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February 2015の記事

February 28, 2015

佐賀の梅

 日本の春の花は、じつは桜ではなく、梅から始まる。
 寒気が緩み、春の気配がしだしたころ、そこらここらで咲いている花は梅なのであって、あの可憐な花と馥郁たる香りで、春の訪れを知る人も多いと思う。

 2月も終わりになり、もう春が近い。
 それで、春の訪れをリアルで見るために、梅見へと出かけた。

【伊万里梅園】
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 出かけたところは、佐賀県伊万里の梅園。
 ここは約6500本の梅が、ただっぴろい平地に植えられている、佐賀県の特有の地形を生かした梅の楽園みたいなところなのである。

 駐車場の高台から見渡した、一面の梅園は、ちょうど満開だったこともあり、圧巻の一言。

【梅それぞれ】
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 一面梅の花、という風景もたいへんよいが、梅にもそれぞれ品種があり、その一本一本の樹の花もまた味わい深くてよろしい。純粋な白や、艶やかな赤、ピンク、枝垂れ梅の柔らかな紅色、全て全てが見ていて見飽きない。

【波佐見焼】
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 春の訪れを知らせる梅を見て、心は春気分である。
 そしてここは伊万里であり、焼き物の名所だ。
 それで、春らしい器が欲しくなり、ここから近くの波佐見焼の「藍水」に行って、春らしい花々をあしらった器を2つ購入した。
 藍水の器は独特の破格と柔和さがあり、私の好みなのである。

 さっそく家で使っているけど、佐賀の春が我が家にそのままやってきたという思いを受け、焼き物の力を感じます。


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February 23, 2015

富山の鱒寿司

【ますのすし】
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 富山の郷土料理鱒寿司は、もちろん「ますのすし本舗 源」のものが有名で、九州でも物産展や駅弁大会の定番品であり、デパートで容易に手に入ることができ、「鱒寿司」というとこれをイメージする人が多いだろう。私もそうである。

 今回富山の寿司店を訪れたとき、店主および店の客との話で、鱒寿司が話題となった。鱒寿司は、作り手がたくさんあり、土産店では数多くの種類の鱒寿司が売られており、なんでもかんでも「源」というわけではないそうだ。

 そして、地元民の第一のお勧めとしては、まずは「川上」、次は「吉田屋」だそうである。これらの店はいい素材を使っているのは当然としと、味が安定しているところがよいそうだ。
 どちらとも土産店に売っているけど、川上は人気が高いので、売り切れていることが多いそうである。

 鱒寿司にはさして興味はなかったが、そういう話を聞くと、それらの鱒寿司を食べたくなり、空港の土産店に寄ってみた。

【富山空港土産店】
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【川上&吉田屋】
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 たしかに、鱒寿司ってたくさん種類がある。
 そして「川上」と「吉田屋」を探すと、「川上」は運よく一つだけ残っていたのでGETできた。それに加え、「吉田屋」もGET.

【鱒寿司@川上】
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 重しを外し、笹をめくって、さて鱒寿司を食ってみよう。
 ほどよく塩と酢の利いた鱒の身は脂もよく乗っており、シャリとの相性もよい。
 これは美味しいと食い進めると、…さすがにこの量は途中で飽きる。

 「吉田屋」の鱒寿司も、「川上」と似たよなものであって、美味しいけどやはり途中で飽きますな。
 結局3日かけて、全部食べたけれど、当分のあいだ鱒寿司はもういいや。

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February 22, 2015

松乃寿司@富山市

 富山市の郊外にある寿司店。
 知人が富山の寿司店のお勧めとして、「鮨人」とこの店を挙げていたので、行ってみることにした。
 最寄の駅から歩いて15分ほど。住宅街のなかにある店で、店構えといい、中に入ったときの雰囲気といい、またネタケースを見ても、あんまり美味しそうな予感は感じられなかった。

【鮨一人前】
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 とりあえず、特上寿司を頼んだ。ネタケースのなか以外のネタも奥の調理場に用意されていたようで、予想していたよりずっと良いネタの鮨の数々であった。
 地元の新鮮なネタを用いた、いわゆる鮮魚系の鮨である。値段からすると、ずいぶんとCPの良いものであった。

