徳記潮州菜館@香港西環
香港3日目の夕食は西環の「徳記潮州菜館」にて。
香港というところは地下鉄が縦横に張り巡らされていて、たいていのところは地下鉄の駅から徒歩圏内にあるのであるが、西環には地下鉄駅がないので、上環駅から何らかの交通手段を使う必要がある。
とりあえず上環駅まで行って地上に出ると、駅前に路面電車(トラム)が走っていた。路線図を見ると店の近くまで行くようなので、これを利用。香港は公共交通機関が発達していて、便利である。また殆どの交通機関は共通のプリペイドカード(オクトパスカード)が使えるので、小銭を持ち歩く必要もなく、これもまた便利だ。さすが、国際観光都市。
徳記潮州菜館は潮州料理の店である。
潮州料理というのは福建省の海沿いの地域の郷土料理である。新鮮な魚が手に入ることから、それらを使った蒸し料理や煮物がメインで、店頭に並んだ食材を客が選んで、それを客の好みに料理させるのが代表的形式だそう。
潮州料理は基本的にはアラカルトで頼むのがいいようであるが、今回我々は選択する時間があまりなかったことから、コース料理を選んでみた。
8人前で、計1488香港ドル(約2万円)。これなら店の名物がそれなりに網羅されているであろう。
前菜は、イカや海老、蟹、白身魚のすり身を揚げたもの。それに野菜サラダに、中国クラゲ。
この時点でコース料理にしたことの失敗を悟る。
これは量多すぎ。そしてこのあと、7品も来る。
この量は、普段でも多すぎと思うに違いないのに、我々は2時間半前に龍景軒でけっこう食っており、いくら胃袋の強い人たちの集団とはいえ、完食は無理であろう。
…もっとも、その状況でも最後まで完食を目指した者が、約一名いたことはきちんと書いておこう。
豚肉は八角と中華スパイスで香りつけされ、漢方薬っぽい、いかにも中国の下町的な香りがあった。
中華料理では、清蒸魚はいろいろなヴァリエーションがあるようで、これは潮州料理的な調理が為された清蒸魚だったようだ。どちらかといえばあっさり目の味付けである。
魚はハタで、新鮮なたいへん質のよいもの。
場末っぽい雰囲気の店であったが、高級食材も使っており、フカヒレスープがコースに入っていた。
魚の浮き袋の干物、海老、貝、サヤインゲン、コーン等の炒め物の餡かけ。
浮き袋の食感が面白い。味付けの処理も丁寧である。
アワビと中国野菜の炒め物に、濃厚な味の餡をかけたもの。
この料理も高級食材を使ったものである。
このあと、鶏料理が出る予定であったが、8時からのガラコンサートの時間が迫って来たので、テイクアウトにした。
慌ただしい食事だったゆえ、どうも印象が散漫になっているのだが、どれも個性的で面白い料理であった。
次回来るならば、潮州料理風に食材を選ぶところから始めたいものだ。
この店はコストパフォーマンスの良いこともあり、地元民に人気のある店のようで、我午後6時を過ぎる頃から店は満席となり、外にもずらりと行列ができていた。
地元民に愛され、そして時にマニアックな観光客も来る、そういう店であった。
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