 それゆえ、かえって中華料理で生の魚が出ないのが不思議に思うほどであった。
 それはともかく、中華の名店で食う、煮魚や、海老の焼売とかで、素材のレベルが高いのに感心したけど、こういう店を見ると、その理由が容易に理解できた。


 中華料理の美味しさは、こういういい素材の元に成り立っているということがよく分かった、鵞頸街市の風景であった。

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龍皇飯店@銅鑼湾

 香港ツアー、私は今回が2回目なので、訪れる店全てが感心しきりの店ばかりである。
 これには理由があり、ツアー幹事達は香港に相当慣れているのであって、訪れる店は、(1)日本では経験できぬ地元民人気のディープな中華料理の店 (2)日本では経験できぬ高レベルの中華料理の店、に限られており、だから私のような者が常に感心してばかりということになる。

 本日のランチ、飲茶の店は、そのなかで(2)の範疇。
 本場ならではの堂々たる中華料理を出してくれる店「龍皇飯店」であり、ここは当ツアーが必ず訪れる定点スポットとなっている。

【飲茶いろいろ】
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 私はこの店は去年も来たので、実力は知っていたけど、どれもこれも美味しい。
 そしてこういうツアーの基本として、中華は大人数で食べて、多種多様の料理を食ってからこそ醍醐味が味わえる、ということも存分に知ることも出来た飲茶料理の数々であった。
 たしかに、こういうものは小人数で来たら、そんなに多種類のものが食えるわけもなく、中華料理の玄関に入ったところで退出する羽目になるであろうと思える。

【中華粥】
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 そうして、美味い、美味いと言いながら食っていたわけだが、クライマックスは、この中華粥に来た。
 これは龍皇飯店の名物料理らしいのだが、昨年は食うことなかった。それで、これは私の初体験なのだけど、かなり衝撃的な料理であった。
 これ、食ったら、スープの力強い味付け、米の食感、お焦げの香りと弾力、とか全てが完璧であり、とんでもなく美味い。一口食うと全員押し黙って、ひたすら食うという、「食は沈黙を導く」とかいうような格言が出来そうな、そういう見事な料理であった。

 というわけで、香港の「龍皇飯店」に行った人は、素晴らしい点心料理の〆として、是非ともこの中華粥をお勧めいたします。
 次回私が香港に行ったときも、この料理だけは外せません。

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March 20, 2015

ドゥダメル演奏会:「シティノワール」「新世界より」@香港音楽祭

 ドゥダメル第二夜の一曲目は「シティノワール」。
 アメリカの作曲家ジョン・アダムスの現代曲である。香港音楽祭のプラグラムにこの曲が載っているのを見て、CDを聴いて事前準備はしたのであるが、CDを聴いた時点でさっぱり分からなかった。
 まあ、現代曲はバルトーク、ベルクあたりまではともかくシェーンベルク以後はさっぱり分からない私なので、CD聴いたところで分かることは期待していなかったけど、でもライブを見たら少しは分かるようになるであろうかとかも思いながら、ライブを聴いてみた。
 とにかく大量多種の楽器からなる大編成の曲。そして、パーカッション部隊は当たり前のことながら、管も弦も、旋律よりもリズムを重視して、そこから曲を造り上げる仕組み。旋律らしきものはサックス、その他の金管が単発的に吹き鳴らすだけ。下手すればてんでばらばらになりそうな曲なのであるが、各パートは高い完成度と、そしてバランス感を持って演奏しているので、全体の統一感は失われることなく、最後のクライマックスまで一塊となってなだれ込んでいく。
 指揮者と、そしてオーケストラの卓越した技術があって初めてこの世に音楽として存在できる、そういう曲であった。
 私にとっては一回ライブで聴けば十分な曲ではあるが、曲の構成がアクロバットなこともあり、これを聴くのはなかなかエキサイティングな経験であった。

 二曲目はドヴォルザークの「新世界より」。
 全く耳慣れぬ現代曲と、ある意味通俗的な「名曲」の組合わせは意図したものなのではあろう。
そして、たぶんドゥダメルにとって手慣れた演奏であった「シティノワール」のやり方は、そのままこの曲にも使われている。
 この曲で濃厚に漂う土俗的なメロディは、快適なテンポとリズムにより、颯爽かつ明瞭な旋律にとなり、たいへん流れよく進む。それゆえこの曲にまとっていたはずの民俗的雰囲気は削ぎ落とされ、曲本来の持っていた旋律の美というものが、単純化されて、鮮やかに見えてくる。
 それゆえ、そういう土俗的雰囲気が最も薄く、また元々リズミカルである第4楽章が、ドゥダメルの力量を存分に発揮すべき舞台となり、全体の仕上げのように、リズムの積み重ねがどんどん迫力を増していき、圧倒的フィナーレへとなだれ込む。