 この店は、自慢は酒揃えであり、一般には手に入れにくい地元の銘酒を飲むことができる。店主の一番のお勧めは「勝駒」であり、たしかに豊潤な味のいい酒であった。そのほか、「満寿泉」「幻の滝」といった、これもよい酒を楽しむことができた。

 鮨とともに、肴をアテに酒を飲む。

【白海老、サスの昆布〆】
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 富山湾名物の白海老。甘くて、旨みたっぷりの富山湾の宝。
 サスとはカジキマグロのことで、これもまた富山名物。

【熟成ホタルイカの一夜干し】
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 これも富山湾名物のホタルイカ。ホタルイカを熟成させ、内臓の旨みを濃厚にさせてkら一夜干しにして焼いており、この内臓の美味さが感激ものであった。


 店主によれば、富山の本当に美味しい魚は、市場の関係から水曜と日曜以外の日に入るので、できるならばその日以外に来たほうが良いとのこと。
 今回の訪問で、この店の実力(特に酒のアテ)が分かったので、次回はその日の夜に訪れてみようと思った。

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February 21, 2015

寿司:かた田@金沢市

 寿司というのは日本を代表するような料理であり、全国津々浦々に店があるわけだが、寿司は発展途上の食文化でもあり、いくらでも発展のさせかたがあるようで、その活性化が盛んな地方がいろいろとある。
 東京は別格として、札幌、福岡、金沢といった地方都市は、食材が豊富なせいもあり、熱心な若手が個性ある店を次々と開いている。
 今回北陸に行く機会があったので、金沢の若き鮨職人の店「かた田」を訪れることにした。

【カウンター】
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 かた田は、こじんまりした店であり、客7人で満席の店である。
 清潔かつ機能的な店構えが、この店の実力をただちに教えてくれる。
 そして、なにより入ったときに目立つのが、カウンターの奥に飾られているコートドールの地図。
 ワインの聖地コートドールの地図は、それ自体はビストロなんかで時に見ることがあり、さほど珍しいものではないが、寿司店にあるのは珍しい。さらに、この地図には仕掛けがある。この写真では分かりにくいので、次に拡大図。

【コートドール (Côte-d'Or)】
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 この地図、寿司で作られているのである。
 ドメーヌはきちんと書かれており、地図としても役に立つのだが、なにはともあれフランス文化と日本文化の融合を遊び心たっぷりに描いた、なかなかの逸品と言えよう。

【ワインとともに】
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 そういう店であるから、この店はワインに力を入れている。そして、ワインに合わせた肴や鮨も考えている。
 ワインはそれ単体で美味しく、鮨もまた単体で美味しく、それをあわせればもっと美味しくなるであろうというマリアージュを誰しも考えるが、実践は難しい。
 写真に示すシャブリとコハダのマリアージュは、いろいろと意見はあるのであろうが、今は21世紀なんだから、これもありと思いたい。

【鮨】
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 かた田の鮨の特徴は、サイズがとても小さいこと。このサイズは、握って鮨の形を整えるがけっこう大変なはずだが、シャリの特性を使ってうまく処理していたと思う。
 こういう小ぶりの鮨は、シャリの強さを発揮しにくいけれど、酒のアテとしてはとてもよく、私のような酒飲みにとっては、塩梅のよいものであった。これをアテにいくらでも飲め、いくらでも飲める感じ。
 このタイプの寿司店は、私は他に鹿児島の「のむら」しか知らないが、あそこも酒を大事にしている店であり、酒(orワイン)との相性を考えると、こういう鮨に行きつくのでは、とも思った。

【カンピョウ巻】
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 鮨は、ワインに合うのもあり、合わないのもあったが、鮮度を生かしたものもあり、仕事をうまくしたものもあり、どれもレベルの高いものであった。
 〆はカンピョウ巻にしたけれど、さすがにこれでワインは無理だと思い、日本酒で〆ることにした。

