キエフクラシックバレエ団 宮崎公演
7月に宮崎を直撃した台風8号よりも、ずっと離れた海を通っているはずの台風11号は、しかし8号よりも遥かに激しい風雨をもたらし、8月9日土曜日は宮崎県内あらゆるところで避難勧告が出される、近年にない大規模な台風であった。
その台風が去った翌日、台風一過の青空のもと、宮崎市へバレエを見に行った。
会場は宮崎市民文化ホールであり、着いてみると、昨日の台風の傷跡が如実に残っていた。
…この日多くの観客が来るのが分かっているのだから、さっさと片付ければよいのに、と思わぬこともない。
バレエは、いま日本全国で公演を行っているキエフクラシックバレエ団。
キエフのバレエ団は国際的に一流の評価があり、こういうビッグネームが宮崎まで来てくれるのは有難いものだと思いつつ、…パンフレットを見ると、どうも我々が知っているキエフの国立バレエ団とは微妙に違うようであったが、いざ実演をみると、真っ当な素晴らしい技術を持ったプロ集団であった。
それなりの大箱のホールでの公演はほぼ満員であった。
地方でのバレエマニアは、バレエを習っている家族がけっこうな数を占めているのが常であり、観客もいかにもそのような人たちが多かった。特にバレエを習っていると思わしき少女たちは、立ち姿と歩く姿がまったく別物なんで目立っている。こういった背筋のピンと立った美しい姿勢と歩き方は幼いころから訓練しとかないと一生覚えられないとか言われているが、実物みるとよく分かる。
プロになるのは大変だろうけど、一生役立つ習い事として、バレエはたいへん良いものと思われる。
さて、キエフバレエ公演。
演目は、チャイコフスキーの三大バレエ「白鳥の湖」「くるみ割り人形」と「眠りの森の美女」のダイジェストというベタなもの。
ベタであるけど、バタであるがゆえに、どれも楽しいものであった。
「白鳥の湖」は、もっぱら群舞を主体にしたもの。この群舞は、スラブ系の人たちが踊るために造られたものなのだなあと実感できる、そういう舞台。ああいう整った顔の、手足が長い、スタイルのよい姿態の人たちが集団で踊って、はじめてあの白鳥たちの踊りの哀しみが伝わって来る。
「くるみ割り人形」と「眠りの森の美女」は、元々あらゆる踊りのオムニパス形式のバレエであり、そしてどれも楽しいものであった。
どちらも深く考えるところのない、「踊りって素晴らしい」ということを延々を見せてくれるバレエであり、それを美しい容姿のダンサーが卓越した技術で、目の前のステージで見せてくれるので、時が経つのも忘れて、ただただ見惚れることができる。
バレエはやっぱり素晴らしい。
とくに生で見るともっと素晴らしい。
宮崎に来てから、あんまりバレエ観に行く機会なかったけど、もう少し努力して観に行かねば、と改めて思った次第。
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