 昨日のマーラーから続けて、二日かけて、ここでようやく、指揮者+オーケストラの真の底力を見せつけたような、そういう怒涛のフィナーレであった。


 しかし、今夜の本番はじつはアンコールにあった。
 一曲目の「スラブ舞曲 終曲」は、指揮者もオーケストラの楽員も乗り乗りの、みんなソロでの演奏は、演奏しながら椅子から飛び上りそうな、あるいは踊りだしそうな、そういう音楽の自発的喜びがじかに感じられてくる、魅力あふれるものであった。
 そしてさらに観客の大拍手に促されての二曲目の曲も、舞曲のたぐい(知らない曲であった。香港の会場は、あとでアンコール曲名貼り出さないから不親切ではある)で、これも乗り乗り。終わったのち、また大拍手であったが、ドゥダメルはオーケスラのメンバーを讃えながらの喝采を求め、そしてさすがにここで終了となった。

 ドゥダメルは、昔の巨匠たちの演奏に慣れきった私のごとき者にとっては、深さとか荘厳さとか精神性とか、そういうあやふやなものについては、物足りないものはあるのだが、全体を盛り上げていくリズムの管理、そしてオケの慣らし方については抜群の腕を持っていることを実感した。
 日本にもよく訪れる指揮者なので、また機会があれば聴きに行ってみたいものだ。

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鹿鳴春飯店@香港尖沙咀

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 夕食は北京ダックで有名な北京料理店「鹿鳴春飯店」。
 この店、香港の繁華街尖沙咀のホテルが立ち並ぶ一角にあるのだが、周りの近代的建築のなかに埋もれているような、古い雑居ビルのなかにあり、そして「香港で一番 北京ダック」と書かれた看板が妙な味を出していて、場末感が濃厚だ。

 そして店内も、その外見通りの、田舎の大衆食堂的なつくりであった。
 これはこれでけっこういい雰囲気ではある。

【前菜】
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 前菜は薄切り肉、赤色豆腐、クラゲ、香采、などなど。
 色は派手目ではあるが、まあ普通。

【料理いろいろ】
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 海老チリソース、豆腐炒め物など。

【北京ダック】
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 本日のメイン、北京ダック。
 料理人がテーブルの横で、北京ダックを切り分けてくれる。
 皮にたくさん身をつけてそぎ落として、スライスをつくって行く。
 これを各自の好みで甘味噌、葱、胡瓜を加え薄餅で包んで食べる。
 身が多いため、ボリューム感が強い。
 薄餅で包まず食べても美味しいとのことで、そのまま食べてみたけど、なんとも脂が濃厚な料理であり、やっぱり野菜が一緒にあったほうが私は好みであった。

【炒飯】
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 この店の炒飯は味が濃いいので、レタスで包むのが正式な食べ方とのこと。

【麺】
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 中華料理では、麺は一品は食わねばとのことで頼んだ麺料理。
 出汁も麺も、どうも日本のに比べるとぼんやりしており、私には分かりにくい料理。
 今回の香港料理では、ついに美味しい麺料理というものは食べられなかった気がする。

【デザート】
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 デザートは揚げ薄饅頭と、蒸し饅頭。
 脂っこい北京ダックを食ったあとには、けっこうきつかった。

 この店は人気店であり、早い時間から地元の人たち、それに観光客によって満席となっていた。
 料理もなかなかよかったが、雰囲気がアットホームであり、特に日本人観光客によく慣れているようであった。
 外の看板が日本語で書いている意味がよく分かった。

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三希楼@中環半山

 香港の有名観光地、ビクトリアピークへの登山電車の始発駅のもう少し山側にある、四川料理の店「三希楼」の昼食で飲茶料理を楽しんだ。

【点心いろいろ】
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 多人数での食事ゆえ、たくさんの料理を頼める。
 まずは坦々麺、海老蒸し餃子、饅頭、雲呑、水餃子、菜と蟹の焼売などなど。
 どれもピリ辛の味付けで、スパイスがよく利いている。

【魚料理】
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 見て分かるように白身魚をこれもスパイシーに野菜と煮込んだもの。
 魚は鮮度もよく、いい素材である。

【アヒルの舌】
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 幹事さんの、四川料理ではこれは何より食わないととのことで頼んだ一品。
 初めて見る料理だ。
 アヒルの舌ということだが、なにやら複雑な構造になっており、肉、コラーゲン、軟骨等がいろいろ混ざったものみたいで、それぞれ、むちむち、ぷりぷり、こりこりの食感が楽しめる。これにスパイシーな味付けがされており、ビールのツマミなどにしたら最高のもの。
 たいへん気に入りました。

【デザート】
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 デザートは山水を使った豆腐とのことで、この豆腐にシロップをかけてデザートにするというもの。日本でいうところの汲み出し豆腐にそっくりのものであり、このままで十分美味しいので、そのままいただきました。

