大雪の九州:登山口までたどり着くからして大変であった。
2月になって頻繁に来襲している大寒波は、月曜に引き続き、木曜から金曜にかけても九州に大雪を降らせ、各地で記録的な積雪が報告されている。
2011年冬の大雪のとき、地球温暖化の進む時代、これほどの雪山はもう九州では経験できないだろうと、せっせと毎週山に登ったものだが、それから3年後、あのときよりも更に大量の雪が降ることとなり、…地球温暖化って本当なんだろうか、とも思ってしまう。
金曜には、大雪による大規模な停電、道路規制、JRの運行停止等が伝えられ、今度の週末は普通ならば家でおとなしくしておくべきなのだろうが、世の中には雪が降るとテンションの上がる人間もごくごく一部おり、私もそのなかの一員なので、山へGo!という気分になった。
ただし、山に登るにしても、それなりに標高のある山は、登山口まで行くことからして大変そうである。
祖母傾大崩山系は道路が貧弱なので、しばらくは交通止めになっているだろうから、登山口の近くにさえたどり着くのも無理だろう。
ならば幹線道路沿いに登山口を持つ、九重山系が狙い目となる。
それで、土曜は久住山に登り、下山後は長者原で一泊し、翌日は大船山という計画を立てた。
宮崎からだと、牧ノ戸までは別府から県道11号線を使うのが一番便利である。問題は11号線が通行止めになっていないかだが、ライブカメラで確認すると、車が一台走っていたので、どうやら通行止めになっていないようだったので行ってみた。
ありゃありゃ。
全面通行止めになっている。
除雪車は入ってるようなんだけど、それでも除雪が追いつかないのか。
県道11号線が使えないとなると、次は大分道だが、残念ながら別府から湯布院方向は通行止めである。
とりあえず大分道は佐伯方向へは生きていたので、これを使って、中九州道→竹田→瀬の本という大周りしか選択はなかった。
臼杵ICで降りて中九州道を使い、竹田市へと入った。
国道57号線から国道442号線に入る。このあたりは、雪は積もっているけれど除雪はされている。
雪がどんどん増えて来た。このあたり、交通量は多いので、轍はできている。
そのまま進み、国道412号線へと入った。
このあたりになると除雪車は入っていないので、フルの雪道である。
この道は交通量が少ないせいか、一車線分しか車は走っていなく、片側通行みたいになっていた。
向かいからは、JPの赤い軽が。
この大雪のなか、お仕事お疲れ様です。
ずっと、一車線状態で雪道を進んでいく。
見晴らしのいいところで、九重が見えた。
天気はいいのだが、山には雲がかかっている。雲は間違いなく雪雲であろう。
…これは登山には、条件厳しそうだ。
さらに進んでいき、669号線に入り、久住高原を目指す。
この道、なぜか轍が3本しかない。
九重が見えるが、…やっぱり天気悪そう。
雪道を進むうち、風の通り道となって、地吹雪みたいになっているところに出くわした。
路面を見ると、風で運ばれてくる雪で、轍が消えかかっている。
轍についてはいいとして、問題はこの道の地形だ。ここから道路は下りになっており、ちょうど一番風の通るところが窪地になっていて、かなり雪が吹きだまっているようである。
そこで雪の高さが相当なものであったら、車のタイヤが埋まることになり、スタックしそうである。いくら四駆車とはいえ、前後輪スタックすると、仰向けの亀さん状態になって、進退きわまってしまい、極寒の世界で身動きとれなくなってしまう。
まあ目の前にガンジーファームが見えてるから、遭難騒ぎにはならないだろうが、無理は禁物である。
それでとりあえず、車をわきに止め、歩いて積雪の状態を調べようとした。
車を止め外に出たところ、後ろから車が来て、そのまま進んでいき、あっさりと危険ゾーンを越えて行った。
ならば、と私も車に乗り込み、なんなく進んでいくことができた。
ガンジーファーム、この気候のなか、駐車場の除雪も済ませ、営業中であった。
客、来るのかねえ…。
雪道を進むと、工事箇所が。
こういう交互通行の信号、道全体が一車線状態となっているなかでは、無意味のような気もするが、運転者はルール遵守である。
信号が青になってからGo.
久住高原ロードパークの入り口。
これが通行可なら話は早いが、案の定通行止めであった。
乗馬牧場の横を通る。
馬たちはみんな同じ方向を向いている。
これは風を避けるためで、馬はみなお尻を風上に向けているのだ。
やっと国道442号線が見えて来た。
…竹田からはそのまま442号線を使えば楽だっただろうに、という説もあるだろうが、ようは運転手の趣味の問題である。
幹線道路の442号線といえど、状況はハードである。
このような雪道が続く。それでも、観光バスと何台もすれ違った。
こんな日でも観光客はいるのである。
やがて瀬の本高原が見えて来た。
天気よければ、雪の阿蘇が見えるはずなのだが。
ようやく、県道11号線に入る瀬の本交差点へと。
赤い三角屋根が特徴の、三愛レストハウスが見える。
ありがたいことに、11号線は瀬の本側からだと、交通止めにはなっていなかった。
しばし進むと、停車中の車の列が。
これは事故ではなく、チェーンを装着中であった。
…いったいここまでどうやって来たのだろう?
九重スキー場への分岐のところ。
今日は極上のパウダースノウが楽しめそうだけど、客は少ないだろうな。
11号線は除雪車が大活躍していたらしく、今までの道を比べ、雪は少なめであった。
そうして、ようやく牧ノ戸へと到着。
こんな天候の日に誰がこんなところに来るのだろうと思うだろうけど、それでも駐車場は下のところが満車になっていた。
車から外に出ると、雪は降っているし、風は強いと条件は悪い。そして50m上ほどの高さはすでに雲のなかであり、これは厳しい登山になりそうだ。
そしてここまで来るのに時間がかかり過ぎ、登山スタートは午後12時半である。雪山登山ではありえない時刻だ。
それで、とりあえずは午後2時までに行けるとこまで行き、午後2時になったら必ず引き返すこととし、フル装備でスタートした。
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Comments
雪山を満喫されているようですね!!
羨ましいです。
私も、阿蘇方面からこのルートを逆走でしたが日曜日の段階ではかなり雪が消失しています。
それでも、ミニバンに普通タイヤの走行はスリルがありました。チェーンの準備は毎回しているんですが、使うか使わないか判断にいつも困ります。
それにしても、牧ノ戸駐車場が満車になっているなんて、どれだけモノ好きがいるのか分かりますね(笑)。雪山は本当に最高のアトラクションだと思います!
Posted by: Take | February 19, 2014 07:48 AM
今年は九州は雪が多いので、いろいろと楽しませております。
咋シーズンは雪が少なく、毎年冬に履き替えているスタッドレスタイヤの出番がほとんどなかったのですが、今年は大活躍です。
雪山はやっぱり素晴らしいです。
16日の日曜などは、久住はオンシーズンなみの賑わいでして、九州の雪山好きの人の多さにあらためて感心しました。
雪山って、一回経験するとはまってしまうんですよね。
Posted by: 湯平 | February 19, 2014 07:04 PM