 肴、鮨、それに酒の種類、いろいろと工夫のある店で、店主の研究熱心さがうかがわれ、また金沢に行く機会があったときは、是非とも訪れたい店だと思った。

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February 20, 2015

居酒屋:真酒亭@富山市

【店内】
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 富山というところは日本有数の魚の獲れるところであり、かつ地酒も豊富なことから、居酒屋の多い地である。
 以前富山市を訪れたとき、「だいどころ屋」という居酒屋に行き、たいへん良かったので今回もそこにしようかと思っていたが、だいどころ屋は知らぬまに店を閉じていた。

 それでネットでいろいろと探したところ、「真酒亭」という、居酒屋なのに禁煙という極めて珍しい形態の店があることを知った。そういう店は、酒と料理にこだわりがあり、かつレベルが高いに決まっているので、そこに決めた。

 店に入ると、店主から今日飲む酒の予定量を聞かれる。
 「とりあえず、5合くらいにします」と答えると、「うちはそんなに出しません。3合半くらいにしましょう。半合ずつ7種類の地酒を出します」とのこと。
 …寿司屋で、「うちは居酒屋でないので、このへんでお茶にしましょう」とか言われて、酒の制限が途中で入ったことは何度か経験しているが、居酒屋で酒の量の制限が出たのは初めての経験である。まあ、あんまり飲みすぎると酒の味が分からなくなってくるので、それへの対策なのであろうけど。

【酒と肴】
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【お造り】
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【カワハギの椀もの】
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 酒は銚子に半合ずつ出され、酒がなくなるとツケ台に戻す方式。
 酒は流れにあわせて、富山の地酒が主体に出てきます。
 肴はやはり富山湾で獲れた新鮮な魚の数々。どれも質がよく、また値段もリーゾナブル。

 これらを肴に淡々と飲んでいると、店主が4合まで行きましょうか言い、それで店のオリジナルの「呑喜呆酊(ドンキホーテ)」という酒が〆で出てきた。
 樽酒っぽい味だが、さらに洗練されており、ホワイトオークを使ってワイン風な味わいを出しているとのこと。

 全部で8種類の酒を飲んだわけだが、いずれも個性が強く、富山の酒の種類の多さ、それに味の多様さがよく分かった。
 日本酒好きにはたまらない良店である。

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北陸風景@平成27年2月

 週末は仕事で、北陸へ。
 ニュースでは北陸地方は規格外れの寒波が襲い、どの地区も雪と寒さで大変だという話が連日流れていたので、防寒+降雪対策はしっかりとして訪れたのであるが、富山空港から一歩出た時点で、全然寒くないので、あれっと思った。かえって宮崎よりも暖かいと思ったくらい。
 そして北陸の街も、全然雪は積もっていなく、それはそれで有難いのであるが、少々拍子抜けでもあった。

【雪の立山連峰@富山駅から】
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 今の時期は、北陸は荒天続きなので、富山での立山連峰の絶景は見られないだろうなと予測していたら、珍しく好天であって、雪を抱いた立山連峰の素晴らしい姿を見ることができた。

【雪かきグッズ】
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 北陸、いずこも雪はなかったが、これは例外なのであって、道にはこのように雪かきグッズが用意されていた。

【富山駅(新)】
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 今の時期の北陸は、来月の新幹線開通が一大イベントとなっており、どこもその話題ばかりであった。
 しかし開通まであと一ヶ月もないというのに、富山駅はまだ建築中であった。

【富山駅】
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 今のところ本体であるJR富山駅は、(新)富山駅とは異なり、このようにいかにもローカルな姿の駅である。

【金沢駅】
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 金沢駅も、その周囲に雪はまったくなかった。
 街路樹を支える雪つりがかえって、妙である。
 新幹線開通を前に、金沢駅も改修中であった。外からは分からないけど、中はそうとうにゴタゴタしておりました。

【富山市】
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 話はもとに戻り、富山市をぶらぶら歩くと、好天のおかげでどこからも立山連峰、そして剱岳を望むことができた。
 これほど見事な、迫力ある山と連峰も、ちょっとないのであって、北陸を訪れたその時にそれを好条件で見られたのはラッキーであった。

 そして、今回は防寒対策をしっかりとしていたのだが、全然寒くなく、かえってその恰好では暑いほどであったので、閉口する羽目になった。
 富山の人に聞くと、本日は異常だとか言っていたので、暑いと思った私の感覚は正しかったのだ。
 あとでニュースを見ると、北陸地方は4月上旬なみの気温だったそうで、しかも春一番が吹き荒れたとかのことで、また妙なときに訪れたみたいであった。