【火鍋の薬味】
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 三希楼は、四川料理の王道を行く店で、どの料理もじつに四川らしい、複雑にして鮮烈なスパイシーな味付けをなされており、これが食欲を刺戟するもんで、いくらでも食べられるという感じであった。
 そしてこの店は、もちろん火鍋が名物であり、店には豊富な薬味が用意されており、各人の好みで自在に味を選べるようであった。
 いつかまたこの店の火鍋を食ってみたいと思った。

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March 19, 2015

龍景軒@香港中環

 香港で最高峰の広東料理の店、龍景軒に今年も訪れた。やはりこの店は外せない。
 我々はコンサートが終わったあと、九龍湾を渡って、午後10時15分という遅い時間に到着。そしてラストオーダーが午後10時半という強引な行程となってしまった。料理の半ばには、ほとんど他に客は残っていないという、少々店には迷惑なことであったが、サービスはまったく変わりなく、一流の店らしきものそのものであった。

【前菜】
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【肉料理】
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【スープ】
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【海鮮と野菜炒め】
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【野菜炒め】
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【炒飯と麺】
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【デザート】
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 急いで食ったこともあり、またメニューがよく分からないことから、料理の詳細は少々不明なのだが、どれもとんでもない美味しいものであった。
 まず素材が良いし、そして料理の火の入れ方、調味料の使いかた、どれもが完璧といっていいようなものなのである。洗練、あるいは精緻の極みといったような料理の数々で、たいへんに完成度が高い。
 中華料理というものに、「大雑把」とか「濃い味付け」とかの偏見を持っていた私に、180度意見を変えさせた龍景軒の料理であるが、今回もまた改めてその素晴らしさに感心した。

【外の眺め】
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 龍景軒は、料理はもちろんのこと、眺望や、そして接客もまた一流のものである。
 これほどのレストランがあることが香港の文化の実力を如実に示しているし、またこの店のためだけにも香港を訪れる価値が確実にある。

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ヴィオラ奏者に目が釘付け@マーラー第六番 ドゥダメル指揮 香港2015

Gustavodudamel

 今年の香港アートフェスティバルの目玉は、ドゥダメルであった。
 彼は現代の音楽界で、ナンバー1の実力を持つとも称される若手指揮者であり、将来的には伝説的な名指揮者に成長するであろうとも言われており、注目度も高い。

 どの音楽雑誌をみてもそういう評価であり、それで私はドゥダメルのCDを何枚か聴いてみたけど感想といえば、器械体操みたいな演奏をする人だなあ、というものであった。
 器械体操の名手がジャンプ、ターン、着地、それぞれがキッチリ決まり全体としてまとめあげていくように、ドゥダメルの音楽は各パートの旋律がきっちりと奏でられ、どの楽器も鮮やかに鳴り、デジタル的に全体像がとても分かりやすい。聴いていると、楽譜が立体的に迫ってくるような迫力も感じる。極めて明晰でクリアな音楽であり、見事なものだと思った。…ただしそこには、余韻とか、含有とか、神秘性とか、そういうアナログなものが欠片もないように感じられ、私にとってはどうもピンと来ない演奏でもあった。
 まあ、それはあくまで録音を聞いての感想で、ライブでは違った姿も見られるであろうと期待しコンサートに臨んだ。

 演奏が始める。
 すると私はヴィオラの首席奏者の女性の演奏、というかパフォーマンスに、目が釘付けとなってしまった。
 交響曲の演奏では、オーケストラの団員は指揮者の指示に従い演奏するわけで、みな指揮者の指示通りに団体の一員として演奏する。だから個の演者が目立つことはないはずなのだが、このヴィオリストは、演奏の強弱に従い、身体を激しく動かし、身体をうねらせ、ねじらせ、あるところでは悶え苦しむかのようにして演奏する。リズムの良いところでは、それに合わせて足をバタバタと動かすので、足音が聞こえないかと心配してしまったりする。そして音楽が緩徐楽章とかで、情緒深いところでは、陶然とした雰囲気で身体をゆらせて演奏する。
 とにかくやたらに目立つ演者であり、そして彼女の動きを見るだけで、今がどういう演奏かがよく分かってしまう、音楽の化身のような、なんとも個性ある演奏をしていたのである。

 こんな奏者は初めて見たし、絶対有名人だと思って、あとで「ロサンゼルスフィル・ヴィオラ奏者・目立つ」のキーワードで検索したら、あっさりと1ページ目にその奏者の記事「Carrie Dennis is easy to notice in the Los Angeles Philharmonic 」が見つかり、彼女はCarrie Dennisという名前の人だということが分かった。
 そしてその記事は、ロサンゼルスタイム誌なのだが、「オーケストラの団員は集団の一員として演奏するのであり、ソロパート部を除いては、奏者が目立つことはない。しかしロスアンゼルスフィルのヴィオラ主席奏者Carrie Dennisだけは、100人以上が演奏しているなかでも、誰しも容易に彼女を見つけることができる」と始める記事は、我々が普通に思う疑問、いったい彼女はなぜああいう演奏をするのか? 他の楽団員は迷惑に思わないのだろうか? なぜ靴の音がしないのだろうか?(→答え 特性靴を履いてるから) 指揮者はどう思っているだろうか? そもそも彼女はいったい何者なのか?(→超一流のキャリアを積んできたヴィオラ奏者) という疑問に全て答えている、いい記事である。

