謎の九龍駅
香港最終日は尖沙咀で12時から昼食、その後に15 :15分発の飛行機に乗って帰国するという慌ただしい日程。ギリギリの日程ゆえ、出国の手続きに手間取ると飛行機に乗れない可能性もあるので、時間節約のために市内で飛行機のチェックインをすることにする。
香港では飛行場への特急が停車する駅の、香港駅と九龍駅でチェックインが出来るので、ホテルに近い九龍駅で行うことにした。
地図でみると、尖沙咀のホテルから九龍駅までは歩いて15分くらいの距離なので、散歩がてら歩いていってみた。
九龍駅は香港の駅のなかでも重要な駅なので、その規模も大きい。
ショッピングモールや高層ビル、高層マンションを一体化させた巨大施設であり、遠目にもとても目立つ。この施設のどこからか入れば、九龍駅には容易にはたどり着けるはずである。
建築群の東~南側は工事の最中であり、どうにも歩きにくい。
そして駅施設の一部であるエレメンツが見えてきて、ここから入れば駅に行けるだろう。
標識もこの方向に行けば九龍駅となっているが、玄関から入るのか、さらに右に進むのか分かりにくい。
そしてエレメンツ入り口であるが、これほどの規模の駅の玄関にしては、人の行き来が全くなく、玄関として機能しているかどうか不安になってしまった。
とりあえず中に入ってみたら、スケートリンクのようなものがあり、その奥をさらに進むと「To CINEMA」という標識があった。なるほど映画上映前の時間だったから、こんなに人がいないのか、とそれには納得。しかし映画館というのは行き止まりの形態になっているから、この道は間違いだと判断。
いったん、外に出て、先の標識に従い、右方向に歩くことにした。
しかしいかに歩きに歩けども、九龍駅どころか付属の施設の入り口さえ見つからない。九龍駅は地下鉄もあるので、地下鉄入口くらいはどこかにあるだろうと思ったが、それもない。
そのまま歩くうち、この巨大施設の周囲を4分の3周ほど歩いたところで九龍駅本体を発見。
だがここは車の入り口なのであって、人間が歩いて入れるようにはなっていなかった。
まったくもっていったいどこに入り口があるのだろう?
施設は目の前にはっきりと見えているのに、入り口がなく、そこにたどりつけない不条理さ。ついついカフカの小説「城」を思い出してしまったわい。
そのまま歩くうち、元のエレメンツの入り口まで行ってしまって、全周制覇となる。これで、この駅にはまともな入り口がないことは分かった。
そうなると、さっきの九龍駅車の入り口しか九龍駅に入る手段はないわけで、しょうがないのでそこに戻り、走行する車に注意しながら車線を渡って行き、なんとか九龍駅に入ることができた。
そして九龍駅でチェックインを済ませたのち、内部からまともな出入り口を探そうと努力した結果、じつは一回入ったエレメンツの玄関がそれであったことが判明。
図で言えば、色付きの施設が九龍駅およびその周辺施設なのであるが、驚くべきことにこれほどの巨大な施設なのに、地上においてはまともな入り口は一つしかなかった。
総体で、一日数万規模の人が利用し、住み、働いている巨大施設なのに、いったいどういうことなのだろう。
大部分の人は地下鉄や車を利用して移動しているのだろうか?
しかし、人間にとって歩行は重要な移動手段であり、そして香港の他の駅では人は地上をぞろぞろとたくさん歩いて駅に出入りしており、この施設だけ特別にする意味がよく分からない。
ただ、九龍駅周囲は、人はほとんど歩いていなかったので、(どの写真にも人が写っていないことで分かると思うが)、この駅に歩いてやってくる人はマレというのは間違いなく、なにか意味があることは確かではあろう。
歩いて入るのが困難な駅、九龍駅。
私にとってはまったく謎の施設であった。
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