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February 15, 2015

河津桜@津久見市四浦半島

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 九州の2月中旬は、梅が咲きだすころで、梅の名所では日当たりの良いところは見どころを迎えているはずである。
 それで梅を見に行こうと思ったのであるが、たまたま見た情報誌に、津久見市の四浦半島の河津桜が梅と同じような時期に咲き出し、九州一早い桜を見ることが出来るとの記事が載っていた。
 それでは、趣向を変えて、2月の桜を見に行こうかと、四浦半島へと行ってみた。

【豊後水道ウォーキング】
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 四浦半島に入ってみると、人がぞろぞろと歩いている。
 桜を見ながらの、ウォーキング大会がちょうど開かれていたのである。
 桜が見ごろなら、とても楽しいイベントであろう。
 …ただし、桜は咲きだしたばかりで、大部分が蕾であったのは残念である。

【桜並木】
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 道沿いに河津桜はずっと植えられているけど、日当たりが普通なところは、このようにまだまだ蕾ばかりである。

【河津桜】
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 日当たりのよいところは、なんとか5分咲き程度の桜は楽しめた。
 そして、この地域はメジロが多くて、咲いている花の蜜を求めて、花々に顔を突っ込んでいた。
 メジロと桜はとても合う光景であり、メジロが来たところを懸命に写真に撮ったが、けっこう警戒心の強い鳥のようで、あまり近づかず、結局まともな写真は撮れなかった。

【撮影者】
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 メジロと桜の取り合わせは被写体として抜群であり、だれしもそれを撮影したいだろう。
 しかしそれにはテクニックがいる。
 花の咲いているところでは、樹々一本一本にカメラマンがついていて、望遠レンズのついたカメラを構えていた。
 彼らは、メジロが訪れてくるのをじっと待っているのである。
 いい写真を撮るには、忍耐と苦労が必要なのだ。

【津久見湾】
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 そのような忍耐のない私は、桜を見ながら散策。
 ここは海に突き出した半島ゆえ、ときに海ものぞく。
 桜が満開のころ、海の青と、桜色の取り合わせもまたいいものであろう。


 今回は少々訪れるのが早すぎたが、満開の時期、ぜひとも訪れたく思った。

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February 14, 2015

牧ノ戸峠~久住山~御池~星生山@平成27年冬

 1月末に寒波が到来して、九重は雪がたくさん積もってはいるものの、週末の天気がイマイチの週が続いていたわけだが、2月第2週の土曜日は見事に快晴となり、今までの鬱憤を晴らせるような、素晴らしい景色を堪能することができた。
 その登山記。

【九重】
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 やまなみハイウェイから見る九重の眺め。
 頂上付近の冠雪に加え、この一片の雲もない快晴がよろしい。

【牧ノ戸登山口】
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 登山口から雪がいっぱいだ。
 アイゼンをつけて、登っていこう。

【駐車場】
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 牧ノ戸登山口の駐車場は、このように満車である。
 県外のナンバーも多く見受けられた。

【沓掛山から】
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 牧ノ戸登山口からは、いったん沓掛山のピークまで登って、それからは平坦気味の登山ルートに入る。
 ずっと、雪道のようだ。

【西千里浜】
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 雪山の季節で、牧ノ戸~久住山ルートの最大の見どころは、西千里浜からの眺め。
 星生崎と久住山が、西千里の雪原の奥に、翼を広げたように聳える、見事な造形の美が楽しめる。

【久住山】
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 避難小屋前から見る久住山。
 いい具合の雪のつきかたである。

【避難小屋前】
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 避難小屋前の広場は、雪原となっている。
 バックの青空が美しい。

【久住山へ】
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 久住分かれから久住山へ。
 このあたりから久住名物の強風が吹いているが、それによって雪原には風紋が刻まれている。じつに見事な自然の造形美だ。

【久住山への道】
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 今日の久住は登山者が多かった。そのなかで、長崎からのバスツアーでの集団登山の人達の登山風景。
 長崎から久住はそうそうと来られないだろうけど、絶好の天気の日に、ツアーが当たった幸運な人たちである。