【Carrie Dennis】
Carrie_dennis

 まあ、とにかくなにかに、―おそらくは音楽の神みたいなものに憑かれたような演奏をするCarrie Dennisに目が釘付けとなり、ドゥダメルのエレガントな指揮姿にあんまり目がいけなかったのは、少々残念であった。

 あ、目はヴィオラ奏者のほうに集中してしまったが、肝心の演奏はちゃんと耳を傾けていました。
 この演奏では、私がマーラーの中期以後の交響曲に感じていた、数が勝負というふうな、音がmassとして迫ってくる、そしてそこに生じる独特の濁りというか、翳りというか、そういうものが感じられぬ、各旋律が分離してきっちりと聞こえてくる、ときには室内楽的な明快さも感じさせる、…まあ事前にドゥダメル的な音楽と思っていた音楽が、マーラーでも鳴っていた。そしてこのような「明晰な」演奏をマーラーの第六でやられると、終楽章は個人的には辛いものがあった。迫力はあるけど、何度も繰り返される旋律が、結局はただの音符の羅列のように聞こえ、もうこのへんで結構という気になってしまう。それは、マーラーが表現したかったものと、そうとう離れているような気がした。
 こういうマーラーもありなのかもしれないのだろうけど、やっぱりよく分からなかったのというのが私の実感であった。

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香港の大観覧車

 毎年3月下旬に香港で開かれる、大規模な音楽祭「香港アートフェスティバル」に今年も行ってきた。
 音楽と食事の好きな者たちが一同に会して、音楽と中華料理をさんざん楽しもうというツアーである。

 香港には各自で訪れ、現地集合。
 初日は、当代一番の人気指揮者ドゥダメルによる「マーラー交響曲第六番」を聴いたのち、フォーシーズンホテルの香港最高峰の広東料理の名店「龍景軒」で夕食(というより夜食)、ゴージャスプラン。

 それらの話はあととして、まずは香港の風景の紹介。

【夜景】
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 100万ドルの夜景と称される香港の夜の風景も、今回訪れたときは、いつも靄がかかっており、遠景まではよく見えなかった。
 それでも、香港島の夜の近景はよく見え、さすがに独特の美がある。
 さらに、昨年にはなかった風景が一つ増えていた。
 画面の中央ほどにある、ホイール。観覧車である。昨年の12月に出来たものだそうだ。

【九龍湾】
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 コンサートののちは、スターフェリーで対岸を渡る。
 向いは香港中心地の中環。やや右にある超高層のタワー、Two IFCがランドマークであり、中環ではこれが目立つので道に迷うことはない。

【夜の大観覧車】
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 夜の大観覧車。
 ライトアップされた姿は、近寄ればさらに美しい。

【大観覧車】
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 翌日、昼食が中環にある店だったので、またこのあたりを訪れた。
 大観覧車、人気スポットだろうから人が多いだろうと思っていたが、閑古鳥が鳴いていたので、乗ってみることにした。

【料金】
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 料金は大人一名100香港ドル。日本円にして約1500円ほど。
 あんまり観覧車には乗ることはないけど、日本の基準からすると、やや高めのようである。
 まあ、どーせ一生で一回しか乗らないだろうから、料金を払って乗ることにした。

 それで、観覧車のすぐ前のゲートで待っていたが、客を乗せた観覧車は客を下ろすことなく通りすぎ、一回転してもさらに回り続けて、その次もまた回っていた。
 いくらなんでもエンドレスということはないだろうけど、さすがに不安に思って係員に「いったい何回まわるんですか?」と聞いたところ、「15分間、3回転です」とのことであった。

 そして待っているうち、観覧車はいったんストップして、それから客を下ろして、私が入り込んだ。

【観覧車からの風景】
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 観覧車から眺める九龍湾の風景。
 じつのところ、中環にはこれよりも高い建物はヤマほどあるので、さしてここから見る風景に驚きはないのだが、それでも徐々に高さを増していく風景の変化にはそれなりに味がある。

 3回まわって、もうおしまいかと思ったら、1回余分に回り、4回で終了。
 事前の説明より一回ぶん得をした。
 たぶん客が少ないので、サービスしてくれたのであろう。


 香港というところは、人口がたいへん多いわりには、平たい土地が少なく、開発が難しいところだ。それでも、中環湾岸のこういう一等地にまだこのようなものを造る活気があるわけで、パワーに満ちた地であることを再認識した。

