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April 04, 2014

和食:祇園にしかわ@京都市

 高台寺の近くにある和食店「祇園にしかわ」は、京都駅からの公共交通機関の使い方が難しい。
 とりあえずは東山駅を使い、京都有数の観光名所東山界隈を通りぬけて店へと行くことにした。

【円山公園 祇園枝垂桜】
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 京都の枝垂桜のスーパースター「祇園枝垂桜」。
 花の時期は常に観光客で一杯である。
 この桜の真価は、ライトアップされた夜桜の姿にあり、一度みればその幽玄さに心を奪われること必定という、異様なまでの美しさをもつ。
 今回は、残念ながら夕暮れの姿のみでパス。

【祇園にしかわ】
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 「祇園にしかわ」は、京都らしい打ち水をされた路地の奥にある。
宿であれ、料理店であれ、この小路をくぐれば、楽しいことを経験できる、そういう期待感がもりあがる、古都ならではの演出。

【造り】
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 料理はたくさん出てきて、そのなかで特に印象的なものを写真で紹介。
 造りは、唐墨をまぶした鯛、ポン酢とのれそれ、鮑と赤貝を煮切りで、ショウガ醤油と鮪トロ、車海老、帆立等々、いずれも適度に味付けをなされた海の幸が並ぶ。
 この海の幸の美しさもよいが、それぞれ個性的な器もまた素晴らしい。

【八寸】
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 八寸は、モロコと鰯の焼きもの、白海老の掻き揚げ、鯖寿司、筍の木の芽和え等、旬の素材が並ぶ。
 見た目にも美しく、八寸全体で、この店ならでは春の演出をしている。

【椀物】
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 椀物は甘鯛と青豌豆豆腐。
 出汁は京風に、澄みきったもの。

【焼き物】
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 サヨリに雲丹を塗ってねじり焼きにしたものと、鯛の味噌焼きと木の芽。それに空豆。
 豊かな味に、鮮やかな色で、個性の強い料理。

【焼き物】
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 焼物もう一つは、ホタルイカとコノコの石釜焼き。
 ホタルイカもコノコも濃厚な味の食材であるが、これは典型的な足し算の料理で、互いの魅力をうまく引き立てあっている。

【蒸し物】
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 蒸し物は、塩釜蒸し。
 ずいぶんと手間のかかる料理なのであるが、中はいたってシンプルな筍とワカメの蒸し物。シンプルだけあって、純粋な香りと、旨みの凝集した味を楽しむことができる。

【御飯】
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 〆は鯛茶漬け。
 御飯もお茶も鯛もすべてよし。


 「祇園にしかわ」の料理は、全体的に華やかで優美で、いわゆる分かりやすい京都料理だと思う。気合いを入れて、「ご馳走を食うぞ」と勇んで来たりしたとき、その期待に存分に応える料理で、満足感が高い。
 私は近頃京都市内の料理店は、「緒方」と「桜田」を使っていたけど、あの手の京料理は繊細かつ尖鋭的すぎて、時に禅問答のような料理にも感じられ、それでかえって今回の「祇園にしむら」の料理は新鮮に感じられた。


 …しかしながら京都の和食店でよく思うのだが、こういう中規模の店はどこでも、造り、椀物、焼物、揚物等々、それぞれに担当スタッフ+チームがいて、コース料理をつくっている。つまり相当の腕を持つ人達が多数集まらないとできない料理なわけであり、それにはかなりの人件費がかかるはずだが、ならばどうやってこの値段で料理が出せるのであろう? 素材と人件費を考えると、ありえない値段なんだが。
 京都の和食は美味さとともに、そのコストパフォーマンスの良さも有名であるけど、コストパフォーマンスの良さの理由を推理するに、それは人件費をよほど……、いやこういう考察はやめておこう。


 ところで、今回の食事ではカウンターの隣はオーストラリア出身の青年であった。シドニーの大学で日本美術史を学び、卒業したので就職前にバイトをしながら日本を旅しているそうだ。日本の食事にもおおいに興味があり、今日は昼は滋賀の「徳山鮓」で熊鍋を食い、夕食は京都市の割烹に来たという、日本人でもそうはいない、というか滅多にいないレベルの食通である。
 当然日本語も上手であり、料理のこともよく知っていたが、知らない素材についていろいろと質問があった。その一つに「のれそれ」があり、「穴子の仔魚」と言っても分からんだろうなと思い、「レプトケファルス オブ コンガー」と言ったら、よけい分からないようであった。ともかく「穴子のベリーヤングなやつ」と説明し、なんとか通じた気配だったが、今思うに普通に「穴子のベイビーフィッシュ」くらいに説明すればよかったな、と少し反省。
 これだけ日本の食を楽しんでいるのだから、さぞかしオーストラリアでも食の情報を知っているのだろうなと思い、オーストラリアのお勧めの店などを尋ねたけど、自国の料理については辛辣な意見だったのは、…まあ意外でもないか。
 食事を終え、会話が終わったのちは、互いにgood-byeで、私には「ユニークな外人さんと京都で会った」という記憶のみ残るところだが、今はFacebookというものがあるので、そこはかとはなしにまだつながりがあるのが、現代文明の面白さでもある。

【八坂の塔】
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 食事を終えたのちは、まだ寺院のライトアップの時間に間にあう。それで、清水寺へと行くことにした。
 二年坂へ向かうその途中、八坂の五重の塔がライトアップされている。塔の手前には、桜が一本、花々が照らされている。
 この時期、京都はどこを歩いても、夢幻的な風景を楽しむことができる。

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