【久住山頂】
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 久住山頂からは、360度のパノラマ風景を楽しめる。
 九重山系に加え、祖母傾、阿蘇山、それから周囲の田園風景。
 じつにじつに素晴らしい。

【御池】
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 久住山を下って、この季節の最大の名物の御池へ。
 雪が乗っていて、氷の湖面は見ることができないが、これはこれでいい風景だ。

【星生山へ】
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 久住分かれからは今度は星生山を目指す。
 雪の時期、雪が豊富なときは九重山系では、私は星生山がいちばん美しいと思う。
 地理的に雪の着きが多いので、条件さえよければ、真っ白の山をずっと楽しめる。

【雪の西千里浜】
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 雪の時期の西千里浜は、そこを歩くのも楽しいが、星生山の稜線から見下ろす姿もまたよろしい。

【星生山山頂から】
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 星生山山頂からのパノラマ。
 一枚目は久住山の眺め。二枚目は大船山の眺め。
 この山頂からは、九重の二つのスターを同時に見ることができる。

【牧ノ戸風景】
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 星生山を下りて、それから下山ルートに入る。
 牧ノ戸の駐車場は、車の数は減っていた。
 そして午後まで、この雲一つない好天がずっと続いており、本日は素晴らしい登山日和であった。


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【本日の登山ルート】 
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February 08, 2015

雪の指山@九重

 寒波到来にて、朝から気温が低い長者原。
 そのおかげで湯気もうもうの温泉を朝から楽しむ。

【露天風呂@九重観光ホテル】
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 さて、本日は久住山に登るつもりだったけど、天気は良くない。

【朝食】
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 とりあえず朝はがっつりと食うが、外の景色は吹雪だ。
 予報によれば午前中山間部は大荒れで、ところによっては雷も落ちるとか怖いことを言っている。午後からは回復傾向とのことで、午後まで条件は良くなりそうだが、午後から登る気もしない。

 外を眺めても、1500m以上は過酷なことになっていることは想定でき、それならそれより低めの山にさっさと登って帰ることにしよう。
 ならば指山(1449m)が適切だ。指山は春のミヤマキリシマの季節には賑わうが、冬の指山なんて登る人はいないだろうから、ふかふかの新雪も楽しめるに違いない。
 というわけで、指山へGo.

【長者原登山口から】
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 長者原から。
 こういう天候ゆえ、九重の山の姿はほとんど見えない。
 前にぼんやりと見える山が指山である。

【登山道】
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 雨ヶ池への道からベンチのあるところから別れた道に入り、指山へと。
 先行者のトレースがあったのは意外であった。

【登山道】
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 林間の雪に埋もれた道を行く。

【登山道】
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 山頂に近づくころには道の傾斜はゆるくなり、そしてミヤマキリシマの間の道となる。
 ミヤマキリシマには雪がどっさりと乗っている。

【指山山頂】
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 指山山頂に到着。
 山頂奥の風の当たらぬ岩陰で、先行者2名が昼食中であった。本日の指山登山者は計3名だったようである。
 ここから眺める奥の三俣山は、上のほうはガスに覆われている。

【指山山頂から】
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 平治岳方面を見ると、平治岳は山頂まで見渡せ、本日平治岳に登ったひとはいい登山ができたようだ。

【指山山頂から】
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 さらに北方面を見ると、涌蓋山も山頂まで見渡せる。
 昨日も涌蓋山方面のみはガスが晴れていたので、冬の涌蓋山は気候条件が良い地域なのかもしれない。

【長者原から】
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 下山して指山を振り返れば、予報とおり天気は回復し、三俣山もしっかりと見えた。
 もう少し天候の回復が早ければよかったのだが、どうも先週に引き続き、登山運がない日が続いている。


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【本日の登山ルート】
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February 07, 2015

雪の三俣山

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 雪の九重。
 本日は大曲登山口から、三俣山に登ることにした。
 ここ数日の寒波到来により、登山口から雪はいっぱいである。

【林道】
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 林道も雪道であり、ここから見る三俣山がまた美しい。