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March 15, 2015

サイクリング:東九州道佐伯IC~蒲江IC間開通プレイベント タイムトライアル and 祝 東九州道宮崎大分間全面開通

Event

 東九州道が3月21日に、残っていた整備区間の蒲江IC~佐伯ICが完成し、ついに宮崎から大分まで高速道路が開通することになった。
 その記念に、開通1週間前の3月15日に、ハーフマラソン、ウォーキング、サイクリング、タイムトライアル(TT)等のイベントが開催されることになり、私も東九州道開通の恩恵を受ける者の一員として、TTにエントリーしておいた。

 しかし、天気予報によれば15日は雨とのことで、そして当日になっても宮崎は雨が降り、天気図を見ても午前中はずっと雨であることは確実である。
 TTに出るので、バイクはロードバイクを使うわけだが、ロードバイクは雨のなかを走るようにはできていない。
 それで棄権しようとは思ったのだけど、この「高速道路を自転車で走る」というイベントは、通常のサイクリング大会とは異なり、その区間を走るのは一生で一回しか経験できぬことであり、貴重な機会だ。
 さらに、この区間はこれからよく車で走ることになるであろうから、そこを行くとき、「ああ、ここ自転車で走ったなあ」との思い出があったほうが、ドライブの楽しみにもなる。

 そういうわけで、とりあえず佐伯の会場まで行き、本降りなら残念ながら棄権、小雨なら「安全第一の走行」で参加する方針とし、佐伯の運動公園まで行ってみた。

【会場】
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 東九州道、宮崎~大分間開通を祝する大きなイベントなので、参加者は多く、4000人の人出だったそうで、会場はにぎわっていた。
 雨はずっと降っていたが本降りというほどでもなく、注意して走れば問題なさそうだったので、受付を済ませてTT参加とした。

【会場から高速道路を見る】
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 会場の佐伯総合運動公園は、スタート地点の佐伯堅田ICのすぐそこであり、こういうイベントにぴったりの会場であった。
 写真では、奥に一直線に伸びる高速道路が写っている。

【佐伯堅田IC】
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 スタートは佐伯堅田IC。ここに自転車で入れるのも、今日だけのことである。

【スタート地点】
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 数あるイベントのうち、ハーフマラソンはすでに始まっており、雨のなか雨具を着たランナーが走っている。

【スタート】
1

 TTは、11時半から15秒ごとに選手がスタート。
 高速道路は車にとって高速が出せる道だが、ロードバイクにとっても高速が出せる道であり、皆、ダッシュして行く。

 今回の私のルールは、「とにかく安全運転」ということで、それで慎重に走っていった。そうするうちに、3km走らぬうちに、後ろから2名の者に抜かれてしまった。そんなところで抜かれるようでは、これからはずっと抜かれ続けられることになってしまう。それはやっぱり悔しいので、少々方針を変更して、スピードアップして走っていくと、心拍数90%を越えて走ることになった。これがけっこうきつく、10kmくらいのところで気分が悪くなり、吐き気もしてきたので、80%に抑えて走ることにした。その地点が「山口下孫四郎トンネル」という妙な名のトンネルであり、これからここを通るたび、そのときのことを思い出すだろうなあ。

 15kmくらいの蒲江ICで折り返し、20km越えたころには、速い人たちが追いついてきたようで、それからずいぶんと追い抜かされることを経験しながら、29.3kmを走りきって、なんとかゴール。
 平均時速は29.2kmだったから、TTに参加している意味がまったくないような記録だったけど、雨降ってなかったら30kmは越えたはず、と言い訳しておこう。でも順位は全体の半分より少し下くらいだったから、それほど駄目な記録というわけでもないようだった。
 まあ上位の人たちは40km超でゴールしており、そういう人たちにびゃんびゃんと抜かれたわけだが、これぞTTというタイムであり、どうやったらそんな速度で走れるのだろうと感心することしきりである。

【ゴール地点】
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 当たり前のことながら、走行中の写真はなく、ゴールしてからのゴール地点の写真。このゲートをくぐるときはそれなりに感慨があります。

 数年前から、東九州道の各IC区間が整備されるに従い、その都度開かれていたイベントも今回で終了である。
 そして、宮崎と大分はぐっと近くなり、私も大分市や九重、由布に行くのがたいへん便利となり、これからこの方面に行く機会が増えそうだ。

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 東九州道開通イベントHP

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March 09, 2015

寿司:光洋 東京チャレンジ鮨

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 鮨を食いに光洋に訪れると、庭にはイワツツジが咲いていて、季節がもう春になっていることを知らせてくれる。
 酒、ツマミ、鮨をいつものようにおまかせで頼む。

