寿司:かた田@金沢市
寿司というのは日本を代表するような料理であり、全国津々浦々に店があるわけだが、寿司は発展途上の食文化でもあり、いくらでも発展のさせかたがあるようで、その活性化が盛んな地方がいろいろとある。
東京は別格として、札幌、福岡、金沢といった地方都市は、食材が豊富なせいもあり、熱心な若手が個性ある店を次々と開いている。
今回北陸に行く機会があったので、金沢の若き鮨職人の店「かた田」を訪れることにした。
かた田は、こじんまりした店であり、客7人で満席の店である。
清潔かつ機能的な店構えが、この店の実力をただちに教えてくれる。
そして、なにより入ったときに目立つのが、カウンターの奥に飾られているコートドールの地図。
ワインの聖地コートドールの地図は、それ自体はビストロなんかで時に見ることがあり、さほど珍しいものではないが、寿司店にあるのは珍しい。さらに、この地図には仕掛けがある。この写真では分かりにくいので、次に拡大図。
この地図、寿司で作られているのである。
ドメーヌはきちんと書かれており、地図としても役に立つのだが、なにはともあれフランス文化と日本文化の融合を遊び心たっぷりに描いた、なかなかの逸品と言えよう。
そういう店であるから、この店はワインに力を入れている。そして、ワインに合わせた肴や鮨も考えている。
ワインはそれ単体で美味しく、鮨もまた単体で美味しく、それをあわせればもっと美味しくなるであろうというマリアージュを誰しも考えるが、実践は難しい。
写真に示すシャブリとコハダのマリアージュは、いろいろと意見はあるのであろうが、今は21世紀なんだから、これもありと思いたい。
かた田の鮨の特徴は、サイズがとても小さいこと。このサイズは、握って鮨の形を整えるがけっこう大変なはずだが、シャリの特性を使ってうまく処理していたと思う。
こういう小ぶりの鮨は、シャリの強さを発揮しにくいけれど、酒のアテとしてはとてもよく、私のような酒飲みにとっては、塩梅のよいものであった。これをアテにいくらでも飲め、いくらでも飲める感じ。
このタイプの寿司店は、私は他に鹿児島の「のむら」しか知らないが、あそこも酒を大事にしている店であり、酒(orワイン)との相性を考えると、こういう鮨に行きつくのでは、とも思った。
鮨は、ワインに合うのもあり、合わないのもあったが、鮮度を生かしたものもあり、仕事をうまくしたものもあり、どれもレベルの高いものであった。
〆はカンピョウ巻にしたけれど、さすがにこれでワインは無理だと思い、日本酒で〆ることにした。
肴、鮨、それに酒の種類、いろいろと工夫のある店で、店主の研究熱心さがうかがわれ、また金沢に行く機会があったときは、是非とも訪れたい店だと思った。
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