【すがもり越へ】
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 枯沢を渡っての、三俣山への道。岩と雪だけの道。

【三俣山へ】
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 すがもり越から、三俣山へと登る。
 今は天気はいいのであるが、上空のガスの動きが激しく、稜線に行くころにはガスに巻かれそうだ。

【北千里】
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 三俣山へ高度を増していくと、北千里が下に見渡せる。
 普段は砂と岩の荒涼たる世界の北千里も、今ばかりは純白の美しい景色となる。

【西峰】
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 三俣山の入り口の西峰。
 奥に見える南峰が既にガスに巻かれているが、ここからはどんどん押し寄せるガスに視界はずっと遮られたままであった。

【道標】
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 三俣山の、重要なポイントの道標。
 ここは三叉に分かれ、まっすぐ行けば南峰、左が本峰、右がIV峰経由での大鍋への入り口である。
 とにかく本峰に行こう。

【本峰】
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 先の分岐点よりしばらくして本峰に到着。
 ここに着いたころからガスが濃くなり、周囲の景色が見えなくなる。
 本来の三俣山の登山は、本峰から北峰に向かい、大鍋を周回するか、下りるかというルートが一般的である。
 しかしここからガスのなか視界の利かないまま、北峰に向かうと、間違えて北側の岩場に下りて行ってしまう可能性があるので、安全のため、さきの分岐部に戻り、南峰に向かうことにした。

【分岐部】
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 分岐部に向かうと、ガスのなか、IV峰あたりに人がいるのが見えた。

【南峰へ】
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 南峰へはこの御鉢の縁を行くのが一般ルートだけど、御鉢の底へ行くトレースがあったので、それを利用させてもらい南峰へ向かった。
 雪まみれの、じつにいい世界だ。

【南峰へ】
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 御鉢の縁に着いて、そこからミヤマキリシマのなかを南峰へ向かっていく。

【南峰】
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 ミヤマキリシマのトンネルをくぐりぬけ、南峰へ。
 ここからは周回するルートがあるけれど、このガスのなか向かう気はせず戻ることにする。

【分岐部へ】
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 南峰を下りてからは、さきの御鉢ルートは通らず、分岐部へ向かうルートで行く。
 ガスのなかぼんやりと見えている岩の右を通れば、分岐部へ着くはずなので、新雪のなか進んでいく。
 どこもかしこも雪だらけだったので、どこを通ってもよいので、最短距離で進んだら、稜線手前がちょっとした崖になっていたみたいで、そこらあたりが雪だまりになっており、腰まで埋まる雪のなかを強引に突破して、目標の岩場まで到達。

【分岐部】
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 岩場を越えると、目標の分岐部の標識が見えた。
 この標識、じつに役に立つと思う。

【すがもり越へ】
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 すがもり越へ下りるころ、ハーネス、ガチャもの、シュリンゲ等の重装備の先行者がいた。
 その人は安全なところに着くと、休止して登攀具を整理していた。
 追いついた私が見ると、その人の装備には、アックスまであったので、いったいどこから登って来たのだろうと不思議に思い、「こんにちは。どちらのルートで登ったのですか? もしかして三俣山には氷壁があるのでしょうか?」と尋ねたら、東方向から尾根をダイレクトに登ったとのことであった。アックスは用心のためなのだけど、三俣山も条件がよければ氷壁が出現するとのことで、その位置まで教えていただいた。貴重な情報有難うございます …私、登らんけど。

【三俣山】
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 すがもり越からは、同じルートを林道を通って下山。
 三俣山を眺めると、写真の中央の尾根に取り付いた足跡が見えた。
 先の人の登山ルートなのであろう。
 普段は落石の巣みたいなところだけど、雪と氷で斜面が安定する、冬のほんの一時期のみに許されたヴェテラン向けのルートなんだな。

【九重観光ホテル】
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 夕方から雪も降り、明日はもっと雪が九重には積もりそうである。
 それで長者原の九重観光ホテルに泊まり、明日も登山に行くことにした。
 長者原は温泉の宝庫。
 湯煙が盛大に噴いている。
 なにはともあれ、登山の疲れを温泉でいやすことにしよう。