 ところで、光洋は3月11日から東京のデパートで「大九州展」なるイベントで鮨を出すとのこと。鮨の激戦区九州から選ばれたのは、たいしたものではある。
 そして宮崎から東京に出店するからには、そこで鮨を食べる人たちへは、東京では出ないような鮨を握らねば、といろいろメニューの工夫を重ねていたようだ。

【甘海老キャビアのせ】
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 宮崎には、「宮崎前寿司」なるものはないので、結局は光洋独自の鮨を出さねばならないのだが、それでも「いかにも宮崎」という鮨も必要である。
 そこで選ばれたのが、いちおう全国区レベルの知名度を持つ「宮崎キャビア」。
 「宮崎キャビア」は本場ものと比べると、淡泊なので、鮨に合わせやすいといえば合わせやすい。その試作品が甘海老のキャビアのせ。ネタはどちらもいいのだけど、あんまりマリアージュはよくないみたい。

【宮崎キャビア】
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 私はどうやら不満顔を浮かべていたらしく、キャビアそのものがツマミとして次に出てきた。
うむ。普通に美味しい。

 宮崎キャビアは本場ものよりは鮨にも合うところはあるので、うまくいじれば、いい鮨は出来そうである。
 ただし単価が高いから、いずれにせよ使いにくい素材ではあろう。
 いつの日が量産体制が確立され、もっとCPのよい素材となることを願います。


 さて、大九州展は、お決まりの鮨は8貫ということで、海老・キンメといった光洋のスペシャリテに、コハダ、玉子、鮪等の光洋流の仕事を使った鮨を出せば、十分に個性ある鮨は出せると思う。
 それで、質は問題ないとは思うけど、なにしろ勝負は水物。光洋東京デビューは、さてどうなるのだろう。ちょっと、どきどきしますな。


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March 08, 2015

大崩山落水林道整備

【朝の大崩山】
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 大崩山落水林道整備。前夜の宴会が終わったのち、朝、車中泊から目を覚めして外を眺めると、見事な快晴。大崩山がくっきりと見える。絶好の登山日和であり、集合してきた人たちも、みな、「山に登りてえ~」と口をそろえて言うのだが、本日は登山でなく、林道整備が目的の日であり、「美人の湯」でたいへん美味しい朝食を食べたのちは、林道整備へと総勢20名ほどで出かけて行く。

【落水林道へ】
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 落水林道へは、舗装道を行けるだけ言って、非舗装路になったところで歩いていく。
 いろいろな恰好と装備をした怪しげな、しかし体型は妙に引き締まっている人達の群れである。

【林道歩き】
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 冬枯れの道。
 向いの独特の厳しい稜線を持つ山は、「鋸山」だそうだ。
 こういう山が大崩山山系にあることを私は知らず、登山道を尋ねたら、「ない。」とのこと。
 ルートは分かりやすそうな山なので、がんばって藪漕ぎとかすれば登れそうな山であり、いつか登りたいものだ。

【落水林道へ】
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 落水林道は使われなくなったこと久しく、雑草ならぬ雑木が生い茂っていること多く、それを刈り払って進むことになる。

【落水林道】
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 細い枯れ木や蔓草は鉈や手鋸でなんとかなるが、ある程度の太さのある枯れ木は、チェンソーや刈払機が大活躍である。

【落水林道崩壊部】
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 大崩山山系は、巨大な基礎の岩の上に、岩の砕けた砂利や砂が乗っている形態なので、水の流れるところ地形は崩れまくっていた。こういうところを歩いていると、「大崩山」という名前の由来がよく分かる。
 しかしこういうところ、トレランはいいとして、マウンテンバイクはどうやって通るのだろう?

【落水林道】
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 この廃道は、大きな枯れ木が通せんぼしているところが多くあり、そこはチェンソーの出番。チェンソーを扱えるスキルを持った人が、切り倒していく。こういうのは専門家しか扱えない。
 では、他の人たちは見ているだけの烏合の衆かといえば、そうではなく、樹が切られると、その樹を直ちに片付けていく。
 つまり砕氷船のごとく、舳で氷を砕き、船腹でそれを押しのけていく、そういう役割分担がしっかりしているので、作業はスムースに進んでいく。

【昼食休憩】
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 それなりの労働をいったん終え、「大崩茶屋」で作られた弁当で昼食休憩。
 冬ゆえけっこう寒いので、日当たりよいところを探して、そこでの一斉昼食タイムである。

【落水林道】
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 昼食後1時間ほど、さらに整備を進めていく。
 蔦のからまったところの蔦を全部取り払ったり、枯れ樹を除去したりして、そしていい目印らしき岩があったところで本日の整備はいったん終了となる。

【林道地図】
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 林道地図は、大崩山のFBの地図から引用。この赤い道が落水林道である。
 本日は(たぶん)青線のひいたところまで整備が済んだ。全行程のおよそ3分の1ほどであり、今後2次、3次の整備が計画されております。

