祝ミシュラン☆獲得@安春計
本年の九州料理界の最大のイベント、ミシュランガイド発表が7月10日にあり、九州の食い物好きの人たちからは、いったいどの店が、どの☆で選ばれるだろうかと、興味しんしんの話題となり、事前予報などがnet上に活発に流れていた。
その事前予報は、私なりには納得できるものではあったけど、発表の日を迎え、その店名を見ると、…地元の人たちの予想はかなり外れておりました。
それほどミシュランの選択は個性的であった。
ただ、この相当に偏った選択については、もちろんいろいろな意見はあるのだろうけど、「これぞミシュラン」という選び方ではあり、それはそれで頷けるものではあった。
ミシュランガイドは、あくまでもミシュランサイドのスタッフが美味いと判断した店を選ぶのであり、その基準については、選んだ店をみると、ミシュラン基準が確立していることは容易に理解できる。
まあ、地元民の感情的には、なかなか納得はいかんであろうけど。
それはともあれ、ミシュランの店選択で、寿司においてはその選択基準が江戸前鮨に偏っていることは分かっており、また事前漏れてきたスタッフの評から、「安春計」は選ばれるとは予想できていたけど、やはり☆に選ばれていた。
そして、その後の初の安春計訪問。
安春計店主は、「ミシュランなんて…」とか一番言いそうなタイプではあるけど、それはさておきお祭り大好きな人なのであって、九州料理界の久々お祭り、ミシュランの発表会にもしっかり参加されて、おおいに堪能され、ミシュランのコップもGETしてました。
ミシュランの☆づけに関しては、やはり各店ごとにいろいろと意見があるようで、ミシュランの☆を獲得した寿司店店主たちが、発表会の宴会後の二次会で、某寿司店になだれこみ、喧々諤々の意見を交わしあったそうで、…なんかとても楽しそう。
福岡の寿司店店主たちは互いの距離が近いのがいいですね。
ミシュランはともかくとして、安春計、相変わらずとてもいいです。
夏定番の鮎の一夜干しは絶品ですし、造り、鮑、ウニのモロキュウ、それに鮨の数々。
全て満足。
今の時期の季節を告げる鮨タネは、やはりシンコ。
しかしもちろんコハダも美味しいのであり、それぞれの個性をより分かりやすくするため、これらが同時に出てきます。
安春計のスペシャリテ。
いい鮪の中トロが入ってきたときの定番。
安春計のシャリには、やはりこの中トロが一番合う、とも思う。
香り、味わい、食感、全てが見事。
ところで今回は店主が店の賄い料理を披露。
店主は賄いは、店員(って、奥さん一人なんですが)を慰労するためのものだから、これも全力投球のものでないといけないとの信念で、絶対に手抜きはせずに、自身の満足いく美味しいものをつくるそうである。
その賄い料理が、たまたま余っているとのことだったので、是非にと所望。
で、出てきたのが、イカの印籠寿司。
これって、本格的な江戸前寿司で、いわゆる賄い料理とは違いますよねえ。
このへんが、店主の意外な真面目さを示しているところですか。
そして食すれば、大変美味でありました。これは定番の料理にしてもらいたいところである。
「10年通っているけど、これ食べたのは初めてです。こんな料理を隠していたとは」と店主に言ったら、「10年どころじゃないでしょ」と突っ込まれた。
頭のなかで計算したら、たしかにそうであった。
月日の経つのは早いなあ~。
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Comments
安春計には行ってみたいと思っていたので興味深く読ませて頂きました
Posted by: yuri | August 11, 2014 12:34 AM
安春計、寿司屋の原点のようであり、思いっきり外れたところもあり、とてもユニークな店です。寿司が好きな人は、…というより美味しい和食が好きな人はこの店を知らないと人生損します、とまで言える名店であります。
春夏秋冬、いつでも美味しいですので、福岡に行く機会のあるときには是非寄っていただきたいです。
Posted by: 湯平 | August 11, 2014 11:13 PM
楽しく拝見しております。
安春計さんはもっと☆を貰っても良かったかと・・・。
一方でノミネートをお断りしたお店もあるとのことで・・・。
面白かったのは久留米のお寿司屋さんが複数選出されていたこと。
フランスのタイヤ屋さんが
ブリヂストンの本拠地(久留米)に乗り込んだということで、
クスッと笑ってしまいました。
Posted by: ひろし | August 13, 2014 04:14 PM
福岡ミシュランガイド本は、店の選択を見ると、いろいろなものが見えてきて面白いです。本年発刊された本ではいい意味でも悪い意味でも最も興味深い本なのではと思ったりします。
本を読んでいいと思ったところ。
九州では、福岡のみならず他の県でも勉強熱心な若手の寿司屋の台頭が盛んでありまして、とても面白い状況になっておりますが、そのトップランナーたちの集団である福岡の若い寿司店店主たちを高く評価しているのは、今後の食文化の向上を考えると、大変意義深いことと思います。
まあ、そのぶんヴェテラン職人の星が引き下げられた感があるのはなんですが。
安春計さんはやっぱり星一つじゃ、おかしいですよねえ。
そして、そのヴェテランでは、私としては「もり田」が選ばれていなかったのは個人的に残念でした。九州の食の文化財のような店なのに…
Posted by: 湯平 | August 14, 2014 09:31 PM
>九州では、福岡のみならず他の県でも勉強熱心な若手の寿司屋の台頭が盛んでありまして
そうですね!。
私は大分「月の木」さん、佐賀「多門」さんのファンです。
福岡市内の若手職人さんのお店で私の好きなお店が選ばれたのは嬉しかったです。
>そのぶんヴェテラン職人の星が引き下げられた感があるのはなんですが。
安春計さんはやっぱり星一つじゃ、おかしいですよねえ。
確かにその感は強いです。
>「もり田」が選ばれていなかったのは個人的に残念でした。九州の食の文化財のような店なのに…
確かにそうです。森田さんの修行されたお店も含め・・・。
福岡なら「おさむ」さんもそうです。
もしかしたら辞退されたかも知れません。
Posted by: ひろし | August 15, 2014 01:45 PM