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 【本日の三俣山登山ルート】
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朝霧の由布院 & 風のハルカ

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 由布院は、盆地のなかに大分川が流れており、また温泉の湧く金鱗湖もあることから、寒い朝には朝霧が立ち、それが盆地全体を覆ってしまう朝霧が発生することで知られている。
 その風景を最も立地よく見ることができるのが、由布岳への途中にある「狭霧台」であり観光名所になっている。

 高速道路を走っていると、別府ICから峠を越えたところで由布院盆地が見渡せるが、そこで朝霧に包まれている由布院が見えた。
 これはいい撮影対象だと思った。この風景の撮影ポイントとしては、まずは「狭霧台」であろうが、本日の目的地は三俣山であり、湯布院ICから降りて、方向が逆なのでほかのポイントを探す。

 朝霧に沈む由布院を撮るには、少し小高いところでないといけないので、すぐに「ハルカの丘」が思い浮かんだ。
 湯布院ICを出てすぐのところにハルカの丘の手前まで行ける道路があるので、その道に入ろうとしたら雪に埋もれていた。入っていける雰囲気ではなかったので、次の撮影ポイント「蛇原展望所」へと向かった。

【蛇原展望所】
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 ここで撮ったのが、冒頭の写真である。
 冠雪の由布岳をバックに、霧をまっとった由布院の風景が、じつに幽玄なたたずまいを見せている。

 この風景を見たことに満足して、長者原へと向かった。

 
 ところで、10年前にNHKの朝ドラマで「風のハルカ」という、由布院を舞台にしての青春劇があった。当然ながら由布院でロケをしていたので、さすがプロが撮った、由布院の名景色が次々に現れ、由布院の魅力を全国的に再認識させてドラマだったと思う。
 そのなかで、主人公のハルカが住む家が、由布院郊外の丘にあり、それが「ハルカの丘」。
 ここは由布岳と由布院盆地を一望に見渡せる良所であり、…しかし旅館とかはなく、10年たった今でも草地のままで開発されることなく、少々残念に思っているところである。
 持ち主(たぶん九州電力)の思惑もいろいろあるのだろうけど、ここは開発してもらいたいなあ、と個人的には思っている。

 10年前には、ここは観光地みたいになっており、そのロケ地を訪ねる人が多かった。

 その頃撮った写真を紹介。

【ハルカの家】
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 小高い丘「ハルカの丘」に建つ、風見鶏のあるこの家が「ハルカの家」。主人公一家の住まいである。

【由布院風景】
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 ハルカの丘からは、由布院全景を見渡すことができる。
 ドラマでは、この風景を前に、主人公の父親が、人生に疲れた憂いを乗せて、懸命にトランペットを吹いていた。

【ハルカの家(その2)】
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 ハルカの家は、じつはハリボテのようなもので、その内部はほとんどなく、家のなかの撮影は東京のスタジオでされていた。
 だから撮影の合間には、このような骨組みだけの姿になったり、ちゃんとした家らしい姿になったりしていて、変化の激しい家だったのだ。


 それにしても、もうあれから10年経ったのか。

 ハルカの家は今は跡形もないが、それでも、由布岳はあのときの姿のまま、あり続けている。

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 風のハルカ NHK公式ページ

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February 06, 2015

大雪の由布岳

【正面登山口より】
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 昨日の大雪の積もった大船山に引き続き、本日は由布岳登山。
 登山口から見る由布岳は山の多くが雪に覆われ、昨日に引き続き、雪山を楽しめそうだ。ただ問題は標高1500mあたりからガスに覆われていることだが、…登っているうちに晴れることを期待しよう。

【登山道】
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 登山口からしばらくは、林のなかの道。葉を落とした林に、陽光が射して、雪もきれいに輝いている。

【由布院】
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 高度が増してくれば由布院盆地も一望に望める。

【西峰障子戸】
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 マタエに着いたときは、ここから上はガスがかかっており、あまり眺めはよくない。
 とりあえず西峰へ目指す。最初の難所障子戸、雪をまとう姿は迫力ある。

【西峰へ】
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 西峰への岩稜の道。ときおり、ガスが晴れて眺めがよくなるも、それは一瞬で、結局ほとんどガスのなか山頂へ到着。