 本日の整備が終わったところで、大部分の人は元に引き返したのであるが、一部の者はそのまま林道を行って、「美人の湯」に戻ることになった。
 私もそのまま進むことにした。せっかくの好天、山は楽しめるぶん楽しみたい。

【トレラン組】
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 一部の者、と言っても、トレラン趣味の組2人と私だけなのだが、私が先行してさっさと歩いていると、後続の二人はさすがトレラン、しばらくするとあっという間に追いついて、そして追い抜いて行った。
 追い抜かれると、なんかついて行きたくなり、速足で追いかけるが、当たり前のことながら追いつけるはずもなく、不本意ながら私も走っていった。人生初のトレランである。

【落水林道崩壊部】
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 山道走ってみると、なかなか楽しかった。
 追いついたトレラン組と雑談しながら走り、山を走る爽快さなどについて聞かされると、けっこう納得するものがあったりした。
 そして、落水林道は完全に崩壊しているところがあり、…ここって、今後どう整備するのだろう。

【落水林道】
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 林道はやがて開けたところに出て、眺めもよい。こういうところのトレランは特に気持ちいいです。

【落水の滝へ】
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 やがて林道は、よく知られた落水の滝への分岐へと出る。
 ここからしばし登ると氷瀑の名所「落水の滝」へと行ける。
 私はここで トレラン組にお世話になりましたと挨拶をして別れ、それから落水の滝へ行くことにした。
 今日は山に来たのに全然「登る」ことをしていないので、どうにも身体の調子がのらない。私は「走る人」でなく、「登る人」なのだ。

【落水の滝】
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 落水の滝は、氷結することで名高い。
 今は3月初めなので氷結は期待できないが、氷が少しでも残っていることを期待したが、そのようなものは全くなかった。
 残念。
 …まあ、落水の滝は氷結している姿は有名だが、普通の滝の姿はあんがい見ることないので、その姿を見ることができたので良しとしておこう。

【落水の滝 渓流】
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 大崩山山系の渓流はいずこも美しいが、落水の滝からの流れもまた美しいものであった。

【落水林道】
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 落水林道を下っていって、ここは駐車場。
 まんくら山がよく見える。

【祝子川渓谷】
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 林道をずっと下り、やがて舗装路になり、そして祝子川渓谷に来れば、終点の美人の湯はもう少しである。
 本日はずっと好天の素晴らしい天気の日であった。

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March 07, 2015

落水林道整備イベント 前夜交流会@祝子川温泉美人の湯

 大崩山山麓はかつて林業が盛んであり、それを仕事とする人も多く住んでおり、にぎわっていた。伐採された樹を運ぶための林道も、山を周回するように通されていた。
 しかし、林業は衰退していき、それにつれ山奥で樹を切り出すこともなくなり、林道は放棄され、荒れ果てるままになっていた。

【林道の一部 (大崩山FBより)】
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 この林道、もはや木材を運ぶトラックが入れるような道ではないのだが、通せんぼしているような倒木を除去したり、落石を動かしたりして整備すれば、アウトドアスポーツに使えるのではないかと、延岡市のアウトドアスポーツのイベント発案の第一人者M氏と、大崩山の登山基地「美人の湯」の支配人氏が思い立った。
 しかし小人数でやると時間がいくらでもかかってしまうので、ここは人海戦術で短期間で決めてしまおうと、大崩山によく来る人たちに号令をかけて、3月8日に林道(廃道)整備をすることになった。

 大崩山は九州有数の名山とはいえ、入る人も少なく、大崩山に入っている頻度でいえば私は上から数えてかなり上位の人物であろうから、これは参加せねば、ということで参加の返事を出した。

 そして整備の前日に、整備スタッフを集めての宴会が開かれるとのことで、当然それにも参加した。

【宴会の料理】
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 宴会は、おもに「美人の湯」支配人が、猟銃を撃って周囲で獲ってきたものがメインとなった。
 鹿はジャーキー、カツレツ、立田揚げ、それに筋に煮込み。鹿カツレツの横はヒヨドリの唐揚げ。
 味の濃厚さは、鹿よりもヒヨドリであったけど、鹿もいろいろと手を加えていて、これはなかなかの美味。
 酒はビールが飲み放題であったが、山好きは、同義語で酒好きであり、今夜はジビエが出てくるということで、銘酒や、赤ワインをみな大量に持ち込み、それらを飲み比べながらの、にぎやかな宴会となった。

【宴会趣旨】
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 宴もたけなわになったころ、主催者のM氏が挨拶。
 自然の宝庫である延岡を盛り上げていきたい、その思いでずっと行動してきた人であり、今回のイベントに対する意気込みもまた、熱さが十分に伝わってきました。

