ミュージカル:キャッツ
福岡キャナルシティでの劇団四季のキャッツを見てきた。
簡単なあらすじ。
一年に一度、美しい満月が輝く夜、あるゴミ捨て場でたくさんの猫たちが集まり宴会を開く。その宴では、一匹の猫が選ばれて、「天上に昇って新たな生命を得る」という報酬を受ける。
そこで個性豊かな猫たちが、歌って、踊って、様々な芸を見せて、自己紹介をする。タップダンスあり、ロックスターパフォーマンスあり、鉄道芸あり、劇中劇あり、どれも見事なものだ。どの猫が選ばれてもおかしくはないレベルの芸が続くなか、「誰よりも賢い猫」ミストフェリーズが圧倒的なダンスとマジックショーを見せ、観客も盛り上がり、この猫が選ばれるであろうという雰囲気になる。
そこへ老娼婦猫グリザベラが現れる。彼女は皆から忌み嫌われ、他の猫の傍によることさえ拒絶されるほどの存在だったのだが、舞台にあがり、「memory」を歌いだすと、皆その美声と表現力に呆然とし、歌い終えると、皆手のひらを返して歓喜で彼女を迎え、そうしてグリザベラが「選ばれた猫」となり、天上への階段を上って行く。
まさに「芸は身を助く」という諺の実践例である。
このグリザベラの登場から歌唱、昇天までは、そうとうにベタな筋であり、…ここで泣いてたまるかとか思っても、ぜったいに感動して涙が出てしまう。
まあキャッツという劇の核心は「memory」のところにあるわけだから、演出側もここに一番力を入れ、歌手も一番歌唱力のある人を使うのだろうが、やはり「memory」は泣ける。
キャッツは美味しいところは全部グリザベラが持っていってしまっているけど、それでもたくさんの猫たちの歌唱とダンスもまた見事なものなのであり、舞台のどのシーンも見ていて楽しいものであった。各猫のダンスをそれぞれもっと集中して見たかったと思うし、キャッツが通い詰めるリピーターの多い劇というのもよく理解できた。
【memory】
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