【西峰】
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 西峰に到着。展望のよくないところに長居してもしかたないので、東峰を目指して、御鉢巡りへと。

【御鉢巡り】
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 御鉢巡りの道は足跡があったが、やがて先行のグループに追いついた。お先にどうぞと言われ追い抜いたら、そこからは足跡がなく、ふかふかの新雪であった。今回の積雪で、ここから先は私が最初の通行者となる。
 膝下まで潜る新雪の道を、時にはシリセードを用いながら快調に下っていった。

【岩場】
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 ガスが晴れて、岩場が見える。東峰からの通行者もなかったようで、岩場もずっと新雪状態だ。

【岩場】
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 御鉢巡りの岩場は、雪のないときでもけっこう難しい道だけど、雪をどっさりまとうとさらに難所と化していた。雪が積もり過ぎて、どこが本ルートかも分かりにくい。岩間の雪を踏み抜かぬように慎重に歩を進めていき、ようやく最後の難所である、右の巻道となる崖まで到着。
 すると、…ぎょ、ぎょ。崖が雪に埋まっている。おかげで手がかり足がかりが全く分からない。ここを通るには雪のなかから支点を探しながら下りないといけないわけだが、それだと不安定な体勢から足でスタンスを探しながら下りることになる。それを安全に遂行するには、ずいぶんと技術がいりそうだ。私にそんな技術はないな、これは登攀具使わんと無理でしょ。

 というわけで私はいったん広い安全な場所に戻り、しばし休憩して、それからザックの中からシュリンゲその他を取り出そうとした。
 その時、さきほど追い抜いたグループが追いついてきた。この人たちがエキスパートなら、あの難所も楽に下りられるであろう。それなら私はその使った支点をたどればいいだけなので、ずいぶんと楽になる。冬の山は、先行者がいるかいないかで、難易度はぐっと変わるのだ。
 それで先頭の人に、「先に行かれますか?」と尋ねると、「いや、どうぞ先に行ってください。足跡があるのでとても助かっています。これまで通り、後をついていきます」とのことだったので、準備を整えて私は出発。
 先ほどの雪に埋もれた崖の岩場を、シュリンゲを岩角や木にひっかけて安全を確保してから足場を探していき、無事下りることができた。

【後続グループが下りてくるところ】
Kako

 下の道に下りたあと、「はいそれでは」と、さっさと行くわけにもいかないので、後続の四苦八苦しながら下りてくる先頭の人に、支点の指示をしながら、きちんと下りたところを確認したのち再スタート。
 ここからあと、剣ガ峰まではミヤマキリシマの灌木のなかの道なので、そんなに難所はないだろうと思っていたけど、全然違っていた。
 剣ヶ峰の手前は崖状になっていて、ここは灌木が乏しく、支点が見つけにくい長い難所となっていた。ここは登りだったからなんとかなったけど、東峰からの下りで使ったら、相当難儀しただろうと思った。その場合は、たぶんロープ出していたと思う。

【稜線】
15_2

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 剣ヶ峰までは、強引に身体を引き上げるようにして登り、なんとか稜線まで出た。
 稜線上も岩場の連続であり、難所が続く。とにかく雪を踏み抜かぬように用心し、進んでいった。

【東峰へ】
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 岩場のまわりに灌木が多くなり、ようやく東峰が見えてきた。

【東峰】
6

 なんとか東峰に到着。ハードな道のりであった。
 東峰に来れば安全地帯、というわけではなく、ここからの下りも一部凍っているところがあったりして、けっこう危ないので、マタエまで細心の注意で進んでいく。
 そしてマタエに着いて、ようやく一安心。

 まったくここまで雪の積もった由布岳は初めて経験した。
 冬季、九重から由布にかけての山域は、雪山初級者向けのコースばかりなのだが、由布岳ばかりは、雪がたくさん積むと、中級者越えの難路になると実感いたしました。

【由布岳】
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 由布岳の正面登山口側は南に面しているので、雪の溶けるのは早い。
 朝と比べるとそうとう溶けている。
 そして、由布岳のガスは晴れており、今頂上にいる人は良い景色を楽しめていることであろう。タイミングが悪かったなあ。

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