【翌朝の大崩山】
Fine

 4時間以上宴は続き、そして各自お開きになり、さあ翌日はいよいよ落水林道整備である。
 天候は抜群の快晴だ。


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梅見ポタリング@三ヶ瀬川沿い県道225号線ルート

 金曜から土曜日にかけて寒波が九州到来ということで、雪が降ることを期待していたけど、寒波は北九州にしか届かず、宮崎は山間部は雨で、平地は曇りという天気。
 九重のライブカメラを見ても雪は積もっていず、土曜は雪山は期待できない。

 それで、久々に自転車に乗ろうと思った。
 というのは、3月15日に佐伯~蒲江間の東九州道の開通に合わせ、そこを自転車で走るイベントがあり、それに参加申し込みをしていたので、そろそろ足慣らしをする必要があったのである。

 天気が微妙ゆえ、いつ雨が降ってもおかしくないので、近場を散策する感じで行こう。
 そうなると、県道225号線を使っての三ヶ瀬川沿いの道は、今は梅がたくさん咲いているだろうから、梅見ポタリングを楽しめるだろうから、そこに行くことにした。

【梅1】
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 225号線は車も少なく、自転車が走りやすい道だ。
 このように、梅も所々咲いている。

【梅2】
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 梅は紅梅、白梅とも植えられており、それらの姿を楽しみながら走っていける。

【梅3】
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 先の写真の白梅は近づくと、満開であることが分かった。
 そして満開がゆえの濃厚な梅の香りが圧倒的。

【県道225号線】
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 道はだんだんと細くなるけど、大丈夫と通行者に知らせるように、ここは県道ですよとの標識が堂々と掲げられている。

【県道225号線】
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 やがて道は離合も困難な、林道になっていく。
 落石中の看板通り、道には石がいくらでも落ちている。
 昼だとたいしたことはないが、見通しのきかない夜とかは絶対に自転車で走りたくない道だ。

【県道225号線】
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 人里離れたところでも、渓流沿いに梅は咲いている。
 それにしても、道にはいくらでも落石があり、だからきちんと看板がある。

【山中峠】
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 この狭い林道を登り詰めたところが山中峠。
 200mほどの高さの峠であるが、山深く、深山幽谷の雰囲気がある。
 この奥山感を用意に味わえるのが、宮崎のいいところである。

【県道225線】
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 山中峠を降りれば、やはり梅がお出迎え。
 梅は人が住んでいるところのほうが、樹は多い。

 このあとは、道の駅東郷に出て、それから国道327号線を走って元に戻った。
 そのルートではあまり梅を見ることはなかった。

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 本日の走行ルート

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March 01, 2015

竹崎蟹@蟹御殿 太良町

 佐賀の梅を見たついで、佐賀名物の竹崎蟹を食いに太良に行こう。
 渡り蟹は九州で好まれる蟹であり、九州のいたるところで獲れる。そのなかで最も有名な蟹が竹崎蟹である。
 竹崎は有明海の奥に位置するところで、そこは栄養が豊富なことから、ここで獲れる蟹はサイズが大きく、また身や内子がぎっしりと詰まっていることから、渡り蟹のなかでも特に美味であることで知られている。

 その竹崎蟹が食べられる、太良町の旅館「蟹御殿」へと。

【竹崎蟹】
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【竹崎蟹】
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 比べるものがないので分かりにくいのだが、約30cmほどの大きな蟹。なかには内子がぎっしりとつまっている。 これは竹崎蟹の特徴であり、これ一杯で満腹になってしまうほどの量と質である。

 これ以外にも太良では牡蠣と海老も有名であって、それらも出てくる。

【牡蠣】
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 牡蠣は卓上で蒸し、熱々の牡蠣をそのまま食べる。

【車海老】
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 車海老は塩焼きで。

【クツゾコ唐揚げ】
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 竹崎蟹とともに、メイン料理となっているクツゾコ。
 クツゾコは有明海特産の白身魚であり、淡泊な味わいながら、繊細の旨みを持ち、とても美味である。

【蟹御飯】
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 他にも新鮮な造り、蟹茶碗蒸し、などのあとの〆はやっぱり蟹御飯。
 蟹の旨みと香りが濃厚である。

【有明海風景】
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 「蟹御殿」の名物は、竹崎蟹とともに、有明海の風景。
 有明海を望む高台にある蟹御殿は、有明海を一望でき、そして引き潮のときは遠くまで広がる干潟を見ることができる。その広大な干潟と、それに満潮のときの海水に満ちた姿の格差が大きく、それを見ると太良町のキャッチフレーズ「月の引力が見える町」が実感できる。

 ただし私が訪れたときは、月は半月、小潮のときであり、潮はまったくひかず、月の引力をまったく実感できなかったのは残念であった。

【干潟の図】
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 以前訪れたときは、部屋からこのような干潟を見ることができたのだが、今回は訪れた時期が悪かった。
 もっとも梅のほうはちょうど満開の時期だったので、どれもこれもというわけにはいかないようである。

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